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OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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(…空港はどこも一緒なんだ…不思議)



飛行機と空港を繋ぐスロープを降りきる瞬間、すごくドキドキした。
だけど下り立ってみれば空港のフロア内は行きに見た景色とほとんど同じで、違うのはすれ違う人の外見だけだった。


現地の時間は夜の9時。
とりあえずその日は街中の小さなホテルで夜を過ごした。
















携帯の画面と、店の看板を何度も何度も確かめてそこに書かれている文字を確認する。
間違いなく、サンジ君がお世話になっている店だ。

立派な門構えがあるわけでもなく、特別大きいわけでもない。
人がゆっくりと通り過ぎていくだけのストリートに面して、ベージュ色の壁に囲まれたそこは静かに上品さを醸出していた。

現在時刻10時。
店は準備中で、窓越しの景色から見たところコックらしき人が数人慌ただしく動いているだけだ。


(…サンジ君は…いないわね…)


ガラスからひょこひょこと顔をのぞかせるあたしは中から見たらさぞ滑稽だったのだろう。
気が付けば、面長で薄茶色の目の若い男性が茶色いメインドアを開けてあたしを見ていた。


「あ、」

『ごめんね、まだ開店前なんだ。観光客?あと1時間で開くからそれまで待って』


突然するんと流れ始めた言葉はなめらかにあたしを通り抜けていくだけで、最初の『ごめんなさい』しかわからなかった。
しかしそれでも喋らなきゃという気持ちだけが先走って口をぱくぱくさせるあたしを不思議に思ったのか、その男性は肩をすくめながらあたしに何か問うてきた。
たぶん、『店に何か用?』とかいうようなことを言っている、のだと思う。
あたしは必死で覚えてきた言葉を引っ張り出した。


「サッ、サンジ!」

『サンジ?』

『サンジは、この店で働いてますか?』


男性はきょとんとあたしを見つめた。
その時間があまりに長かった(ような気がした)ので、もしかして言葉が通じなかったのかとあたしが焦り始めたころ、男性は一瞬にして相好を崩してああと笑った。


『君、「ナミ」だ!』

『あっ、あたし?そうだけど、』

『サンジなら今いないよ、聞いてないの?

『…聞いてない』


突然むっつりとしたあたしの表情を読み取ったのかそのフランス人男性はありゃ、というような声を発したがそれでも楽しそうな顔は変わらない。


『そうかそうか、いやでもサンジが言ってないのも仕方ないよ、うん』

『あの、彼は今どこにいるの?』



男性はあたしの言葉を聞いて、少し上を仰ぐようにして考えてから何かを呟き、あたしに向かって愛想よくにこりと笑った。
笑うと深い顔立ちの向こうで目が細くなって、結構いい男だ。




『サンジ今、日本にいるよ』

















ウソップがガタタッと音を立てて椅子から腰を上げる。
その動作は無言だったが、無言というより絶句だ。


「…まじで言ってんの、なあそれまじで」

「だからそう言ってんだろ」


4杯目のラーメンをすするルフィの隣でゾロが面倒くさげにウソップを見上げた。
かたやウソップは青くなった顔をひきつらせたまま固まっている。


「…何時にこっち着くんだよ」

「今日の昼過ぎっつってたか」

「もうすぐじゃねぇか!…ああもうなんてこった…ナミ…」

「なあなんで今日はナミいねぇんだ?」

「だっかっらっ!フランス行っちまったんだよ!最初に言ったろうが!」

「眉毛と入れ違いじゃねぇか」

「だぁかぁらぁさっきからおれはそれを…!!」




言っても言っても伝わらないもどかしさやら、向こうで真実を知ったナミの気持ちやらいろんなものが一気に押し寄せて、ウソップはぐたりと椅子に座り込み後ろに背中を預けた。
そんなウソップにおかまいなくルフィは最後の汁まで残さずすすって、汚れた口元のままにかりと笑った。


