OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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ガラガラと、耳をつんざく激しい音がわっと広がった。
粉塵が舞う。
あらゆる種類の楽器を一斉に奏でたような、無秩序で騒々しい爆音とともに、目の前に高くそびえていた建物は下から崩れた。
その音が止むと、あたりは呆気にとられた人が息を呑むあまり、静寂に包まれる。
オレもその一部だった。
やがて、崩れたがれきの頂点の一枚岩がガランと持ち上がって、転がり落ちた。
その頂点で立ち上がったのは、一人の男だ。
いや、少年と言った方がしっくりくるような、まだ幼い面影の。
少年は眩しい光の球を背に、ある少女の名前を呼んだ。
『お前はおれの仲間だ』
彼女は不器用に笑いながら、大粒の涙をこぼして『うん』と言った。
その横顔を遠目に見て、純粋な勝利に喜ぶオレの後ろで、もう一人のオレが静かに納得していた。
これは無理だ、と思っていた。
この男と、彼女の間に入ることのできるものは誰もいない。
青のバラード
ゆるい風がかさかさと青い葉の間を通り過ぎる。
瑞々しく茂った葉はお互いを弾きあって、さわやかな音を立てた。
オレはみっともなくしゃがみこんで背中を丸め、軍手をはめた手で雑草を抜く。
ついでにいらない枝も慎重に剪定していく。
以前この木のご主人にやり方を教わって、今ではすっかりオレの仕事になっている。
細くて丈夫な枝は、時折いたずらに手の甲を引っ掻いたりするので、彼女の陶器のようなそれに傷がついては大変とオレが申し出た。
つんとすっぱいにおいと、繁る葉の青臭いにおいに顔をうずめていると気分が良かった。
その香りは、その香りの雰囲気は、彼女に似ている。
爽やかで、明るくてはっきりした柑橘の香り。
日の光を存分に受けてどこまでも甘くなる果実だ。
本当のことを言うと、みかんの樹なんかじゃなく本物の彼女の胸に顔をうずめたいところだが、そんなことできるはずもなく。
だからこうして甲斐甲斐しく彼女の代わりに木々を世話していると思うと、我ながら情けないような、自分でもばかだなーというような気分になる。
ぷちんとしおれた枝の先を切り取ったところで、ふと木々の根元でさっとうごく影が目についた。
みかんの樹は平然と風に揺れ、つねにかさかさと音を立てているので物音はまぎれてわからない。
剪定をちょうど終えて、軍手を脱いで鋏を置き、影の走った方へそっとにじりよった。
音もなく足をあげ、そして思い切りかかとを落とす。
「イッテェェ!!」
「くぉらクソゴム。テメェまたナミさんのみかん盗み食いしようとしやがって」
ばさっと落ちた麦わら帽子が、ころころと風の力で数メートル転がった。
ルフィはくそぉ痛ェと涙目で頭を撫でさする。
「いいじゃねぇか! こんなにいっぱいある!」
「だまれ、ナミさんのみかんにゃこのオレが指一本触れさせん!」
「くそっ、ナミのヤロー、けちけちしやがって!」
「テメ、ナミさんのこと悪く言うんじゃねェよ」
ぐいとよく伸びる頬を片側に思い切り引っ張ってやる。
ルフィは「いひゃいいひゃいごめんなひゃい」と黒い目をぱちぱちしばたかせた。
ふん、と息を吐きながらオレは手を離した。
ゴムの弾力はすぐさま元の形状に戻る。
ルフィは「おーいてぇ」と赤くなった頬を擦っていた。
ルフィに打撃は効かない。
斬撃やよほど鋭い突きでない限り、この男の身体に物理的な力はどれほど強力であろうと無力だ。
それでも、いつだったか聞いたことがある。
『なんでか、ナミに殴られっとスゲェ痛ェんだ』
そのときは嘘をつけ、と鼻で笑ったものだった。
なにしろルフィは、鉄の金棒で頭を殴られようと、何十メートルの上空から堅いコンクリートに叩きつけられようと無傷なのだ。
その男が、細腕の彼女に一発ゴツンとやられただけで痛いと叫ぶなど、ありえない。
そう思っていた。
しかし事実一緒に生活をしていると、ルフィがナミさんによる制裁を食らうのは日常茶飯事で、ルフィはそのたびに涙目で許しを請う。
「この船で一番強いのはナミだ」とまで豪語する。
言葉の裏や表も考えないあいつのことだ、嘘はない。
事実、彼女の拳骨はルフィに効いていた。
