OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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「お前、それ食ったら帰れよい」
しゅるしゅると器用な手つきでりんごを剥いていたアンの手が、その言葉で不意に止まった。
少し体をずらして居間のほうに顔を向ければ、先の言葉を放った当のマルコはテレビに視線を合わせたままである。
「なんで?」
思うままにそう口に出せば、眉根を寄せた眠そうな顔が面倒くさそうにアンのほうを振り向いた。
面倒くさそうというより、呆れを含んだような顔。
「・・・なんでっておめぇ・・・」
その言葉の続きは、ストンっとリンゴが真っ二つになる小気味いい音によって遮られた。
さらにすとっ、すとっ、と包丁が落ちて、皿に乗せられたりんごがアンの手によって居間に運ばれてくる。
遮られた言葉を続ける気にもならなかったマルコはそのまま口を閉ざした。
「・・・めーわく?」
「は?」
てらてらと瑞々しく光るりんごの先を口にくわえて、フォークに刺したリンゴをマルコに差し出したアンの目は、ゆらゆらと不安に揺れている。
マルコは既に慣れてきたため息を吐き出して、それを受け取った。
「迷惑だったらこんなこと頼むかよい。むしろ助かった、ってさっきも言ったろい」
口に突っ込んだそれを噛めばしゃくっと大きく音がして、じゅわりと果汁が染み出した。
アンはその答えに、じゃあなんで、と問いかけようとしたが口を開いただけで何も言わず、しばらく逡巡するように俯いていたが、迷惑じゃないならいっか、と答えが出たらしく明るい顔をあげた。
手に取るように感情のわかる娘だ、とマルコはこっそり喉で笑う。
テレビの雑音と、しゃくしゃくとふたりぶんりんごを咀嚼する音だけが響く。
会話がなくても不思議と気まずさは微塵もなかった。
むしろ心地いいとさえ思えた。
「あ、ねえ」
「あ?」
「あれ、仕事机?雑誌が、いっぱいのあれ」
そう言ってアンが指差すのは二人が座る部屋の中心から少し離れたところ、本棚と並んで壁にくっついているデスク。
「あぁ、」
「なに?しごと」
「・・・ライター」
「ライター?」
「阿呆。そのライターじゃねぇよい」
物書きだ、とアンの手からマルコが常備しているライターを取り上げてそう言えば、アンはそれでも首をかしげた。
「・・・オレァ自由契約だから好きなもんを書く。専門誌の時もあれば、普通のカタログやら週刊誌やらも書く。そんだけ」
「へえ・・・」
りんごを口に突っ込んだままやたら感心するアンに、何がそんなにすげぇんだと聞いてみたら、口の中のりんごを飲み込んだアンは事もなげに笑顔付きで答えた。
「自分の好きなこと仕事にしてんのって、いいなあって、思って」
書くの好きなんだ?とアンはにかりと笑って見せた。
軽く目を見開いたままマルコがひとつ瞬いても、その様子に気づきもせずアンはまたりんごにフォークを突き立てる。
さすがに視線を感じたアンがマルコを見返して、なに?と尋ねるが、マルコはいや、と軽く首を振った。
「・・・確かに、好きだよい」
微かに口の端が上がって、ふっと息の音が聞こえる。
ああこういう笑い方もするんだ、と思うと急に顔が熱くなった。
→
しゅるしゅると器用な手つきでりんごを剥いていたアンの手が、その言葉で不意に止まった。
少し体をずらして居間のほうに顔を向ければ、先の言葉を放った当のマルコはテレビに視線を合わせたままである。
「なんで?」
思うままにそう口に出せば、眉根を寄せた眠そうな顔が面倒くさそうにアンのほうを振り向いた。
面倒くさそうというより、呆れを含んだような顔。
「・・・なんでっておめぇ・・・」
その言葉の続きは、ストンっとリンゴが真っ二つになる小気味いい音によって遮られた。
さらにすとっ、すとっ、と包丁が落ちて、皿に乗せられたりんごがアンの手によって居間に運ばれてくる。
遮られた言葉を続ける気にもならなかったマルコはそのまま口を閉ざした。
「・・・めーわく?」
「は?」
てらてらと瑞々しく光るりんごの先を口にくわえて、フォークに刺したリンゴをマルコに差し出したアンの目は、ゆらゆらと不安に揺れている。
マルコは既に慣れてきたため息を吐き出して、それを受け取った。
「迷惑だったらこんなこと頼むかよい。むしろ助かった、ってさっきも言ったろい」
口に突っ込んだそれを噛めばしゃくっと大きく音がして、じゅわりと果汁が染み出した。
アンはその答えに、じゃあなんで、と問いかけようとしたが口を開いただけで何も言わず、しばらく逡巡するように俯いていたが、迷惑じゃないならいっか、と答えが出たらしく明るい顔をあげた。
手に取るように感情のわかる娘だ、とマルコはこっそり喉で笑う。
テレビの雑音と、しゃくしゃくとふたりぶんりんごを咀嚼する音だけが響く。
会話がなくても不思議と気まずさは微塵もなかった。
むしろ心地いいとさえ思えた。
「あ、ねえ」
「あ?」
「あれ、仕事机?雑誌が、いっぱいのあれ」
そう言ってアンが指差すのは二人が座る部屋の中心から少し離れたところ、本棚と並んで壁にくっついているデスク。
「あぁ、」
「なに?しごと」
「・・・ライター」
「ライター?」
「阿呆。そのライターじゃねぇよい」
物書きだ、とアンの手からマルコが常備しているライターを取り上げてそう言えば、アンはそれでも首をかしげた。
「・・・オレァ自由契約だから好きなもんを書く。専門誌の時もあれば、普通のカタログやら週刊誌やらも書く。そんだけ」
「へえ・・・」
りんごを口に突っ込んだままやたら感心するアンに、何がそんなにすげぇんだと聞いてみたら、口の中のりんごを飲み込んだアンは事もなげに笑顔付きで答えた。
「自分の好きなこと仕事にしてんのって、いいなあって、思って」
書くの好きなんだ?とアンはにかりと笑って見せた。
軽く目を見開いたままマルコがひとつ瞬いても、その様子に気づきもせずアンはまたりんごにフォークを突き立てる。
さすがに視線を感じたアンがマルコを見返して、なに?と尋ねるが、マルコはいや、と軽く首を振った。
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麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。
@kmtn_05 からのツイート
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一声いただければ喜んで遊びに行きます。
足りん
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