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OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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「はい、水」 
「……ありがとハルタ」 
 
 
船縁の手摺りに上半身をだらりとぶら下げていると、ひやりと頬に冷たい感触。 
ハルタが背伸びしながらあたしに水の入ったグラスを差し出していた。 
それを受け取り一口飲むと、ひんやりと甘い。 
 
ハルタはとんと手摺りにもたれ、少し笑った。 
 
 
「ちょっとは落ち着いた?」 
「…うん」 
「あれじゃマルコが可哀相だよ」 
「だって!」 
 
勢い込んでがばっと起き上がると隣でハルタの肩が小さく跳ねた。 
 
 
「マルコの顔見たら昨日のこといろいろ思い出して!そうじゃなくてもマルコかっこいいし!!気付いたら顔から火が!っていうか顔が火に!!」 
「わ、わかったから!アン水沸騰してる!」 
「あ、」 
 
ごぽごぽと手の中で水が茹だっていた。 
少し考えただけでこのザマで。 
あの眠そうな顔を見てしまったら最後平常心ではいられないのだ。 
 
 
ハルタは眉を下げて苦笑した。 
 
「前はあんなに突っ込んで行ってたのに」 
 
それは自分でも思う。 
でもそれはそれで、これはこれというやつなのだ。 
 
しゅんと俯いたあたしを下からちらりと覗いてから、ハルタはぽつりと零した。 
 
 
「…でもよかった」 
「え?」 
「…ほら、アンが落ち込んだとき。どうしようかと思った」
 
元気になってよかったよ、と。 
にこりと笑うハルタにぐっと言葉がつまる。 
 
ずっと、見ててくれたんだ。 
 
 
 
「…ごめん、ありがと」 
 
へへっとハルタは鼻を鳴らした。 
 
「マルコも大人になったってことだよ!」 
「?マルコは最初から大人じゃん」 
「マルコはね、大人すぎて素直になれないんだよ。本当は自分だってアンに構ってもらいたいくせに」
「そんなわけ・・・あ、」
 
あたしはハルタの背後で渦巻くどす黒いなにかに目が止まった。
だけどハルタはそんな雰囲気に気づいた風もなく喋り続ける。
 
「だいたいマルコはさあ、かっこつけなんだよ。
おっさんだからかなあ。
知ってた?マルコ自身無意識みたいだけどいっつもアンのこと目で「なにベラベラ喋ってんだい」
 
節くれだった大きな手がハルタの頭をぐわしっと掴んだ。
片手で楽々と頭を鷲掴みされたハルタはさっと顔色を変え、顔を歪める。
 
「っマルコ‼痛い‼痛いよ‼」
「ここぞとばかりに話してんじゃねえよい」
「だってマルコが」
「ガキが首突っ込むことじゃねえ」
「俺はもう大人だ‼」
 
そんな騒ぎをぽかんと見ていると、マルコの視線がハルタからあたしに移った。
 
「ちょっと来い」
 
 
そう言いあっさりとハルタの頭を離したため、ハルタはバランスを崩しつんのめる。
綺麗な髪がぐしゃぐしゃだ。
黙って踵を返したマルコはスタスタと船の中へと歩いていった。
 
「アン行っておいで」
「う、ん」
 
髪を整えながらそうハルタが促すので、あたしは言われるがままに歩を進めた。
マルコは一度も振り返ることなくたったかと歩いて行く。
船内の廊下を進み幾つも角を曲がった。
その突き当たりは、マルコの部屋。
マルコは一度も話さなかった。
 
まあ怒ってるんだろうな、というのはあたしだってわかる。
ハルタに好き放題あることないこと言われ、さっきのあたしの態度も原因だろう。
 
 
やっぱり行き着いたのはマルコの部屋で、マルコが黙って入ったのであたしもその後に続く。
あたしのすぐうしろでドアが遠慮したような音を立てて閉じた。
マルコは室内を数歩進んだところで、突然振り返った。
びくりと肩が跳ねてしまう。

 
「あのよい、」
「ご、ごめん」
 
何故か自然と口をついたのは謝罪の言葉で、マルコはそれを聞くとすぐに目を細めた。
 
「なんで謝る」
「だって、あたしさっき変な」
「おれは、よい」
 
あたしの言葉を遮ったマルコは一拍おいてからまた口を開いた。
 

「おっさんだからよい、お前がどうしたいとかどうしてほしいとか、わかんねえんだよい。
もしそういうのが言えなくてさっきみたいに能力制御できねえなら、言えよい。溜め込むんじゃねえ」
 
 
マルコはまっすぐにあたしをみたままそう静かに言い切った。
あたしはただぽかんとそれを聞いていたのだが、はっとして、それから慌ててしどろもどろになりつつさっきハルタに話したようなことを説明する。
するとマルコは首元を摩りながらあーとかうーとか言った言葉を発した。
 
「それならよい、いいんだが」
 
いや、いいのか?とか自問するマルコをあっけに取られてみていると、マルコは眉間に皺をよせてなに見てんだいとあたしを見下ろした。
 
「いや、だってマルコがそんなこと考えてるなんて、びっくりっていうか、その、いろいろ慣れて、そうだから」
 

視線を泳がせたままそう言うと、マルコは呆れたように口元を歪めた。
 
 


「そこらの女と同じなわけねえだろい」
 
 
 
 
 
…んん?
…んんん?
 
真意を図り兼ねて固まってしまったあたしにマルコは不審な目を向け、どうしたよいと顔を覗きこむ。
 
働きの悪いあたしの脳細胞がさっきの言葉をやっと理解した瞬間、かっと顔に熱が灯った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
あたしに爆弾を投下するのがうまいらしい。








 

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 麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。



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