OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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ロビンが、珍しい話をしてくれた。
「ある冬島ではね。明日、12月24日はクリスマスイブというの」
「クリス・・・って、なんだそりゃ?」
「昔から伝わるお祭りのようよ。25日がクリスマス。で、前日がクリスマスイブ」
どうかいつまでも清らかに
夜ご飯を食べながらのことだった。
オレは今日のシチューがいつもより美味しい気がして、サンジのところにおかわりを貰いにいっているときだったから、ロビンの話を聞き逃さないように慌てて席へと戻る。
「この日はね、聖なる日と言われていて、大切な人に愛を語らう日なのよ」
「へぇ、ロマンチック」
「でしょう」
ふふ、とナミとロビンが顔を見合わせて笑いあう。こういうときのふたりは綺麗で可愛くて、好きだ。
サンジが少しそわそわしてるのは気のせいじゃないと思う。
「それだけではなくてね、クリスマスには子供たちの元に素敵なプレゼントがやってくるのよ」
「ぷれぜんとぉ?」
「そう。サンタクロースといってね、私も本の挿絵で見ただけなのだけど。赤い服を着て白いひげを生やしたおじいさんなの。そりにたくさんのプレゼントを積んでね、そう、そのそりはトナカイさんが引くのよ」
「えっ、オレ!?」
「あんたじゃないでしょ」
トナカイがそんな役を引き受けていたとは。オレも鼻が高い。
「なんだその、サンタクロースって奴は慈善事業でもしてるのか」
「そうね、よくはわからないけど・・・夜子供たちの枕元に吊るされた靴下の中にプレゼントを入れていってくれるんですって」
「なんだサンタ・・・って、めっちゃいい奴じゃねえか!!!」
ルフィはそう器用に叫び、口の中のものをごきゅんと呑み込んだ。
「サンター!!オレにもプレゼントをくれー!!肉がいいぞー!!」
「オレは追加用の火薬が欲しいぜ!」
「オレァ新しいフライ返しが欲しい。焦げ付いてきた」
「はん、てめぇの欲しいモンを人に頼むなんざするもんじゃねぇぞクソコック」
「んだとこの芝生がァ」
あ、また始まった。
「私は部屋用のコーヒーメーカーが欲しいわ」
「金金金」
・・・ナミ、
苦笑していると、いつのまにか全員の視線がオレに集まっていた。
「で、チョッパーは?」
「・・・え、オレ?欲しいもの?」
うんうんと皆が一様にうなずく。
うーん、欲しいもの、欲しいもの・・・新しい本はこの前の島で買い置いたからまだたくさんあるし・・・薬品も切れていない。オレはみんなみたいに着ているものも多くないわけだし、飾るものは必要ない。
「へへ、オレは今ないや」
えー!!とルフィが叫ぶ。もったいねぇじゃねぇかとウソップ。
え、だってサンタクロースって一人なんだろ?それでいろんな子供のところを回るんだろ?そんな忙しい人がオレの所に来るはずがない。ましてやオレはトナカイだ。配る側なんだ。
「まあ、チョッパーらしいけどね」
その物欲のなさ、とナミが紅茶をすすった。
そのあとはルフィが紙に『肉肉肉』とたくさん書いて、届くようにと海に流していた。
サンタに届くといいな、ルフィも、皆のも。
オレはかちりと小さなランプを消した。
この男部屋で起きているのはもうオレだけだ。あちこちでいびきの大合唱が鳴り響く。
オレは読んでいた医学書を本棚に戻してハンモックへと飛び乗った。
船の揺れにあわせるように揺れるこの寝床にもだいぶ慣れた。
・・・あともう少しで、クリスマスイブ。
・・・それから、おれの・・・
ううん、いいんだ。そんなことは。明日はもっとすごい日なんだから。聖なる日なんだから。
そう頭の中で繰り返しながら、オレは眠りへと落ちていった。
・・・ッパー、チョッパー、
「・・・ん・・・何・・・」
かすかに俺を呼ぶ小さな声に引かれるように瞼を上げる。部屋は薄明るく、明け方だとわかった。目の前にはロビンが。
「おはよう」
「・・・ん、おはようロビン・・・何かあっ・・・」
ロビンの細長い指がおれの口を閉ざす。ロビンは微笑んだままオレにハンモックから降りるよう示した。
