OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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手配書をゆっくりとオレの手から受け取ったアンは、その紙切れを日に焼けない拳でふるふると握りしめ、そして凝視していた。
「…前に、お前が寝言で言ったんだよい、そいつの名前を」
「…ル、フィ…」
アンの口からその名を聞くのは二度目だが、やはり心穏やかではない。
あぁ、という嘆息が薄い唇から漏れ、震える指先がその紙面に映る男の頬をなぞる。
目はかっちりと見開いて、唇は小さく開いたままだったが、そのどちらの端も微かに弧を描いていた。
そいつはお前のなんなんだ、と素直に聞けるほど若くなく、ずけずけと聞ける程肝の座った大人でもない。
中途半端なおっさんだと心底思った。
「…こいつ、ルフィっていうんだ…」
未だ写真から視線を外さないアンが、掠れる声でまたそいつの名を言った。
「いっつもこうやって笑ってて…あぁ、やっと海賊になったんだ…」
ということは、だ。
昔から知ってる奴。昔の男。
「…そっか、へへ…もう海にいるんだ…」
柔らかな視線が、その男を貫く。
あぁ、わかった。
この男の笑顔は、アンに似ている。
「マルコありがと」
「…何がだい」
「手配書、教えてくれて。すっごい嬉しい」
紙を掻き抱いてへへっと笑みを零すアンは、ここ最近で一番幸せそうな顔をした。
「こいつさぁ、悪魔の実食ってて泳げないくせにやたらと海に落ちるんだ。あたしいっつも助けててさぁ。あ、もう一人兄弟がいるんだけどさ、そいつといっつも一緒に助けてたんだー」
それにさぁ、と突然饒舌になったアンがぺらぺらと一人話し始めた。
男の話をこんなにも楽しげに告げるアンを、俺はこのかた見た事がない。
しかしそのときどこかアンの言葉に引っかかるような部分を感じたが、それが何処かわからなかった。
アンは二人並んで腰を下ろしたオレのベッドに後ろ手で手を突き、未だべらべらと喋っている。
「こいつ本当に弱虫でさ、夜とか眠れないって言ってあたしの布団に入ってくんの。最初は入れてやってたんだけど寝てるうちにくっついてくるからさー、邪魔で邪魔で」
タチの悪い野郎だ。布団にもぐりこむとは。
「蹴っ飛ばしても、一緒に寝たいって聞かないから大変でさ。それにこいつすっごい食べるの!おかずはいっつも取り合いでさあ」
どことなく上から目線と言うか、年上気取りのようなアンの口調。こいつが年下だからか。
幼さを楯にするとはふてェ野郎だ。悪かったなおっさんで。
「一緒に山登っても絶対迷子になるし、本当手のかかる弟なんだけど・・・そっか、3000ベリーの賞金首かぁ・・・」
感慨深いとでも言うように、アンはひとりうんうんとうなずいていたのだが。
「・・・ちょっと待て、今なんてった」
「え?3000ベリーの賞金・・・」
「違うその前」
「前・・・?・・・手のかかる弟だって・・・」
「弟ォ!?」
なんてこった。
穴があったら入りたい。自分を燃やし尽くしてしまいたい。
口には出してないとはいえやりきれない。
「・・・はっ、・・・くくっ・・・!」
目元を覆い自嘲の笑いを漏らすと、隣でアンが焦ったように手を動かしたのがわかった。
「ちょ、何笑ってんの!?」
「いいやなんでもねぇよい・・・くっ、ああそういうこと、弟!」
笑ったまま後ろに倒れこむと、未だわからないといった顔でアンがオレを覗き込む。
「マルコ変だ」
「気にしないでくれ」
「その話し方が既に変。ついでに口癖も」
「今更それを追求するのかお前は」
変なの、とむくれたアンの腕をくいと引っ張る。
