OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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突然首裏にひやりと感じて、一番に連想したのはきらりと光る刃だった。
白い制服に青のライン、同じデザインの帽子をかぶった、海賊の真向の敵がサーベルの切っ先を首に突き付けている姿が瞼の裏に鮮やかに広がった。
しかしハッと目を開いた瞬間、がつりと細かく鋭いものが肌に食い込んだ。
「…イッタ!なに!?」
身体を起こそうとして、すぐにそれができないと気付く。
シーツに縫い付けられた体の上に、覚えのある重さが乗っていた。
呆気にとられて言葉の出ないアンの代わりに、頭上から押し殺した笑いが聞こえる。
「…マルコ?何やってんの?」
「起きたかよい」
「起きるよそりゃ!もう、なに、いたい…」
うつ伏せのまま手を伸ばし、どうやら噛みつかれたらしい首筋をさするとぽこぽこといくつか小さなくぼみができていた。
歯型だ、マルコの。
「…おなかすいたの?」
思いつく精一杯の理由を口にしてみると、一息置いた後マルコはアンの肩に顔をうずめるようにして爆笑した。
「ちょっ…重い!」
「…くっ…ふ、」
「笑いすぎ!」
「は、ああ、確かに旨そうだよい」
マルコの手が、アンのまとう毛布の中に滑り込む。
毛布以外に身を包むものが何もないアンの肌に、その手は容易く吸い付いた。
へその辺りから上へ上へと大きな手がゆるゆる這う。
「おいっ!…おいっ!!」
「ふっ」
「楽しむな!!」
身をよじって逃れようにも、上から押しつぶすようにのしかかるマルコの重さがそれを許さない。
ぬぉおおと呻きながらナメクジよろしく這うようにマルコの下から抜け出そうともがく。
必死なアンをからかうみたいに、そしてそれを無駄だと伝えるみたいに、マルコの両腕がついにがっちりとアンの腰に巻き付いた。
「…はあ…なにこの、スシみたいな状態…」
「特上だよい」
「聞いてない!」
ふっと息を抜くように笑う音がして、マルコの身体から力が抜けたのがアンの身体にも伝わった。
重みは増すが、背中に伝わる温度はよりマルコそのものになる。
つられて力を抜くと、ぎしりとベッドが軋む音がした。
さっきまでふざけていたのが恥ずかしくなるくらい穏やかな沈黙が訪れる。
「おはよう」
脳髄に直接吹き込まれるように、マルコの声がアンの鼓膜を震わせた。
ああ、と思わず感嘆がこぼれそうになる。
「…おはよ」
よっこらしょい、とオッサンくさい掛け声とともに背中の上の重みが消えた。
アンを包む温度が急激に冷えた気がして、なんとなく寂しくなってしまう。
「腹、減ったろい」
「ああ、そういえば」
意識した瞬間、アンに応えるようにぐうと腹が鳴った。
「食いに出ようかい」
「いま、何時?」
「10時前」
「…あたし今日なんもナシだ、昨日までずっと仕事あったし」
「オレァ今日の分はもう終了だよい」
どういうこと?と尋ねながら毛布を巻きつけた体を起こした。
ん、とマルコが顎で指し示した方に目をやると、備え付けの古いデスクの上に数枚の海図が散らばっていた。
アンが寝ている間に手に入ってしまったということだろうか。
それは気楽でいいことだ。
アンはきょろきょろとあたりを見渡して衣服を探す。
するとぽんと膝の上に丸まった服類が投げられた。
脱ぎ捨てたまま朝まで放置だったので、シャツなら皺くちゃになっているところだがアンのブラと短パンには何ら影響はない。
「あ、あんがと」
いそいそとそれらを身にまとっている間、マルコはアンに背を向けて煙草をふかしていた。
*
「エビのパニーニと、そっちのツナのサンドイッチ。あ、あと卵サンド。そのタンドリーチキンもおいしそうだね、それふたつ。飲み物?アイスチョコレートちょうだい。あ、そこのドーナツと」
「…コーヒー、ホット」
「マルコ朝飯そんだけ!?いくらもう仕事ないからってそれは少ないよ、サッチが聞いたら絶対怒る」
「オレより問題があるのはお前ェだろい。人の金だと思って、朝からどんだけ食うつもりだよい」
「え、マルコ出してくれんの!?ラッキー!」
「お前が律儀に自分の分出すつもりだっとは知らなかったよい」
