OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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新世界のどこかの海で、麦わら海賊団と白ひげ海賊団がお目見えです。
本誌設定どこ吹く風で、エースはモビーにいます。そしてティーチはいません。いるかもしれませんが出しません。もちろんサッチは御存命です。
そんな無茶苦茶設定が許せる方のみどうぞ↓
「んぅ!いい日だわー!」
サニー号の甲板、芝生の上で目一杯伸びをしたナミは、その勢いのまま空を仰いだ。
「天候、気圧ともに安定。怖いくらい航海日和ね!」
ロビンはそんなナミを横目に、それはよかったわと頬を緩ませた。
空を割る宴
「うぉーっ!!!ウソップーー!!なんかでっっけぇの釣れたーっ」
「ぎゃーっ!!なんだそりゃーっ!!もはや魚じゃねェー!」
「ルフィすげぇーっ!」
少し離れたところでは子供組が釣りに勤しんでいる。どうも好調らしく、アクアリウムバーの水槽は様々な魚達で溢れていた。
「でかしたルフィ!今夜はその魚で宴だぜ」
サンジはゆるりと紫煙をくゆらせながら品定めるように魚の鱗を撫でた。
「ヨホホホホホ!では景気付けに一曲!」
そうブルックがバイオリンを掲げたとき、低く通る声が船じゅうに響き渡った。それはマストに設置されたスピーカーから。
「でけェ変な鳥が飛んでるぜ」
ゾロは眠そうにあくびを噛み殺し、少し遠くを旋回するような青い鳥を見上げ、そう告げた。
「うわ、おっきい鳥!」
「綺麗ね」
「青い鳥とは縁起がいいじゃねぇか!」
「食おう!あの鳥!ゴムゴムのー…」
一方、ここは世界一の海賊とその海賊船、モビーディック号。
「じゃあオヤジ、行ってくるよい」
「あァ、任せた」
とんと床を蹴ったのは一番隊隊長マルコ。
ぶわりと炎を纏う身体は颯爽と空へと駆け登る。
午後3時のこの時間、いつもの見回りだ。
(…いつもながら、なんにもないねい。)
広くどこまでも続く海を眼下にそろそろ戻ろうかと踵を返しかけたとき、ほんの小さなかけらがマルコの視界に留まった。
(…船、か)
高度を高く保ちながら近付くと、ずんと船は大きくなる。小型ではあるが…そこそこ立派な作りだ。
しかし何より重用なのは、そのメインマストで風にはためくジョリーロジャー。
(海賊船かい…)
面倒なことにならねばいいがと内心舌打ちし、少し高度を下げた。
麦藁帽子にドクロというこの出で立ち、見たことはないがどこかひっかかる。まあルーキーにはかわりないだろうが…麦わらに、海賊…麦わら帽子に、海賊…どこかで聞いた気が…
ぐるぐると思案していると、突如物凄いスピードで伸びてきた何か。
(しまっ…!)
後悔も遅く、ぐっと羽根を掴まれたマルコはその手らしきものが引き寄せるがまま、船へと堕ちていった。
「ルフィてめぇ今日冴えすぎだぜ畜生!あんなでけぇ鳥、丸焼きもいいが…小骨を取り除き弱火でトロトロになるまで赤ワインで煮込むっつーのもこれまた…」
「しししっ!美味そうだ!」
全員が上空を見上げ、落ちてくる鳥を見上げた。
「…え?」
「あ?」
「お?」
「…ひ、ひとーー!?」
どずんっと鈍い音で落ちて来た物体は、どう見ても、男、だった。
ぱちんっとルフィの腕が戻ると同時に体制を立て直した男はゆるりと立ち上がった。
「…やってくれるねい」
マルコは首筋を摩りながら船を見渡した。
(ガキばっかじゃねぇか)
「…てめぇどっかで見たことがあるな」
フランキーが考えあぐねるよう顎に手をやった。
「…不死鳥の、マルコ」
ロビンがぽつりと呟いた言葉に、皆が一様に首を傾げた。
「以前寄った島で手配書を見たわ。この人は…」
「じゃあてめぇっ、海賊かっ!?」
きんと一瞬にして空気が尖る。見張り台から降りて来たゾロが刀を鳴らし、サンジはタバコをくわえなおした。
その男、マルコは悠々と今後のことを考えていた。
(ここでやりあってもいいが…こいつらの発する空気、ただのルーキーってわけでも…ここァ一応報告に言ったほうがいいかねい)
「パイナップルのおっさん!」
「パッ…」