うわ、と支えを失った体は引かれた力の方向へと倒れこんだ。
「もう発火しねぇんだな」
「っ!・・・しないよ、もう」
みんなに怒られたもん、とオレの胸板の上でしゅんとうなだれる。
そこにむくむくと起き上がってきた悪戯心と言うか、加虐心。
オレがこんだけ振り回されたんだからしょうがねぇだろとなんとも勝手な理由をつけておく。
「そういやコレ、オレのだったねい」
背中に回した手で、アンの身体に纏われた空色の布切れをつんと引っ張った。
するとアンは、げ、と顔をしかめる。
「思い出させないでよ!気持ち悪かったんだから!」
ほんと最悪最悪最悪格好悪いあたし!と毒を吐いたアンは、仕舞いにはうぇ、と舌を出す。
しかしよじよじとオレの胸板を這い登ってきて、オレの顔の高さまで来るとにぱりと笑った。
「でもほんと助かった。ありがとマルコ!」
そんな風に笑われてしまうと、自分がものすごい悪い男のように思えてしまう。そういうトコロがこいつのタチの悪いところだ。
「・・・返してもらおうかねい」
背中に手を回したまま、身体をくるりと反転させる。
ほぇ、と気の抜ける声がアンから漏れた。
突然回った視界についていけないらしい。
顔の横に片腕をついて、もう片方の手は背中に入れたまま。
押し倒されるという状況を味わうのは本日二度目だというのに、なんとも危機感のない顔をしている。
「脱ぐのと脱がされるの、どっちがいい」
な、と口を開いたが、声を発する前にそれはわなわなと震えだした。何をと聞かずとも自分で気づいたらしい。
「どっちもいいよ!返して欲しいならあとですぐに他の代わり見つけてくるから・・・!」
耳まで真っ赤になったアンはオレから逃れようと身をよじった。
が、そのせいでオレの手とアンの身体によって引っ張られた布が少しずれる。
それに気づいたアンは、慌てて動きを止め、今度は俺の体を押し返し始めた。
「ああああたし医務室いかなきゃ!マルコが行けっていったんだよ!どいて!」
あぁ、とこいつの足の傷のことを思い出し、口角を上げたままアンの耳元に顔を寄せた。
「舐めて治してやろうかい」
オレァ不死鳥だからねい、ちょっとは効くかもしれねぇよい。
そう口にすると、今度こそアンはどんっとオレを突き飛ばした。しかも発火つき。
すばやく立ち上がったアンは、震える拳から炎を吹き出し、真っ赤な顔で叫んだ。
「バカマルコ!そんな効果ないくせに!!」
己の許容範囲を超えたらしく、うあぁぁぁぁと奇声を発しながら部屋を飛び出した。
その姿、まさしく脱兎
(うぁぁぁぁあぁあぁあ!!)
(はい、アン隊長ストーップ)
「こいつさぁ、悪魔の実食ってて泳げないくせにやたらと海に落ちるんだ。あたしいっつも助けててさぁ。あ、もう一人兄弟がいるんだけどさ、そいつといっつも一緒に助けてたんだー」
それにさぁ、と突然饒舌になったアンがぺらぺらと一人話し始めた。
男の話をこんなにも楽しげに告げるアンを、俺はこのかた見た事がない。
しかしそのときどこかアンの言葉に引っかかるような部分を感じたが、それが何処かわからなかった。
アンは二人並んで腰を下ろしたオレのベッドに後ろ手で手を突き、未だべらべらと喋っている。
「こいつ本当に弱虫でさ、夜とか眠れないって言ってあたしの布団に入ってくんの。最初は入れてやってたんだけど寝てるうちにくっついてくるからさー、邪魔で邪魔で」
タチの悪い野郎だ。布団にもぐりこむとは。
「蹴っ飛ばしても、一緒に寝たいって聞かないから大変でさ。それにこいつすっごい食べるの!おかずはいっつも取り合いでさあ」
どことなく上から目線と言うか、年上気取りのようなアンの口調。こいつが年下だからか。
幼さを楯にするとはふてェ野郎だ。悪かったなおっさんで。
