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OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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月は半分

宴もたけなわ

そろそろろれつも回らなくなってきた

ああ酒が美味い

 

 

 

 

未熟なのはお互い様

 

 

 

 

「くくくっ、でよぉそんときジョズの奴が珍しくぶちギレて」

 

「そりゃ珍しいよい」

 

「だろ?サッチ半泣きになっちゃって」

 

「くっ」

 

 

他愛もない、世間話。

遠くではがしゃんごとんばたんと何かが落ちたり倒れたりと、激しい音が続いている。

珍しくエースはそういった喧騒からはなれて、オレとくだらない話で盛り上がっていた。

 

 

 

 

 

 

「ああオレも空飛びてえなあ」

 

「お前も飛べるじゃねぇかよい」

 

「ばっか、ありゃあ跳んでるんだ。マルコみたいにすいーっていかねぇんだよ」

 

 

 

それでいいじゃねぇかよい、とこぼしてぐびと酒をあおった。

喉を伝う感覚がオレをますます高揚にさせる。

 

珍しく酔っていた。

 

エースはガキだからか酔いがまわるのも早く、すでにへらりと笑った口端から酒がこぼれて、おっとと口元を拭っている。

 

 

 

「俺今なら飛べる気がするんだよなあ」

 

「ばかいえ」

 

「ん、バカじゃねぇよ、飛べるぞ俺は!!」

 

 

すくっと立ち上がっておっとっととよろける。

 

 

「いいかい、エース。おめェみたいなガキにゃあ空は飛べねぇんだよい。オレみたいな立派な大人になってから再挑戦するんだな」

 

 

立ち上がったそいつを見上げながらそう言うが、すでに自分が何を言っているのかよくわからない。

しかしエースは鼻で笑う。

 

「けっ、マルコが飛べるのに俺が飛べねぇなんて話があるかァ!!」

 

エースはそのまま千鳥足で船べりに足をかけた。

 

 

 

 

 

 

「おい兄弟どもォ!!!オレは今から空を飛ぶ!!!!」

 

 

 

 

一瞬きょとんとしたクルーの顔が並んでから、大爆笑が船を包んだ。

 

おおやれやれー、などという囃し立てる声に乗せられてエースは船べりの手すりに両足を乗せる。

おれはそのさまをぼんやりと見ていた。

 

 

「ああエース、お前にゃわかんねぇかもしれねぇがよい。翼がなきゃとべねぇぞ」

 

「だいじょうぶだ!」

 

なにがだ、なにが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えいっ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とんっと手すりを蹴ったエースはふわりと浮かび、ああこいつも飛べるんだなあなんて思った。

 

しかし次の瞬間大きな水柱があがり、跳ね上がった水がオレの額を濡らしたとき一気に酔いがぶっとんだ。

 

 

 

 

 

 

「エエエエース!!」

 

 

 

 

酒ビンを放りだしたオレはそのままの勢いで立ち上がり、手すりに足をかける。

 

 

 

「おいっマルコばかお前」

 

 

 

 

 

サッチの焦ったような声が聞こえないでもなかったが、オレが聞こえたのはそこまでだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気づいたら甲板にエースと並んで喘いでいて、全身から力が抜けたようにだるい。

 

オレとエースの足元にはこれまたびしょぬれのサッチが髪をかきあげていた。

 

 

 

「~~~っ、こんのっ!!バカ!アホ!!マヌケ!!パイナップルバナナ!!!」

 

 

 

最後の言葉は間違いなくオレだけを罵倒していた。

 

 

 

顔だけ横に向けると、ちょうどこちらを向いたエースとかちりと目が合う。

 

髪が海水でへたりとほほにくっついたままで、にしゃりと笑った。

 

 

 

 

「気持っちいいなあ」

 

 

 

 

 

それを聞いたサッチがお前反省しろよ!と酒ビンがエースの額にクリーンヒット。

エースはそのまま意識を手放した。

 

 

 

 

 

「ああ~、よいよい」

 

 

 

 

何故だかそうこぼすと、よいよいじゃねぇよと空樽が飛んできた。

 

 

拍手[14回]

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俺は今非常にひどい頭痛に悩まされている。
それは小一時間続いていて、激しく俺のこめかみ辺りを打ち付ける。
元凶?
言うまでも無い。
今俺の背中に乗っているこいつだ。

 

 

 

 

crash!!