かたや、彼女以外のクルーの制裁はどうかというと、それも効いた。
盗み食い、おやつの取り合い、常軌を逸したわがままをルフィが発揮させれば、構わず誰かの拳が飛ぶ。
ルフィは痛ェと叫ぶ。
つまるところ、仲間の拳はルフィに効いた。
どういう原理だろうと深く考えようとしたことはある。
すぐにやめたので、答えはわからない。
もとより悪魔の実などという平気で人を馬鹿にするような実が存在している時点で、その細かい原理を考える程の徒労もない。
ルフィはちぇーと舌を鳴らしながら、転がった麦わら帽子を追いかけた。
「ルフィ、ナミさんは。なにしてる」
「さぁ、知らね。見てねェけど」
お前の方がよく知ってんじゃねェのかと言い残して、ルフィはさっさとみかん畑を降りていった。
そのセリフに少し気をよくした自分が、これまた少し情けない。
黄色い麦わら帽子が太陽にきらりと反射して、魚のうろこのように光って消える。
植木の縁に腰を下ろして、ぼんやりとその光に目を細めていた。
そう、あれはいつだったろう。
なんでもない午後、なんでもない敵襲があった。
まだ名もないオレたちを襲う船は多い。
こちとら小さな帆船に五人の乗組員。
身なりはボロく、船長と名乗るはまだ年端もいかぬ少年だ。
船影を認めるが早いか、すぐさま大砲を打ち鳴らされることもあれば、夜襲を仕掛けられることもあった。
どちらにせよ、今もこうしてオレたちが航海を続けているということはそういうことで、つまるところ負けたことはない。
沈むのはいつだって相手様だった。
ただ、たった一度肝を冷やした戦いがある。
それがこれだ。
なんでもない午後の、なんでもない敵襲。
優雅なおやつの時間をナミさんに届けるべく準備にいそしんでいたオレの足元が、急に大きく縦揺れした。
カップを温めていた湯が跳ねて外に零れる。
同時に大きな砲弾の音が、船室を震わせた。
小さく舌を打って火を止めた。
カップが割れないよう棚に戻し、外に出る。
甲板にはすでに、赤いボロのシャツと、襟の伸びた白シャツに緑の腹巻姿が二人そろって海の向こうを見据えていた。
階段の手すりには、情けなく震える長っ鼻と麗しきナミさんが掴まっている。
オレは手すりを飛び越え一気に甲板へと降りた。
三隻か、とゾロが呟いた。
なるほど目の前、水平線の上に乗っかるように、三つの船影が見える。
船の大きさからして軍艦ではないので、おそらく同業者だろう。
船はどんどん近づいてくる。
次第にむさくるしい雄叫びもわあわあと耳に届いた。
波がメリーの腹にぶつかり、どどーんと鬨の声を上げたように聞こえる。
しかし敵船の雄叫びより、メリーが上げた鬨の声より、俺には興奮で今にも飛び出そうとうずうずするルフィの鼻息の音が、何よりも大きく聞こえていた。
敵は二隻がメリーを挟むように回り込み、正面の一隻がやたらと大砲を打ち込んでくる。
「クソ、遠戦ならまけねぇぞ」
背後でウソップが呟き、だかだかと地下へもぐりこんだ。
こちらも大砲で迎撃するつもりのようだ。
やがて回り込んできた二隻が接近し、肉弾戦となった。
正面の一隻は、早々とウソップが狙撃し沈めている。
すぐ後ろで、金属がぶつかりはじけ飛ぶ甲高い音がする。
後ろ首をかすめる風は、斬撃が作り出す旋風だろう。
オレの視界には常にナミさんがいた。
そうあるよう意識し続けていた。
彼女はキャアキャアと可愛らしく叫びながら、自身の三段棒で容赦なく敵をなぎ倒していた。
そんじょそこらのか弱いだけのレディとは違う。
そういう意味で頼もしくもあり、また心配でもあった。
彼女はオレがこんなにも心砕いているなどつゆ知らず、無茶をするからだ。
数人の男を束にして蹴り飛ばした時、目の端に映る彼女の背後から忍び寄る男の影を見た。
ハッとして振り返ったとき、サーベルを手にしたその男は横っ面に鉛玉を撃ち込まれ、ぎゃあと声を上げて倒れた。
床下の扉を開け閉めしながら、モグラのように顔を出したり引っ込めたりして敵を狙うウソップが、ナミさんの背後にいた男を狙撃したのだ。
ハッとして振り返ったナミさんは、ウソップを目に留めてニッと笑う。
ウソップは偉そうに顎を逸らせて、ぐっと親指を立てた。
しかし別の男がウソップの頭上に刀を振りかざすと、長鼻は青い顔ですぐさま床下へと引っ込んだ。
オレはすかさずその男の頭にかかとをめり込ませ、潰す。
