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OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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ハナノリさんにいただいたサンナミ【37】のつづきです。
前回はこちら








モーテルを出て、船までゆっくりと歩いた。
生ぬるい夜風が潮のにおいと共に後ろへ流れていく。
涙やけした目の下が、熱を持ってひりひりした。
サンジ君は手を繋いでくれた。
私たちはまるで幼い兄妹のように、手を繋いで、ゆっくりと船に戻った。


「足元、気を付けて」


馴れたタラップを登るときまで、彼は私を気遣った。
私が甲板に降り立つと、あとから彼も登ってきた。
船は静かだ。湿り気のある空気がひっそりと船を包んでいる。
夜中と言うにはまだ早い、何人かは起きているだろう。
今晩の見張りは誰だったろう。きっと私たちがそわそわと出ていくところも、項垂れるようにして帰ってきた今も、見ているのかもしれない。
サンジ君がたばこに火をつけ、小さなあかりが頼りなく灯る。


「おれはキッチンに行くけど、ナミさんは部屋に戻る?」
「うん」
「じゃあ、おやすみ」
「おやすみ……」


最後に私と目を合わせ、少し下がった眉をゆっくりと動かして彼は笑う。
女部屋では、ロビンが書き物机で本を読んでいた。いつものように。


「おかえりなさい」


乾いた紙が捲れる音がする。
私は返事もせずに床を踏み鳴らしてベッドまで歩み寄ると、そこに勢いよく顔を突っ伏した。
わっと溢れるように花の香りが広がって、そこがロビンの場所だと気付く。
構うもんかと思った。


「ナミ?」


ロビンが手を止めて、こちらを振り向いた。
私は大きく息を吸い、身体の中のものを全部洗いだす勢いで息を吐く。
うっ、と喉が詰まったかと思うと、鼻の奥がツンと痛くなった。
ああと呻き声が漏れる。


「あらあら」


ロビンが腰を上げ、私の隣にしゃがみ込む。
ほのかな温度が背中に触れた。


「悲しいことでもあった?」


私はぶんぶんと音を立てて首を振る。
そしてまた、顔を突っ伏して「ああ」と呻いた。
嗚咽が胸の奥から、悪いものを外へ追い出すみたいにせり上げる。
涙は出なかった。
それでも鼻は水を吸い込んだみたいにツンと痛むのだ。

悔しくて、恥ずかしくて、いたたまれない。
後悔が嵐のようにあらゆる感情を巻き込んで、胸の中に渦巻いた。
私に誰かを思うことは荷が重い。

そのとき、ふふんと綿毛を飛ばすような軽さで笑う声がした。
鼻の頭を赤くしたまま顔を上げると、ロビンが同じ目線の高さで微笑んでいる。


「素敵」


うっとりともいえる表情で、ロビンが呟く。
なに、と音にならない声を絞ると、ロビンはまた「素敵ね」と繰り返した。


「彼を外に連れ出したの? 逃避行ね」


いつものしっとりと落ち着いた声で、でも夢見心地のような目をしてロビンは言う。
私はじとりと彼女を睨んだ。


「……馬鹿にしてるわ」
「まさか。羨んでるの」


なにを、と返すと、ロビンは私と同じようにベッドに肘をついた。


「私もそうやって、誰かのことで思いわずらったり悶々と悩んだりしてみたい」


普通の女の子みたいに。
そう付け足した彼女の声は少し照れていた。


「普通の……」
「そうよ、あなたまるで、普通の女の子みたい」


嘘、と呟いて顔を伏せた。


「『普通』は、したいからってだけで男を誘ったりしないわ」
「でもあなたは今夜、失敗して帰ってきた。泣いた目をして、部屋で大きなため息をついて」


これのどこが普通じゃないというのかしら、とでもいうように、ロビンは楽しげに声を弾ませた。
まるでずっと見てきたみたいに、包み込むような視線で。
操られたように、口がぱかりと開いた。
こ、と声を洩らす。


「こ?」
「怖いの」


ロビンは噛んで含めるように、ゆっくりと頷いた。


「わかるわ」


ロビンは確かな声でそう言った。
そのすぐあとで、もう寝なさい、とも。
私はのろのろと立ち上がり、自分のベッドに滑り込む。
ロビンがデスクの灯りを消す。
部屋の中は本当の真っ暗闇に包まれ、波の音がひと際大きく聞こえた。
目を閉じると、荒れた瞼がひりひりと痛む。
ロビンもこわいんだな、と思った。
恋することはとても怖い。
サンジ君は、と思った。
彼も怖かったに違いない。
さっきも、今も。どんなに怖かっただろう。
私も怖かったのね、と胸のうちで呟くと、喉に詰まっていた氷がすっと溶けるような気がした。
誰かを求めたり、求められたりするのはとても怖いのだ。







翌朝はいつも通り9人で朝食を摂った。
サンジ君はおはようと言って私に笑いかけ、ロビンにも同じようにする。
ウソップがバカな話をして笑わせて、そうこうしているうちに天気が荒れてきたので私たちは慌てて船を駆けまわった。
寄港中とはいえ、波止場に船がぶつかっては危ない。
激しくはないが細かく冷たい雨が降り始め、波が高く船はあっちへこっちへと傾いてはごおごおと音を立てた。

ロビンは図書室へ行くと言って、コーヒーを片手にキッチンを出て行った。
ウソップとフランキーは工房に閉じこもり、ゾロはトレーニングルームで見張りをしている。
ルフィとチョッパーはついさっきまでキッチンでウソップの作ったパズルで遊んでいたはずが、いつの間にか姿が見えない。
ブルックがアクアリウムバーで奏でるバイオリンの音色が、足の裏から体に沁み込む。
ぐっしょりと濡れたレインコートは、足元に小さな水たまりを作った。


「ごめん。キッチンの床、濡らしちゃった」
「いんや、構わねェよ」


レインコートを入れるようにと、サンジ君はゴムバケツを手渡した。


「部屋まで暖かいモン持っていくぜ。冷えちまったろう」


そうね、と頷きかけて、私は一拍置いて彼に向き直る。


「やっぱりいいわ。飲み物はここにおいておいて。すぐに戻ってくるから」
「え?」


サンジ君の問い直しには答えず、私はゴムバケツを抱えて自室へと向かった。
確かめたいことがある。








ペンとノート、羊皮紙にいくつかの本を抱えて戻ってきた私を、サンジ君は半ばぽかんとした顔で迎えた。
律儀にも、飲み物はきちんと用意されている。
そして、床にできた水たまりはすっかり消えていた。


「……ここで描くの?」
「いけない?」


ブンブンと首を振って、サンジ君は私のために椅子を引いてくれた。

広いダイニングテーブルに大きな羊皮紙を広げ、四隅を綺麗な宝石が施された文鎮でとめる。
横に本を積み上げてペンをインク壺に浸すと、とろみを帯びた濃い香りに心が落ち着いた。
少し顔を上げると、カウンターの向こうで水を使うサンジ君の背中が見えた。
メリーに乗っていたころは、よくこうして日誌を書いていた。
お風呂の後なんかに、彼が用意した飲み物をお供にして。
あまり遅い時間になると必ずサンジ君が声をかけてくれる。
その声を皮切りに、私は日誌を書き上げておやすみを言うのだ。
サニー号に乗り、私は自分の部屋にとても使い勝手のいいデスクとライトを置いた。
広い女部屋にはたくさんの本が置けたし、ロビンとのおしゃべりを挟みながら物を描くのは楽しかった。