「そうか、サンジ帰ってきてんのか!いいなあ、ひさしぶりだな!」

「それどころじゃねぇよぉ…ナミ早く帰ってこい…」

「帰ってくるだろナミも!」

「そんなすぐトンボ帰りできるとも限んねぇだろ」



いや、とゾロが口を開いた。



「グル眉が帰ってきた理由くらいわかりゃああの女のことだ、すぐ帰ってくんだろ」

「は?」

「おう、そうだな!しししっ、ナミは絶対帰ってくるな!」

「え、なんだよサンジが帰ってきた理由って」



慌てて二人の顔を交互に見やるウソップを、ゾロとルフィの二人もまたきょとんと見返した。


「なんだおめぇ、わかってなかったのか」

「おれでもわかったぞー!」



呆れたふうなゾロと楽しげなルフィを前にして、ウソップはただ目を白黒させる。
おっちゃんおかわりー!とルフィの呑気な声が店内に響いた。



















ぽかんと間抜けな顔で立ち尽くすあたしを、フランス人男(アランと名乗った)はまあおいでよと店内に招いてくれた。
準備中なんじゃと言えば、ナミだからいいよと言われ、最初は意味の分からなかったその言葉も、店内で彼があたしを紹介した途端全員があたしを訳知り顔で温かく迎えてくれたことによってなんとなくわかった。



(…サンジ君が、あたしのこと)




料理長らしく立派なひげをたくわえたおじさんが現れてあたしを上階へ案内するよう言ってくれた。
彼がおそらく、ゼフ料理長の知人の料理人なのだろう。

すれ違いざま料理長の視線が柔らかったので、ここでのサンジ君の生活に少し安心した。








『上階はここで修業してる料理人の部屋になってるんだ。僕の部屋も、もちろんサンジの部屋もあるよ。ここがそれ』



そう言ってアランがカギを差し込み一部屋を開けた。
勝手に開けてもいいのかと問うたが、大事なものは全部持って帰ってるだろうから大丈夫だよと朗らかに笑うだけだった。



6畳ほどの小さな空間。
ドアの正面に小さな窓が二つ。
壁に寄り添うベッドとスタンド付のテーブル。
小さなクローゼットと本棚が入ってすぐドアの向こうにある。


ここでサンジ君は三年間、寝起きして、料理の勉強をして、アランみたいな友達を呼んで、生活していたんだ。
そう思うとほんの一瞬だけサンジ君の匂いを感じた気がした。



テーブルの上には写真立てが一つあり、バラティエのコックたちとサンジ君が三年前の姿で勢揃いしていた。
本棚にはフランス語の本がほとんどだったけど中には日本語の本もあり、フランス語を勉強するための本もあった。(それはもう埃をかぶってはいたけど)
服は粗方持ち帰ったのかクローゼットは空っぽに近い。
だが物が残っているところを見ると、サンジ君はまたここに帰ってくるんだろう。




『…ナミ』


ドアは開いたまま、入り口付近の壁にもたれていたアランがゆっくりと諭すような口調であたしを呼んだ。


『なんでサンジが日本に帰ったかわかってるんだろ』

『…』

『ならナミも早く帰りなよ』



アランの言葉を聞き流して、あたしは部屋の中を見渡した。
彼がこれからも生活していく空間。


『…この部屋』

『ん?』

『この部屋、あたしのもの、何もないのね』



持っていくと言っていた、あたしが彼にあげたものや、あたしの写真も。
ルフィがサンジ君の旅立ち前にあげていた意味の分からない置物やバラティエの写真はあるのに。

そう言えばアランはしばらくあたしを見つめて、それからゆっくりと目を細めた。









『言っただろ?サンジは『大事なもの』全部持って帰ってるんだよ』











初めてナミの写真見せられた時に率直な感想述べたら蹴りが飛んできたから焦ったよ。
下衆な目で見るなとか言って。自分が見せたくせに。
ナミは気象予報士なんだろ?あれ、ちがうか、これからなるのか。
どっちにしろオレより若いのに全然オレより頑張ってるって、すごい自慢してたよ。
だから自分も負けないようにここに来たって言ってた。