おおかた片付いてきたと見え、船へと引き返す姿が目立ち始めた。
「逃がさないで! あっちのお宝や食料、いただいちゃうわ!」
ナミさんが叫ぶ。
ゾロの放った斬撃が風を巻き起こし、何人もの敵を海へ落とした。
こうなるともはや自ら進んで海に飛び込み、何とかして逃げようとする者もいる。
敵は半壊した正面の一隻を目指して泳ぎ、二隻は諦めたようだ。
「ま、二隻あれば上出来でしょう」
まだ残る敵もいるのに、ナミさんはあっけらかんとそう言う。
しかしかく言うオレも、他の奴らも、もう闘いは終わったものだと思っていた。
残る敵と言っても、ほとんどが倒れ伏しているかほうぼうと逃げ出すところだったからだ。
「酒蔵があるかもな」
ゾロは見てもいない敵船の中を想像したのか、ニヤついている。
オレも、今夜はきっと宴だろうなと腕の鳴る思いで、靴をとんとんと床にぶつけて汚れを払った。
それはもう、完璧な終焉だった。
息を吐き、戦いの余韻を楽しみ、その後の収穫に思いを馳せても十分なほどには。
それでも銃声は鳴った。
オレは海へと落ちる寸前の男の手から、銃が煙を吹くその瞬間を目の端でとらえていた。
その弾道はあやまたず男の向かい、残された二隻に目を向けるナミさんへと向かっていた。
オレは銃声よりも早く男が握る銃に気付いていたが、足を踏み出し彼女を守るには遅すぎた。
頭の中でこれほど大音量に警鐘が鳴ったことはない。
銃声が響いた瞬間、オレは届かない彼女に手を伸ばすように宙を掻いていた。
ドン、と重い音の後、ひゅんと鋭く風が鳴る。
跳ねかえった銃弾は、なにもない空中に放たれ、やがて失速して海に落ちた。
ナミさんは咄嗟に自身を抱きしめていた。
彼女の前には、ルフィが足を踏みしめて立っている。
フン、と鼻を鳴らしてルフィは言う。
「あー、びびった!」
一瞬張りつめた空気がルフィの声ですぐさまほどけ、誰もが一様にほっと息を吐いた。
「ったく、焦ったぜ!」
「往生際が悪ィな」
ウソップは額の汗をぬぐう仕草をし、ゾロは男が落ちた海を見下ろし吐き捨てる。
オレも伸ばした手を引っ込めて、大きく息を吐いた。
吐き出しそうなほどせりあがった心臓が、ゆっくりと元の位置に戻っていく。
それと一緒に、苦いものもせりあがってきた。
ルフィよりも早く動かなかったこの脚が、自分が憎い。
ナミさんはゆっくりと身体を抱きしめる腕をほどいて、固くなっていた肩を落とした。
「ありがとルフィ」
「おう」
ルフィはシャツの穴の開いた胸の部分に指を突っ込んでいる。
彼女を守った傷跡だ。
ナミさんは三段棒を折りたたみながら、死ぬかと思ったわと呟いた。
ルフィは開いた穴の焦げ跡をなぞるように指を動かしながら、まるで「はらへった」と言うのと同じように、口を開いた。
「オレがお前を死なせるわけねェだろ」
ウソップとゾロは聞き流した。
聞いてもいなかったかもしれない。
ナミさんさえも、ルフィのその言葉に何を返すでもなく、さっさと棒を仕込み直すと残された戦利品に目を向けていた。
ただオレだけが、その言葉を聞き流せずに立ち尽くしていた。
「そうね」とくらい、返事をしたらいいのに。
まるで当たり前のように、空気が肌に触れるのと同じ感覚で、ナミさんはルフィに守られていることを受け入れている。
ルフィにとっても、それは責任や義務などではなく、きっとただ自分がそうしたいだけの気持ちで動いている。
ナミさんを自分のものだと言っていいのはこの世でたった一人、ルフィだけだ。
その事実にオレは打ちのめされた。
目の前で繰り広げられたたった数秒のワンシーンを、オレはいつまでも巻き戻して何度も見ていた。
立ち尽くすオレを、鈴のような声が呼ぶ。
「サンジ君! なにぼーっとしてんの? さっさとお宝捜してきて!」
ナミさんはくいっと親指を敵船に向けて、オレを促した。
「はいナミさん」と条件反射が勝手に口を動かした。
剥き出しの足が白い。
細い足首からふくらはぎにかけてのラインが最高だ。
腰から背中へと昇る引き締まったカーブはそそられる。
そしてなにより、豪快に男たちに指示を飛ばすその顔は輝いている。
かわいい、クソかわいい。
よし、と足を踏み出した。
彼女の元まで歩み寄り、少しだけ腰をかがめて顔を寄せる。
「綺麗なものがあったらナミさんのために取ってくるよ」
「いらない。金目のものを取ってくるのよ」