ため息とともに後ろのポケットから財布を引っ張り出すマルコの肩をサンキューと軽く叩くと、ため息はそのまま深くなった気がした。
狭い通りに軒を並べるカフェはどこも同じような店だったので、一番いいにおいのする店を選んだ。
そしてどの店も狭い通りをさらに狭くするように、店の外にまで席を用意している。
そのテラス席のうち一つに腰を下ろして丸テーブルに注文の品を置くと、マルコが頼んだ一つのコーヒーすら置く場所がなくなった。
慌ててサンドイッチの上にパニーニを重ね、卵サンドは手に持った。
「置ける?」
「よい」
「んじゃ、いっただきまっす」
はむ、と卵サンドにくらいついた一瞬からもう目の前の愛しい食べ物たちしか見えなくなった。
カリカリのパンは香ばしくていいにおい、エビはぷりぷり、野菜はシャキシャキ、ドーナツもアイスチョコレートも申し分ない。
やっぱこの店にしてよかったサイコ―!とテーブルの下でいつのまにかグッと親指を立てていた。
そして最後のドーナツのかけらを口に放り込んで、ふうと余韻に浸りながら咀嚼していると、向かいに座ったマルコがおかしな顔をしてアンを見ているのに気付いた。
「なに?」
「……いや」
なぜか少しの逡巡のあとそう答え、マルコはカップの中身を飲み干した。
「マルコも欲しくなった、とか」
「アホか、ちげぇよい」
呆れた声とともに、マルコは不意にアンへと腕を伸ばした。
アンが虚を突かれて動きを止めると、伸びたマルコの指先はアンの口端をかすめるように拭い、そのままマルコのもとへと返っていく。
アンはその指がマルコの口へと運ばれるところまで見届けた。
「…ついてた?」
「あぁ」
どうやらドーナツのかけらか、頼んで添えてもらった生クリームが付いていたらしい。
なめとったマルコがその甘さに少し顔をしかめている。
(きらいなら、食べなきゃいいのに)
そう思いながら、なぜだかそのままマルコの口元から目が離せなくなった。
(キスした、みたい)
そう思ってから、あの口がドーナツやケーキなんかと同じようにアンを食べてしまいそうなほど強く食らいついた昨夜を思い出した。
ついでに今朝のことも。
思いだして恥ずかしくなる、みたいなことはなかったけど、マルコは甘いものがきらいだから、もしかすると今のあたしはあんまり好きじゃないかもしれないと思うと少し悲しくなった。
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白い制服に青のライン、同じデザインの帽子をかぶった、海賊の真向の敵がサーベルの切っ先を首に突き付けている姿が瞼の裏に鮮やかに広がった。
しかしハッと目を開いた瞬間、がつりと細かく鋭いものが肌に食い込んだ。
「…イッタ!なに!?」
身体を起こそうとして、すぐにそれができないと気付く。
シーツに縫い付けられた体の上に、覚えのある重さが乗っていた。
呆気にとられて言葉の出ないアンの代わりに、頭上から押し殺した笑いが聞こえる。
「…マルコ?何やってんの?」
「起きたかよい」
「起きるよそりゃ!もう、なに、いたい…」
うつ伏せのまま手を伸ばし、どうやら噛みつかれたらしい首筋をさするとぽこぽこといくつか小さなくぼみができていた。
歯型だ、マルコの。
「…おなかすいたの?」
思いつく精一杯の理由を口にしてみると、一息置いた後マルコはアンの肩に顔をうずめるようにして爆笑した。
「ちょっ…重い!」
「…くっ…ふ、」
「笑いすぎ!」
「は、ああ、確かに旨そうだよい」
マルコの手が、アンのまとう毛布の中に滑り込む。
毛布以外に身を包むものが何もないアンの肌に、その手は容易く吸い付いた。
へその辺りから上へ上へと大きな手がゆるゆる這う。
「おいっ!…おいっ!!」
「ふっ」
「楽しむな!!」
身をよじって逃れようにも、上から押しつぶすようにのしかかるマルコの重さがそれを許さない。
ぬぉおおと呻きながらナメクジよろしく這うようにマルコの下から抜け出そうともがく。
必死なアンをからかうみたいに、そしてそれを無駄だと伝えるみたいに、マルコの両腕がついにがっちりとアンの腰に巻き付いた。
「…はあ…なにこの、スシみたいな状態…」
「特上だよい」
「聞いてない!」
ふっと息を抜くように笑う音がして、マルコの身体から力が抜けたのがアンの身体にも伝わった。
重みは増すが、背中に伝わる温度はよりマルコそのものになる。