言われるがまま降りると、そのまま手を引かれる。
「???」
わけがわからずロビンに促されて男部屋のドアをあけた。
アレ、そういえば部屋に誰もいない。みんな朝が早いなあ。
「誕生日おめでとう、チョッパー!!!」
ぼんやりとした朝日の中、似合わないほど軽快な炸裂音と歓声。目の前で花火が上がり、オレの顔をかたどる火花が散った。
「・・・え?」
目をしばたかせるオレに、ウソップが呆れるように笑った。
「おいおい、自分の誕生日も忘れちまったのか」
え、誕生日…?ああそうだ、今日はオレの… でも、でも、昨日そんな話一度もしなかったじゃないか。昨日はみんなでクリスマスの話をして、オレの誕生日の話なんて、
「まったく、本当に欲がないんだから」
信じられないわ、とナミが呟く。
ぐるりとオレを囲むようにみんなが立っていて、背の高いみんなを見上げるようにすると朝日が目に入ってすごく眩しい。まだ、今の状況に頭がついていかないみたいだ。
「はい、私からはこれを」
ロビンが艶やかな紫のリボンを結んだ本を差し出してくれた。それはずっしりとオレの手になじむ。
「…これ…」
「以前から持っていたものだけど、医学について興味深いことがたくさん書いてあるのよ」
ふわりと古い紙の匂いが香る。それはロビンの匂いでもあった。
「…ありがとう」
「オレからはこれだっ」
そうウソップが差し出したのは、透明な酒瓶。…あれ、中に何か…
それを受け取って驚いた。すげぇっ!!
「瓶の中に船が入ってる!」
「へへ、すげぇだろ、ボトルシップっていうんだぜ」
瓶の中にはマストが何本も立つ船が、細かいところまでしっかりと組立てられている。
あれ、でもこの船見たことがないけど。そう口にすると、ウソップが誇らしげに腕を組んだ。
「よく見てみろ」
促されるまま視線を落とし船を見る。 …海賊旗がある。 …凛々しい髑髏と、その回りに散るピンク。
この旗は…
「…ドクターの…」
「お前が掲げる髑髏は麦藁海賊団のだけどな」
この旗はお前の信念だから、お前とお前のオヤジさんだけのモンだ、と。
忘れたことなんかなかった。いつもオレは心の中でこの旗に助けられていた。それが今、目の前にある。
「…ありがとう、ウソップ」
「あたしはあげるものが何もなかったから、あんたの今までの借金全部チャラにしてあげるわ」
そう言って、ナミはとんとオレの額を小突いた。ナミがお金に関して寛容になってくれるなんて。恐ろしくていくら貯まっているのか聞けないほどだったのに!
「ありがと、ナミ」
「それだけじゃないのよ」
そういってナミが顔を向けたほうを見遣ると、サンジが大きな台車を引いてきた。その上には、鮮やかにみかんが盛られたオレの背よりも大きなケーキ。
「…う、わあ…」
「オレからはこれ。変わり映えねぇけどオレには料理くらいしかねぇからな。みかんはナミさんから。このケーキのために30個もくれたんだぜ!」
そうなの?とナミを見上げると、すごく優しく笑ってくれた。
「サンジ、ナミ、ありがとう。みんなで食べたら食べ切れるよなっ」
「おいチョッパー。オレァお前にやるもんがねぇ」
そう言ってゾロは決まり悪そうに頭を掻いた。
「そんなのいいよ、ありがとな」
「ああ、だからチョッパー、一緒に風呂入っぞ」
風呂?意図が掴めずに首を傾げると、ゾロは少し口端を上げた。
「背中流してやる」
「え…いいの?」
当たり前だろ、と小突かれた。未来の大剣豪に背中を流させるなんて!
「…へへ、ありがとゾロ」
「チョッパー!!」
大きく澄んだ声が甲板に響く。ケーキをつまみ食おうとしてサンジに愛のキックをくらったルフィが頬を痛々しく腫らして叫んだ。
「今日一日、この船はお前のもんだ!!好きにしていーぞー!」
オレからのプレゼントだ!!
そう言って、にしし、と笑った。
じわり、じわりと温かな気が滲む。数年前のオレは知らなかった、すごく素敵なこと。
「…ありがとう…ルフィ、みんな」
ぐじゅ、と鼻がなってしまった。やっぱりオレは肝心なところで締まらないんだ。
やあね泣かないでよ、とナミに呆れられた。
クリスマスである明日には、ドクトリーヌに手紙を書こう。
オレのところには、サンタが6人もやってきたんだって。
チョッパーハッピーバースデー!!