「あんたなんで鳥になれるんだ!?それとも今人間なだけなのか!?」
なんとも間の抜ける質問に、全員が肩の力を抜いた。
ルフィは目を輝かせ、なおもなあなあと話し掛ける。
「あのねぇ、あんた…」
(…ん、この感じ…なんかどこかで…)
そこまで考え、マルコの脳内で散乱していた考えが一気に集結してひとつになった。
この輝かんばかりの瞳、人懐っこい笑い方、そして麦わら帽子。間違いない。
「…おめぇさん…麦わらのルフィかい?エースの弟の」
「エースを知ってんのか!?」
「…オレァ白ひげ海賊団隊長、マルコだよい」
「おぉ!オレは麦わら海賊団船長、ルフィだ!」
つられるようにして自己紹介したルフィの後ろで、ナミとウソップが絶叫した。
「しししし白ひげーーっ!?」
「そういやエースのやつ、そんなこと言ってたなあ」
ルフィはぽんと手を打ってから、再びマルコに向き直った。
「パイナップルのおっさん!」
「その呼び方やめろい」
「エースいるんだろ!?会わせてくれよ!」
「待てルフィ」
ゾロはルフィの首根っこを引っつかみ下がらせる。
「その前に、俺達ァ海賊だ。そっちに戦意はあるのか、ないのか」
「はんっ、戦意剥き出しの目でそりゃあないよい。まぁやってもいいが…あんたらの船が沈んでもいいならねい」
「…ああん?」
鋭い眼光がぶつかり、空気がぱちりと爆ぜる。チョッパーは肩をすぼめたが、ルフィは目を輝かせてマルコに向き直った。
「おっさん!オレら今日宴なんだよ!エース連れて来て、みんなでやろうぜ!」
「ちょっ…ルフィ!」
ナミが慌ててルフィの耳を極限まで伸ばす。
「あんったねぇ、勝手なことばっかり言って!うちの食費が持たないでしょ!」
その会話に、マルコはくっと笑いを漏らした。
「あー、まあ、この緑剣士以外は戦意がないのはよくわかったよい。とりあえずオレは船に戻る。今後のことは船長に相談だよい。…まああんたのことを喋っちゃ、あいつが黙ってねぇだろうがな」
あとあんた、とマルコはナミに視線をあわした。びくりとナミの肩が揺れ、慌ててルフィの背後に身を隠す。
「うちは1600人の大所帯なんでねい。しかもみんな宴好きときた。こっちのぶんはこっちで用意させるよい」
そう言い、ふっと鼻から息を抜くよう笑うと、マルコは再び身体を炎に包ませる。ルフィたちから歓声があがった。
「じゃ、船に戻るよい」
飛び上がった大きな鳥はふわりと数枚の燃える羽根を残して颯爽と、空へと舞い上った。その幻想的な様に全員がほうと息をつく。
「…いい男じゃない」
「んナミさんっ!?」
ナミがぽつりと零した言葉にサンジが涙を散らす。そんなやりとりを掻き消すように、ルフィが叫んだ。
「エースに、会えるーっ!!!!」
船に帰って一番に会ったのは、あろうことか渦中の人物、エースだった。また盗み食いでもして怒られたのか、頬は真っ赤に腫れ上がりエースの目にはうっすらと涙が浮かんでいた。おそらくサッチの覇気入り愛の拳が炸裂したんだろう。
「あ、マルコおかえり」
「あ~あぁ、よい」
「?なんかあったか?」
おめぇの弟に会ったんだよい、なんて言ったらこいつは騒いで行くと言って聞かないはず。まずはオヤジへの報告が先だ。
そう結論付け、なんでもねぇとだけ言って船長室へと足を向けた。
オヤジに報告中、オヤジは至極楽しげに話を聞いていたが、『麦わらのルフィ』とそう口にした途端、ばたんと荒々しく戸が開いた。
「げっ」
「…ルフィが、いるのか」
エースは真摯な顔付きでマルコを見つめる。ああと頷くと、次の瞬間にはエースの瞳に輝きが増した。
(この顔、さっき見たよい…)
エースはぴょいっとオヤジの膝に乗り、その身体にしがみついた。
「オヤジ!お願いだ!ルフィに会わせてくれぇぇぇ」
「グララララ、おめぇの頼みと言われちゃあ、黙ってらんねぇなァ」
「じゃあオヤジ、船を寄せるのかよい」
「…そうだな、マルコ、準備頼む」
「…了解」
内心やっぱりと思いつつ、オレは各隊長を召集するために踵を返した。後ろではエースの叫びとオヤジの笑い事が重なり、船を揺らした。
「ルフィに、会えるーっ!!!!」
ずんずんと近付く船の頭には、白い鯨があしらわれたモチーフ。