定規を使って精緻な線を引く。
本を参考に海図を起こしていく作業は、頭に一切の音をも入りこませない。
どっぷりと紙とインクのにおいにだけ浸りながら筆を動かした。
ただ、ふっと集中が途切れた時に耳に滑り込んでくる物音がある。
暖かい湯気の気配が上の方に漂ってくる。
顔を上げると彼がいる。
サンジ君はこちら側を向いていたが、視線は手元のまな板に落ちていた。
しばらくの間手を止めて、その姿を見ていた。
揺れる前髪、細かく動く手元。
目を閉じると、包丁の小刻みな音がリズミカルに響く。

なるほどね、と思った。

誰かを感じたければ、近くに行って目を閉じればよかったのだ。
この部屋にはサンジ君が溢れていた。
生々しい彼の息遣いで満ちていた。
私はこの空気が好きだから、あの夜サンジ君に声をかけたのだ。
つまりそれは、


「あんたじゃなきゃダメだったの」


えっ?と短く声をあげ、サンジ君が私を見遣る。
ナミさんなんて?とゆるい笑顔で問い返す彼に、首を振った。


「おかわり」
「あぁ、はい。同じもの?」
「おまかせするわ。甘いやつ」


かしこまって「御意」と言った彼が、マグカップを取りに近づいてくる。
空になったそれを持ち上げようとした手を、私は上から押さえるように掴んだ。
コツ、とテーブルに固い音を立ててぶつかる。
サンジ君は目を丸めて、私を見た。
ナミさん?と発した声がほんのり不安を帯びている。

口を開くと、いろんな言葉が一度に飛び出てきそうだった。
サンジ君は私の言葉を待っている。
怖い思いをさせて、ごめんなさい。
私も怖いのよ。


「今夜、ふたりで出かけましょ」


サンジ君は丸めた目をさらに丸くして、えー、それは、と言い淀む。


「……何をしに?」
「決まってるじゃない。呑みに行くのよ」
「おれと? ナミさんが?」
「そうよ」


サンジ君は中腰のまま、目を泳がせて狼狽えた。
彼を初めてかわいいと思う。


「お話しましょ」
「……お話?」


うん、と大きく頷いた。


「教えて。あんたのこと」


肩を並べて、もしかしたら少し触れあって、いつのまにか指先を絡めたりなんかして、帰るときには手を繋いでいるかもしれない。
いい。
すごくいい。


狼狽えていたはずの彼はいつのまにか真剣な目で、私を見ていた。
もう片方の手が、私の片手に覆い被さる。


「知りたいと、思ってくれた?」


にっこり笑って、うんと頷く。


「セックスはなしね」


サンジ君は吹き出した。
笑いながら、彼は訊き返す。


「じゃあキスは?」


ふふっと笑いが零れる。


「考えとく」



Fin

拍手[55回]

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ハナノリさんにいただいた【37】に始まるシリーズのお話をハナノリさんにいただきました。
時系列的には前回より少し戻って37.02くらいのようです。















傷つかないからいくらでも。

そうやって言える男だったらよかったんだろうか。


君の気が済むまで、好きに使ってくれたらいい。

そんな風に言える男だったらよかったんだろうか。



それとも、
割り切った関係を楽しめる男だったらよかったんだろうか。




君が望んだのは、

どういう男だった?










**************







ブラックホール胃袋を船長に持つこの船の食糧在庫がそろそろ怪しくなり始めた頃、
ログの都合で折よく寄港の予定がついた。

二日後に控えたまだ見ぬ街の店屋がどうか当たりであることを祈りつつ、
日課である朝飯の仕込みに今まで腰かけていたスツールから尻を引っぺがす。

時刻は深夜。

一人静かではあるが、昼から煮込んでいる鍋の音だとか、
そこに動く湯気だとか、
全くの静謐ではないこの空間はコックの特権。

誰にも邪魔のされない時間には時折思わぬ来客もあって、
気まぐれな猫にとびっきりのサービスをすること含め、
自分の中で大切な時間だった。


それも、少し前までの話。



起きぬけの朝、騒がしい昼、
夕方でも夜でも、とにかく誰かが視界に入ってる時なら問題はない。

クソ野郎どもに死ぬほど食わせて、レディーたちに給仕。
そうしている間であればなんの問題もない。



深夜の仕込みの時間が、
そっくりそのまま後悔と反省とを一人反芻する時間に変わったのは、
最初にナミさんの誘いに乗った時。

反芻がどんどんと底なし沼のようになってきたのは、
最後にナミさんと二人きりになったあの夜から。







あの夜、俺は酷い顔をしていたんだと思う。

ナミさんが見張りのクソマリモのところへ行った。
そう気付いた時、俺はやりかけの作業を放置して、
ずっと、ずっと消えていったナミさんの姿を見ていた。

どうしてそこへ行って、そこで何を話して、

そして、何をしてるのか、

そんなことを勝手にぐるぐる想像してる間に、
足元に出来た吸い殻は何本にもなった。


いっそ白々しくつまみの差し入れでもして割り込もうかと考えて、
あまりに惨めだと止めた。

そうしているうちにナミさんが戻って来たのだ。


目が合って、
そこから、何を考えたかなんて、
わざわざ説明しなくてもすぐにわかったんだと思う。

ぐちゃぐちゃに煮詰まった嫉妬だった。
ドロドロしてひりついて、
ナミさんの細い両肩を揺さぶってなじってしまう寸前の。


ナミさんは俺のものでも何でもない癖に。





見張りじゃないことを確認して、マリモに用があったのかを確認して、

・・・・自分で言いながらバカみたいだと思った。


でも、聞きたかった『なんで?』の答えは知りたくなかったし、
『マリモのがよかった?』なんて応える姿すら見られないと思った。


勝手に嫉妬に狂ってる俺の姿を、
ナミさんは黙って見て、
そしてお手上げだと言う様に両手を空に向けて伸びをした。




「そりゃ、まぁ」


そうなるわ、と自嘲気味に零しつつ、鍋の様子を見る。
野菜の皮向きをしつつ、もうあの夜から何度も何度も繰り返し再生してきた瞬間は、
本日も自分の納得で停止した。

あれからナミさんと二人きりになることはない。





どうすればよかったのかなんて、わかりきっている。
最初の夜、ナミさんの誘いに乗らなければよかったのだ。

身体は手に入らなくても、
こんな風に心は絶対に手に入らないなんて絶望も知らずに済んだ。

(なのに、俺ときたら・・・)




「っイテ」

短く鋭い感覚が走って、指先を見ると見事に赤い筋が入っていた。

「こんな頻度で指先に傷作って見習いかよ」

剥いていた芋を置いて、洗うのも面倒で舐める。
舌の先に錆びた味が広がって溜息が洩れた。


普段と違うこと、例えば料理の味に変化が出るだとか、
心ここにあらずの様子を見せるとか、そんなことを晒せば彼女の負担になるから、
何でもない風を装って過ごした時はどのくらいだろう。

