OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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「いいーねえー、アンちゃん、いい食いっぷり」
「ん、うま、だって、おごってくれるって言うし、いっぱい食えっていうから、食べないと、もったいない」
「サッチ持ちだからいいよい」
「おっと初耳」
金網にいくつもの肉が並べられ、ジュウジュウと香ばしいにおいと共に焼き色がついていく。
金網と自分の取り皿とを行ったり来たり忙しいアンの箸は動きづめに動いた。
乾杯したばかりのジョッキの中身は、三つともすでに半分以上ない。
*
買い物に行きかけていたアンに強制帰還を命じたマルコは片手にぶら下げていたコンビニ袋を部屋に置き、アンたちがアパート前に着くころには折り返して降りてきていた。
「サッチ車出せよい」
「どこ行くんだよ」
「どっか」
「オレらがこの子乗せて車乗ってたら間違いなく誘拐じゃん、歩いて行けるとこにしようぜ」
「誘拐って!あたし成人してるし!」
「いやだめ。オレアンちゃん女子高生だと思ったもん」
「確かに車だと飲めねぇな…おいお前、何食いたい」
「肉。……あ、いや、なんでもいい」
「じゃあそこの焼き肉屋でいいじゃん」
そんな成り行きがあって、三人並んでぶらぶらと大通りまで歩き、こうして肉を頬張っている次第である。
「ね、アンちゃん明日仕事?」
「うんそう」
「ああもうほんといいなぁマルコ、オレマルコの部屋住みつこっかな」
「冗談じゃねェよい」
あっはっはー、となんだか気分良くなってきちゃったサッチとアンは朗らかに笑う。
生二杯で出来上がった酔っ払い二人を眼前にして、マルコはため息をつきつつ、悪くないと思った。
店に入った時には薄紫だった景色が、店を出た頃には黒く染まっていた。
オレこっちだからー、と陽気に手を振ったサッチは、酔ってはいるが案外しっかりとした足取りで駅へと歩いて行った。
「…帰るかい」
「んー!あ、あのおっさんアパートに車」
「どうせ乗れねぇだろい」
「あ、そっかー!」
そうだったそうだった、飲酒運転はんたーい!とけらけらと笑う小娘を横目に見つつマルコが歩き出すと、アンもその隣に並んだ。
「あー、久しぶりにお腹いっぱい食べたなぁ」
「若ぇのが、節約しすぎなんじゃねぇのかい」
「だってルフィに仕送りもしたいしー、あたし普通の量じゃお腹いっぱいになんないしー」
「じゃあまた飯作り頼むよい。そったら腹いっぱい食えるだろい。オレも楽だ」
「あっ、そっかあ、でもあんまりいらんないしー」
「は?どこにだよい」
「マルコの部屋だよ、自分が言ったのにー」
酔っ払いらしくからからと笑うアンを、マルコは歩きつつ見下ろした。
笑っていたと思ったら次の瞬間には不意にどこか遠くを見る目をするから、その睫毛さえ震えているように見えた。
「…あぁー、まぁそりゃぁあんまり遅いのは駄目だけどよい、」
「遅くなくってもさあ、あたし玄関で鉢合わせとかやだよー」
面倒はごめんだと、楽しそうにさえ見える顔で言ったアンにマルコは首をかしげた。
「何の話だよい」
「え、だからぁ、マルコの彼女と玄関で、」
「…オレの女?」
何を言ってるんだと口を開きかけた矢先、この間自宅を訪れた編集者の女社員と玄関先でしゃべったこと、そのあとすぐアンが帰ってきたこと、そしてそのアンがやたらそっけなかったこと、そのすべてが縁起でもないが走馬灯のように頭を駆け抜けて、それが今さっきのアンの発言に繋がった。
あれは違うと言ってしまえばすべて解決だが、言い訳めいたその科白が性に合わないような気がして、開きかけた口をいったん閉じる。
少し考えて、マルコは口を開いた。
「・・・オレに女がいたら、よい。あんなむさっくるしい野郎と女子高生に見えるOL小娘連れて焼肉なんていかねぇよい」
振り返るようにしてマルコを見上げたアンは、同じように自分を見下ろすマルコの顔をしばらくの間見つめて、はたしてきちんと理解できたのか微妙だがそうだよねぇと呟いた。
「なんだぁ、よかったあ」
ぽとりと落とされたその呟きを聞いてマルコがもう一度アンを見下ろすが、今度はアンはまっすぐ前を向いていて、また震えているような睫毛しか見えなかった。