「…うぉ、やっぱ、でけぇな…」
ついに、サニー号に寄り添うように止められた船を見上げ、ウソップは感嘆の声をあげた。
ゾウとアリ、とまでは言わないが、相当の大きさのモビーディックは圧巻だ。
そのモビーディックから、ひょっこりとオレンジのテンガロンハットが覗いた。
「ルフィッ!」
「!エースッ!エースエースッ!!」
迷う事なくモビーディックに手を伸ばしゴムの反動で自らを飛ばす。ごぃんと音を立て、ルフィとエースの頭がぶつかった。しかし当人たちはそんなこと気にも留めず、再会の抱擁にあけくれていた。
「エーースーー!!」
「ルフィーーー!!」
頬を寄せ合い喜びを噛み締める兄弟の姿に、白ひげ海賊団の男たちは呆気にくれる。
(…これが、エースの、弟…)
「元気だったか、ルフィ!」
「あったりまえだろ!エースはなんで頬っぺた腫れてんだ?」
「…ああ、これは名誉の負傷だ」
「なんか知らねぇけどカッコイイな!エースは!」
弟の手間見栄を張ったエースに突っ込むのは酷な気がしてクルー達が黙っていると、ずんと大きな足音とともに船が揺れた。
「オヤジ!」
「グララララ、てめぇがエースの弟か…話は聞いてるぜェ」
「うほー、おっさんなんでそんなにでっけぇんだ?」
「すげぇだろ!オヤジはでかいんだ、なにもかも!」
「グララララ、テメェの船はオレにゃ小さすぎる。テメェの仲間とやらもこっちに連れてこねぇか」
いいのか!?と意気込むルフィにオヤジが頷くと、ルフィは呼んでくる!とサニー号へと戻っていった。
白ひげは今だ頬を緩めたままのエースを見下ろしその髪をぐしゃりと撫でると、クルーたちに向き直り、声を張り上げた。
「息子どもォ!!」
宴だ!!!
後編へ
本誌設定どこ吹く風で、エースはモビーにいます。そしてティーチはいません。いるかもしれませんが出しません。もちろんサッチは御存命です。
そんな無茶苦茶設定が許せる方のみどうぞ↓
「んぅ!いい日だわー!」
サニー号の甲板、芝生の上で目一杯伸びをしたナミは、その勢いのまま空を仰いだ。
「天候、気圧ともに安定。怖いくらい航海日和ね!」
ロビンはそんなナミを横目に、それはよかったわと頬を緩ませた。
空を割る宴
「うぉーっ!!!ウソップーー!!なんかでっっけぇの釣れたーっ」
「ぎゃーっ!!なんだそりゃーっ!!もはや魚じゃねェー!」
「ルフィすげぇーっ!」
少し離れたところでは子供組が釣りに勤しんでいる。どうも好調らしく、アクアリウムバーの水槽は様々な魚達で溢れていた。
「でかしたルフィ!今夜はその魚で宴だぜ」
サンジはゆるりと紫煙をくゆらせながら品定めるように魚の鱗を撫でた。
「ヨホホホホホ!では景気付けに一曲!」
そうブルックがバイオリンを掲げたとき、低く通る声が船じゅうに響き渡った。それはマストに設置されたスピーカーから。
「でけェ変な鳥が飛んでるぜ」
ゾロは眠そうにあくびを噛み殺し、少し遠くを旋回するような青い鳥を見上げ、そう告げた。
「うわ、おっきい鳥!」
「綺麗ね」
「青い鳥とは縁起がいいじゃねぇか!」
「食おう!あの鳥!ゴムゴムのー…」
一方、ここは世界一の海賊とその海賊船、モビーディック号。
「じゃあオヤジ、行ってくるよい」
「あァ、任せた」
とんと床を蹴ったのは一番隊隊長マルコ。
ぶわりと炎を纏う身体は颯爽と空へと駆け登る。
午後3時のこの時間、いつもの見回りだ。
(…いつもながら、なんにもないねい。)
広くどこまでも続く海を眼下にそろそろ戻ろうかと踵を返しかけたとき、ほんの小さなかけらがマルコの視界に留まった。
(…船、か)
高度を高く保ちながら近付くと、ずんと船は大きくなる。小型ではあるが…そこそこ立派な作りだ。
しかし何より重用なのは、そのメインマストで風にはためくジョリーロジャー。
(海賊船かい…)
面倒なことにならねばいいがと内心舌打ちし、少し高度を下げた。
麦藁帽子にドクロというこの出で立ち、見たことはないがどこかひっかかる。まあルーキーにはかわりないだろうが…麦わらに、海賊…麦わら帽子に、海賊…どこかで聞いた気が…
ぐるぐると思案していると、突如物凄いスピードで伸びてきた何か。
(しまっ…!)
