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月は半分
宴もたけなわ
そろそろろれつも回らなくなってきた
ああ酒が美味い
未熟なのはお互い様
「くくくっ、でよぉそんときジョズの奴が珍しくぶちギレて」
「そりゃ珍しいよい」
「だろ?サッチ半泣きになっちゃって」
「くっ」
他愛もない、世間話。
遠くではがしゃんごとんばたんと何かが落ちたり倒れたりと、激しい音が続いている。
珍しくエースはそういった喧騒からはなれて、オレとくだらない話で盛り上がっていた。
「ああオレも空飛びてえなあ」
「お前も飛べるじゃねぇかよい」
「ばっか、ありゃあ跳んでるんだ。マルコみたいにすいーっていかねぇんだよ」
それでいいじゃねぇかよい、とこぼしてぐびと酒をあおった。
喉を伝う感覚がオレをますます高揚にさせる。
珍しく酔っていた。
エースはガキだからか酔いがまわるのも早く、すでにへらりと笑った口端から酒がこぼれて、おっとと口元を拭っている。
「俺今なら飛べる気がするんだよなあ」
「ばかいえ」
「ん、バカじゃねぇよ、飛べるぞ俺は!!」
すくっと立ち上がっておっとっととよろける。
「いいかい、エース。おめェみたいなガキにゃあ空は飛べねぇんだよい。オレみたいな立派な大人になってから再挑戦するんだな」
立ち上がったそいつを見上げながらそう言うが、すでに自分が何を言っているのかよくわからない。
しかしエースは鼻で笑う。
「けっ、マルコが飛べるのに俺が飛べねぇなんて話があるかァ!!」
エースはそのまま千鳥足で船べりに足をかけた。
「おい兄弟どもォ!!!オレは今から空を飛ぶ!!!!」
一瞬きょとんとしたクルーの顔が並んでから、大爆笑が船を包んだ。
おおやれやれー、などという囃し立てる声に乗せられてエースは船べりの手すりに両足を乗せる。
おれはそのさまをぼんやりと見ていた。
「ああエース、お前にゃわかんねぇかもしれねぇがよい。翼がなきゃとべねぇぞ」
「だいじょうぶだ!」
なにがだ、なにが。
えいっ
とんっと手すりを蹴ったエースはふわりと浮かび、ああこいつも飛べるんだなあなんて思った。
しかし次の瞬間大きな水柱があがり、跳ね上がった水がオレの額を濡らしたとき一気に酔いがぶっとんだ。
「エエエエース!!」
酒ビンを放りだしたオレはそのままの勢いで立ち上がり、手すりに足をかける。
「おいっマルコばかお前」
サッチの焦ったような声が聞こえないでもなかったが、オレが聞こえたのはそこまでだった。
気づいたら甲板にエースと並んで喘いでいて、全身から力が抜けたようにだるい。
オレとエースの足元にはこれまたびしょぬれのサッチが髪をかきあげていた。
「~~~っ、こんのっ!!バカ!アホ!!マヌケ!!パイナップルバナナ!!!」
最後の言葉は間違いなくオレだけを罵倒していた。
顔だけ横に向けると、ちょうどこちらを向いたエースとかちりと目が合う。
髪が海水でへたりとほほにくっついたままで、にしゃりと笑った。
「気持っちいいなあ」
それを聞いたサッチがお前反省しろよ!と酒ビンがエースの額にクリーンヒット。
エースはそのまま意識を手放した。
「ああ~、よいよい」
何故だかそうこぼすと、よいよいじゃねぇよと空樽が飛んできた。
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麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。
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足りん
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