「ある冬島ではね。明日、12月24日はクリスマスイブというの」
「クリス・・・って、なんだそりゃ?」
「昔から伝わるお祭りのようよ。25日がクリスマス。で、前日がクリスマスイブ」
どうかいつまでも清らかに
夜ご飯を食べながらのことだった。
オレは今日のシチューがいつもより美味しい気がして、サンジのところにおかわりを貰いにいっているときだったから、ロビンの話を聞き逃さないように慌てて席へと戻る。
「この日はね、聖なる日と言われていて、大切な人に愛を語らう日なのよ」
「へぇ、ロマンチック」
「でしょう」
ふふ、とナミとロビンが顔を見合わせて笑いあう。こういうときのふたりは綺麗で可愛くて、好きだ。
サンジが少しそわそわしてるのは気のせいじゃないと思う。
「それだけではなくてね、クリスマスには子供たちの元に素敵なプレゼントがやってくるのよ」
「ぷれぜんとぉ?」
「そう。サンタクロースといってね、私も本の挿絵で見ただけなのだけど。赤い服を着て白いひげを生やしたおじいさんなの。そりにたくさんのプレゼントを積んでね、そう、そのそりはトナカイさんが引くのよ」
「えっ、オレ!?」
「あんたじゃないでしょ」
トナカイがそんな役を引き受けていたとは。オレも鼻が高い。
「なんだその、サンタクロースって奴は慈善事業でもしてるのか」
「そうね、よくはわからないけど・・・夜子供たちの枕元に吊るされた靴下の中にプレゼントを入れていってくれるんですって」
「なんだサンタ・・・って、めっちゃいい奴じゃねえか!!!」
ルフィはそう器用に叫び、口の中のものをごきゅんと呑み込んだ。
「サンター!!オレにもプレゼントをくれー!!肉がいいぞー!!」
「オレは追加用の火薬が欲しいぜ!」
「オレァ新しいフライ返しが欲しい。焦げ付いてきた」
「はん、てめぇの欲しいモンを人に頼むなんざするもんじゃねぇぞクソコック」
「んだとこの芝生がァ」
あ、また始まった。
「私は部屋用のコーヒーメーカーが欲しいわ」
「金金金」
・・・ナミ、
苦笑していると、いつのまにか全員の視線がオレに集まっていた。
「で、チョッパーは?」
「・・・え、オレ?欲しいもの?」
うんうんと皆が一様にうなずく。
うーん、欲しいもの、欲しいもの・・・新しい本はこの前の島で買い置いたからまだたくさんあるし・・・薬品も切れていない。オレはみんなみたいに着ているものも多くないわけだし、飾るものは必要ない。
「へへ、オレは今ないや」
えー!!とルフィが叫ぶ。もったいねぇじゃねぇかとウソップ。
え、だってサンタクロースって一人なんだろ?それでいろんな子供のところを回るんだろ?そんな忙しい人がオレの所に来るはずがない。ましてやオレはトナカイだ。配る側なんだ。
「まあ、チョッパーらしいけどね」
その物欲のなさ、とナミが紅茶をすすった。
そのあとはルフィが紙に『肉肉肉』とたくさん書いて、届くようにと海に流していた。
サンタに届くといいな、ルフィも、皆のも。
オレはかちりと小さなランプを消した。
この男部屋で起きているのはもうオレだけだ。あちこちでいびきの大合唱が鳴り響く。
オレは読んでいた医学書を本棚に戻してハンモックへと飛び乗った。
船の揺れにあわせるように揺れるこの寝床にもだいぶ慣れた。
・・・あともう少しで、クリスマスイブ。
・・・それから、おれの・・・
ううん、いいんだ。そんなことは。明日はもっとすごい日なんだから。聖なる日なんだから。
そう頭の中で繰り返しながら、オレは眠りへと落ちていった。
・・・ッパー、チョッパー、
「・・・ん・・・何・・・」
かすかに俺を呼ぶ小さな声に引かれるように瞼を上げる。部屋は薄明るく、明け方だとわかった。目の前にはロビンが。
「おはよう」
「・・・ん、おはようロビン・・・何かあっ・・・」
ロビンの細長い指がおれの口を閉ざす。ロビンは微笑んだままオレにハンモックから降りるよう示した。
言われるがまま降りると、そのまま手を引かれる。
「???」
わけがわからずロビンに促されて男部屋のドアをあけた。
アレ、そういえば部屋に誰もいない。みんな朝が早いなあ。
「誕生日おめでとう、チョッパー!!!」
ぼんやりとした朝日の中、似合わないほど軽快な炸裂音と歓声。目の前で花火が上がり、オレの顔をかたどる火花が散った。
「・・・え?」
目をしばたかせるオレに、ウソップが呆れるように笑った。
「おいおい、自分の誕生日も忘れちまったのか」
え、誕生日…?ああそうだ、今日はオレの… でも、でも、昨日そんな話一度もしなかったじゃないか。昨日はみんなでクリスマスの話をして、オレの誕生日の話なんて、
「まったく、本当に欲がないんだから」
信じられないわ、とナミが呟く。
ぐるりとオレを囲むようにみんなが立っていて、背の高いみんなを見上げるようにすると朝日が目に入ってすごく眩しい。まだ、今の状況に頭がついていかないみたいだ。
「はい、私からはこれを」
ロビンが艶やかな紫のリボンを結んだ本を差し出してくれた。それはずっしりとオレの手になじむ。
「…これ…」
「以前から持っていたものだけど、医学について興味深いことがたくさん書いてあるのよ」
ふわりと古い紙の匂いが香る。それはロビンの匂いでもあった。
「…ありがとう」
「オレからはこれだっ」
そうウソップが差し出したのは、透明な酒瓶。…あれ、中に何か…
それを受け取って驚いた。すげぇっ!!
