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OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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言うだけ言って去ってしまったビスタの背中を恨みがましく見ていると、背後から不敵な声。
 ふっふっふと低く笑う声の正体に思い当たったアンは、素早く振り返りその姿を確認した。
 
「げっ!」
 
「ふっふーん、見つけたぜ、アンー…」
 
 
わきわきと両手の指を動かすラクヨウは、怪しい顔付きでアンとの距離を縮めた。
変態である。
 
 
「ラクヨウ!バカなことばっかり広めないでよ!」
 
「いーや、ありゃあ仕様ねぇ。ジョズにだけいい思いさせてたまるかよ」
 
特権は平等に、だろ?とニヤリと笑うラクヨウにアンは顔を引き攣らせた。
 
「…ラクヨウ、気持ち悪い」
 
「悪ぃな、オレァそんな言葉でへこたれるようなヤワな心臓持ち合わせてねぇんでな」
 
ということで、とラクヨウは大きく息を吸った。
 
 


「オレにもキスさせろやオラァァァ!!」
 
「ぎやぁぁぁぁっ!!」
 
 
あまりの剣幕で迫り来たラクヨウに、アンは悲鳴を挙げて逃げ出した。
 


 
「なんで逃げんだこの野郎がぁ!!」
 
「逃げんに決まってんでしょーが!!」
 
 
鬼気迫る勢いで追いかけてくるラクヨウから逃げるべく、アンも必死の形相で逃げ惑う。
遊んでいるようであって当人たちは至って本気である。
隊長クラスの甲板鬼ごっこに、隊員たちは血相変えて道をあける。
ラクヨウは必死すぎて覇気が漏れ出しモビーの床がみしみしと軋んでいるが、本人は全く気づいていない。
 
 
 
「あ!ブラメンコ!!」
 
アンはちょうど梯子から登ってきたばかりのブラメンコの姿を捉え、その名を呼んだ。
ブラメンコはなんだなんだと距離をあけて走ってくる2人の姿を確認して目を白黒させる。
 
 
「かくまって!!」
 
言うが早いか、アンはするんとブラメンコの大きなポケットに滑り込んだ。

「おわっ!」

ぐんっと腹のあたりに重みが加わりよろけるものの、ブラメンコは踏ん張り何とかこたえる。
その前に、息を切らしたラクヨウが立ち止まった。


「~っ、くっそー…!おいアン出てこい!ブラメンコのポケットはな!超汚ェんだぞ!!」

「おいっ!いい加減なこと言うんじゃねぇ!」

 「…うわっ…ほんと、クサ…」
 

もごもごとポケットから聞こえたアンのくぐもった声に、ブラメンコは大きく顔をしかめて実に悲しげである。
いくら男所帯とはいえ、可愛い妹には知られなくなかった衛生面というものもある。


「てかブラメンコてめぇのポケットは四次元か。なんでアンがまるごと入れんだ」

「酒樽とか入れてたからな、伸びた」


そういう話かよ…と呆れ顔のラクヨウに、そういやなんでアンを追ってたんだ?とブラメンコが尋ねる。
かくかくしかじか、というふうにラクヨウが説明すると、そりゃいけねぇとブラメンコは再び顔をしかめ、なにがいけねぇんだと問うラクヨウにお構いなく突如ポケットに手を突っ込みもぞもぞと探り始めた。


「おーい、アーン、どこだぁ?」

ブラメンコの手が右へ左へと彷徨うがアンは見当たらないらしく、おかしいなぁと首をかしげる。


「いやまずなんでお前の手が届かねぇ場所にアンが入りこめるんだよ」

「あ、いた」

「ぎゃっ」


小さなアンの悲鳴とともに、右腕を引きあげられてアンがずるりとポケットから現れた。
ブラメンコはアンの両脇を両手で支え、まるで幼子をあやしているように自身の前まで持ち上げる。


「ブラメンコよくやった!」


ラクヨウが嬉々として、さぁアンを渡せと言わんばかりに両腕を差し出した。
アンはうぅと呻りながらブラメンコに非難の色を含む視線を送る。


「…かくまってって言ったのに…」

「アンそりゃぁ駄目だ。まだオレがしていねぇ」



え、とアンが目を丸め、うぁ、とラクヨウが眉を寄せたときには既に、ブラメンコはアンの右瞼に口づけていた。
反射でぎゅっと目を固く閉ざしていたアンは、ふわりと軽い浮遊感を感じて、それからすぐに地に足がついた。
そして今さっき自分が口付けられた箇所を思い出し、ぱっとそこに手をやる。


「目っ…!ブラメンコそこ目だから!!」

「目じゃない。瞼だ」


堂々とそう言い切ったブラメンコはにっと満足げに笑ってから、さっきまでアンが入っていたポケットから書類の束を取り出した。


「そろそろサッチも帰ってくるだろ。オレァ食糧管理のことであいつに用があってな。じゃ、」


ひらりと身を返したブラメンコは、彼らしからぬ軽い足取りでその場を後にしてしまった。
思わぬ場所へのキスに驚きつつ、そろそろ不意打ちに慣てきたアンはなんだか本当におかしなことになってきた、と先程キスが落ちた瞼を指の腹でなぞる。


(…でもやっぱり、)


嫌じゃないなぁ、なんて考えてから少し照れくさくなって、知らず知らずのうちに口角が上がって笑みが浮かんだ。
しかしその笑みも、ガッと背後から肩を掴まれたことによって一瞬で凍りつく。


「アーン~…、オレのときばっかりちょこまか逃げやがって…」


もう逃がさねぇぜ、と頭の後ろから聞こえた声に、アンの危険信号が一斉に鳴り響いた(とアンは思った)。













Please kiss me!


(ラクヨウの愛情表現はクッセツしてる!)

 

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 麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。



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