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OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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コンクリートの床につまさきを数回ぶつけて、はみ出した踵をスニーカーの中に収める。
その動作を家のドアを開けながらすれば、左側から聞きなれない声が届いた。



「・・・から、しょうがねぇじゃん。いねぇんだもん、ったく・・・お、」



隣人の家の扉に背中を預けて携帯片手に喋っている男は、思わずまじまじと男の姿を眺めまわしてしまったアンに気づいて小さな声を上げた。


「あぁ、んじゃまた連絡する。・・・うっせ、じゃな」


指先が小さく動いて通話を切ったような動作をすると、男は背中をもたれさせたままアンのほうを振り向きにかりと笑った。
前にせりだしていたリーゼントもそれと同時にアンのほうを振り向く。



「どーもこんにちは」

「・・・あ、こんにちは・・・誰?」

「お宅のお隣さんの仕事仲間」

「マルコの?マルコならもうちょっと前に出てったよ」



男の顔よりリーゼントのほうが気になって、リーゼントと会話するようにそう言えば、男は一瞬だけ眉根を寄せた。


「お嬢ちゃんマルコと仲いいの?」

「え?仲いいってか、おとなりだし」

「でもマルコって呼んでるし、外出してるのもしってんだ?」

「だってマルコがそう呼べって・・・それに外出したのは音で分かった」


うち壁薄いから、と淡々と問いに答えれば、男は成程と納得したように頷いてからまたにかりと笑った。



「オレサッチってんだよ!ずりぃな、マルコの奴こんな若い子とお隣さん!」

「・・・あ、あたしアン。ポートガス・D・アン」


つられて自己紹介すれば、サッチはますます上機嫌に顔を緩めた。


「な、アンちゃんどこ行くの?今から出かけるんだろ?」

「うん、スーパー行く。買い物」

「じゃ、おにーさん荷物持ちしちゃう」


えっ、とその顔を見上げれば、愛想のいい笑顔がにかにかと光っている。

「いいよ、だってマルコに用事だったんでしょ」

「それがあのパイナップル野郎人のこと時間指定で呼んだくせにその時間に留守してやがる。暇だからいいってことよ」


そう言うや否やぱっと手を取られて、さっ行きましょ行きましょと促される。
マルコの友達?みたいだし、いい人そうだし、と得意の勘で判断したアンは、じゃあよろしくと口を開いたのだった。
内心お兄さんという言葉に突っかかりを感じたのは口にはしなかったが。

















「アンちゃんは学生?いくつ?」

「働いてる、そこのなんとかっていう会社で。21」


自分の会社の名前くらい覚えようぜ、とサッチにからからと笑われてから、アンもサッチに同じような問いを返す。
それによればサッチは、マルコが書く記事が載る雑誌の編集をしているらしい。

「あいつぁ自由契約だから好きなとこと手ぇ結んでんだけど、オレんとことはなんだかんだ言ってずっと付き合ってるわけよ」

「ふーん、忙しい?」

「まあねー、でも可愛いOLとデートする時間くらいあるんだぜ?」


サッチの軽口はへぇ、とかふうん、とかいうように適当に流せばいいとなんとなくわかってきたアンは、例に漏れずふうんと相槌を打った。



「・・・確かに、マルコもそういう時間、あるみたいだし」




口から転がるように出たそれに、隣を歩くサッチがへ?と首をかしげた。



「マルコの奴、アンちゃんとデートまでしてんのか」

「はぁっ!?違う違う!あたしじゃないよ!」

「じゃぁあいつに女いるって?」

「・・・知らない」



自分から言い出したくせに口をつぐんでしまったアンを見下ろして、サッチはぽりぽりと後頭部を掻く。
とりあえずなんだか面白そうだという勘だけは働いた。






「じゃさ、アンちゃんは?彼氏いんの?」

「いない。弟がひとり」


彼氏いないけど弟がいるってどんな紹介だ、と思いつつ、サッチはとりあえずへぇと相槌を打つ。


「弟は?あそこで一緒に暮らしてんの?」

「弟は、…弟はやりたいことしにいった。ルフィには夢があるから」


足元を見つめたままのアンのつむじを見下ろして、サッチはそこにぽんと手を置いた。



「わっ、なに?」

「で、アンちゃんは寂しいんだ?かぁいいなあ、」

「ちょっ、やめっ・・・」


くしゃくしゃとサッチの手が無造作に動き、はねた黒髪がますます空気を含んで絡まりあう。

寂しいと言葉にされたことは心外でもあり事実でもあり、でも誰かに頭をなでられたのも遠い記憶のことで、それでも久しぶりに感じた人の体温にアンは思わず笑みを漏らした。



「髪ぐしゃぐしゃ!」

「可愛い可愛い・・・あ、」


手櫛で髪を整えるアンを手伝うように、サッチもアンの髪を撫で付けていれば、ふたりの前方から歩いてくる人物が目に付いたサッチは小さく声を上げた。



「・・・何してんだよい」

「そりゃぁこっちの台詞だってんだ!お前なあ、人呼んどいて・・・」

「なんでアンと一緒にいるんだよい」


なめらかにサッチの苦情を聞き流したマルコは、サッチにというよりアンにそう問いかけた。



「マルコの部屋の前で会って、あたし買い物いくとこで、荷物持ってくれるっていうから」

「・・・晩飯かい」

「うん」

「必要ねぇよい」

「は?」

「帰んぞい」



そう言いながらアンの横を通り過ぎたマルコは、ぽかんと口を開けたままのアンとさらにその後ろにいるサッチを残してずんずんとアパートのほうへと歩いていく。

ぽんとアンの肩に手が乗せられ、頭上から困ったようなサッチの声が届いた。



「・・・あー、まぁ、ああ言ってるし、帰ろっか、」

「え、でも帰るっても、あたしご飯ないから買いたいんだけど」

「一緒に食べに行こうって言ってんだよ」




まったく言葉の足らない奴で悪いな、とサッチが苦笑する傍らで、アンはどんどん小さくなっていく背中をしばらくの間見ていた。




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 麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。



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