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OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です

「そういえばお前さん、誕生日はいつなんだい?」

「…なんでだよ」

「なんでって、祝うために決まってんじゃねぇか!」





彼に世界一の愛と祝福を






サッチが何故か胸をはって偉そうにそう言い切ったが、オレは未だ訝しげな顔を隠せない。


「…なんで誕生日祝うんだよ」

「は?なんでって、そりゃあ、あれだ、生まれてきたこととか、産んでもらったこととか、感謝して……っていうのは聖者に任せといて、オレらはただ宴がしたいだけなんだけど」


同意見らしくマルコも一応頷いている。


…誕生日、なんて


「オレのは祝わなくていいよ」


顔を背けてそういうとサッチがまた口を開いたが、何も言葉は発されることなく閉じた。


マルコは思案するように顎に手をやってから、一言、

「じゃあいつなのかくらい聞いてもいいかい?」

「…明日、だけど」

「明日ぁ!?って、元旦じゃねぇか!おまっ、めでてぇ奴だな!」

ばんと背中を叩かれ顔をしかめてサッチを見ると、何故かサッチが嬉しそうな顔をしている。

「今夜は日暮れから年越の宴だぜ?一緒におめぇの誕生日も祝えばいいじゃん」

「別にいいって」

しつこく祝う祝うと言うサッチが欝陶しくて頑なにそう言うと、今度はサッチが顔をしかめた。

「なんで」

「…めでたくねぇから」


それだけ言い、オレは二人を残してその場を後にした。











その夜の宴は、やっぱりいつもより豪勢だった。
どうりで12番隊が釣りに励んでいたわけだ。
サッチは喜々として、オレらの喧騒の輪と厨房とを慌ただしく往復して次々と料理を出していく。
見るたびに顔が赤くなるところをみると、酒はきちんと飲んでいるらしい。

「エース」

マルコがでかい皿に大量の肉を積んで持ってきてくれた。
じゅるりとよだれをすするオレにマルコは小さく笑い、皿を渡してくれた。

「あと3分で日付が変わるよい」
「ん、ほうほんひゃひはんふぁ!」

「日付変わったらオヤジのとこ行けよい」

「ふぁんへ?ん、んぐ」

「新年の挨拶でもしてこい」

「マルコも行くんだろ?」

「オレは後だよい」

なんでか聞きたかったけど、次の肉を頬張ったがために聞けなかった。
少し離れた場所で、カウントダウンの叫びが聞こえる。

「あんたは数えねぇの?」
「オレはいいよい」



さーん、にーぃ、いーち、



ぱぱぱぱぱんっと軽快な炸裂音と、おめでとぉぉぉ!新年だぁぁぁ!!とあちこちから聞こえる叫び声。

「越したねい、おめでとさん」
「ああ、おめっとー」

言われたとおりオヤジの元へ行こうと、腰をあげた。
甲板の先では花火なんぞも上がっている。
そこに参加したいのを抑えて、オヤジの元へと歩き出した。
マルコはちらりとオレを見上げて、すぐに視線を海に戻した。





「…おめでとさん、エース」










オヤジは大きな椅子に腰掛け、今日ばかりは許されたのかがばがばと酒を水のように流してこんでいる。
オヤジはジョッキを口元から離したのと同時にオレを見つけた。

「あァエースか」

「…その、新年、おめでとう…ございます、って」

「グララララ、あァおめでとう」


オヤジはそう言いぽんと膝を叩いた。
…乗れということだろうか。
まだオヤジと一対一で話すことにも慣れていないのに、膝に乗るなんて。
オレが躊躇ったまま黙って俯いていると、突然ぐらりと身体が揺れ、軽い浮遊感に襲われる。

「う、わっ…」

とすんと下ろされたそこは船の床よりだいぶと高く、視界が変わる。

「な、なにっ…」

「グララララ、おい息子どもォ!!!」


オヤジの大声に全身が震える。その場にいるクルー達はぴたりと足を止め、オヤジのほうへと顔を向けた。

「今日は末っ子の誕生日らしいじゃねェか!祝ってやらねェかァ!!」

「ちょっ…!」

オレの慌てた声を掻き消すように、怒号のような叫びが船を包んだ。


おめでとーエースー!
お前正月からめでてェなぁー!
幾つになったんだァー!?



ぐっとマルコを睨むと涼しい顔で目を逸らされた。


「…っ、やめろよっ!!」

精一杯の大声を張り上げると、しんと騒がしい声が止んだ。


「オレは!誕生日なんて祝ってほしいなんざ思ってねぇ!!オレは、だから…」


尻つぼみになっていくオレの言葉を掻き消して、再び豪快な笑い声が響き渡る。


「グララララ、祝うなったァこいつらには無理な相談だぜ、エース。こいつらァただでさえテメェを可愛がりたくて仕方がねぇんだ。祝わせてやってくれよ」

「…でも、」

「…なァ、エース。…前にも言ったが…オレァオメェのオヤジを知っている」

聞き慣れない言葉にぴくりと肩が跳ねた。


「…テメェの、おふくろの話も腐るほど聞いたぜ…あいつは黙ってられなかったらしい」

「…」

「っく、見てもねぇくせに、お前の話もしてたぜ、エース」

「…オレの?」

「あァ。テメェのオヤジはどっちも親バカらしいなァ!」

「…」


オヤジはごくりと喉を鳴らし酒を飲んだ。




なあ、エース。
オレァオメェに会えて嬉しいんだ。
こいつらだってそうだ。
テメェが可愛くて仕方ねェんだ。
誕生日ってのは、そういうモンを祝うんでいいんじゃねェか…?






「オレもだぜーっ!エースー!」

遥か下からぶんぶんと、サッチが手を振っている。

「お前が弟なのは、すっげぇ嬉しい!」

へへっと鼻の下をかいたサッチは、照れるぜちくしょっと呟いてすたすたと厨房に入っていった。
小さくオヤジが笑う。




「どうだァ、エース。嬉しかァねェか」




もし、ゆらりと揺れるこの視界がそれを示しているのなら、きっとそうだ。
オレは嬉しい。

こくりと頷くと、厚く大きな掌がオレの頭を撫で回した。







「おめでとう、エース」





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 麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。



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