何でもないわけがない。


好きで、
好きで好きで好きで好きでたまらない相手と最奥まで繋がって、

なのに何も始まりさえしないこの関係。


持って行きどころのない気持ちは、
どこにもぶつけられず、

わかって抱えた癖にもういい加減重たくて、
そこら中で熱を持っていた。

大切にしたくて、困らせたくはなくて、

なのに、

時折、一番大事なナミさんに洗いざらいぶちまけて、
酷い人だと言いたくなる。



(・・・酷いのは、こっちだろ)










コン、と扉をノックする音が聴こえて、
弾かれたようにそちらを見る。

まさかと心臓が跳ねて、落胆しないように掛けた保険を女々しいと思っているうちに、
現実がドアを開けてやって来た。







「・・・・・・フランキー、珍しいな」
「期待はずれだったか?」

どこか悪かったともとれる言い様でやってきた男は、
作業に飽きて腹も減ってな、と肩を竦めてカウンターに座る。


「こんな夜中まで作業か」
「お前ェが言えた義理かよ。ノッてたから止めたくなくてな」

そうか、と応えて適当に夜食を作る。




出し終えたあと、煙草を吸って、そういやこうやって二人でここに居るのは初めてかと思った時、
丁度同じようなことをフランキーも口にした。


「ま、男が仕事場に独りでいる時ァ、入らねぇほうがいいしな」
「言ってることとやってることが矛盾してるぞ」

あ?と出された簡単なリゾット風のものをかきこみながら返事をした声は、
そこでスプーンを置き、(それは完食の合図でもあった)
げふっとクソお上品な音を響かせてこう続いた。


「ちょっと、いい加減気になっちまってよ」
「?」

何が、と問い返そうとして、カウンター向こうのフランキーの目とぶつかる。
サングラス越しだったから誤魔化せるかと思った瞬間、
それを押し上げて薄い水色がまともにこちらを覗き込んできた。

「お前ェ大丈夫かよ」

大丈夫、ととっさには言えず、
そもそも何のことだととぼけることも出来ずに、

ただただ真っすぐな視線が痛くて目を伏せて逃げた。


その様子を見てフランキーは、あー、とかいや、とか口ごもって、
バツが悪そうにサングラスを戻す。

「事情は知らねぇ。ただ、何となく、気になってな」



「俺に変わったとこでもあったか?」
「さぁ、ただ、俺はお前ェよりちっとばかし歳だけは食ってるからよ」

勘だ、と肩を竦めた仕草は出過ぎたことを謝っているようにも見えて、
勘ならクソ仕方ねェな、と思わず変な笑いが口をついた。










それから呑んだ。

珍しさも手伝っていつもの馬鹿騒ぎでの呑み方ではなく。

カウンターの表で。

延々。






何があったかを吐いたら、
ナミさんを貶める気がしたからそこは死んでも口にせずに居たけれど、
たぶんフランキーは何となく察していたんだと思う。




「欲しがらなけりゃ、結果それで手に入ったりするもんよ」
「・・・・・それいつだよ」
「急かすようじゃ無理かもな」
「クソやろう・・・」

ろれつの怪しい返事を適当に流した後は、
もういいから呑め、とだばだばジョッキに酒を注がれて半分無理やり口へ流し込まれる。

ゲホゲホと焼けた喉で噎せていると、
朦朧とした意識の端で笑っているような声が聞こえた。


「うまくいってもらいてぇと思ってるし」
「・・・・・」
「それにゃぁ、お前ェが踏ん張らねェと」


まぁ面倒な女はホント面倒臭くていけねぇな、そう続いたフランキーの言葉はもう途中から、
アルコールに溶けた脳みそでは理解できずにカウンターにずぶずぶと沈む。


どろどろになっていく頭でも仕込みの完了を確認していたのは、
明日の朝飯を出した時に、
笑う彼女の顔を見たいからで。



あぁ、そっか・・・


とりあえず、それがあればいいのか。




酒に沈んだ眠りにしては、思いのほか気分はよく、
この日の記憶はそこで切れた。















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(オマケ)




明け方ふらふらと甲板に出る。
そういえばと思い出しいい気分で見張り場所へ向かった。



「・・・風上に立たないでくれるかしら?」

お疲れさん、の言葉より先に食らったそっけない口調に肩を竦めると、
言われた通り本日見張りのロビンの風下へドカッと座る。
自分でも酒臭い自覚はあったので文句はない。


「こんな時間まで?」
「あぁ、サンジとな」

あら、と少しだけ目を丸くしたロビンにはその一言だけの裏でいろいろと考えることでもあるのだろう。

「・・・あなたお節介だものね」
「うるせーよ」

怒らないで褒めてるのよ、と小さく笑った声には少々気をよくして、ハァと溜息をつく。


「なんつーか、つくづく男はスーパーに憐れな生きモンだって思うぜ」
「あら自分のことを言ってるの?」
「そう聞こえたか?」

さぁどうかしら、と綺麗な笑顔を笑って流しておいて、
キッチンの方を見る。

「見てて危なっかしくてつい世話焼いちまったけど、」
「・・・よかったんじゃないかしら」


だといいけどな、と言った後は、
さて、スーパーにおはよう、とおやすみと、
いったいどっちの挨拶で別れるか、そんな下らない会話に切り替えて、
酒臭い身体で見張り場を後にした。







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(以下こまつなの叫び)


アニキィーーーーー!!!

まさかのフランキー登場に、わっしょいわっしょいでした(意味不明)
フランキーがいるということは、ここはサニー号なのねっ、と確認できたり。
でも3Dなつもりです、よね?

ノック音がしたとき、ほんとにナミさん来たのかと思ってめっちゃドキドキしました。
それまでぐーるぐるナミさんのことを考えてたんだから、サンジもそりゃどきっとしたろう。
どんな顔しようか、一瞬のうちにいろいろ考えたはず。
きっとそういうのも、フランキーはわかってんだろうなあ。

サンジは、こいつどこまで知ってんだ?もしかしてナミさんがロビンちゃんに言って、それがフランキーにまで伝わってんのかね、とか憶測してフランキーに対して自分をどこまで晒していいのか迷ったりしてね。
でもアニキの広い背中に思わず寄りかかってしまうんだ。

きっとサンジはそやって頼ったり晒したりすることは不本意だろうと思うので、それを強要することはしないフランキーですが、下っ端たちの世話を焼いてきたフランキーにとってはサンジのそういう内側に追い詰めてしまうところが心配なんだろなあと思ったり。


サンジとフランキーのサシ呑みは、新鮮すぎて非常に楽しいひと時でした!
ふたりの酒の強さにも言及したいとこですがひとまず置いておいて、フランキーは吐かせるつもりでサンジに呑ませたんじゃないんだろうなあと思って嬉しくなりました。
はなしの核の部分には二人ともあえて触れず、ただただ少しでもサンジの気持ちが軽くなればっていうフランキーの優しさよ。
でもそんな一晩やそこらで軽くなるようなもんじゃないことも、フランキーは重々承知してるのでしょう。