 

 

 

 

「なーなーなーなー。マルコー、行こうぜー、陸行こうぜー」

 

オレンジのテンガロンハットがぶすりと俺の後頭部に突き刺さる。

ヘアセットが崩れるからやめてくれよいと言ってみるが、

サッチみたいなこと言うなよ馬鹿だなマルコはお前寝てても起きてても髪型同じじゃねぇか、とつらつらと腹の立つことを述べられた。

まあ否定はできまい。

 

机に向かって書類を仕上げて行く俺の背にエースは寄りかかり、耳元やあたまのうえでぎゃんぎゃんとわめき散らす。

 

「なあちょっとだけじゃん。行こうぜー」
「一人で行けよい。てめぇ、おれが今誰のせいで缶詰状態になってるかわかってんのかい」
「んー、ビスタ?」
「てめぇだろい!」

あ、そういや昨日の書類にスープぶちまかしたんだった、とエースはぽんと手を打った。 

「エースー!!早くー!!」

 

遠くでサッチが声を張り上げている。

 

「ほらお呼びだよい。行け」

 

「でも」

 

「でもじゃねぇよい。早く行「エースー!!早くマルコ連れて来いよー!!」

 

「・・・」

 

「サッチに頼まれたんだよな、オレ」

 

 

ひくり、と片眉が上がった。

今仕上げている書類の山のもう一つ隣にこんもりと形作る書類たちは、何を隠そう4番隊のアホが遅れたぶんを今になってどっさりよこしたものだ。

 

「・・・あのカス野郎」

 

「なっ?せっかく船番じゃねぇんだから降りようぜ」

 

帰ってから書類手伝うからさあ、とあっけらかんと笑った。

 

「・・・じゃあこっちの一山帰ってからてめぇがやれよい」

 

えーっ!?今日かよ!?と悲痛な叫びを後ろで聞きながら、オレは仕事用の眼鏡を机に置いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

活気ある街だった。

三人で町をぶらついていると、市場ではあっちからこっちからと商売上手な声がかかる。

 

おっ、兄ちゃん旅の人かい?安くしとくぜ買ってけよ、と声をかけられるとエースはふらふらと寄っていく。

船を下りる前にマークは隠せとシャツを着せたからか、俺たちを海賊とは思わない市民たちから人懐っこく笑うエースには多くの声がかかった。

まあ見ているぶんにはいいかと思ってオレも町の様子を眺めながらぶらついていたが、しばらくして左隣のそいつがいないことに気づく。

後ろを振り返るも、目立つオレンジの帽子さえ見えない。

 

「よい、サッチ。エースの奴はぐれやがっ・・・」

 

右隣を振り向くと、そこも閑散としていて。

 

「・・・おまえもかよい」

 

思わず独り言が落ちてしまった。

 

 

 

しかしわざわざ道を戻って探すのも面倒で、子供じゃないんだそのうちどっかで会うだろうと俺は歩を進めた。

軒を並べる店たちを覗きながら歩いていると、後ろのざわめきの中からおいちょっと待てよあんたと遠くで誰かが言っていた。

だが別におれが呼ばれたわけではない。

気にせず歩を進めていると、はぁ、はぁ、と荒い息で何かを言う男の声が近付いてくる。

御苦労なこった。

そう思った時、聞き捨てならない言葉が届いた。

「ちょ、あんただよ、パイナップル頭の!!」

 

思わず足を止めてしまった。(それも悔しいが)

振り返ると、でっぷりと脂ぎった男がひぃひぃと喘ぎながらこちらへ走ってくる。

男はおれの目の前で止まると、膝に手をついて呼吸を整えた。

 

「・・・パイナップルとはご挨拶だねい」

低く抑えた声でそう言うが、動悸を鎮めるのに精いっぱいの男の耳には届いていないようで。

ようやくあげた男の顔はどこか切羽詰まっていた。

 

「・・・はぁ、あ、あんたさっきリーゼントの兄ちゃんと歩いてただろ?」

 

「・・・ああ、よい」

 

「そ、その兄ちゃんが向こうで・・・」

 