後悔も遅く、ぐっと羽根を掴まれたマルコはその手らしきものが引き寄せるがまま、船へと堕ちていった。
「ルフィてめぇ今日冴えすぎだぜ畜生!あんなでけぇ鳥、丸焼きもいいが…小骨を取り除き弱火でトロトロになるまで赤ワインで煮込むっつーのもこれまた…」
「しししっ!美味そうだ!」
全員が上空を見上げ、落ちてくる鳥を見上げた。
「…え?」
「あ?」
「お?」
「…ひ、ひとーー!?」
どずんっと鈍い音で落ちて来た物体は、どう見ても、男、だった。
ぱちんっとルフィの腕が戻ると同時に体制を立て直した男はゆるりと立ち上がった。
「…やってくれるねい」
マルコは首筋を摩りながら船を見渡した。
(ガキばっかじゃねぇか)
「…てめぇどっかで見たことがあるな」
フランキーが考えあぐねるよう顎に手をやった。
「…不死鳥の、マルコ」
ロビンがぽつりと呟いた言葉に、皆が一様に首を傾げた。
「以前寄った島で手配書を見たわ。この人は…」
「じゃあてめぇっ、海賊かっ!?」
きんと一瞬にして空気が尖る。見張り台から降りて来たゾロが刀を鳴らし、サンジはタバコをくわえなおした。
その男、マルコは悠々と今後のことを考えていた。
(ここでやりあってもいいが…こいつらの発する空気、ただのルーキーってわけでも…ここァ一応報告に言ったほうがいいかねい)
「パイナップルのおっさん!」
「パッ…」
「あんたなんで鳥になれるんだ!?それとも今人間なだけなのか!?」
なんとも間の抜ける質問に、全員が肩の力を抜いた。
ルフィは目を輝かせ、なおもなあなあと話し掛ける。
「あのねぇ、あんた…」
(…ん、この感じ…なんかどこかで…)
そこまで考え、マルコの脳内で散乱していた考えが一気に集結してひとつになった。
この輝かんばかりの瞳、人懐っこい笑い方、そして麦わら帽子。間違いない。
「…おめぇさん…麦わらのルフィかい?エースの弟の」
「エースを知ってんのか!?」
「…オレァ白ひげ海賊団隊長、マルコだよい」
「おぉ!オレは麦わら海賊団船長、ルフィだ!」
つられるようにして自己紹介したルフィの後ろで、ナミとウソップが絶叫した。
「しししし白ひげーーっ!?」
「そういやエースのやつ、そんなこと言ってたなあ」
ルフィはぽんと手を打ってから、再びマルコに向き直った。
「パイナップルのおっさん!」
「その呼び方やめろい」
「エースいるんだろ!?会わせてくれよ!」
「待てルフィ」
ゾロはルフィの首根っこを引っつかみ下がらせる。
「その前に、俺達ァ海賊だ。そっちに戦意はあるのか、ないのか」
「はんっ、戦意剥き出しの目でそりゃあないよい。まぁやってもいいが…あんたらの船が沈んでもいいならねい」
「…ああん?」
鋭い眼光がぶつかり、空気がぱちりと爆ぜる。チョッパーは肩をすぼめたが、ルフィは目を輝かせてマルコに向き直った。
「おっさん!オレら今日宴なんだよ!エース連れて来て、みんなでやろうぜ!」
「ちょっ…ルフィ!」
ナミが慌ててルフィの耳を極限まで伸ばす。
「あんったねぇ、勝手なことばっかり言って!うちの食費が持たないでしょ!」
その会話に、マルコはくっと笑いを漏らした。
「あー、まあ、この緑剣士以外は戦意がないのはよくわかったよい。とりあえずオレは船に戻る。今後のことは船長に相談だよい。…まああんたのことを喋っちゃ、あいつが黙ってねぇだろうがな」
あとあんた、とマルコはナミに視線をあわした。びくりとナミの肩が揺れ、慌ててルフィの背後に身を隠す。
「うちは1600人の大所帯なんでねい。しかもみんな宴好きときた。こっちのぶんはこっちで用意させるよい」
そう言い、ふっと鼻から息を抜くよう笑うと、マルコは再び身体を炎に包ませる。ルフィたちから歓声があがった。
「じゃ、船に戻るよい」
飛び上がった大きな鳥はふわりと数枚の燃える羽根を残して颯爽と、空へと舞い上った。その幻想的な様に全員がほうと息をつく。
「…いい男じゃない」
「んナミさんっ!?」