アランの話す言葉で理解できたのは最初の方だけで、あとはほとんどわからなかったのに、あたしはどうしようもなく泣きたくなった。






『早く日本に帰ってやんなよ。『強くて可愛いオレのナミさん』』




あたしはずずっとみっともなく鼻をすすった。


『…いやよ。まだ観光もしてないのに』

『ハハッ、本当にサンジの言ってた通りだな』



それじゃあ帰りたくなるようなことを教えてやろうと、アランは初めて少し意地悪な顔をした。
















急な帰国に面倒な手続きは山ほどあったけど、あたしの必死さが伝わったのかどうにか明日の日曜日の14時には着く便がとれた。

アランの店から空港までは100キロほど離れているうえに、一度ホテルまで無駄にでかい荷物を取りに戻らなければならないこともあって予想以上に手間取り、よって空港に着いたころには、夜の早いこの地域の緯度のせいもあって既に日は落ちていた。



来てよかったと、心底思った。
まあ費用がもったいないと言えばそうなんだけど、それでも。

19時発の便に乗るまであと2時間はある。
それまでどこかカフェで気を落ち着かせてゆっくりしようかと搭乗券を握りしめてトランクを転がしていたそのとき、空港内のアナウンス音が響いた。










『パリ発成田行○○航空12便、機体整備により運転時間見合わせ──』



 

「……はああああ!?」



手の中の搭乗券を何度も見直す。
聞き間違いであることを願って電光掲示板を見に行ったが、間違いなくあたしの乗るはずだった便が運転見送りと記されている。



「…どうしてこう悉く…」


あまりの運の悪さにどうしようもないと思いながらも自分に嫌気がさして、ほとんど倒れ掛かるようにして空港のベンチに座り込んだ。


どうしても明日には帰りたい。
それにもしまたサンジ君がフランスに帰ってくるなんてことになったら入れ違い第二弾勃発。もう笑い事じゃない。


「…どうしよ」


滲んできた涙を押し戻すように俯いてぐっと目を閉じたそのとき、カツンと細いヒールの音があたしの前で止まった。












「ナミさん?」





高くまとめられた水色の髪が、ふわんと目の前で揺れた。










「…ビビ…!?」

「わっ、やっぱりナミさん!すごいっ、偶然!ナミさんもパリに来てたなんて!!」



髪の色に似あった薄い色のワンピースに上着を羽織った姿のビビはあたしの手を握って、一人興奮して声を高くした。




「えっ、なにっ、なんで、ビビが」

「私はパ…父の仕事のお手伝いでこっちに来てたの。手伝いって言っても私の勉強もかねてるんだけど…
父はまだ仕事があるから、私だけ先に帰るように言われたの。ペルも一緒よ!」


ビビのお父さんは、広く貿易業を扱う会社の代表取締役…創業者直系の社長だ。
そんな社長令嬢であるビビはなんの縁あってかあたしたちと仲良くなり、その仲は切れることなくずっと続いていた。
少し離れたところでペルさんがあたしに小さく会釈した。


