[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
それからこないだの寄港のときの換金リストも二番隊だけ未提出だい。
んでもって一週間前に渡した手配書のリストは目ぇ通したんだろうねい。
あとサッチの野郎から二日分の肉類が全て消えたとかいう報告があったんだが」
今日中に仕上がったらバレたときかばってやる」
*マルアン連載【それは狂気に満ちている】の【2 こういう馬鹿はタチが悪い】でアンが夜這うに至るまでの小ネタです。
「オレァ先戻るよい、まだ書類終わってねぇ」
「んだよー!オレの酒飲めねぇってかぁ!?」
「そうだそうだー!まだ帰っちゃだめマルコー!」
きゃぁきゃぁと喚き立てるおっさんと小娘が片方ずつマルコの腕を掴む。
しかしマルコは立ち上がりながら両方の手を振り払った。
「酔っ払いの世話なんかしてられっかよい。オレァ仕事あるんだ」
「けちー!」
「けちー!」
けちだけちだと復唱するサッチとアンに辟易して、もう無視することにしてマルコは部屋へと戻って行った。
残されたふたりはその背中めがけてぶーたれていたが、しばらくするとそれも忘れてまた二人で酒を飲み始める。
甲板の隅に座る二人の周りには十数本にもなろうかというほどの酒瓶がごろごろと無造作に転がっており、それは宴の後甲板でそのまま眠りこける男たちの姿に重なった。
言うなればだらしのない姿である。
「んぅー、サッチぃ、あたしもう酔ったぁ」
「馬鹿言えぇ、オヤジの娘たるものがこんくらいで酔うわけあるかぁ!!」
「でもサッチも酔ってるー」
「ああーん?オレァまだまだ酔ってねぇよぉー?」
緩慢な手つきで開けたばかりの瓶を持ち上げゆらゆらと揺らすサッチ。
その姿にアンは特に面白くもないのにへにょりと笑い、サッチもにたりと笑い返す。
にゃっはっはーと意味もなく笑う酔っ払い二人、完全に出来上がっていた。
「ねー、マルコはぁ、なんであんなに仕事ばっかしてんのぉ?」
「ああー?あいつぁなぁ、仕事が恋人って奴なんだろうよー」
「ふぅーん」
「おや?アンちゃんご機嫌斜めかぁーい?」
覗き込むようにしたサッチに、アンはふるふると首を振った。
「べっつにぃー。いいもーん、あたしが勝手にすきなんだからぁ、いいもーん」
そう言ってサッチの手からウォッカをもぎ取ったアンはそれをためらいもなくごきゅりと喉に通す。
それによってさらに酔いが回ったが、既にアウトコントロールした脳はそれさえもわからない。
大人だからか男だからかつまりはおっさんだからか、アンほど酔いの回っていないサッチはアンの酔っぱらいっぷりを見てこりゃぁやべぇかなぁとのんびりと思う。
あんまり酔わせるとアンは次の日二日酔いで仕事どころじゃなくなる。
しかし面白そうなことが始まりそうな予感に身体がうずうずするのも事実である。
だって腐っても酔っ払い、その口火を切るのは自分自身なのである。
「アンはほんっとぉーにマルコがすきだなぁー」
「んぅー?んぅ。」
当たり前のことに首を傾げてから、それを肯定するようにひとつ頷く。
「アンはどうやってマルコを落とすってんだぁー?」
「んー?マルコがどっから落ちるってぇ?」
「ばっかそうじゃねぇよー。どうやって振り向かせるかって聞いてんだ」
蕩けた瞳をぱちりとまたたかせたアンは不思議そうに首をかしげた。
「ふり、むかー?」
「だってこのまんまじゃよぉ、アン。マルコの奴ぁいつまでたってもお前に惚れたりぁしねぇぜぇ?」
サッチがそう言うと、アンはそれはいやだぁと顔をしかめる。
「だろぉ?他の女にかっ攫われたらどうすんだよー」