すげなく顔を背けて、さっさと行きなさいと言うようにナミさんは手を振った。
了解、と船べりに足を掛けた。
結局オレはいじましくも美しいガラスの装飾を見つけたが、「ガラスはお金にならないもの」の一言で受け取ってもらえなかった。
しかし敵船はいくつか宝箱を乗せており、新しい海図と古いログポースも見つかったためナミさんは至極ご機嫌だった。
だからオレもうれしい。
彼女がうれしいなら、オレもうれしい。
気付いたら唇の端でたばこのフィルターを挟んでいた。
ポケットからそれを取り出し火をつけた経緯を全く思いだせない。
無意識とは怖いもんだ、と思いながら軍手を脱ぐ。
足元に一組の軍手を放りだし、脚も投げ出して、深く煙を吸い込んだ。
ニコチンが肺一体に沁み渡り、頭がぼうっとする感覚がたまらない。
どこぞの不良少年みたいに物陰で煙を吹くオレを咎めるように、みかんの葉は頭の後ろでかさかさ音を立てつづける。
ちくしょう、と思わないでもない。
みっともなく嫉妬だってする。
なれるものならルフィになりたい。
ルフィになれば、あの台風のような勢いでナミさんさえも自分の中に取り込んでしまえる。
そのくせ太陽のような朗らかさで、彼女を強く守ることができる。
夕焼け色の髪をした彼女は、太陽の男にはぴったりだ。
オレは太陽の周りを回る衛星のように、けして近づくことはできずに、いつまでもぐるぐる回り続けている。
このままだと、きっと衛星は太陽の熱に負けて消滅する。駆逐される。
爆発して塵となる。
それでもオレは、回ることをやめられない。
太陽になれないと分かっていても、近づきすぎてその身を焦がしても、青くちっぽけな衛星はいつまでもまわり続ける。
けして自分のものにはならない太陽を、目を細めて眺めながら、物欲しげな顔で、いつまでもぐるぐると。
まだ長い煙草を床でもみ消した。
一度下へ放り捨てたが、そこがナミさんのみかん畑の前であることを思い出し、また拾った。
軍手も拾い上げて、キッチンへと足を向けた。
どこからか地鳴りのように、ゾロのいびきが聞こえる。
*
ホットにするかアイスにするか悩んで、外は程よく暖かいがまだアイスでは体を冷やすと思い、ポットを温めた。
出来上がった紅茶をカップに注ぎ、トレンチに乗せてキッチンを出る。
階段を下り倉庫へ入り、ナミさんの部屋の扉にノックの手を伸ばした。
手の甲が木の扉に触れる直前、中から聞こえた聞きなれた声に動きが止まる。
ふたりの声はよく通った。
ついさっきまで感傷的になっていたこちらとしては、今一番聞きたくない組み合わせだ。
「ナミさんは」と尋ねた自分に「知らね」と答えたルフィを疑いたくもなる。
オレは素知らぬ顔と言うのを作り、改めて扉を叩いた。
彼女は裁縫をしていた。
麦わら帽子を手に、呆れ顔の余韻があるのはルフィと話していたからか。
そのルフィは彼女を後ろから囲うように、彼女の手元を覗き込んでいた。
「ち、け、え、んだよテメッ、いつだれがナミさんを後ろから抱きしめるように覗き込むことを許可したァ!!」
すかさずルフィを蹴散らすと、ルフィはひょうひょうといっこうに堪えた気配のない顔で、彼女から離れた。
うるさい、と彼女からため息とともにお言葉をいただいたので、オレは肩をすくめて謝る。
紅茶を彼女のデスクに置いたが、ナミさんは帽子に視線を落としたまま気のない返事をするだけだ。
そんなことにもすっかり慣れてしまったオレは、未練たらしくいくつか言葉を連ねてから彼女の部屋を後にした。
あのカップを下げるとき紅茶がしんと冷え切ったまま残っていても、オレは平気だ。
口を付けた後さえなくとも、問題ない。
傷はつく。
茂みの中を歩き回ったあとのような、細かいひっかき傷がいくつも、薄らと、ある。
それでもいい。
だって始まってしまったから、とオレはキッチンの灰皿に残っていたシケモクに火をつける。
予期せぬほどのスピードでオレの恋は進む。
彼女がレストランを訪れたあの日から。
泣き崩れる背中を見たあの日から。
オレはルフィにはなれない。
衛星は太陽にはなれない。
青は赤にはなれない。
それでもいい。
口をすぼめて煙を吐く。
ぽわっと空気中に浮かぶ白いハート型が遠ざかる。
オレはラブコック。
彼女を愛するために生まれた男だ。
わがまま、気まぐれ、守銭奴。