「ナミさんもこれから日本に帰るのよね?」
「うん…でも便が遅れてて…もしかしてビビも一緒の便?」



ビビはあたしの手を握ったまま小さく笑って首を振った。









「私はここの滑走路を借りて、うちの自家用機で帰る予定だったの。一緒に帰りましょ!」







しばらくぽかんと口を開けていたのだが、ビビの言葉の意味をやっとのことで理解したあたしが立ち上がった勢いそのままにビビに抱き着くと、慌ててペルさんが飛んできた。



















「ほんっと、ほんっとにありがと!」

「いいのよ、サンジさんによろしくね。あとみんなにも。本当は家まで送ってあげられればいいんだけど…」


これから自身の勉強の予定が入っていて、なかなか帰ってこないお嬢様を業を煮やして待っているチャカさんがいる身分であるビビに、あたしはすぐに首を振った。


「ビビも経営学の勉強、頑張って。いつかこの借りは返すから!」

「そんなのいいわよ。それに『今日』だもの」



ビビは悪戯を仕掛けた子供のような顔で笑って見せた。


「…ありがとう」

「また一緒にご飯行きましょうね!」




大きく手を振って歩いていくその姿に、あたしも目いっぱい手を振りかえした。






「…さて、と」


ウソップに電話して今着いたと言ったら泣いて喜ばれた。ついでに少し怒られた。
理不尽だと分かりつつ謝っておいて、あたしはとりあえずちょうど来たバスに飛び乗った。
















荷物もそのままにバラティエに行き、強面ぞろいのコックたちに迎えてもらった。
しかしそこに目的の影はなく。


「あのクソガキ、帰ってきたら荷物だけ部屋にほっぽってさっさと出てっちまった。休店日なのをいいことに昨日から帰ってきてねぇよ」


顔をしかめて話すゼフ料理長に、じゃあサンジ君はどこにいったのと聞いたのだが、


「俺はあんたんとこに行ったんだと思ってたんだから、知らん」

とばっさり切られた。





仕方なく店を出たのだが、こうまですれ違うのはもう何かの呪いか誰かの因縁かというほど禍々しいものを感じずにはいられない。
深くため息をついて、トランクの取っ手を掴みボストンバッグを肩にかけた。









「ナミさん」










火のついてない煙草をゆっくり口元から離したサンジくんは、少し目を丸めてあたしの前に立っていた。
その距離、5メートルほど。

 

 

 



「…や、びっくりした。ごめんナミさんフランス行ってくれてたんだって?あいつらに聞いてさ…
オレも急いであっち帰ろうとしたらまたあいつらに止められて。
あ、昨日はルフィんちで雑魚寝しちまって…さっきまでロビンちゃんの店にいて、それで」






サンジ君が言葉を切ったのは、あたしが無言で詰め寄って来たからだろう。
迫力に押されて固まったサンジ君の顔めがけて、あたしは荷のつまったボストンバッグを振り上げた。
バコッと何かがつぶれる音がしたけど、それはけしてサンジ君の顔ではなくあたしのバッグの中身だと思う。






「…あ、あいかわらず手厳しい…」



後によろめいたサンジ君は頬を押さえて苦笑したけど、あたしは笑ってなんかやらない。
バッグをボスンと下に落として、両手で彼の胸を突いた。


「…ナミさん、」

「このバカ。もっと他に言うことあるでしょうが」




俯いたまま吐き捨てるあたしの両手を、サンジ君の両手が掴んだ。
唇が、震えて仕方ない。






「…久しぶり、ナミさん」

「遅いわ。…なんで連絡くれなかったの」

「それは本当にごめん。一回でもあんたの声聞いたら、その、もうオレ駄目な気がして」

「手紙ぐらいくれてもいいじゃない」

「ナミさん忙しいと思って、返事書かなきゃって思わせるの悪いかなって」

「なんで賞のこと教えてくれなかったの」

「知ってたの?」

「ついこの間知ったわ。雑誌に写真載ってた。候補って」

「あーこっちでも…や、ていうかアレ、結局駄目だったんだ。オールブルーは取れなくって、副賞で」

「それでも知りたかった」

「…ごめんな」


サンジ君はあたしに顔を上げるよう促すように、額にキスを落とした。


「心配だった?」


その言葉にまたとてつもなくイラっとした。
ので、彼の両手を力の限り振り払い、その顔を仰ぎ見た。



「当たり前でしょこのバカ男!!
あ、あたしのこと忘れたんじゃないかとか向こうで女作ってんじゃないかとか、ルフィが教えてくれなかったらあんたが生きてるのかさえわかんなくて、あたしのほうこそ死にそうだったわよ!
何年経ったと思ってんのよ、3年よ!3年も放っといて「びっくりした」じゃないわよ!
なにが『大事なもの』よ、本当に大事だと思ってんならあたしごと掻っ攫ってでもフランス連れてきなさいよ!
そりゃあんたが頑張ってるのは知ってるけど、けど、あたしだって、そんなに強くない」