「一緒に山登っても絶対迷子になるし、本当手のかかる弟なんだけど・・・そっか、3000ベリーの賞金首かぁ・・・」
感慨深いとでも言うように、アンはひとりうんうんとうなずいていたのだが。
「・・・ちょっと待て、今なんてった」
「え?3000ベリーの賞金・・・」
「違うその前」
「前・・・?・・・手のかかる弟だって・・・」
「弟ォ!?」
なんてこった。
穴があったら入りたい。自分を燃やし尽くしてしまいたい。
口には出してないとはいえやりきれない。
「・・・はっ、・・・くくっ・・・!」
目元を覆い自嘲の笑いを漏らすと、隣でアンが焦ったように手を動かしたのがわかった。
「ちょ、何笑ってんの!?」
「いいやなんでもねぇよい・・・くっ、ああそういうこと、弟!」
笑ったまま後ろに倒れこむと、未だわからないといった顔でアンがオレを覗き込む。
「マルコ変だ」
「気にしないでくれ」
「その話し方が既に変。ついでに口癖も」
「今更それを追求するのかお前は」
変なの、とむくれたアンの腕をくいと引っ張る。
うわ、と支えを失った体は引かれた力の方向へと倒れこんだ。
「もう発火しねぇんだな」
「っ!・・・しないよ、もう」
みんなに怒られたもん、とオレの胸板の上でしゅんとうなだれる。
そこにむくむくと起き上がってきた悪戯心と言うか、加虐心。
オレがこんだけ振り回されたんだからしょうがねぇだろとなんとも勝手な理由をつけておく。
「そういやコレ、オレのだったねい」
背中に回した手で、アンの身体に纏われた空色の布切れをつんと引っ張った。
するとアンは、げ、と顔をしかめる。
「思い出させないでよ!気持ち悪かったんだから!」
ほんと最悪最悪最悪格好悪いあたし!と毒を吐いたアンは、仕舞いにはうぇ、と舌を出す。
しかしよじよじとオレの胸板を這い登ってきて、オレの顔の高さまで来るとにぱりと笑った。
「でもほんと助かった。ありがとマルコ!」
そんな風に笑われてしまうと、自分がものすごい悪い男のように思えてしまう。そういうトコロがこいつのタチの悪いところだ。
「・・・返してもらおうかねい」
背中に手を回したまま、身体をくるりと反転させる。
ほぇ、と気の抜ける声がアンから漏れた。
突然回った視界についていけないらしい。
顔の横に片腕をついて、もう片方の手は背中に入れたまま。
押し倒されるという状況を味わうのは本日二度目だというのに、なんとも危機感のない顔をしている。
「脱ぐのと脱がされるの、どっちがいい」
な、と口を開いたが、声を発する前にそれはわなわなと震えだした。何をと聞かずとも自分で気づいたらしい。
「どっちもいいよ!返して欲しいならあとですぐに他の代わり見つけてくるから・・・!」
耳まで真っ赤になったアンはオレから逃れようと身をよじった。
が、そのせいでオレの手とアンの身体によって引っ張られた布が少しずれる。
それに気づいたアンは、慌てて動きを止め、今度は俺の体を押し返し始めた。
「ああああたし医務室いかなきゃ!マルコが行けっていったんだよ!どいて!」
あぁ、とこいつの足の傷のことを思い出し、口角を上げたままアンの耳元に顔を寄せた。
「舐めて治してやろうかい」
オレァ不死鳥だからねい、ちょっとは効くかもしれねぇよい。
そう口にすると、今度こそアンはどんっとオレを突き飛ばした。しかも発火つき。
すばやく立ち上がったアンは、震える拳から炎を吹き出し、真っ赤な顔で叫んだ。
「バカマルコ!そんな効果ないくせに!!」
己の許容範囲を超えたらしく、うあぁぁぁぁと奇声を発しながら部屋を飛び出した。
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