なんだっていい。
そこがいい。
それでさえいとしい。
オレの恋はまだ始まったばかりだ。
粉塵が舞う。
あらゆる種類の楽器を一斉に奏でたような、無秩序で騒々しい爆音とともに、目の前に高くそびえていた建物は下から崩れた。
その音が止むと、あたりは呆気にとられた人が息を呑むあまり、静寂に包まれる。
オレもその一部だった。
やがて、崩れたがれきの頂点の一枚岩がガランと持ち上がって、転がり落ちた。
その頂点で立ち上がったのは、一人の男だ。
いや、少年と言った方がしっくりくるような、まだ幼い面影の。
少年は眩しい光の球を背に、ある少女の名前を呼んだ。
『お前はおれの仲間だ』
彼女は不器用に笑いながら、大粒の涙をこぼして『うん』と言った。
その横顔を遠目に見て、純粋な勝利に喜ぶオレの後ろで、もう一人のオレが静かに納得していた。
これは無理だ、と思っていた。
この男と、彼女の間に入ることのできるものは誰もいない。
青のバラード
ゆるい風がかさかさと青い葉の間を通り過ぎる。
瑞々しく茂った葉はお互いを弾きあって、さわやかな音を立てた。
オレはみっともなくしゃがみこんで背中を丸め、軍手をはめた手で雑草を抜く。
ついでにいらない枝も慎重に剪定していく。
以前この木のご主人にやり方を教わって、今ではすっかりオレの仕事になっている。
細くて丈夫な枝は、時折いたずらに手の甲を引っ掻いたりするので、彼女の陶器のようなそれに傷がついては大変とオレが申し出た。
つんとすっぱいにおいと、繁る葉の青臭いにおいに顔をうずめていると気分が良かった。
その香りは、その香りの雰囲気は、彼女に似ている。
爽やかで、明るくてはっきりした柑橘の香り。
日の光を存分に受けてどこまでも甘くなる果実だ。
本当のことを言うと、みかんの樹なんかじゃなく本物の彼女の胸に顔をうずめたいところだが、そんなことできるはずもなく。
だからこうして甲斐甲斐しく彼女の代わりに木々を世話していると思うと、我ながら情けないような、自分でもばかだなーというような気分になる。
ぷちんとしおれた枝の先を切り取ったところで、ふと木々の根元でさっとうごく影が目についた。
みかんの樹は平然と風に揺れ、つねにかさかさと音を立てているので物音はまぎれてわからない。
剪定をちょうど終えて、軍手を脱いで鋏を置き、影の走った方へそっとにじりよった。
音もなく足をあげ、そして思い切りかかとを落とす。
「イッテェェ!!」
「くぉらクソゴム。テメェまたナミさんのみかん盗み食いしようとしやがって」
ばさっと落ちた麦わら帽子が、ころころと風の力で数メートル転がった。
ルフィはくそぉ痛ェと涙目で頭を撫でさする。
「いいじゃねぇか! こんなにいっぱいある!」
「だまれ、ナミさんのみかんにゃこのオレが指一本触れさせん!」
「くそっ、ナミのヤロー、けちけちしやがって!」
「テメ、ナミさんのこと悪く言うんじゃねェよ」
ぐいとよく伸びる頬を片側に思い切り引っ張ってやる。
ルフィは「いひゃいいひゃいごめんなひゃい」と黒い目をぱちぱちしばたかせた。
ふん、と息を吐きながらオレは手を離した。
ゴムの弾力はすぐさま元の形状に戻る。
ルフィは「おーいてぇ」と赤くなった頬を擦っていた。
ルフィに打撃は効かない。
斬撃やよほど鋭い突きでない限り、この男の身体に物理的な力はどれほど強力であろうと無力だ。
それでも、いつだったか聞いたことがある。
『なんでか、ナミに殴られっとスゲェ痛ェんだ』
そのときは嘘をつけ、と鼻で笑ったものだった。
なにしろルフィは、鉄の金棒で頭を殴られようと、何十メートルの上空から堅いコンクリートに叩きつけられようと無傷なのだ。
その男が、細腕の彼女に一発ゴツンとやられただけで痛いと叫ぶなど、ありえない。
そう思っていた。
しかし事実一緒に生活をしていると、ルフィがナミさんによる制裁を食らうのは日常茶飯事で、ルフィはそのたびに涙目で許しを請う。
「この船で一番強いのはナミだ」とまで豪語する。
言葉の裏や表も考えないあいつのことだ、嘘はない。
事実、彼女の拳骨はルフィに効いていた。
かたや、彼女以外のクルーの制裁はどうかというと、それも効いた。
盗み食い、おやつの取り合い、常軌を逸したわがままをルフィが発揮させれば、構わず誰かの拳が飛ぶ。
ルフィは痛ェと叫ぶ。
つまるところ、仲間の拳はルフィに効いた。
