OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
小さく身をよじって寝返りを打つ。いつもは被らない掛け布団のつるりとした生地が適度に心地よくて、頭まで布を引っ張りあげた。
「いつまで寝てるの、ねぼすけさん」
再び夢の中にゆるゆると思考が落ちかけたとき、べりりと掛け布団が身体から剥がされた。
「…うわっ!」
驚いて上体を起こすと、呆れたようにこちらを見遣るナイスバディ、もといユリア。
「調子はどう?」
「ちょう、し…?あ、あたし…」
昨日の夜自室で呼吸のコントロールができなくなったことを思い出した。
確かユリアやジョズ、他のクルーたちが心配げに自分を覗き込んでいた。
手を目の前に持ってきてにぎにぎと開いたり握ったりを繰り返すが、昨夜のようなぴりぴりとした感覚は消えている。思わずほっと息が漏れた。
「…も、大丈夫…」
「そう、よかったわ」
今日はあまり無理しないでねと釘を刺され、一応愛想笑いで頷いておいたらじとりと睨まれた。
「みんな心配してたわよ」
「…うん、知ってる…」
「一人になりたいかしら、」
そう言ったユリアの顔をぱっと見上げると、オヤジと同じ金の瞳がまっすぐあたしを捉えていた。
「考えること、あるでしょう」
それはまるでちゃんと考えなさいと言われているようで、あたしはおずおずと頷いたのだった。
ひとり残された医務室はいつもの景色より幾分白くて、つんと鼻をつく消毒液の匂いが慣れなかった。
身体が頭がバラバラ、なんて、自制が効かないもいいとこだ。
仮にもこの船に居て、背中には誇りを背負うひとりの海賊が、なんてザマ。
それもひとりの男のせいで。
「もうやだ…」
弱々しく零れ出た自分の声にも辟易する。
怖かったと口に出してしまえばあまりに簡単だ。
逃げ出そうと力を込めた際に微動だにしなかった腕も、見下ろしてきた細い目の隙間からぎらつく瞳も、知らない人のようだった。
そして何より本能的に危機を感じた。
あのあと続いていたかもしれない行為の意味がわからないほど子供じゃないし、その結果起こりうることも知っている。
それが何よりのタブーだ。
絶対に、それだけはあってはならない。
無限ループに陥ってしまう。ぐるぐるぐるぐる回り続けるのだ。どす黒い血は薄くなっても消えはしないから、あたしで最後にしなきゃならない。
「あーあ、終わったなー…」
ぱたりと後ろに倒れこみ、四肢を伸ばす。白い天井が眩しかった。
嬉しかった、単純に。
ただいまと言える場所があることも、おかえりと言ってくれる家族がいることも。
(アンは可愛いなぁ、)
(ほらもっとこっちこい)
(好きだぜ、アン)
ひとをすきになるのはなんてすてきなんだろう。
生まれて初めて、そう思った。
「だあぁぁー…」
「何奇声発してんだい」
「っわっ!?」
声の方向に頭をのけぞらせると、呆れたような眠そうな顔で立っている男。
「マッ、マル…」
「座ってもいいかい」
視線であたしが寝転ぶベッドを示されて、おずおずと頷く。ぼすんと重たい音とともにベッドが軋んだ。
「…もう大丈夫なのかい」
「…あ、うん、全然…」
「そうかい」
海よりも深い沈黙が落ちた。
上体を起こしたあたしは所在なく掛け布団の端を指先でもてあそぶ。
マルコは何を考えているのか、膝の上で組んだ両手をじっと見つめていた。
「あっ、のさ、」「オレァよい、」
高低差のある音が綺麗にかぶった。
きょとんと二人で視線を交わし、マルコがふっと鼻から抜けるように笑ったのであたしも釣られて少し笑う。
「…なに?」
「…いや、おめぇこそなんだい」
「マルコが先言ってよ」
「お前が先に言え」
「…」
「…」
「…頑固者」
「意地っ張り」
「っ、パイナップルのくせに…」
「うるせぇガキが」
「…よいよい魔人め…」
「ああん?」
ぴくりと片眉をあげてから、マルコはふうと息をついた。
意味のない応酬も、マルコのため息も、いつもと同じだ。
それなのになんでこんな気分になるんだろう。
「っ…、」
「…なんで泣いてんだよい…」
「…泣いてないっ…」
「、そうかい」
いつもなら嘘つけ、と追及してくるマルコが何も言わなかったことに甘んじて、あたしは手の甲で目をぎゅっと押さえた。
もう逃げられない。
逃がさないよう、マルコはここに来たんだ。
「…マルコ…」
「あぁ?」
「…もし、海賊王に子供がいたらどうする…?」
昔話をしよう
夢も希望もすべて失った頃の話
声の方向に頭をのけぞらせると、呆れたような眠そうな顔で立っている男。
「マッ、マル…」
「座ってもいいかい」
視線であたしが寝転ぶベッドを示されて、おずおずと頷く。ぼすんと重たい音とともにベッドが軋んだ。
「…もう大丈夫なのかい」
「…あ、うん、全然…」
「そうかい」
海よりも深い沈黙が落ちた。
上体を起こしたあたしは所在なく掛け布団の端を指先でもてあそぶ。
マルコは何を考えているのか、膝の上で組んだ両手をじっと見つめていた。
「あっ、のさ、」「オレァよい、」
高低差のある音が綺麗にかぶった。
きょとんと二人で視線を交わし、マルコがふっと鼻から抜けるように笑ったのであたしも釣られて少し笑う。
「…なに?」
「…いや、おめぇこそなんだい」
「マルコが先言ってよ」
「お前が先に言え」
「…」
「…」
「…頑固者」
「意地っ張り」
「っ、パイナップルのくせに…」
「うるせぇガキが」
「…よいよい魔人め…」
「ああん?」
ぴくりと片眉をあげてから、マルコはふうと息をついた。
意味のない応酬も、マルコのため息も、いつもと同じだ。
それなのになんでこんな気分になるんだろう。
「っ…、」
「…なんで泣いてんだよい…」
「…泣いてないっ…」
「、そうかい」
いつもなら嘘つけ、と追及してくるマルコが何も言わなかったことに甘んじて、あたしは手の甲で目をぎゅっと押さえた。
もう逃げられない。
逃がさないよう、マルコはここに来たんだ。
「…マルコ…」
「あぁ?」
「…もし、海賊王に子供がいたらどうする…?」
昔話をしよう
夢も希望もすべて失った頃の話
PR
Comment
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
カテゴリー
フリーエリア
麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。
@kmtn_05 からのツイート
我が家は同人サイト様かつ検索避け済みサイト様のみリンクフリーとなっております。
一声いただければ喜んで遊びに行きます。
足りん
URL;http;//legend.en-grey.com/
管理人:こまつな
Twitter
災害マニュアル
プロフィール
HN:
こまつな
性別:
女性
ブログ内検索
カウンター