サンジにとっては、フランキーみたいに自分のことを心配してる、心配かけてると思うことがいい薬になるんじゃないかな、と思います。
いつでも自分のことは後回しな彼ですので、他の奴らに心配かけないようになんとかしないとって思うことが、いい意味でエネルギーになるんじゃないですかね。

ハナノリさんは、今後の展開で整合性が取れないようなら……と気にかけてくれましたが、むしろこのサンジエネチャージにより前回のような展開があったのだとしたら頷ける……
ハナノリさんすげえ



そんで最後のおまけ、フラロビ夫婦ね。
夫婦ね。
だって夫婦やん(・∀・)あはー

おっかしいな、私どっちかってとゾロビニストだったんだけどな。
最近周囲のフラロビ熱に巻き込まれつつあります。

正味、ロビンちゃんが幸せになれるならどっちでもよいのでしょうな。
もちろんフランキーじゃなきゃ!ゾロじゃなきゃ!とそのCPをまるごと愛してる方からしたらキッサマァ何中途半端なことを!!と思われるかもしれませんが。
元はと言えば、私はサンナミとマルアン以外はオーラキャラ推しですので、総受けとかそんなんでもなく、そのときによってキャラが一緒にいて気持ちいい人と一緒にいてほしいです。

話が逸れました。

最後のロビンちゃんの、「…よかったんじゃないかしら」が個人的にすごくすきです。

ロビンだって部屋でもんもんするナミさんと、キッチンで明るく振る舞うサンジを見て何度も溜息ついたはず。
誰かを好きになったりその人のために悩んだりをしてこなかったからこそ、ナミにはしあわせになってほしいとこっそり思ってるといいなあ。
それをナミに伝えることはしませんが、なんかの拍子にそれっぽいことをぽろっと言ってしまって、ナミが照れるもんだから一緒になって照れたりしてね。
なにそれかわいい!!!!!ダンッ







はい、長くなりましたが次のこまつな版で最後です。
お付き合いくださいましー。





拍手[15回]

ハナノリさんに頂いたセフレサンナミ【37】のつづきです。
前回はこちら













閉ざされたシャッターの並ぶ商店を通り抜けると、ぼやっとした光の並ぶ細い道がつづいていた。
安い石鹸の香りが外にまで淀んでいるその界隈を、私たちは進む。
小さな看板を出したモーテルの光が目について、ほとんど考えなしにそこへ入った。
サンジ君は連れられるがまま黙っている。

呆れて嫌いになってくれたらいい。
女のくせにいやらしいことばかりしたがってと軽蔑してくれたらいい。
そしたら私は、もうサンジ君にすがったりしない。
きっと、こんなに何かを求める気持ちには二度とならない。



扉を開けると、ぱかぱかと切れかけた電気の下で、おじさんが眠りこけていた。
半ば無理やりたたき起こして部屋を取った。
鍵を受け取り、私たちは狭い廊下を進む。


簡素な造りの部屋はありふれていて、甘い言葉や熱い愛をかわすつもりのない私たちには十分と言えた。
部屋に入り鍵を閉める。
振り返ると、所在なさ気にサンジ君がベッドのわきに立っていた。
狭い部屋だから、どこに立ったってベッドのわきにはちがいない。


電気のついていない、小さな窓から入る薄明りの中、サンジ君が羽織ったパーカーがぼんやりと浮かんでいた。
歩み寄って、顔を見上げる。
いつもはあんなにわかりやすいのに、今ばかりは感情の読めない青い目が怖いほど静かに私を見つめ返していた。


「……脱ぐわね」
「ナミさん」
「……サンジ君も、はやく」
「ナミさん」


彼の声を無視して、キャミソールをむしり取った。
下着一枚になって、ショートパンツに手をかけた。


「……ナミさん」
「もうっうるさいっ」


襟を掴んでベッドに引きずりこみ、一緒になだれ込んだ。
肌が重なった瞬間、スイッチが入ったみたいに体が熱くなり、下腹部のあたりに液体が満ちる。



クソ、

そう聞こえた瞬間、驚くほど一瞬で上も下も衣服をはぎ取られた。
見上げると、もどかしそうに服を脱ぐサンジ君が見える。
影になって顔がよく見えない。
手を伸ばして盛り上がった筋肉をなぞると両腕を押さえつけられ、彼の顎髭がざらりと胸の真ん中をかすめる。
じかに触れた肌が熱くなっている。
首のあたりに、彼が吐き出した深い息を感じた。

やってくるはずの刺激を、息をひそめて待った。
サンジ君は私の腕を押さえつけたまま、胸に顔をうずめている。
うずめている。


ピクリとも動かない。
拍動だけが速く聞こえた。
私を抑え込む力が緩み、腕を撫でるようにやさしく滑り落ちた。


「……サンジ君?」
「……もしおれが来なかったら、ほかの奴を誘ってた?」


今それを訊くの、と思わず息を呑む。
サンジ君も言うつもりじゃなかったみたいに、小さく首を振った。
さらさらと耳の傍で音を立てて、細い金髪が流れる。
薄明りの中にも関わらず、きらきらと光ったそれが綺麗で、思わず手を伸ばした。


「だめだ」


鋭い声が飛び、指先がピクリと驚く。


「触らないでくれ」


行き場を失った両手が宙に浮いた。
悔しさとも恥ずかしさともつかない感情が喉のあたりに迫り上げてくる。
触れることを拒まれて、自分が傷ついたのだと気付くまでずいぶん時間がかかった。

ゆっくりと頭が上がる。
サンジ君は泣きそうな目で、口元を少し歪ませて、「ごめん」と言った。


「ナミさん本当は今日、別にしたいわけじゃねぇだろ」
「……なんで」
「あぁ、だめだおれ、ごめん。ナミさん服着てくれ」


黙っていると、「頼む」と彼が懇願した。


「服着よう。いい子だから、な」


なんだというの、と私が相変わらず黙っているうちに、お腹の上にパサパサと少ない衣服が乗せられていった。
サンジ君は私の上から降りると、背中を向けてベッドに腰かけてしまった。


──なによ。


指に引っ掛かった布きれを、彼の背中に投げつけた。
軽い音と衝撃で彼が振り返り、ベッドに落ちたそれを拾い上げた。


「ちょ、なんてモン投げてんだ」


サンジ君はベッドによじ登り、私に小さなショーツを手渡して、子どもに言い聞かすように「ちゃんと履きなさい」と言う。
フン、と顔を背けて彼の手から逃れた。


「いやよ、なんなの。ここまで来ておいて」
「ごめ、ともかくナミさん、服着ろってば」
「なによ服服って!脱がしたのはあんたじゃない!」
「っだー、もう!」


サンジ君はシーツを引っぺがすと、一瞬で私をくるんでしまった。
そして一切合財を押し込めるように抱きすくめた。
息が止まりそうなほど強い力。


「──話がしたいんだ」


そしてそれはセックスよりずっと大事なことなんだと、サンジ君はゆっくりと言い含めるように口にした。










部屋の電気は付けないまま、私はセックスをするでもなく狭い部屋のベッドに腰かけていた。
仕方なく服を身に着けて、もうどうとでもなれという気持ちでぼんやりと床を見つめる。
背中を向けていたサンジ君がそわそわとみじろいだ。