「ぬぅーん。でもさぁ、あったしどうすればとかわかんないよー…」
「にゅっふっふっー。そんなアンのために、オレがいいこと教えちゃろうよ」
「えぇー?なにぃー?」
ちょいちょいと人差し指を曲げ顔を寄せるように示すサッチに、アンは示されるまま顔を寄せた。
すると耳元で内緒話のように囁かれた言葉。
「夜這ってこい」
顔を遠ざけると、にんまりと笑う酔っ払い。
しかしアンは再び首をかしげる。
「夜這…ってなにぃ?」
「んー?そうだなぁー・・・寝てる相手のベッドに忍び込んでだなぁ、ほらさぁ、その、イイコト、しちゃうわけよ」
「イイコト?」
「そう、イイコト」
わかる?と問うサッチに、アンは曖昧に頷いた。
イイコト。ベッドでするイイコトと言えば、「寝る」。
それしかないだろう。
アンなりの精いっぱいの解釈が成されたところで、アンはすくっと立ち上がった。
「んじゃぁー、白ひげ海賊団二番隊たいちょー、火拳のアン!ちょっくら夜這ってきまぁす!」
「おぉー!頑張ってこいよぉー!」
へらへらと笑いながらサッチに見送られ、アンはおぼつかない足取りでマルコの部屋を目指したのだった。
マルコー、と呼びかけながら部屋の扉を開けようとして、アンはあわてて口をつぐんだ。
サッチの言葉を思い出したからだ。
夜這いと言うのは、寝てる相手に行うものらしい。
(・・・じゃぁ、起こしちゃだめ、ってことかぁ)
ということで、黙って静かに扉を引いた。
(…寝てる)
書類をするって言ってなかったっけと首をかしげて見たが、マルコの仕事机に置いてある懐中時計を見て納得した。
いい気分で飲んでいたので意識しなかったが、マルコが酒盛りから抜けてから相当な時間がたっていた。
そしてマルコは適度にしか飲んでいない。
そのおかげで酒がちょうどいい睡眠薬になったようで、いつもは人の気配で起きるマルコがぴくりとも動かなかった。
浅く被ったシーツがマルコの呼吸に合わせて小さく上下する。
すすす、とベッドの脇に近づく。
来てはみたものの、夜這う=寝るしかわからないアンは、具体的にどうすればいいのか皆目見当がつかなかった。
(・・・ただ寝ればいいのかなぁ)
そう思い立ち、よいせとマルコのベッドに乗り上げそのままごろんと横になってみた。
ちょうどベッドの中心でマルコが寝ているためなんとなく落ちそうで危ういが、アンは必死にマルコの方へ身体を寄せて落ちまいとする。
アンの方に顔を向けマルコが寝ているので、アンはここぞとばかりにマルコの顔を眺めた。
まつ毛が短いだとか唇が分厚いだとか、これといって新しい発見はなくつまらない。
(…あぁ、なんか本当に、眠くなってきた…)
じんわりと伝わるマルコの体温だとか、内側から身体を温める酒の力のせいでうとうとしだしたアンは、ゆっくりと目を細めていった。
が、慌ててここで寝たらだめだと目を見開いた。
マルコの布団で寝て発火して、怒られたばかりじゃないか。
マルコが目覚めてあたしが寝てたら、今度こそ口きいてもらえない・・・!
そのあたりはきちんと理性的に考えられたらしく、アンは慌てて身体を起こそうとベッドに手をついた。
しかしその動きは隣でマルコが身じろいだことでぴたりと止まってしまう。
「…ん…」
小さな呻きと共にマルコが寝がえりを打つ。
起きてしまったかと冷や汗だらだらなアンは、寝そべったままベッドに手をついて上体を持ち上げるという恰好のまま固まってしまった。
マルコは寝心地のいい場所を探すかのようにごそごそと動いていたかと思うと、不意にアンの方へ腕を伸ばした。
(・・・これは、どういう、こと?)