 

「待てこのクソガキ────!!!」

 

 

男の声は、雑踏の中から聞こえた怒号にかき消された。

怒鳴り声が聞こえたほうに無意識に顔を向けると、店から料理人らしき男が飛び出してきた。

 

 

目の前の男がぽつりと呟いた。

「ありゃあ食堂のオヤジじゃねぇか」

「なんかあったのかい」

「さあ・・・大方食い逃げかなんかだろう。それよりさっきの話だけど、」

 

 

 

「ファルホーーーー!!」

 

聞きなれた声が、またもや男の話を遮った。

 

 

とてつもなく嫌な予感がする。

ちなみにこういう予感に関しては、おれははずしたことがない。

 

声のほうを振り向けば、その頬をぱんっぱんに膨らまして駆けてくるオレンジのテンガロンハット。

その後ろには、先程食堂から飛び出してきた料理人が。

 

一瞬にして事態を飲み込んだ。

 

 

走ってきたエースはオレの目の前で咀嚼もろくにせず口の中のものを飲み込むと、ゴメン!と叫んだ。

 

「逃げて!!」

 

エースの一声と、後ろから追ってくる男の怒号が重なった。

 

俺たちは先ほどから話をさえぎられてばかりの哀れな男をそこに残し、一目散に駆け出した。

猛スピードで走り抜ける俺たちに道の住人は目を丸くして、慌てて道を明ける。

人並みをかいくぐりながら並行して走るエースに叫んだ。

 

「ちなみに聞くがてめぇ今度は何をしたぁ!!」

 

「今度も!!」

 

・・・食い逃げかっ!!!

 

 

後ろを振り返ると、食堂の親父は真っ赤な顔でまだ俺たちを追ってきている。 

思わず舌打ちがもれた。

 

・・・はて。オレはある事に気づいた。

何故オレも一緒に逃げている?

 

 

「・・・てめぇ、エース、オレまで巻き込みやがって!!」

 

青筋立てて怒鳴ると、にしし、と腹の立つ笑い声が帰ってきた。

 

 

 

 

「おっ!!マルコー!!エースー!!」

 

三叉路に出ると、前方右側の路地から、サッチがリーゼント揺らしながら走ってきた。

 

「あ、サッチー!!」

 

エースは無邪気にそちらに手を振る。

それどころじゃねぇだろいっ!

 

 

しかしサッチのほうに目を凝らすと、奴の後ろから数人の男も汗を光らせ走っているのがわかる。

これはどうみてもサッチが追いかけられている図だ。

俺たちは三叉路の中心で合流し、もう一方の道へ駆け込んだ。

 

 

「サッチテメェなんで追われてる!」

 

「いやあふつうに散策中のつもりだったんだけどよぉ、気づいたらなんか」

 

 

ちらりと横目で奴を捕らえてその全貌を眺める。

いつものコック服を七分丈のズボンと、南国風な柄と派手な色合いのシャツに変えている。

この男がズボンのポケットに手を突っ込んでリーゼントを揺らしながら歩く様を想像してみた。

・・・柄が悪いにもほどがある。(職業柄しょうがないともいえる)

 

 

「てめぇからまれたんだろいっ!」

 

そうかもー!と気の抜ける返事が返ってきて、ああさっきの男はこいつが絡まれているのを知らせようとしていたんだと思い当たった。

おそらくこいつなりに今喧嘩を買ってはせっかくの久々の上陸が台無しになると気を使って、手は出さずにこうして逃げているんだろう。

 

 

 

「ところでなんでお前らも逃げてんの?」

 

「飯食って金なかったから逃げた!!」

 

「えっ!?マルコも!?」

 

「んなわけあるかぁっ!!」

 

 

 

 

俺たちは走って、走って、気がつけば屋根の上にも出たりして、とにかく港に向かって走り続けた。

ようやく波止場に出た頃には日も傾き始めていて、後ろを振り返ったが誰かが追いかけてくる様子もない。

俺たちは肩で息をしながら汗をぬぐった。

 

「・・・まいた、な・・・」

 

「・・・あぁ・・・」

 

「・・・てめぇら・・・、はあ、覚えてろいっ・・・!」

 

 