どういう原理だろうと深く考えようとしたことはある。
すぐにやめたので、答えはわからない。
もとより悪魔の実などという平気で人を馬鹿にするような実が存在している時点で、その細かい原理を考える程の徒労もない。
ルフィはちぇーと舌を鳴らしながら、転がった麦わら帽子を追いかけた。
「ルフィ、ナミさんは。なにしてる」
「さぁ、知らね。見てねェけど」
お前の方がよく知ってんじゃねェのかと言い残して、ルフィはさっさとみかん畑を降りていった。
そのセリフに少し気をよくした自分が、これまた少し情けない。
黄色い麦わら帽子が太陽にきらりと反射して、魚のうろこのように光って消える。
植木の縁に腰を下ろして、ぼんやりとその光に目を細めていた。
そう、あれはいつだったろう。
なんでもない午後、なんでもない敵襲があった。
まだ名もないオレたちを襲う船は多い。
こちとら小さな帆船に五人の乗組員。
身なりはボロく、船長と名乗るはまだ年端もいかぬ少年だ。
船影を認めるが早いか、すぐさま大砲を打ち鳴らされることもあれば、夜襲を仕掛けられることもあった。
どちらにせよ、今もこうしてオレたちが航海を続けているということはそういうことで、つまるところ負けたことはない。
沈むのはいつだって相手様だった。
ただ、たった一度肝を冷やした戦いがある。
それがこれだ。
なんでもない午後の、なんでもない敵襲。
優雅なおやつの時間をナミさんに届けるべく準備にいそしんでいたオレの足元が、急に大きく縦揺れした。
カップを温めていた湯が跳ねて外に零れる。
同時に大きな砲弾の音が、船室を震わせた。
小さく舌を打って火を止めた。
カップが割れないよう棚に戻し、外に出る。
甲板にはすでに、赤いボロのシャツと、襟の伸びた白シャツに緑の腹巻姿が二人そろって海の向こうを見据えていた。
階段の手すりには、情けなく震える長っ鼻と麗しきナミさんが掴まっている。
オレは手すりを飛び越え一気に甲板へと降りた。
三隻か、とゾロが呟いた。
なるほど目の前、水平線の上に乗っかるように、三つの船影が見える。
船の大きさからして軍艦ではないので、おそらく同業者だろう。
船はどんどん近づいてくる。
次第にむさくるしい雄叫びもわあわあと耳に届いた。
波がメリーの腹にぶつかり、どどーんと鬨の声を上げたように聞こえる。
しかし敵船の雄叫びより、メリーが上げた鬨の声より、俺には興奮で今にも飛び出そうとうずうずするルフィの鼻息の音が、何よりも大きく聞こえていた。
敵は二隻がメリーを挟むように回り込み、正面の一隻がやたらと大砲を打ち込んでくる。
「クソ、遠戦ならまけねぇぞ」
背後でウソップが呟き、だかだかと地下へもぐりこんだ。
こちらも大砲で迎撃するつもりのようだ。
やがて回り込んできた二隻が接近し、肉弾戦となった。
正面の一隻は、早々とウソップが狙撃し沈めている。
すぐ後ろで、金属がぶつかりはじけ飛ぶ甲高い音がする。
後ろ首をかすめる風は、斬撃が作り出す旋風だろう。
オレの視界には常にナミさんがいた。
そうあるよう意識し続けていた。
彼女はキャアキャアと可愛らしく叫びながら、自身の三段棒で容赦なく敵をなぎ倒していた。
そんじょそこらのか弱いだけのレディとは違う。
そういう意味で頼もしくもあり、また心配でもあった。
彼女はオレがこんなにも心砕いているなどつゆ知らず、無茶をするからだ。
数人の男を束にして蹴り飛ばした時、目の端に映る彼女の背後から忍び寄る男の影を見た。
ハッとして振り返ったとき、サーベルを手にしたその男は横っ面に鉛玉を撃ち込まれ、ぎゃあと声を上げて倒れた。
床下の扉を開け閉めしながら、モグラのように顔を出したり引っ込めたりして敵を狙うウソップが、ナミさんの背後にいた男を狙撃したのだ。
ハッとして振り返ったナミさんは、ウソップを目に留めてニッと笑う。
ウソップは偉そうに顎を逸らせて、ぐっと親指を立てた。
しかし別の男がウソップの頭上に刀を振りかざすと、長鼻は青い顔ですぐさま床下へと引っ込んだ。
オレはすかさずその男の頭にかかとをめり込ませ、潰す。
おおかた片付いてきたと見え、船へと引き返す姿が目立ち始めた。
「逃がさないで! あっちのお宝や食料、いただいちゃうわ!」
ナミさんが叫ぶ。
ゾロの放った斬撃が風を巻き起こし、何人もの敵を海へ落とした。