「服、着た?」
「着たわよ」


振り返って私を確認し、サンジ君はベッドに深く腰掛けた。
枕側の壁に背中を預け、私を手招く。


「隣に、ナミさん」
「なに?」
「いいから」


ぽんぽんと自身の隣を叩く顔は大まじめだ。
仕方なしに彼の隣へ腰を落ち着けると、サンジ君はシーツを引き上げて二人のおへそのあたりまでかぶせ、私の肩を引き寄せた。
肩と肩がぶつかって、私はまるで彼に寄りかかっているような形になる。


「なによ」
「このまま話してもいい?」
「……いいけど」


サンジ君は静かに、ありがとうと呟いた。

サンジ君の肩は温かかった。
それなのに、私の肩を引き寄せる指先は冷えている。


「寒くねェ?」
「うん」


彼の火照った体がすぐ隣にあって、私に熱を与えていた。
私の方は、燃え上がりかけた性欲の残り火がちらちらと揺れていたが、サンジ君もそうなのだろう。
二回ほど深い呼吸を繰り返して、自身を落ち着かせているように見えた。

サンジ君がなかなか話し出さないので、妙な沈黙が落ちる。
私はこんなところに気まずくなりに来たわけじゃないのだ。


「それで?」
「うん、うーん……」


煮え切らない声に苛立ちが募る。
まさか単に臆しただけじゃないでしょうね、と訝しむ気持ちになったが、それはさすがに違うと分かる。
苦しげに私を拒んだその顔を、さっき見たばかりだ。

「あの、本当に最初の」とサンジ君が言葉を紡ぐ。


「レストランで初めてナミさんを見たとき」
「うん」
「なんてかわいい子だろうと思ったんだ」
「うん」
「一緒に旅ができるなんて、こんな幸せがあっていいのか、なんて思ったり」


サンジ君は、今までの旅を振り返るように時々目を瞑って、私のことを話した。
私は途中で相槌を打つことをやめ、ただ黙って聞いていた。
甘い思い出に、こっそりと添えられるようにして伝えられる痛みのようなものが、私には重くて苦しい。


恋とはこういうものだ。

見ていたい、そばにいたい、触れたい、触れられたい。
そこにいるなら抱きしめて、会えないときはもどかしさに焦がれる。
日が昇っても沈んでも相手のことばかり考えて、しあわせなのに満ち足りなくて、安心と不安が一度に胸に押し寄せては泣きそうになる。

今のサンジ君みたいに。
これが恋だ。
恋とはこういうものだ。


サンジ君は吐き出すように、ため息に乗せていった。


「好きなんだ」


ナミさん、と私をかすれた声で呼ぶ。


私は恋い焦がれる気持ちを知らない。
焦がれるのは身体ばかりで、いつまで経っても満ち足りることはなく、乾いたのどを潤すものを探してはむさぼった。

私にサンジ君は手に負えないのだ。
本当は初めからわかっていた。
わかっていたのに利用した。
彼の気持ちをもてあそんでは傷つけて、ざっくりと深い傷跡からだらだらと血を流す彼の心を、見て見ぬフリした。

その上私は、その傷をつけたのは自分だと、まるで名前のシールをペタッと貼るみたいに、心のどこかで悦に入ってはいなかっただろうか。


私の肩を抱く彼の指先に、力がこもった。
引き寄せることも、手を離すこともできない微妙な力加減。


「私は」


そんなつもりじゃないのに、乾いた低い声しか出なかった。


「私は」


サンジ君は静かに、続きを待っている。

言え。
私は好きじゃないと、あんたのことなんてちっとも思ってやしないのだと。


「いいんだよ、ナミさん」
「え?」


顔を上げ、横にいるサンジ君を仰ぎ見ると、彼の横顔は少し笑っていた。


「おれがこんなふうだから、ナミさん妙に気を遣って、気まずくさせちまった。オレァナミさんが望むみたいな軽い男でいられなくて、ごめんな」


頭を掻いて、ごまかすみたいに苦笑する。


どうして、どうしてそんなにやさしくいられるの。


私が言える口ではないと知りながらも、口を開いていた。


「……あんた、損してる」
「よく言われる」


いや、そうでもねェか、と自問して首をひねるサンジ君は、まるでちっとも私のことを責めたり、自分を悲しんだりするつもりはないみたいだ。
そんなそぶりが、ますます私を卑小に感じさせた。

不意に、シーツの中で、サンジ君の空いている手が私のそれに重ねられた。


「オレァしあわせだね。考えてみりゃ、こうして手を握ったりする日が来るとは思ってもみなかった。まぁあわよくば……ってとこはあったっちゃ、あったが。なんにせよ、欲が出たんだ。こうやって横にいて、可愛い顔を眺めてられりゃあ十分……」
「うそ」
「え?」
「うそよそんなの! それならなんで私の誘いに乗ったりしたの。どうして一度も断らなかったのよ!」
「そりゃ、ナミさんのことが好きだから」
「ふざけないで!」


サンジ君の手を振り払い、身をよじって彼の傍から離れる。
正面からその顔を見つめると、サンジ君は呆気にとられた顔で私を見つめていた。


「好きだ好きだって言って、セックスまでして、やっぱり怖気づいたからってまた『好きだから』で片付けるつもり? 見てるだけで十分なんて、私によく言えるわね!」


一息にまくしたてると息が切れた。
サンジ君はぽかんと口を開けたまま、「ナミさん」と言う。


「泣いてる」
「は?」
「ナミさん泣いてる」


サンジ君の手が私の頬へ伸びた。
冷たい指先が、頬の表面をかする。
反対側の頬を、液体が流れる感触が伝った。
自分の手で確かめると、確かに頬は濡れていた。


「なにこれ、なんで……」


拭おうと下を向くと、また粒がこぼれてシーツに薄いしみを作った。
理由のわからない涙が睫毛と頬と、シーツを濡らしていく。


「ナミさん」
「うるさい。こっち見ないで」


サンジ君にそっぽを向くように顔を背けると、強引な力が私を引っ張った。


「なにっ……」


サンジ君に倒れ込んだ私を、彼の手がしっかりと支える。
反対の肩に回した手が伸びて、私を抱え込みながら髪に触れた。


「ごめん、しばらくこうさせて」
「なんでよ、いらないわよっ……」
「おれがしたいからするの。大丈夫、見ないから」


サンジ君は、私の頬を自分の胸に軽く押し付けるように腕を回した。
髪を梳く手がゆっくりと頭に触れる。

既にとめどなくなっていた涙が、少しずつ引き潮のように引いていく。
けだるい重さが胸に溜まって、私は抵抗する気をなくして目を閉じた。
最後のひと粒が頬を転がるように落ちていく。

まったく馬鹿みたいだ。
傷つけたくせに拒まれたら傷ついて、好きだと言われれば嘘だと言って信じずに、あげくみっともなく涙まで流して。

もしも私が、こういう形でサンジ君と生活を共にするわけでもなく出会っていれば、彼のことを好きになれただろうか。
刺激はないけど落ち着いていて、どこかけだるい日常を過ごしながら彼のことを考えて、もっと素直に求めたりなんかして。


「ごめん」


ぽつりと、サンジ君が謝った。
なんのこと、と口にはしなかったが代わりに鼻をすする。


「おれもう、ナミさんとはできねェよ」


…したいけど、と続けた声は少ししょぼくれている。


「ナミさんが他の野郎と……って思うとそれもいやだ。でも、これ以上続けるとオレもナミさんもダメになっちまう」


なにが、とは聞かなかった。
はっきりとは私にもわからないけれど、多分、もうきっと、私たちはすぐそこまでダメになりかけていた。


「しばらくは、多分その、余計なこと考えてあーだこーだするし言っちまうかもしれねェけど、がんばるから」


がんばるから。
がんばって、私を諦める?セックスを我慢する?私が他の男に抱かれることを我慢する?