俺の悪態が届いたのか届いてないのか(きっと後者)、目の前の男二人は顔を上げ、にぱりと笑った。

 

 

 

 

「「あー楽しかった!」」

 

 

 

 

オレの額の静脈がびくんと音を立てたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

「さあ帰ろう帰ろう」

 

おれたちのいえーへー、モビーごうへーぇー、と適当な節をつけてサッチが歌い、歩き出す。

目前のでかい船からは、イゾウが船べりに肘をついて、お帰りと口だけ動かしたのが見えた。

 

今夜夕食前にこいつら二人の部屋にどっさりと未完の書類を積んでやろうともくろみ、でも夕飯は一緒に食いたいなとも思ってしまうオレは、まあ、結構なあれだ。バカ。

 

 

 

 

オレはイゾウがしたように、ただいま、と口だけ動かすと、答えるようにモビーが揺れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(────あ、走ったら腹減ったからオレちょっと街で腹ごしらえしてくるわ)

 

(ちょっと待てい!!)

 

 

拍手[10回]


どこか遠くで聞いたその声は

オレ達をどこまでもどこまでも

守り導く父の声

 

 




上手な家族のつくりかた

 

 




波に揺れるベッドの上で夜中だというのに目覚めてしまったオレは、水を飲もうとキッチンへと向かった。

夜中の三時ごろといっても、夏島近海のこの辺りは蒸し暑い夜が続き寝苦しい。
重い瞼を少しだけ持ち上げたまま廊下を歩いていると、甲板からごとりと音がした。


「…?」


こんな夜中に誰がいるというのか。

まあさしずめ見張りが寝ぼけてなにか落としたか、エースが盗み食いでもしにきたのだろう。


そう思い甲板へと出るドアを開けると、遠くに見えたのは意外にも大きな背中だった。




「ナースたちに怒られるよい」


近寄って声をかけると、オヤジは大きな酒瓶を掲げている最中で、うまそうに喉を鳴らしてから答えた。


「アホンダラ。好きでやってんだ、やめられるかァ」


いつもの調子でそういうオヤジに、おれはく、と笑ってそうだな、と答えた。


「まあぼちぼちにしといてくれよい。こんな夜中にまで飲むことねぇじゃねぇか」


「あぁー、なんだ、寝れなくてなァー…おいテメェマルコ、いつまで突っ立ってる気だ。さっさと座れェ」


既に上機嫌といった顔のオヤジは、オレを半ば強引に座らせた。

オヤジが注いでくれた酒はいつもとおり常人なら一発でぶっ倒れるようなキツイもので、これが寝酒なんてあんまりだとおもったが、焼け付くように喉を流れる酒はどこか爽やかな気もした。