やっと上げることのできた顔と一緒に、言葉の勢いは終わりを迎えるにつれて小さく下がっていった。

あー、と不明瞭な声を発して後頭部を掻いたサンジ君は、ゆっくりとあたしの頬を包んで上を向かせた。



「ナミさんを泣かせるつもりなんてなかったんだけど、ごめん」

「…謝ってばっかなのもむかつくわ」



いつものように眉を眇める笑い方をしてから、サンジ君はゆっくりキスをした。
3年ぶりのそれは全然甘くなかったのに、唇が触れただけで心臓がぺちゃんこになりそうなほど潰れた。














「オレはあんたとどれだけ離れても、百万光年離れても、誰よりも近くにいるよ」









「…クッサ」











サンジ君は穏やかな顔でいいんですーと呟いた。













「ナミさん、誕生日おめでとう」











「…あたしもう21よ」

「本当は18も19も20の誕生日も、祝いたかったんだけど」

「…もういいわよ」




ぐずっと鼻をすすって煙草のにおいの染みついたシャツに顔をうずめようとしたその時、いかにもな咳ばらいが、しかもいくつも、重なって聞こえた。



「あー、若いのは結構。だがそういうのは往来でやるもんじゃねぇぜ」



コック服に身を包む男たちが頬を緩めて店内から顔をのぞかせる。
それからすぐに、サンジ君の怒号が往来に響いて店内の机がひっくり返った。

















ざわめく店内は少し照明が落とされて薄暗いが、あちこちに手作り感あふれる飾りつけが施されていて思わず笑ってしまう。
ロビンの店で開かれたあたしの誕生パーティー、という名のただの集まりは上々の盛り上がりを見せていた。

あちこちに引っ張りまわされていたらしいサンジ君は、よれたシャツを整えながらぐったりした顔つきであたしの横に腰を下ろした。
そして、あたしが今の今まで忘れていたことを口にした。



「誕生日プレゼント?」

「そう、何がいい?」


あたしは自分の額をぴしゃりと叩いた。


「…あたしとしたことが、すっかり忘れてたわ。そのために帰ってきたっていうのに」

「え?そのため?え?」

「副賞の、賞金!アランが教えてくれたの!それで誕生日プレゼント買ってもらえって!」



意気込んでそういうと、サンジ君は上を仰ぐように背もたれにもたれかかり、何か呟いた。
悪態ついたように聞こえないでもない。



「…んー、まあもともとそのつもりだったけどさ…」

「ね、あたし指輪がいい」

「指輪?なんか欲しいのがあんの」

「そういうわけじゃないんだけど」

「なに、じゃあやっぱダイヤとか?」

「ううん、サファイアがいいの」

「サファイア?」



あたしはにっこり笑顔付で大きく頷いた。

今はまだ、小さな石でいい。
小さくていいから、色褪せないあの海の色を、あんたがその目に湛える青をあたしも手放さずにいたい。
身の軽い彼のことだから、いつどこで何をしているかなんてわかったもんじゃない。
だからせめてサンジ君と同じあの青で、あたしたちの莫大な距離を埋めたいと思った。
気休めでもいいのよ、

彼のいう百万光年の距離を、想いは光の速さで進んでいく。














「なあさっきからずっと言いてぇと思ってたんだが」

「なに?」





サンジ君はあたしの髪を掬うように手に取った。
一束がするりとその手から零れ落ちる。













「髪の長いナミさんも堪んねぇな」







fin

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 麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。



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一声いただければ喜んで遊びに行きます。

足りん
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