電柱にくっついた電灯が黄色く光るその下で、アンは足元の小石を蹴飛ばしながら足を進める。
黒く塗りつぶされた二人分の影がぽっかりと浮かんでいた。
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「ん、うま、だって、おごってくれるって言うし、いっぱい食えっていうから、食べないと、もったいない」
「サッチ持ちだからいいよい」
「おっと初耳」
金網にいくつもの肉が並べられ、ジュウジュウと香ばしいにおいと共に焼き色がついていく。
金網と自分の取り皿とを行ったり来たり忙しいアンの箸は動きづめに動いた。
乾杯したばかりのジョッキの中身は、三つともすでに半分以上ない。
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買い物に行きかけていたアンに強制帰還を命じたマルコは片手にぶら下げていたコンビニ袋を部屋に置き、アンたちがアパート前に着くころには折り返して降りてきていた。
「サッチ車出せよい」
「どこ行くんだよ」
「どっか」
「オレらがこの子乗せて車乗ってたら間違いなく誘拐じゃん、歩いて行けるとこにしようぜ」
「誘拐って!あたし成人してるし!」
「いやだめ。オレアンちゃん女子高生だと思ったもん」
「確かに車だと飲めねぇな…おいお前、何食いたい」
「肉。……あ、いや、なんでもいい」
「じゃあそこの焼き肉屋でいいじゃん」
そんな成り行きがあって、三人並んでぶらぶらと大通りまで歩き、こうして肉を頬張っている次第である。
「ね、アンちゃん明日仕事?」
「うんそう」
「ああもうほんといいなぁマルコ、オレマルコの部屋住みつこっかな」
「冗談じゃねェよい」
あっはっはー、となんだか気分良くなってきちゃったサッチとアンは朗らかに笑う。
生二杯で出来上がった酔っ払い二人を眼前にして、マルコはため息をつきつつ、悪くないと思った。
店に入った時には薄紫だった景色が、店を出た頃には黒く染まっていた。
オレこっちだからー、と陽気に手を振ったサッチは、酔ってはいるが案外しっかりとした足取りで駅へと歩いて行った。
「…帰るかい」
「んー!あ、あのおっさんアパートに車」
「どうせ乗れねぇだろい」
「あ、そっかー!」
そうだったそうだった、飲酒運転はんたーい!とけらけらと笑う小娘を横目に見つつマルコが歩き出すと、アンもその隣に並んだ。
「あー、久しぶりにお腹いっぱい食べたなぁ」
「若ぇのが、節約しすぎなんじゃねぇのかい」
「だってルフィに仕送りもしたいしー、あたし普通の量じゃお腹いっぱいになんないしー」
「じゃあまた飯作り頼むよい。そったら腹いっぱい食えるだろい。オレも楽だ」
「あっ、そっかあ、でもあんまりいらんないしー」
「は?どこにだよい」
「マルコの部屋だよ、自分が言ったのにー」
酔っ払いらしくからからと笑うアンを、マルコは歩きつつ見下ろした。
笑っていたと思ったら次の瞬間には不意にどこか遠くを見る目をするから、その睫毛さえ震えているように見えた。
「…あぁー、まぁそりゃぁあんまり遅いのは駄目だけどよい、」
「遅くなくってもさあ、あたし玄関で鉢合わせとかやだよー」
面倒はごめんだと、楽しそうにさえ見える顔で言ったアンにマルコは首をかしげた。
「何の話だよい」
「え、だからぁ、マルコの彼女と玄関で、」
「…オレの女?」
何を言ってるんだと口を開きかけた矢先、この間自宅を訪れた編集者の女社員と玄関先でしゃべったこと、そのあとすぐアンが帰ってきたこと、そしてそのアンがやたらそっけなかったこと、そのすべてが縁起でもないが走馬灯のように頭を駆け抜けて、それが今さっきのアンの発言に繋がった。
あれは違うと言ってしまえばすべて解決だが、言い訳めいたその科白が性に合わないような気がして、開きかけた口をいったん閉じる。
少し考えて、マルコは口を開いた。
「・・・オレに女がいたら、よい。あんなむさっくるしい野郎と女子高生に見えるOL小娘連れて焼肉なんていかねぇよい」
振り返るようにしてマルコを見上げたアンは、同じように自分を見下ろすマルコの顔をしばらくの間見つめて、はたしてきちんと理解できたのか微妙だがそうだよねぇと呟いた。
「なんだぁ、よかったあ」
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