黒い海の少し上には下手くそな丸を描く月が浮かんでいて、水面に白い道筋を作っていた。


横目で(かなり上目づかいになる)オヤジをのぞき見ると、オヤジは酒瓶片手にぼんやりと波間を見つめていた。



「…テメェが…船に来たのもこんな夜だったなァ」

「…そうだったかい」


珍しく過去を遡るオヤジの言葉に半ば驚いて答えた。
しかもオレが船に乗ったときときた。



「…く、ガキがでっけぇ大人踏み潰してよ。なんて治安悪ィ町だと思ったぜ」

「やめてくれよい」

「だがァ、そんときのテメェの目、忘れもしねェぜ」



遠くを見ながら口を開くオヤジにつられて、オレは遠い過去に思いを馳せてしまった。





生きなければならない。
人の動力源なんて、そんなものだ。
ナイフ一つとこの身があればたいていのことはやり過ごせた。


初めて人に屈したのは、いや、抗う気にもならなかったのは、オヤジが初めてだ。

地に突っ伏す男の懐から財布を掠めて行く際、唐突に腕を掴まれた。


ガキが。物騒なもん持ってんじゃねぇか。


あからさまに人の体温を感じたのは久々で、戸惑ったのを覚えている。
そしてすぐさまテメェオレの息子になれと言われたときも勿論戸惑った。


だがオレは、素性もわからない男からの誘いに頷いてしまう。
オヤジは満足げにオレの頭を撫で回した。


オヤジの言うオレの目、とは、荒みきった渇いた色のことではなく、受け入れられる喜びを知ったあの夜のときの目だという。


この船とオヤジの愛は、無骨に、しかしまっすぐにオレを打ち抜いた。


それからすぐにちんちくりんなオレ同様にちんちくりんなサッチが乗船し、船は次々と家族で満たされていった。





「…オヤジは…息子作りが上手いんだよい」


「グララララ…そうだなァ…オレァ幸せもんだなァ…!」


ゴトリとまた大きな音を立てて酒瓶を床に置くと、オヤジは巨体をもちあげた。


「オレァ寝るぜ」

「…あぁ…」

「お前は」

「オレはもう少しここにいる」

「腹出して寝るんじゃねぇぞ」

「…もうガキじゃねぇよい」


グララララ、ハナッタレが、と笑ったオヤジは船長室へと覚束ない足取りで歩いていった。








オレはオヤジが残していった酒を一口煽る。
それだけで軽く目眩がした。



 


間違うなよ、オヤジ。

 

あんたがいるこの船は、世界一の海賊が乗るこの船は

 

紛れも無くあんたが作った世界一の家族だ。

 

今この場所が幸せだと思ったから

 

おれたちはどこまでもあんたについて行くんだ。

 

モビーディックはおれたちを乗せて

 

どこまでもどこまでも導く、底なしの希望。

 

拍手[16回]

 

エース、お前はその先に、何を見ているのだろう

 

 

 

お前たちの未来を愛してる 

 

 

 

 

「なあマルコー、もしもの話しようぜ!」

 

「はあ?なんだよい」

 

「いいじゃんなんだって」

 

「…酔ってんだろい」

 

「酔ってねぇよ?酔ってんのはマルコだよい」

 

「…真似すんじゃねぇよい」

 

「じゃあいくぜー、もしー・・・」

 

「始めんのかよい」

 

「パイナップルになったら」

 

「…喧嘩売ってんのかい」

 

「ぎゃはっは!!してねぇしてねぇ!」

 

「じゃあ殺されてェのかい。あいにく家族を殺るわけにはいけねぇからな。スンで止めてやるよ」

 

「待て、冗談冗談、まあ座れよ」

 

「…てめぇは一体何がしてぇんだ」

 

「だからもしもの話。もしー・・・んー・・・」

 

「考えてねぇのかよい」

 

「船を降りたら」

 

「・・・」

 

「どうする?マルコ」

 

「…おれは降りねぇ」

 

「だからもしも」

 

「…お前はどうする、エース」

 

「おれ?んー、そうだなあ。・・・オレは海が見える山に住みたい。牛とか飼って、腹が減ったら食って、いっぱい日が当るところで海を見ながら昼寝するんだ」

 

「・・・へぇ」

 

「んで、夕方になるとマルコが帰ってくんの」

 

「は?」

 

「おれはお帰りーってお前に飛びついて、マルコは上着を脱ぐ」

 

「・・・」

 

「サッチが買い物から戻ってきて、でかい肉をおれたちのために焼くんだ」

 

 「…サッチもかよい」

 

「夜は三人で星を見に丘へ行く」

 

「・・・ほお」

 

 「寝るときは三人並んでおやすみって」

 

「・・・」

 

「あ、おれが真ん中だぞ」

 

「誰もそんなの狙ってねぇよい」

 

「あ、そうか。で、マルコのもしもは?」

 

「…夕方になれば帰ってきたらいいんだろい」

 

「は?なんだそれ」

 

「てめぇが今言ったんだろい!」

 

「あ、そうだった」

 

「・・・ったく」

 

「で?」

 

「は?」

 

「それから?」

 

「・・・で・・・オレは・・・メシ食って・・・仕事して、寝る」

 

「ってそれじゃマルコいつもとかわんねぇじゃん」

 

「・・・そうかい」

 

 

 

 

オレはお前たちとなら、いつでも、どこまでも。

 

 

拍手[11回]

ナミさん。
おれァあんたが好きすぎて、好きすぎてキリがねぇが。
ナミさんはどう思ってるんだ?

