OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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両側のこめかみを抑えて口をわななかせるアンにお構いなく、ジルとクリエルの2人は満足げな笑みを浮かべて腰を上げた。
「よし、任務完了ー」
「に、にんむって!」
なんのだよ!と叫ぶアンの頭を押さえつける様に、クリエルの平たい手のひらがそれを撫で回す。
「…役得は平等に、だろ」
「役得?」
どういうこと?と首を傾げるアンには答えず、2人はじゃあと手を振り立ち去ってしまった。
本当に、アンにキスしにきただけだったらしい。
取り残されたアンは、くしゃくしゃにされた髪を手櫛で撫で付けつつクリエルの言葉の意味を考える。
役得?
隊長だからあたしにキスできるってこと?
じゃあ平等ってなんだ?
あぁジョズがしたなら他の隊長もってことか。
あれ、でもじゃあマルコは…
ほらよっと目の前に置かれたパエリアから立ち昇る匂いに意識が引っ張り戻された。
「おいしそっ!いただきます!!」
難しい言葉はよくわからない、それなら目の前の美味しいもん食べたほうが断然いいと判断したアンは、すぐさまスプーンを手に取った。
ジョズの手伝いで身体も使ったし、頭もちょっぴり使った。
だからか目の前の魚介類は吸い込まれる様にアンの中へ消えて行く。
アンの向かいに腰を下ろしたコックは、その様を至極幸せそうに眺めた。
アンが食べるのに夢中なのをいいことに、ここぞとばかりに。
コック冥利に尽きるったぁこのことか、と内心思い浮かべくっと笑いがこぼれる。
こんなにも一心不乱に食べる事に没頭する娘も珍しいが、それが我らがこの船の可愛い妹ともなると、それはもう愛しくて仕方がないのだ。
アンが最後のエビを口の中に放り込んだころ、すっとムースの皿を傍に置いてやるとアンの頬はゆるゆると蕩けた。
まだ器ごと冷たいそれを、アンは小さなスプーンで少しすくう。
いつもは大口開けて放り込むように食べるアンだが、こういった数の限られたものは大事に食べる。
アンなりに考えた食事の楽しみ方なのだろう。
赤い口の中に、ホイップクリームの乗ったチョコムースが運ばれた。
「んまいっ!」
「そりゃよかった」
にぃとコックが口角を上げるとアンもにこりと笑い返す。
親父の喜ばせ方をよく存じた娘である。
「そういやそのホイップクリーム、カップ一杯分くらい余ってたが」
「ちょうだい!」
間髪いれずに返ってきた返事に小さく笑い、コックはパエリアを温めていた間に作ったアンだけのためのホイップクリームを取りに、厨房へと戻ったのだった。
そうして差し出されたホイップにアンはますます顔を綻ばせ、小さな白を迷わず口へと運んでいく。
そのとき、次から次へと消えて行くホイップの飛沫がアンの頬に飛んだ。
「あ、アンクリームが…」
コックが手元にあった布巾をアンに差し出しかけたそのとき、ふとアンの横に影がさす。
さら、と細やかな金が揺れた。
まずはぺろりとそこをひと舐め、それからちゅっとリップ音がひとつ鳴る。
「ん、甘い」
きょとりと丸くなったアンの目は、爽やかなハルタの笑顔を捉えた。
Please kiss me!
(ハルタがあたしのホイップとった!)
(えっ、そこ!?)
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麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。
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