つられて力を抜くと、ぎしりとベッドが軋む音がした。
さっきまでふざけていたのが恥ずかしくなるくらい穏やかな沈黙が訪れる。
「おはよう」
脳髄に直接吹き込まれるように、マルコの声がアンの鼓膜を震わせた。
ああ、と思わず感嘆がこぼれそうになる。
「…おはよ」
よっこらしょい、とオッサンくさい掛け声とともに背中の上の重みが消えた。
アンを包む温度が急激に冷えた気がして、なんとなく寂しくなってしまう。
「腹、減ったろい」
「ああ、そういえば」
意識した瞬間、アンに応えるようにぐうと腹が鳴った。
「食いに出ようかい」
「いま、何時?」
「10時前」
「…あたし今日なんもナシだ、昨日までずっと仕事あったし」
「オレァ今日の分はもう終了だよい」
どういうこと?と尋ねながら毛布を巻きつけた体を起こした。
ん、とマルコが顎で指し示した方に目をやると、備え付けの古いデスクの上に数枚の海図が散らばっていた。
アンが寝ている間に手に入ってしまったということだろうか。
それは気楽でいいことだ。
アンはきょろきょろとあたりを見渡して衣服を探す。
するとぽんと膝の上に丸まった服類が投げられた。
脱ぎ捨てたまま朝まで放置だったので、シャツなら皺くちゃになっているところだがアンのブラと短パンには何ら影響はない。
「あ、あんがと」
いそいそとそれらを身にまとっている間、マルコはアンに背を向けて煙草をふかしていた。
*
「エビのパニーニと、そっちのツナのサンドイッチ。あ、あと卵サンド。そのタンドリーチキンもおいしそうだね、それふたつ。飲み物?アイスチョコレートちょうだい。あ、そこのドーナツと」
「…コーヒー、ホット」
「マルコ朝飯そんだけ!?いくらもう仕事ないからってそれは少ないよ、サッチが聞いたら絶対怒る」
「オレより問題があるのはお前ェだろい。人の金だと思って、朝からどんだけ食うつもりだよい」
「え、マルコ出してくれんの!?ラッキー!」
「お前が律儀に自分の分出すつもりだっとは知らなかったよい」
ため息とともに後ろのポケットから財布を引っ張り出すマルコの肩をサンキューと軽く叩くと、ため息はそのまま深くなった気がした。
狭い通りに軒を並べるカフェはどこも同じような店だったので、一番いいにおいのする店を選んだ。
そしてどの店も狭い通りをさらに狭くするように、店の外にまで席を用意している。
そのテラス席のうち一つに腰を下ろして丸テーブルに注文の品を置くと、マルコが頼んだ一つのコーヒーすら置く場所がなくなった。
慌ててサンドイッチの上にパニーニを重ね、卵サンドは手に持った。
「置ける?」
「よい」
「んじゃ、いっただきまっす」
はむ、と卵サンドにくらいついた一瞬からもう目の前の愛しい食べ物たちしか見えなくなった。
カリカリのパンは香ばしくていいにおい、エビはぷりぷり、野菜はシャキシャキ、ドーナツもアイスチョコレートも申し分ない。
やっぱこの店にしてよかったサイコ―!とテーブルの下でいつのまにかグッと親指を立てていた。
そして最後のドーナツのかけらを口に放り込んで、ふうと余韻に浸りながら咀嚼していると、向かいに座ったマルコがおかしな顔をしてアンを見ているのに気付いた。
「なに?」
「……いや」
なぜか少しの逡巡のあとそう答え、マルコはカップの中身を飲み干した。
「マルコも欲しくなった、とか」
「アホか、ちげぇよい」
呆れた声とともに、マルコは不意にアンへと腕を伸ばした。
アンが虚を突かれて動きを止めると、伸びたマルコの指先はアンの口端をかすめるように拭い、そのままマルコのもとへと返っていく。
アンはその指がマルコの口へと運ばれるところまで見届けた。
「…ついてた?」
「あぁ」
どうやらドーナツのかけらか、頼んで添えてもらった生クリームが付いていたらしい。
なめとったマルコがその甘さに少し顔をしかめている。
(きらいなら、食べなきゃいいのに)
そう思いながら、なぜだかそのままマルコの口元から目が離せなくなった。
(キスした、みたい)
そう思ってから、あの口がドーナツやケーキなんかと同じようにアンを食べてしまいそうなほど強く食らいついた昨夜を思い出した。
ついでに今朝のことも。
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