OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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つい今しがた背中で聞いた音は、どうとっても施錠の音。
「あーあ、どうりで気前のいい奴らだと思ったよ」
「こりゃ2日どころじゃねぇかもな」
「くそ、女買う暇も無しかよ」
「食料と資料だけは取ってかねぇと」
「まぁとりあえず」
「壊そうか、ここ」
柄の悪い笑みを浮かべた男たちは、揃って中央に背を向けた。
すらりと取り出した刀や棍棒を一斉に振りかぶる。
あたしは鍵がかけられたと思わしき扉に脚を叩きつけた。
「うわっ…!!」
外からは十数人と思われる驚きの声。
ガラガラと崩れる石の音でよくは聞こえなかった。
砂埃が少しづつ引いていった先に見えたのは、あたしたちをぐるりと囲む人人人。
どうも大柄の奴が多い。
「さすがと言うべきか、そうやすやすとは行かないね」
穏やかな表情を崩さないおじいさんは人の群れの中心でにっこりと微笑んだ。
さっきと同じ笑顔のはずが、もうどう見ても悪そうにしか見えない。
まぁそれはこっちも同じか。
「じーさんどういうつもりだよ」
「知る必要はない。あんたらはもうここからは出れん」
「はっ、あんたたち1600人捕まえる気かよ」
「まさか。わしらは白ひげクルー数人捕らえればいいと言われている」
あたしの隣で刀を構えていた隊員が舌を打った。
「てめぇら海軍の回しモンか」
「…知る必要はないと言った」
それならそれでいい。
とりあえずこの状況をなんとか船に伝えなければ。
きっと自由行動のクルーたちは酒場にいてこのことを知らない。
きっとこの島のすべてがあたしたちの敵だ。
「ねぇ、あんたらこの資料持って、あそこ突破して船行って伝えろ」
「了解」
3人の隊員は自身のズボンの中(うぇ、)やポケットに海図を突っ込むと、その体を弾丸のように丸めて突進した。
突然の行動に、住民たちの陣営が少し崩れる。
所詮一般人だ。
まず鍵をかけただけであたしたちを閉じ込められると思っている時点でとろっとろに甘い。
「あんたらは街に降りて酒場にいるクルーを船に戻して」
「了解、気をつけろよアン」
「ん、」
一際大きな体の隊員が特攻し、再び陣営に大穴があく。
数人の住民を飛び越えたり薙ぎ倒しながら、6人は上手くそこをくぐり抜けた。
何人かがそれを追って行ったが、素人が追いつける様な足をあいつらは持っていない。
さて、とあたしは残る住民に向き直った。
多少人数は減ったが、ざっと30、いや50くらいかな?
「残ったのは一人か。長年この役を買っているがこんな失態は初めてだ」
「どうでもいいけど、じーさんたち、本気で白ひげ相手にするつもりなの?死ぬよ」
「口が減らないね、火拳のアン」
「…知ってんだ」
くっと笑ったじーさんは、すいと目を細めた。
海賊にも負けない悪そうな顔。
「知ってるとも。残ったのが火拳一人とは十分すぎるくらいだ」
「今にそんなこと言ってられなくしてやるよっ!」
ごうっと全身に焔が灯る。
さっさと片付けないと出港が遅れる。のんびりとはしてられない。
「火柱ぁ!!」
「マルコ隊長ー!!ちょ、早く!!」
「あぁん?」
やけに慌てふためく隊員が、見張り台からオレを呼ぶ。
隊員がオレとある一方を交互に見やるので、その一方におれも視線を移した。
「…ありゃぁ、」
「アンの火じゃねぇか?」
ひょこっとオレの顔の隣に突き出たフランスパンもといサッチ。
「…なにやってんだか」
「てか結構激しくね?なんかあったんじゃ」
サッチの言うとおり、なにか胸騒ぎがする。
こう言う予感は、ハズレないものだ。
「…ちっ、あの馬鹿」
毒づいたとき、少し離れた波止場に続く道から三人の野郎が走ってくるのが見えたのだった。
「なにがあった」
ボートを出す暇も惜しみ波止場まで飛ぶと、息を切らした隊員が口々に言う。
聞こえてきた単語をつなぎ合わせると、こうだ。
この島は海軍の回し者。アンが住民とやりやっている。結構ヤバイ。
クセぇとは思っていた。だが寄らないわけにもいかず立ち寄った島だったが。
(やっぱり、ってことかい)
「てめぇらオヤジに知らせろ。出港準備だ。あと船に残ってる奴らで島の食料掻っ払ってこい」
沖から、サッチのどーしたんだー?という暢気な声が聞こえたが、それどころではない。