ナミがぽつりと零した言葉にサンジが涙を散らす。そんなやりとりを掻き消すように、ルフィが叫んだ。
「エースに、会えるーっ!!!!」
船に帰って一番に会ったのは、あろうことか渦中の人物、エースだった。また盗み食いでもして怒られたのか、頬は真っ赤に腫れ上がりエースの目にはうっすらと涙が浮かんでいた。おそらくサッチの覇気入り愛の拳が炸裂したんだろう。
「あ、マルコおかえり」
「あ~あぁ、よい」
「?なんかあったか?」
おめぇの弟に会ったんだよい、なんて言ったらこいつは騒いで行くと言って聞かないはず。まずはオヤジへの報告が先だ。
そう結論付け、なんでもねぇとだけ言って船長室へと足を向けた。
オヤジに報告中、オヤジは至極楽しげに話を聞いていたが、『麦わらのルフィ』とそう口にした途端、ばたんと荒々しく戸が開いた。
「げっ」
「…ルフィが、いるのか」
エースは真摯な顔付きでマルコを見つめる。ああと頷くと、次の瞬間にはエースの瞳に輝きが増した。
(この顔、さっき見たよい…)
エースはぴょいっとオヤジの膝に乗り、その身体にしがみついた。
「オヤジ!お願いだ!ルフィに会わせてくれぇぇぇ」
「グララララ、おめぇの頼みと言われちゃあ、黙ってらんねぇなァ」
「じゃあオヤジ、船を寄せるのかよい」
「…そうだな、マルコ、準備頼む」
「…了解」
内心やっぱりと思いつつ、オレは各隊長を召集するために踵を返した。後ろではエースの叫びとオヤジの笑い事が重なり、船を揺らした。
「ルフィに、会えるーっ!!!!」
ずんずんと近付く船の頭には、白い鯨があしらわれたモチーフ。
「…うぉ、やっぱ、でけぇな…」
ついに、サニー号に寄り添うように止められた船を見上げ、ウソップは感嘆の声をあげた。
ゾウとアリ、とまでは言わないが、相当の大きさのモビーディックは圧巻だ。
そのモビーディックから、ひょっこりとオレンジのテンガロンハットが覗いた。
「ルフィッ!」
「!エースッ!エースエースッ!!」
迷う事なくモビーディックに手を伸ばしゴムの反動で自らを飛ばす。ごぃんと音を立て、ルフィとエースの頭がぶつかった。しかし当人たちはそんなこと気にも留めず、再会の抱擁にあけくれていた。
「エーースーー!!」
「ルフィーーー!!」
頬を寄せ合い喜びを噛み締める兄弟の姿に、白ひげ海賊団の男たちは呆気にくれる。
(…これが、エースの、弟…)
「元気だったか、ルフィ!」
「あったりまえだろ!エースはなんで頬っぺた腫れてんだ?」
「…ああ、これは名誉の負傷だ」
「なんか知らねぇけどカッコイイな!エースは!」
弟の手間見栄を張ったエースに突っ込むのは酷な気がしてクルー達が黙っていると、ずんと大きな足音とともに船が揺れた。
「オヤジ!」
「グララララ、てめぇがエースの弟か…話は聞いてるぜェ」
「うほー、おっさんなんでそんなにでっけぇんだ?」
「すげぇだろ!オヤジはでかいんだ、なにもかも!」
「グララララ、テメェの船はオレにゃ小さすぎる。テメェの仲間とやらもこっちに連れてこねぇか」
いいのか!?と意気込むルフィにオヤジが頷くと、ルフィは呼んでくる!とサニー号へと戻っていった。
白ひげは今だ頬を緩めたままのエースを見下ろしその髪をぐしゃりと撫でると、クルーたちに向き直り、声を張り上げた。
「息子どもォ!!」
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麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。
@kmtn_05 からのツイート
我が家は同人サイト様かつ検索避け済みサイト様のみリンクフリーとなっております。
一声いただければ喜んで遊びに行きます。
足りん
URL;http;//legend.en-grey.com/
管理人:こまつな
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