サンジ君の言葉はどれもはっきりしなくていまいち意味を把握しきれなかった。
彼の手が、止まることなく私の髪を梳いているから。
程よい温かさと、頭皮を滑る指の間隔、そのリズムが急激に眠気を誘った。

「本当は」とサンジ君が呟いた。


「こうやってしてみたかったんだ。ナミさんに腕枕したり、肩貸したり。髪も撫でてみたかった」


「叶えちまったよ、おい」と誰にともなく零して、サンジ君はほんの少し自嘲気味に小さく笑った。
サンジ君の胸からは、今夜の夕飯の香りと、染みついたような煙草の香り、そして少し汗のにおいがする。

私も、と心の中で唱えた。

私も、こうやって何でもない時間を過ごしてみたかった。
朝目覚めたときに隣で眠る顔を見てみたり、力を抜いて頭を預けてみたりしたかった。
その相手がサンジ君でも何の問題もない。
むしろ、とそのあとを考えるには勇気がいってやめてしまったけれど。

なんてことはない。
私はただ、こうやって黙ってそばにいてくれる人がいるだけで満たされる。
体温を分けあって眠るしあわせを感じることができる。
強いてまで身体を重ねる必要なんてどこにもなかった。

サンジ君が言う。


「帰ろうか」
「ん……」


心地いい眠気に引きずられそうになりながらも、私は頷いてゆっくりと身体を起こした。
サンジ君から離れる瞬間、彼のにおいがふっと遠ざかるのを感じて思い出した。



キスも、してみたかったな。



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発端はここ→[37]
前回のはこれ→【ハナノリさんから追加爆弾37-11】

















結局あの夜、彼を抱き締めることはできなかった。
不自然に揺れた両腕をごまかすように、そのまま空へつきあげて伸びをした。

はちきれそうなほど苦しんだ彼の胸から目を逸らして「おやすみなさい」と言うと、少し間を開けて、やがて彼も「おやすみ」と言ってくれた。
逃げるようにその場を後にした。
実際私は逃げた。これ以上ないほど卑怯でみっともない退却だった。

あの夜以来、サンジくんとは二人きりになっていない。














1か月ぶりの寄港だった。
船は大きく波を掻いて、護岸工事が施されてまだ新しい港へ錨を下ろした。
ログは2日。
いつも通り仕事分担のくじ引きを引いて、私たちは思い思いに船を降りた。
今日の船番はロビンだ。
船の上から優雅に笑って見送るロビンに手を振って、私は前を行くルフィやゾロの後へ続く。


「んロビンちゅぁーん!すぐ戻ってくるからねぇー!!」


あつくるしいラブコールをふりまくサンジくんにも、ロビンは律儀に手を振ったようだ。
彼の声が嬉しそうに跳ねたから。


しばらくするとサンジくんは私を追いかけて来て、横に並んで歩きだす。
革靴がぺたりぺたりと音を立てていた。



「ナミさんはこれからどこに?」
「文房具屋さん。地図とインクを買いにいくわ」
「そう、今日の夕飯なにかリクエストある? それか外で食べる?」
「んー、そうね。いいお店があったらそうするかも」
「了解。好きにしてくれていいから、な」
「うん」


私が頷くのを確認して、サンジくんは歩調を早めて前の男連中を追いかけて行った。
後ろから覆いかぶさるようにウソップの肩に腕をまわして、何か言い募っている。
大方買い出しの荷物持ちにでも連れて行くのだろう。

私は早々と横道に逸れ、5人とはそこではぐれた。





住宅にまぎれるように建っていた文房具屋で欲しいものを調達し、ついでにその隣に建っていた本屋を特に目星を付けるでもなく物色した。
地味で大人しめな街の雰囲気に合った、小さな本屋だ。
品ぞろえはけしていいとは言えず、仕方なしにわりと早く店を出た。

ロビンもきっと明日ここに寄るだろうけど、いまいちだったと先に教えてあげよう。
とはいえ彼女はいつでも、「それどこから持ってきたの?」と言うような本を見つけてくる。
「そこに」と指差すところにもう同じ本はなくて、私は彼女の視界が羨ましくて仕方ない。





お腹がすいたので市場の方へ足を向け、適当に目に付いたパン屋でパンを買ってお昼ごはんの代わりにした。
とろけるチーズに苦戦しながら市場を通り抜けていくと、人並みの中でちらちらと見知った頭が動くのが見えた。

サンジくんだ。
その隣でチョッパーが積み荷の重なった大きな台車を引いていた。
ウソップは逃げたみたいね、と確認したところで、向こうもこちらに気づいたようだ。
チョッパーが顔を上げ、うれしそうに「ナミ!」と呼んだ。

歩み寄ると、彼らから香辛料の香りがふわっと香る。


「偶然。買い出しご苦労様」
「ナミさんの用事はもう終わった?」
「うん。このとおり。ねぇ、カレー屋か何か入ったの?」
「あぁ、いや、さっきスパイスを大量に買い込んだもんで。くさい?」
「くさい! おれ、さっきからものすごくくさいって言ってるんだ!」


チョッパーがわめきたてるが、サンジ君は平気な顔で「うるせっ」と青い鼻を指で弾いた。


「面白いスパイスがそろってたから、鶏肉でも仕込んで漬けようかと。カレーにも幅が広がるし」
「ふぅん、じゃあ私、今夜は船で食べようかな」


思いついたままにそう言ったら、サンジ君の目元が嬉しそうにだらんと緩んだ。
途端に、ギュッと喉がすぼまるような息苦しさを感じる。


「サンジ、おれ荷物下ろしたら本屋に行くよ。帰ってきたら何か食うもん残しといてくれるか?」
「あぁ、取っておけるもんにしとくよ」
「今回はお小遣いも十分渡したし、オカで泊まるつもりの奴らも多いんじゃないかしら」


ゾロやルフィ、ウソップなんかは、街の酒場でつぶれてそのあたりで寝てしまうかもしれない。

今夜、船に残るのは誰だろう。


不意に、サンジ君と視線が絡まった。

私が彼を見たからでもあるけど、彼も私を見ていた。
言いたいことがあるのに、言うまいと決めてしまったから言えないみたいな、そんな顔をしていた。
言いたいことがあるのは、私のほうかもしれない。