ちょっとそこんとこをはっきりさせるために、オレはキスしてみることにした。
誰とって?
野暮なこと聞くんじゃねぇよ。



致死量のキス




快晴、気候温暖、この偉大なる航路には珍しくクソ気持ちいい天気。
ルフィと長っぱなは釣り、マリモは光合成、チョッパーとロビンちゃんはパラソルの下で読書中だ。

ちなみにオレはクルーのために今日のおやつ作りに励んでいる。

本日のおやつは、オレンジタルトにアーモンド風味のカスタードクリームを添えた新作だ。

 

ところでナミさんはというと、きっとみかん畑で愛らしいミカンの世話に精を出しているころだろう。

だが現在2時52分、おやつまであと少しと言ったころだが、彼女はみかん畑と甲板を繋ぐ階段を降り、騒がしいガキどもに一言二言何か言って、キッチンの扉に手をかけて・・・

 

「ああのどかわいた。サンジくんお水ちょうだい」

 

待ってましたあっ!

 

「もちろん!お疲れナミさん。おやつまでもう少しだからねっ。後で紅茶入れるよ」

「んんっ、ありがと」

 

彼女は手渡した水を喉を鳴らして飲み、気持ちよさげに息をついた。

オレはそんな彼女の白いのど元に思わず生唾を飲む。

・・・やべ。

 

 慌てて眼をそらし、ナミさんが飲んだ後のコップを流し場へと運ぶ。

・・・おやつまであと6分。

オレはことに及ぶことにした。

 

「…ナミさんっ!」

「キャッ!」

「うおっ!?」

勢い良く振り返ると、予想外に彼女の顔が近くにあった。

 

「なによ、びっくりした」

「いや、オレもびっくりしたよ。どうかした?」

 

おれの中で激しく脈打つ心臓の音を抑えようと、少し早口になる。

 

「ううん、サンジ君の左手・・・」

「え?」

「切れてる」

 

彼女の視線を辿って自分の左手を見ると、甲の辺りが紅い筋を作っている。

 

「あちゃ、袋の淵で切ったかな。全然気付かなかった」

「貸して」

 

ナミさんはおれの手をとると、そばにおいてあった布巾で手の水分を拭き取り、ズボンのポケットを探ったかと思うと絆創膏を取り出した。

手際良く、おれの左手に貼ってくれた。

 

「はい完了」

「ありがと。いつも持ち歩いているのかい?」

「ううん、みかんの世話するときはね。枝で手を切っちゃう時があるから」

「へぇ」

「綺麗な手なんだから、大事にしなきゃ」

 

ああ、ナミさん、そんなこと言ったらダメだ。

 

おれは綺麗と評された手を彼女の頬にそえた。

彼女は一瞬ぴくりと反応し、いぶかしげにおれを見上げた。

 

「ちょっと?なによ」

「ナミさん、キスしていい?」

「は?何言って」

 

ごめん待てねェ。

 

オレは彼女の唇目指して上半身をかがめた。

ナミさんの見開いた目が俺の罪悪感を燻ぶらせなかったわけではないが、そんなくらいで止められるはずもなく。

 

彼女まであと2センチ。

ってところで、オレは脳天にもンの凄い刺激を感じて動きを止めた。

 

「ったぁ~」

オレは思わずかがみこんで、ナミさんの頬に寄せていた手で頭をさする。

 

「~~~~何すんのよ!!変態!変質者!セクハラ!」

 

どうやらおれの頭に落ちた雷は彼女のチョップだったらしい。

 

失敗だ。

 

さあどうごまかそうか。

そう思い顔をあげると、怒って背を向ける彼女の横顔が一瞬見えた。

 

「もうあんたなんか知らん!手なんかざくざくに切っちゃえ!!」

 

そう悪態をついて足音高く彼女は部屋を去る。

 

おれはそのまま床に尻をつき、煙草を取り出し火をつけた。

 

「・・・っはぁ~」

 

なんだよあれ。

なんで赤くなるんだよ。

反則にもほどがあるだろ。

あれは本当に幸せパンチをかました彼女と同一人物か?

 

 

ああナミさん。

あんたは逃げちまったから

オレはますます捕まえたくてしょうがなくなる。

 

捕まえたらどうするのかって?

野暮なこと聞くんじゃねぇよ。

 

死ぬほどキスしてやるよ。

 

 

 

 

配布元:TV

拍手[19回]

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 麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
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さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。



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