ぞくり、とでも言おうか。
胸騒ぎが激しくなった。
オレは迷わず空へと舞い上がった。
勝負は一瞬で着いた。
あたしが焔を出した途端じぃさんは慌ててトンズラこきやがったし、住民はやっぱりただの一般人ですぐに倒れ伏した。
所詮海軍が来るまでの時間稼ぎに、あたしたちを歓迎する振りをするだけのコマだったんだろう。
(…油断した、わけじゃないんだけどなぁ、)
ううんと唸りながら、身を捩るとじゃぶりと背筋の寒くなる音がする。
ずしりと全身にのしかかる重みは暑苦しくて気持ち悪い。
荒い息遣いから逃れるように顔をそらした。
「へへっ、本当に能力者ってのは不便な身体だよなぁ、」
見るからに脳筋っぽい男がいやらしく笑った。
油断したわけじゃない。それはもう絶対。
ただ、勝負がついたと思った矢先のことだった。
あたしたちが破壊した家には地下があり、そこから一人男が這い出してきた。
気づいたときには片方の足首でカシャンと嫌な音が。
「うぇっ!?…っくそっ!!」
手錠の掛かった足で男を蹴り飛ばしたが、見かけ通り丈夫そうな男はすぐさま立ち上がった。
まさかとも思い火になろうとしたが、無駄だった。
「へへっ、これでもう『火拳のアン』にはなれねぇ」
「あんた馬鹿か。それで勝てると思ってんの」
だが男は口端をにっと吊り上げ笑った。
「どうかな」
じゃらりと男が持ち上げたのは鉄の鎖。
その鎖が続く先は、紛れも無くあたしの足首。
「…用意周到だな」
「はっ、仕事だからな」
その刹那、ぐんっと足首を引きちぎるような勢いで鎖が引かれた。
あたしはその勢いに逆らうこと無く逆の足で男の顔目掛けて跳ぶ。
硬いブーツの底が男の顔面に当たり、うっと呻き声と共に男が後ろに倒れた。
(あっけない、)
と思ったのも束の間、倒れた男の顔面に着地したはずが、その足元がばきりと崩れた。
「うわっ!?」
いつのまにか戦っている内に岸に近づいていたらしく、足場は海上に作られた木の床となっていた。そこが今の衝撃で崩れたのだ。
マズイ、と思ったその瞬間、もちろん足元は海だ。
男は顔から、あたしは足から落ちて行った。
じゃばんっと全身が海水に浸かる。
岸の割にそこは深く、身体は沈む一方だ。
(やばいやばいやばいこれは本当に、)
ごぽっと口から海水が流れ込み、喉がその辛さで焼ける様に痛む。
咄嗟に口元を手で覆ったが、その手にもはや力は入らない。
その時、ぐっと強い力があたしを腕から引き上げた。
「っ、げほっ!…ぅ、っはぁ…!」
「…っは、死なせるわけにゃいかねぇからな…」
あたしを引き上げた男は、あたしの上半身を割れた木の床に乗せた。
下半身がまだ海水の中にあるせいで、あたしは呼吸を整えるので精一杯。
ふっと視界にあった空が消え、男の濡れた顔で一杯になった。
「…どんな荒くれモンのアマかと思やぁ、結構な上玉じゃねぇか」
「…くそっ…!離れろ…!」
「へへっ、七武海の誘い断った女が白ひげに入ったってのは聞いてたが、まさかこんないい女ったぁなぁ」
「っ!!」
ぶんと振り上げた右腕は自分でも子供のパンチ並のスピードだとわかるほどで、あっけなく男に掴まれ床に縫い付けられた。
「海軍に売るのも勿体無ェくらいだが…味見くらいさせてもらうぜェ」
「…っちくしょっ…!!」
急所を蹴り上げてやろうかと足に力を込めたが、非情にも脚は全く動かない。
男の分厚い手のひらが、へそのあたりから腹を撫で上げているのがわかり一気に鳥肌が立った。
「…っ触んな!!」
ぐっと肘に力を込めて、頭を持ち上げ男の額にぶつける。
その衝撃で思考が飛びかけたが唇を噛んで耐えた。
くらりときたのは男も同じらしく、一瞬頭に星が飛んでいたようだがすぐに持ち直し、このアマと叫んであたしの頬に拳をめり込ませた。
「っ!!」
一瞬で口内に鉄の味が広がり、痛みというより痺れが酷い。
(いやだいやだいやだ)
こんな海の中で気を失えば間違いなく良い結果など見えない。
その前にこんなブ男に襲われるなんてもってのほかだ。
(…くそっ)
ブレる視界の向こうで男を睨みつけたが、オトコはにやりと卑猥な笑みを浮かべてあたしの胸を包む布を一気に引き裂いた。
「っうあっ!!」
身体にのしかかっていた重みが一瞬で消えた。
その時視界一杯に広がったのは、比喩ではなく、本当に。
…マルコ、
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