船に戻ると、言っていた通りチョッパーは早々と本屋へ出かけて行った。
ロビンが沈みかけの日の光の中で、眩しそうに本を読んでいる。
私たちに気付いて、「おかえりなさい」と静かに本を閉じた。


「たっだいまロビンちゃん、見張りおつかれさま。お腹空いてねェ?」
「そうね、そろそろ空いてきたわ」
「すぐに用意するから待っててねン」


サンジ君はチョッパーが残して言った荷台を威勢よくごろごろとキッチンまで引いていき、夕食の準備に取り掛かるようだ。

ふと柔らかい花の香りがしたと思って振り返ると、ロビンの分身たちがパラソルと折りたたみ式のテーブルを片づけている。
当のロビンは、3冊ほどの本を抱えなおして私に向き直った。


「散策はどうだった?」
「ん、ぼちぼち。小さな街ね。短い滞在だし、ちょうどいいのかも」
「そう。あなた今夜は?」
「船にいるけど」
「なら私は、宿を取らせてもらおうかしら」


思わず紺色の大きな目をじっと見つめると、おなじようにまっすぐ視線が返ってきた。
その強さに耐え切れなくて、逸らしてしまう。


「……ばれてた?」
「ばれてたも何も、あなた特に隠してないじゃない」
「べっつに……」
「彼のことが好きなの?」


窺うようにロビンの顔を覗き込むと、平然とした顔が私を見ている。
答えないでいると、ほんの小さな吐息が頭上をかすめていった。


「彼はあなたのことが好きみたいね、とても」
「……知らない」


あらあら、とでもいうようにロビンは大仰に目を丸める仕草をして、私のわきを通り過ぎて行った。
文房具の入った紙袋を掴む手に力がこもって、乾いた音が小さく響く。
そんなこと、と言葉が漏れた。


そんなことは、私にだってわかっている。










ロビンとそんなやり取りをしたにもかかわらず、予想外なことに、夕飯が出来上がるころには何と全クルーが船に帰ってきていた。
サンジ君が慌てて追加分を作り始める程には予想外で、私も驚いて彼らに声をかけてしまう。
するとみんなが口を開いて、「うまそうな食材が売っていたから」と答えた。
だから外で食べてこようとは考えないところが、全員しっかりとサンジ君に胃袋を掴まれている証拠だ。
事実、彼はこの街で調達した食材を華麗なまでにおいしく仕上げてくれた。


船に戻ってきてしまえば、わざわざ外に眠りに出るものもいない。
皆が何となく、いつも通りに食後の時間を過ごし始めたので私もそれに倣った。


シャワーを浴びて一度船室から出ると、外の空気はぱりっと乾いて少し冷えていた。
濡れたタオルを頭に乗せたまま、冷たい夜風に肌を撫でられるのは気持ちいい。
しばらくのあいだ、船室の壁に背中を預けてぼうっと立ちすくんでいた。



「湯冷めしちまうよ、ナミさん」


頭上から降りかかる声に顔を上げると、二階部分の手すりからサンジ君が見下ろしていた。
いつからいたんだろう。


「……お風呂のお湯、少し熱くて」


そう? とサンジ君が首をかしげながら、階段を降りてきた。
キャミソールのひもだけが乗っかった肩が心もとなくて、なんとなく手のひらでこする。

サンジ君は私の隣の壁に背中を付けると、口の端で咥えていた煙草を床でもみ消した。


「何の用」と訊こうと思ったのに、言葉が出なくて、ただただまっすぐ海の方を見ていた。
サンジ君がなにも言わないので、私も何も言えない。
波が船の横腹をこするように通り過ぎる、重たく掠れた音が響く。

視線を落とすと、すぐ近くにサンジ君の手があった。
白くて硬い陶器のような手だ。
そっと撫でるように掴むと、身を引くようにその手が動いた。
怯えてるみたいな声で、サンジ君が私を窺う。


「……ナミさん?」


白い手は冷たかった。
ついさっきまで洗い物をしていたのだろう。
強く握ると、強張っていた手がほんの少しだけ緩んだ。


「どこか、行こう」


気が付くと口をついていた。
困惑するかと思ったが、意外にもサンジ君はしっかりと私を見下ろしているようだった。
相変わらず私は、前しか見ることができないのだけど。


「……どこかって?」
「どこか、外に」
「こんな時間だ、飲み屋くらいしか開いてねェ」
「お酒はもういらない」
「なら」
「他に開いているところがあるでしょう」


サンジ君は息を呑んで、それと同時にまた手に力を込めた。
「ナミさん」と静かに呟く。


「この間言ったよな」
「うん」
「これが最後って、その……」
「言ったわ」
「あぁ、だから……クソ、おれ何言ってんだ」


サンジ君は苛立ったように胸元へ手を伸ばした。
無意識に煙草を取り出したが、箱のラベルを見つめただけでまた戻してしまった。

私の方こそ、なんてことを言ってるんだろうと思いながら、未だ彼の手を掴んだまま、彼をどこかへ連れ出そうとしている。
気付けば「お願い」とまで言っていた。


「一緒に来て」







拍手[29回]

ハナノリさんが前々から呟いてたセフレサンナミのワンシーンをまたもやお話に起こしてくれました。

発端はここ→【37】
こまつな作の前回はここ→03;

ハナノリさんにいただいた今回は、そのちょっと後くらいだとおもいます、たぶんね。

お話の後に、ハナノリさんと、彼女のおともだちnaruさんが繰り広げた楽しいお話をくっつけてあります。
私が喜ぶことを見越してハナノリさんが送ってくれました。
よくわかってる。