不意に伸ばされた手はしっかりとアンの腰を抱き込み、自らの体に引き寄せた。
マルコの左手はアンの腰を上から抱き、右腕は上手いことアンの首の下に回してそのままアンの肩を抱き込んでいる。
アンの体温が高く抱き心地がいいからか、マルコは満足な寝場所を得たとでも言わんばかりの安らかな顔で再び動きを止め寝入ってしまった。
がっちりと掴まれた全身は身動きもとれず、アンの目の前にはマルコの鎖骨しか目に入らない。
そして眠い。
アンは限界に近い眠気と戦っていた。
(あー…駄目だー…寝るー…)
怒られるだろうかとちらりと思ったが、離さないのはマルコのほうなのだし自分は悪くない。
そう結論付けたアンは、そうだそうに決まっていると自分が夜這いに来たことも棚に上げて納得し、安心してそのまま眠りについた。
翌日アンは、マルコにベッドから落とされて目覚めることになる。
「オレにもキスさせろやオラァァァ!!」
言うが早いか、アンはするんとブラメンコの大きなポケットに滑り込んだ。
「おわっ!」
ぐんっと腹のあたりに重みが加わりよろけるものの、ブラメンコは踏ん張り何とかこたえる。
その前に、息を切らしたラクヨウが立ち止まった。
「~っ、くっそー…!おいアン出てこい!ブラメンコのポケットはな!超汚ェんだぞ!!」
「おいっ!いい加減なこと言うんじゃねぇ!」
「…うわっ…ほんと、クサ…」
もごもごとポケットから聞こえたアンのくぐもった声に、ブラメンコは大きく顔をしかめて実に悲しげである。
いくら男所帯とはいえ、可愛い妹には知られなくなかった衛生面というものもある。
「てかブラメンコてめぇのポケットは四次元か。なんでアンがまるごと入れんだ」
「酒樽とか入れてたからな、伸びた」
そういう話かよ…と呆れ顔のラクヨウに、そういやなんでアンを追ってたんだ?とブラメンコが尋ねる。
かくかくしかじか、というふうにラクヨウが説明すると、そりゃいけねぇとブラメンコは再び顔をしかめ、なにがいけねぇんだと問うラクヨウにお構いなく突如ポケットに手を突っ込みもぞもぞと探り始めた。
「おーい、アーン、どこだぁ?」
ブラメンコの手が右へ左へと彷徨うがアンは見当たらないらしく、おかしいなぁと首をかしげる。
「いやまずなんでお前の手が届かねぇ場所にアンが入りこめるんだよ」
「あ、いた」
「ぎゃっ」
小さなアンの悲鳴とともに、右腕を引きあげられてアンがずるりとポケットから現れた。
ブラメンコはアンの両脇を両手で支え、まるで幼子をあやしているように自身の前まで持ち上げる。
「ブラメンコよくやった!」
ラクヨウが嬉々として、さぁアンを渡せと言わんばかりに両腕を差し出した。
アンはうぅと呻りながらブラメンコに非難の色を含む視線を送る。
「…かくまってって言ったのに…」
「アンそりゃぁ駄目だ。まだオレがしていねぇ」
え、とアンが目を丸め、うぁ、とラクヨウが眉を寄せたときには既に、ブラメンコはアンの右瞼に口づけていた。
反射でぎゅっと目を固く閉ざしていたアンは、ふわりと軽い浮遊感を感じて、それからすぐに地に足がついた。
そして今さっき自分が口付けられた箇所を思い出し、ぱっとそこに手をやる。
「目っ…!ブラメンコそこ目だから!!」
「目じゃない。瞼だ」
堂々とそう言い切ったブラメンコはにっと満足げに笑ってから、さっきまでアンが入っていたポケットから書類の束を取り出した。
「そろそろサッチも帰ってくるだろ。オレァ食糧管理のことであいつに用があってな。じゃ、」
ひらりと身を返したブラメンコは、彼らしからぬ軽い足取りでその場を後にしてしまった。
思わぬ場所へのキスに驚きつつ、そろそろ不意打ちに慣てきたアンはなんだか本当におかしなことになってきた、と先程キスが落ちた瞼を指の腹でなぞる。
(…でもやっぱり、)
嫌じゃないなぁ、なんて考えてから少し照れくさくなって、知らず知らずのうちに口角が上がって笑みが浮かんだ。
しかしその笑みも、ガッと背後から肩を掴まれたことによって一瞬で凍りつく。
「アーン~…、オレのときばっかりちょこまか逃げやがって…」
もう逃がさねぇぜ、と頭の後ろから聞こえた声に、アンの危険信号が一斉に鳴り響いた(とアンは思った)。
Please kiss me!
(ラクヨウの愛情表現はクッセツしてる!)
| 01 | 2026/02 | 03 |
| S | M | T | W | T | F | S |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
| 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
| 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。
@kmtn_05 からのツイート
我が家は同人サイト様かつ検索避け済みサイト様のみリンクフリーとなっております。
一声いただければ喜んで遊びに行きます。
足りん
URL;http;//legend.en-grey.com/
管理人:こまつな
Twitter
災害マニュアル
