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OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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だっだっだっだっと高くブーツの音が鳴る。
遠くで闇を切り裂くような明るい笑い声が響く。
この船の至る所にその光は落ちていて、いやあいつが落としているのに、あの日から、あいつが素っ頓狂な宣言を致したあの日から、オレの周りにだけ落とされなくなった。
ゆえに真っ暗である。
















「アン隊長」

「・・・ユリア、マルコなら甲板に・・・」

「違うわ。用があるのはあなたよ」

ユリアは細長い指をあたしの手首に絡ませるように、ぐっと掴んだ。
あたしは小さく息をついて、持っていた書類を近くにいた2番隊隊員に預ける。

「・・・マルコ隊長が言ってたわ。近頃あなたがよく仕事するって」

「でしょ、今日の分もさっきので終わったんだ」

きしし、と笑ってみてもユリアはいつものように微笑んではくれなかった。その眼はあたしを通してどこか違うところを見ている。サッチもそうだ。最近。イゾウも、ビスタも。
あたしを介して、『あたし』でありながらあたしじゃない部分を見ている。
あたしはそれが嫌で・・・嫌っていうか、落ち着かなくて、隠すように目を逸らした。



「どうして隊長を避けるの?」


いきなり核心を突いてきた。でもその言葉には誤謬がある。


「・・・避けてなんかないよ。さっきだって甲板で話してきたし、朝ご飯だって一緒に食べた」

「そうじゃないでしょ」


そう、そうじゃない。ユリアの言いたいことなんて分かってる。
でもまだあたしはマルコにも彼女にも自分を上手く伝える技術はないとわかっているし、実際話してみても上手く言えない。
だからまだ、笑っておくしかできないんだと思う。


「・・・マルコがさ、仕事仕事ってぶいぶい言うんだ。だから夜も自分の部屋籠もってガリガリ書いてんのにさ。そしたらそれはそれで心配してくるし」

なんなんだろねと笑うと、ユリアは諦めたように目を伏せた。



















午後8時、オレの部屋の扉が控えめに誰かの来訪を告げた。
返事を返すと扉が開く気配はしたが入ってくる様子はない。机に向かっていた身体を反転させると、案の定数枚の書類を持ったアンが薄く開いたドアの隙間から顔をのぞかせていた。
オレは再び身体を机へと戻す。

「何やってんだ。早く持ってこいよい」

「・・・う・・・ん、」


うんと言ったにもかかわらずなかなか入ってこない。
ここ数日、こういったやり取りが続いていた。


「もう終わったのかい。はえぇな」

「・・・う・・・ん、」


褒めてみても飛びついてこない。これが昼間だったら、甲板だったらまた違う。
夜で、オレの部屋というのがいけないんだ。


「書類」

椅子に座ったまま後ろ手に手を伸ばすと、アンはカサカサカサッとまるでゴキブリのような音を出して寄ってきて、素早くオレの手に書類を乗せた。
そしてそのままドアへと一目散に駆けだそうとする身体を、腕を掴んで引きとめた。


「マッ・・・マルッ・・・!」

「オレァますますお前のことがわからねぇ」


アンの手首を掴んだのとは逆の手で眼鏡をはずす。アンは気まずそうにオレのその動作を目で追った。



「オレの部屋にいたら襲われるとでも思ったか?前のがそんなに嫌だったか?それともオレに抱かれるのが嫌か、」

「っ、」

「前はオレのほうが襲われてたように思ったがねい」


少し前のことを持ち出して見ても、アンは視線を逸らしたまま何も言わない。
駄目だ、イラついてきた。
ぐいと腕を引くと一瞬強い抵抗を感じたが、さらに力を強めると簡単にオレとアンの距離が縮まった。
バランスを崩したアンは、オレの足と足の間、椅子の上の狭い面積に膝をついた。

アンは分かっていない。
逃げられたら追いかけたくなるし、避けられると近づきたくなる。
今までのオレたちの攻防戦で、それをこいつも学習したと思ったがどうやら違ったらしい。

さらに腕を引き寄せ、アンの顔にオレのそれを近づける。息をのむ音が聞こえた。


「煽るだけ煽っといてはいさようならってか。確かにオレァがっつく歳じゃねぇっつったがな、それなりの欲もある」

「っ」

「だがてめぇが自分でしたくねぇっつーなら話は別だ。オレは待てるって言ってんだい」

「違っ」

「あぁ?」


オレが怪訝な顔をして力を緩めた隙に、アンはオレの手を振りほどいた。
そしてひきつった顔を横に振って、ごめんと呟く。
しかしそれではなんの解決にもならない。


「何が違うってんだい」

「…あ、あたし…そういうの、その、雰囲気?とか、わかんない、から…あんまりマル、コに寄っちゃ駄目だって…その、流され…」


支離滅裂。
そもそも何が違うのかの答えになっていない。
するとアンは、俺が掴んでいた手首を自分で掴みながら、ぽつりと零した。


「・・・ま、待ってもらっても、出来ない・・・から、」


その答えに訝しんで目を細めると、アンはまずいものを飲み込んだような顔をした。
理由なんて聞きたいとは思わない、が。それはオレの大人としての体裁みたいなもんで、本当は知りたくてたまらない。
オレがこいつを抱いてはいけない理由なんてあってたまるか。


「何度も言うがオレァ別にやりてぇばっかじゃねぇよい。だがお前がいつもみてぇにくっついてきたり横に寝てたりしたらオレだって何思うかわかったもんじゃねぇ。・・・お前もわかってるから最近オレの部屋来なかったんだろい」

こくりと、頷きが一つ。

「だったら理由くらい聞かせろ。そしたら歯止めくらい掛けられる」


オレはずるい。
大人なふりをして馬鹿なこいつを丸めこんで、あたかも自分が正しいことを言っているように思わせる。
こんなことを聞くのは、本当はオレのエゴだ。
アンのことでオレが知らないことがあるという事実に耐えられないだけだ。
知りたい、全部。



しかしアンは、口元を震わせたまま首を横に振った。


「・・・ごめ・・・ん、」











亀裂の音が聞こえる





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 麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。



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