「瓶の中に船が入ってる!」
「へへ、すげぇだろ、ボトルシップっていうんだぜ」
瓶の中にはマストが何本も立つ船が、細かいところまでしっかりと組立てられている。
あれ、でもこの船見たことがないけど。そう口にすると、ウソップが誇らしげに腕を組んだ。
「よく見てみろ」
促されるまま視線を落とし船を見る。 …海賊旗がある。 …凛々しい髑髏と、その回りに散るピンク。
この旗は…
「…ドクターの…」
「お前が掲げる髑髏は麦藁海賊団のだけどな」
この旗はお前の信念だから、お前とお前のオヤジさんだけのモンだ、と。
忘れたことなんかなかった。いつもオレは心の中でこの旗に助けられていた。それが今、目の前にある。
「…ありがとう、ウソップ」
「あたしはあげるものが何もなかったから、あんたの今までの借金全部チャラにしてあげるわ」
そう言って、ナミはとんとオレの額を小突いた。ナミがお金に関して寛容になってくれるなんて。恐ろしくていくら貯まっているのか聞けないほどだったのに!
「ありがと、ナミ」
「それだけじゃないのよ」
そういってナミが顔を向けたほうを見遣ると、サンジが大きな台車を引いてきた。その上には、鮮やかにみかんが盛られたオレの背よりも大きなケーキ。
「…う、わあ…」
「オレからはこれ。変わり映えねぇけどオレには料理くらいしかねぇからな。みかんはナミさんから。このケーキのために30個もくれたんだぜ!」
そうなの?とナミを見上げると、すごく優しく笑ってくれた。
「サンジ、ナミ、ありがとう。みんなで食べたら食べ切れるよなっ」
「おいチョッパー。オレァお前にやるもんがねぇ」
そう言ってゾロは決まり悪そうに頭を掻いた。
「そんなのいいよ、ありがとな」
「ああ、だからチョッパー、一緒に風呂入っぞ」
風呂?意図が掴めずに首を傾げると、ゾロは少し口端を上げた。
「背中流してやる」
「え…いいの?」
当たり前だろ、と小突かれた。未来の大剣豪に背中を流させるなんて!
「…へへ、ありがとゾロ」
「チョッパー!!」
大きく澄んだ声が甲板に響く。ケーキをつまみ食おうとしてサンジに愛のキックをくらったルフィが頬を痛々しく腫らして叫んだ。
「今日一日、この船はお前のもんだ!!好きにしていーぞー!」
オレからのプレゼントだ!!
そう言って、にしし、と笑った。
じわり、じわりと温かな気が滲む。数年前のオレは知らなかった、すごく素敵なこと。
「…ありがとう…ルフィ、みんな」
ぐじゅ、と鼻がなってしまった。やっぱりオレは肝心なところで締まらないんだ。
やあね泣かないでよ、とナミに呆れられた。
クリスマスである明日には、ドクトリーヌに手紙を書こう。
オレのところには、サンタが6人もやってきたんだって。
チョッパーハッピーバースデー!!
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さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。
@kmtn_05 からのツイート
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一声いただければ喜んで遊びに行きます。
足りん
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