こうなるともはや自ら進んで海に飛び込み、何とかして逃げようとする者もいる。
敵は半壊した正面の一隻を目指して泳ぎ、二隻は諦めたようだ。
「ま、二隻あれば上出来でしょう」
まだ残る敵もいるのに、ナミさんはあっけらかんとそう言う。
しかしかく言うオレも、他の奴らも、もう闘いは終わったものだと思っていた。
残る敵と言っても、ほとんどが倒れ伏しているかほうぼうと逃げ出すところだったからだ。
「酒蔵があるかもな」
ゾロは見てもいない敵船の中を想像したのか、ニヤついている。
オレも、今夜はきっと宴だろうなと腕の鳴る思いで、靴をとんとんと床にぶつけて汚れを払った。
それはもう、完璧な終焉だった。
息を吐き、戦いの余韻を楽しみ、その後の収穫に思いを馳せても十分なほどには。
それでも銃声は鳴った。
オレは海へと落ちる寸前の男の手から、銃が煙を吹くその瞬間を目の端でとらえていた。
その弾道はあやまたず男の向かい、残された二隻に目を向けるナミさんへと向かっていた。
オレは銃声よりも早く男が握る銃に気付いていたが、足を踏み出し彼女を守るには遅すぎた。
頭の中でこれほど大音量に警鐘が鳴ったことはない。
銃声が響いた瞬間、オレは届かない彼女に手を伸ばすように宙を掻いていた。
ドン、と重い音の後、ひゅんと鋭く風が鳴る。
跳ねかえった銃弾は、なにもない空中に放たれ、やがて失速して海に落ちた。
ナミさんは咄嗟に自身を抱きしめていた。
彼女の前には、ルフィが足を踏みしめて立っている。
フン、と鼻を鳴らしてルフィは言う。
「あー、びびった!」
一瞬張りつめた空気がルフィの声ですぐさまほどけ、誰もが一様にほっと息を吐いた。
「ったく、焦ったぜ!」
「往生際が悪ィな」
ウソップは額の汗をぬぐう仕草をし、ゾロは男が落ちた海を見下ろし吐き捨てる。
オレも伸ばした手を引っ込めて、大きく息を吐いた。
吐き出しそうなほどせりあがった心臓が、ゆっくりと元の位置に戻っていく。
それと一緒に、苦いものもせりあがってきた。
ルフィよりも早く動かなかったこの脚が、自分が憎い。
ナミさんはゆっくりと身体を抱きしめる腕をほどいて、固くなっていた肩を落とした。
「ありがとルフィ」
「おう」
ルフィはシャツの穴の開いた胸の部分に指を突っ込んでいる。
彼女を守った傷跡だ。
ナミさんは三段棒を折りたたみながら、死ぬかと思ったわと呟いた。
ルフィは開いた穴の焦げ跡をなぞるように指を動かしながら、まるで「はらへった」と言うのと同じように、口を開いた。
「オレがお前を死なせるわけねェだろ」
ウソップとゾロは聞き流した。
聞いてもいなかったかもしれない。
ナミさんさえも、ルフィのその言葉に何を返すでもなく、さっさと棒を仕込み直すと残された戦利品に目を向けていた。
ただオレだけが、その言葉を聞き流せずに立ち尽くしていた。
「そうね」とくらい、返事をしたらいいのに。
まるで当たり前のように、空気が肌に触れるのと同じ感覚で、ナミさんはルフィに守られていることを受け入れている。
ルフィにとっても、それは責任や義務などではなく、きっとただ自分がそうしたいだけの気持ちで動いている。
ナミさんを自分のものだと言っていいのはこの世でたった一人、ルフィだけだ。
その事実にオレは打ちのめされた。
目の前で繰り広げられたたった数秒のワンシーンを、オレはいつまでも巻き戻して何度も見ていた。
立ち尽くすオレを、鈴のような声が呼ぶ。
「サンジ君! なにぼーっとしてんの? さっさとお宝捜してきて!」
ナミさんはくいっと親指を敵船に向けて、オレを促した。
「はいナミさん」と条件反射が勝手に口を動かした。
剥き出しの足が白い。
細い足首からふくらはぎにかけてのラインが最高だ。
腰から背中へと昇る引き締まったカーブはそそられる。
そしてなにより、豪快に男たちに指示を飛ばすその顔は輝いている。
かわいい、クソかわいい。
よし、と足を踏み出した。
彼女の元まで歩み寄り、少しだけ腰をかがめて顔を寄せる。
「綺麗なものがあったらナミさんのために取ってくるよ」
「いらない。金目のものを取ってくるのよ」
すげなく顔を背けて、さっさと行きなさいと言うようにナミさんは手を振った。
了解、と船べりに足を掛けた。
結局オレはいじましくも美しいガラスの装飾を見つけたが、「ガラスはお金にならないもの」の一言で受け取ってもらえなかった。