サイトに載せる承諾はお二人からいただいておりますわよ。
興味のある方は是非最後まで。
フラロビにまで話が広がってて、たまらんとおもう。

ではスクロールでどぞー。



















【37-11】

朝が来て、昼が来て、日が沈んで、
そうして夜が来ると,

胸の中が重たい。

吸った空気の量と吐き出した量と単純に引き算すれば、
ここのところ吐いた量の方が勝ってるはずなのに。
小さいため息が漏れて、思わずほらね、と呟いた。




部屋にいるのに飽きて、散歩でもしようと歩きだしたが、
行く場所に迷うほどこの船は広くない。
とはいえ仲間の顔を見ない場所ばかりを選んでいるとすぐに気付いた。

一人きりで誰にも今の行動を見られていない癖に、
キッチンだけは慎重すぎるくらい慎重に避ける足。

「・・・自業自得よね」


もう最後なんて言葉を言って傷つけて、
その言葉を裏切ってまた傷つけて、


気持ちに付け込んだ行為は、
彼のどうしようもない表情を見るたびに重たくなる。





体を繋いでしまった翌朝口にする紅茶が普通に美味しくて、
僅かに歪んだ表情は熱さのせいにして誤魔化した。

『ごめんナミさん、熱かった?』
『うぅん、平気美味しい』
『ならよかった♪』

ロビンちゅわーん、俺ナミさんに褒められちゃった~、
とハイテンションで去っていく後ろ姿は見なかった。

朝でも、昼でも、いつでも変わらない。

あんな誘い方をして、
ずるいことをして、

なのに、

うっとうしいほどの紳士ぶりと、あれこれこちらを気遣ってくれる物言い。


彼は、本当に、

本当に優しいのだ。




二人の間には、あんなことがあっても、
何もないの同じ。













「居たの」
「・・・居ちゃ悪いかよ」

何か用か、とだけ言ったゾロに、別に、と言って少し離れた場所へ座る。
今夜の見張りはゾロだっけとぼんやり思って、ゾロの体の横に置いてある酒瓶を目にとめた。


「それ、くれない?」
「あぁ?ンだよ、酒せびりに来たのか」
「ってわけでもないけど、あるなら飲みたいなって」

いいじゃない、と言いながら手は延ばさずにそのままぼんやり座っていた。

「おい」

なによ、と返事をしたと同時に目の前に酒瓶が飛んできて、
慌ててそれを掴む。

「ちょ、っと危ないじゃない」
「くれっつったろーが」
「言ったけど」
「いつもは断りもせず人の酒でも奪ってくのにわざわざ許可待ちなんて気味悪ィ」

ひょいと肩をすくめてゾロはさっさともう一瓶の封を開けていた。

「いつもそんなことしてるかしら」
「言ってろ」

ゾロは口の端を僅かに上げて笑うと、あとはもう黙って自分の酒を飲んでいた。



今日みたいな夜に、この場所はちょうど良かった。

こちらに立ち入ろうとしてこない相手は楽だ。


瓶を煽って一息つく。



しでかしたことから逃げたみたいな後ろめたさはあって、
ずるいと思いながら、
抱えなければならない重荷が消えてなくなることを想像した。



彼が私を好きだなんて思わなくなったら。
ただの、仲間としか思わなくなったら。


(そんなこと・・・)


じゃぁ、
同じだけの気持ちを私が持てればいいんだろうか。

彼が私に向けるだけの気持ちを、
同じように持てたら、こんな風にもならないんだろうか。



「おい」

「何」

「お前代わりに見張っといてくれ」

「は?」

「眠ィ」

「ちょっと」


承諾するする間もなく、ゾロはその場にごろりと横になると、
すぐにものすごいいびきをかいて寝てしまった。


大口を開けて寝る男を視界に入れながら、
瓶に半分残ったお酒を飲むまではこのままぼんやり海を見ることにした。
その後勝手にここを後にしても、別にゾロは怒りもしないだろう。



そうやって普段よりはゆっくりとしたペースで瓶を空け、
温くなった空瓶だけを持ってその場を後にした。


胸の中が何となく軽くなったような気がして、
どこまでずるいんだか、とまるで他人事みたいに呟いて足を止める。


人影には少し前には気付いていた。




「ナミさん、」

うん

「・・・今日、見張りじゃないよね」

うん

「何かマリモに用だった?」



そう聞いた顔は、
二度あった夜、カウンターの向こう側でも見なかった種類のもので、

嫉妬をした男なんて最悪だと考えていた過去の自分を修正した。




勝手に嫉妬するなんて馬鹿だとか、
お好きにどうぞだとか、

そんなことを言えない程度には、
私はサンジ君が大切だ。


それでも、
恋じゃない。

抱きしめてごめんねと言いたくなるこの気持ちは、
絶対、恋なんかじゃないのだ。

















********






間髪置かずに、ハナノリンとnaruさんの会話へ。
ハナノリさんnaruさんで色分けさせてもらいました。




本筋からは少しずれてるけど、「人を傷つけることでしか癒やせない痛み」ってあると思うんだよね。
だからナミさんにはルフィでもゾロでもなくサンジくんなんだと思うなぁ。

そしてロビンにも同じ種類の痛みがあると思うけど、あそこはほら兄貴が大人だからさ、
分かった上で「俺を傷つけていい」って受け止める姿勢を見せてくれるから
ロビンは兄貴を傷つけずに済ませられるんじゃないかと。

で、サンジくんも姿勢で言えば兄貴と一緒なんだけど、
彼の場合は少しホントに傷ついちゃうとこが兄貴未満で愛しいよねと思ってます。



少しずれているどころか、そこがキモですよ!!
ナミさんとロビンは境遇が似てるじゃない?
自分から泥水飲む覚悟して選んだ子と、何も分からず巻き込まれた子の違いはあるけど
でも美人さと賢さを武器に、酷い世界に随分長くいたのは同じだものね

違いはシフトチェンジをした年齢だと思うんだけど、
なるたん言うとおり、相手の差が大きいよね。

サンジはもうナミサン一筋すぎるじゃない?
アニキは好きかも知れないけど、その愛がでっかいから、
見守る愛というかさ。

暴れる野生動物を抱っこして、どんだけ引っかかれて噛みつかれても、
絶対に放り出さないし、好きにしていい。
何回逃げても追いかけて捕まえたりはしないけど、何度戻ってきても
同じように抱いてやる   っていうのがアニキの愛だと思うの

サンジくんはまだここまで行けないじゃない?
引っかかれて噛みつかれたら痛いし、傷眺めちゃうし、
放り出さないのは一緒だけど、それは一度手にしたらもう離さない
ってことだけだし
逃げるんなら追いかけちゃいそうだし
何度も近づく離れるを繰り返されたら、さすがにしんどい

っていうここの差が安定感の違いだよね
でもアニキみたいになれないサンジくんはうんと愛しいと思うよ!!








このおねえさまがたのお話に、私はもう満身創痍ですぜ。
ハナノリさん送った私の感想もめんどっちいから貼り付けると、


なんだかすごく大人の香りがする会話でぽわぁーーんとなりました。
ああサンジはまだまだ青いんだって、なんかわかってたのにわかってなかったのがわかったというか!
 
naruさんのおっしゃてる、
  >サンジくんも姿勢で言えば兄貴と一緒なんだけど、
   彼の場合は少しホントに傷ついちゃうとこが兄貴未満で愛しいよねと思ってます
 
っていうのがああああほんとだ!ってなってびっくりしました。
そんで君の切りかえしよ。
 
  >逃げるんなら追いかけちゃいそうだし
   何度も近づく離れるを繰り返されたら、さすがにしんどい
 
 
まさにそれよ。
私はそれをサンジの行動を追っかけながらじゃないとわからなかったのに、
大人なお二方はするっと言葉にできてしまうこの違い。がくぜん。
 
そんでさらにサンジだけでとどまらず、兄貴の安定感にまで話が広がると。
麦わらチームの不安定な女の子二人をしっかり捕まえていてほしいメンズだけども、
サンジと兄貴じゃ確かに立ち位置からやり方からなにからなにまでちがう!
でも気持ちの面で大事に思ってることは変わらなくて、
だからこそうまくいかないこともあるって兄貴は一歩引いて眺めるときとぐいって抱きしめてやるべき時を心得てるんだけど
サンジはうまくいかないとガーーーーーンみたいな(笑)←笑ったるな
 
うわあーーーーもうなにこの世界の広がり!!
だいすき!!!
 







もうなにもいうことはない。




わたしはここからハッピーエンドまで駆け抜けるぜ。




拍手[22回]

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白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。



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