しかし敵船はいくつか宝箱を乗せており、新しい海図と古いログポースも見つかったためナミさんは至極ご機嫌だった。
だからオレもうれしい。
彼女がうれしいなら、オレもうれしい。
気付いたら唇の端でたばこのフィルターを挟んでいた。
ポケットからそれを取り出し火をつけた経緯を全く思いだせない。
無意識とは怖いもんだ、と思いながら軍手を脱ぐ。
足元に一組の軍手を放りだし、脚も投げ出して、深く煙を吸い込んだ。
ニコチンが肺一体に沁み渡り、頭がぼうっとする感覚がたまらない。
どこぞの不良少年みたいに物陰で煙を吹くオレを咎めるように、みかんの葉は頭の後ろでかさかさ音を立てつづける。
ちくしょう、と思わないでもない。
みっともなく嫉妬だってする。
なれるものならルフィになりたい。
ルフィになれば、あの台風のような勢いでナミさんさえも自分の中に取り込んでしまえる。
そのくせ太陽のような朗らかさで、彼女を強く守ることができる。
夕焼け色の髪をした彼女は、太陽の男にはぴったりだ。
オレは太陽の周りを回る衛星のように、けして近づくことはできずに、いつまでもぐるぐる回り続けている。
このままだと、きっと衛星は太陽の熱に負けて消滅する。駆逐される。
爆発して塵となる。
それでもオレは、回ることをやめられない。
太陽になれないと分かっていても、近づきすぎてその身を焦がしても、青くちっぽけな衛星はいつまでもまわり続ける。
けして自分のものにはならない太陽を、目を細めて眺めながら、物欲しげな顔で、いつまでもぐるぐると。
まだ長い煙草を床でもみ消した。
一度下へ放り捨てたが、そこがナミさんのみかん畑の前であることを思い出し、また拾った。
軍手も拾い上げて、キッチンへと足を向けた。
どこからか地鳴りのように、ゾロのいびきが聞こえる。
*
ホットにするかアイスにするか悩んで、外は程よく暖かいがまだアイスでは体を冷やすと思い、ポットを温めた。
出来上がった紅茶をカップに注ぎ、トレンチに乗せてキッチンを出る。
階段を下り倉庫へ入り、ナミさんの部屋の扉にノックの手を伸ばした。
手の甲が木の扉に触れる直前、中から聞こえた聞きなれた声に動きが止まる。
ふたりの声はよく通った。
ついさっきまで感傷的になっていたこちらとしては、今一番聞きたくない組み合わせだ。
「ナミさんは」と尋ねた自分に「知らね」と答えたルフィを疑いたくもなる。
オレは素知らぬ顔と言うのを作り、改めて扉を叩いた。
彼女は裁縫をしていた。
麦わら帽子を手に、呆れ顔の余韻があるのはルフィと話していたからか。
そのルフィは彼女を後ろから囲うように、彼女の手元を覗き込んでいた。
「ち、け、え、んだよテメッ、いつだれがナミさんを後ろから抱きしめるように覗き込むことを許可したァ!!」
すかさずルフィを蹴散らすと、ルフィはひょうひょうといっこうに堪えた気配のない顔で、彼女から離れた。
うるさい、と彼女からため息とともにお言葉をいただいたので、オレは肩をすくめて謝る。
紅茶を彼女のデスクに置いたが、ナミさんは帽子に視線を落としたまま気のない返事をするだけだ。
そんなことにもすっかり慣れてしまったオレは、未練たらしくいくつか言葉を連ねてから彼女の部屋を後にした。
あのカップを下げるとき紅茶がしんと冷え切ったまま残っていても、オレは平気だ。
口を付けた後さえなくとも、問題ない。
傷はつく。
茂みの中を歩き回ったあとのような、細かいひっかき傷がいくつも、薄らと、ある。
それでもいい。
だって始まってしまったから、とオレはキッチンの灰皿に残っていたシケモクに火をつける。
予期せぬほどのスピードでオレの恋は進む。
彼女がレストランを訪れたあの日から。
泣き崩れる背中を見たあの日から。
オレはルフィにはなれない。
衛星は太陽にはなれない。
青は赤にはなれない。
それでもいい。
口をすぼめて煙を吐く。
ぽわっと空気中に浮かぶ白いハート型が遠ざかる。
オレはラブコック。
彼女を愛するために生まれた男だ。
わがまま、気まぐれ、守銭奴。
なんだっていい。
そこがいい。
それでさえいとしい。
オレの恋はまだ始まったばかりだ。
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