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OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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コーヒーに合う砂糖があると教えてくれたのは彼だった。
代わりに私は、砂糖は紅茶のために食べられるようになったのよと教えた。
へえ、と垂れ目がちなそれを素直に丸くして、サンジは言う。


「知らなかった。でもロビンちゃんはコーヒーの方が好きだよな」
「ええ。あの子は、紅茶の方が好きね」
「ナミさん?」


彼女のことを思い出すとき、サンジは必ず口の端に噛んだ煙草に手を伸ばす。
彼女のそばにいるときにそうするみたいに、口から煙草を外して、そっと微笑む。


「そうだな、ナミさんはアイスティーが好きだな。オレンジをいれたやつ」


ストローを口に含んだ、彼女の艶のある唇を思い出す。
少し焼けた肌、ハリを保った頬、上を目指すように伸びた睫毛。
ナミは彼女が育てる上質なかんきつ類のようだ。
弾ける明るい香りと爽やかな潮風のようによく通る声。


「今日のおやつのとき、私も紅茶がいいわ」


立ち上がりながらそういうと、サンジは「めずらしいね」と言いながらたいして不思議そうでもなく、うなずいてくれた。
きっと今日の午後、私のもとにきりっと濃いストレートティーが運ばれてくる。
そしたらナミのを一口もらってみよう。
彼女のそれは、まろやかな砂糖の味がするはずだ。






ときどきわからなくなるのは、この船は誰が動かしているのだろうということだった。
メリー号は帆船だ。
潮風をエネルギーに変えて、波をかき分け進んでいくその動力の原理はわかる。
そういう物理的なことではなくて、私より先に船に乗り込んでいたメンバーの中で誰が舵を取り前へ行くことを決めているのだろうと、彼らを見ていると不思議になるのだ。

舵輪を回すのはチョッパーやウソップのことが多い。
方向を決めるのはナミ。
ゾロは向かう方向になど興味がないようだ。
サンジは彼らのエネルギー源をタイミングよくみんなの口に放り込んでいく。
そして誰よりも前に進みたいとそんなことばかり考えているのがルフィだった。

くるくると動き回る彼らをじっと観察して、考える。
きっと誰ということもなく、彼らという若さのエネルギーが酸化しないガソリンのように燃え続けているから船は進むのだ。


「ロビン?」


不意に顔を覗き込まれて、静かに運動を続けていた心臓が不規則に跳ねる。


「珍しい、ぼーっとしちゃって」


熱中症になっちゃわない? とナミは手のひらを私の額のあたりにかざし、影を作ってくれた。


「ありがとう、少し考え事を」
「何考えてたの?」


迷うことなく人の思考に踏み込もうとする、彼女のそのまっすぐさに目がくらみそうだ。


「そうね、今日の夕飯のこととか」
「うそばっか」


ふふっと頬を膨らまして笑うナミは、たいして興味もなさそうに私から視線を逸らし、水平線に目を遣りながら私の前に、甲板にぽつんと設置されたテーブルに腰を下ろした。


「あーあ、肩凝っちゃった」
「海図の整理はついた?」
「うーんだいたいね。ルフィの邪魔が入ったせいでだいぶ手間取ったけど」


思い出して苦い顔をするナミの手には、インクの染みが黒く落ちていた。


「手」
「え?」
「汚れてるわ。インクが」
「ほんとだ。でもいつもなの」


汚れた部分を反対の手で軽くこすったあと、「そうだ」とナミは顔を上げた。


「次に着く島、ショッピングに向いた繁華街があるんだって。見に行きたいなあ」
「いいわね、最近無人島続きだったから」
「でしょう、せっかく空島で手に入れたお宝が山のようにあるのに、無人島じゃ使い道がないもの」


この船を直す予定の資金は、しっかり彼女の懐に収まる分は差し引かれているらしい。
まだみぬ装飾品を想像して、彼女の目は金色に光る。
頬は上気して、甘いため息さえ落ちる。
結果的に、その島へ行くことも、二人で買い物に出かけることもなかったのだけど。






目が覚めるとその瞬間ひどく頭が痛み、全身が焼けどのようにヒリッと空気に反応した。
そして焼けているのではない、冷えているのだと気付いたとき、意識をなくすその寸前の記憶が脳に殴りつけられるようによみがえった。

生きていた、と思うと同時に、寝かされた布団の温かさに泣きそうになる。
見慣れた天井の木目をぼんやりとみつめていると、薄暗い部屋にそっと光が差し込んで誰かが入ってきた。
コツコツと硬い蹄の音はチョッパーだ。
みじろぎしない私をまだ眠っていると思ったのだろう、チョッパーはベッドに背を向けた椅子に腰かけ、ごりごりと何かをすりつぶし始めた。
薬を調合しているらしい。薬品の香りがツンと鼻につく。


「あの」


ピッと耳が跳ね、文字通りチョッパーは飛び上がって椅子から転げ落ちた。


「ロ、ロビン! 目が覚めたのか!」
「ええ、あの」
「みんなー!!ロ、ロビ、ロビンがー!!」


床から這うように立ち上がり、こけつまろびつしながらチョッパーが部屋を出て行くと、ひとしきり外が騒がしくなり、しばらくするとシンとした。
起き上がろうとするとやはり頭が痛く、やがてぞくぞくと這い上がってくるような寒気が襲った。


「…ロビン?」


いつのまにか部屋のドアをそっと開け、チョッパーが中を覗いていた。


「騒がしくしてごめんな、まだつらいだろ」
「ええ、でも大丈夫。ごめんなさい、あなたが手当してくれたんでしょう」


チョッパーはさっと中へ滑り込んでくると、扉にぴたりと背を付けたままぶんぶん首を振った。


「みんなが」


蹄を鳴らして歩み寄ってきたチョッパーは、私を見据えてまた瞳を潤ませた。
あ、と思う間にチョッパーは私のお腹のあたりに顔を伏せ、しがみついた。


「ごめんな、おれ、こんなの初めてで。どうしたらいいかわからなかった」


涙声のまま、チョッパーは私の身体に残った凍傷の痕を説明した。


「塗り薬を作るから、使ってみてくれ」
「ええ、ありがとう」
「寒いだろ。今サンジがあったかいごはんを作ってくれるって」
「そう」


食欲などカケラも感じないのに、サンジのごはんと聞くと条件反射のように胃にスペースが空いたような気がした。
それでもどうしても頭が重く、めまいのように黒い靄が視界を何度も横切る。
チョッパーの話す声が、やがて途切れ途切れになる。
私はまた意識を手放した。



次に目を覚ますと部屋は真っ暗闇で、何も見えなかった。
やがて目が慣れ、同時に耳が音を拾い始める。
一番大きな船室で寝かされていた私の横に布団が並び、そこにルフィが大きないびきをかいて横になっていた。
そこでようやく誰もかれもが生き延びたことに思い至り、詰まっていた息が通ったような気がした。
右に目を遣ると食卓があり、サンジとウソップが机に突っ伏す背中が見える。
こわごわと上体を起こすと、昼間より頭痛は楽になっていた。
ナミとチョッパーが抱き合うようにして床に横になっている。


「おう」


低い声に身体がびくつき、軋む身体で振り返る。
壁に背を預けて胡坐をかいたゾロが、暗闇の中眼光をこちらに向けていた。


「あなたまで、ここで」
「見張りだ」


何の、誰のと訊くことをゆるさない、一方的な声だった。
波は穏やかに船を揺らし、ゆりかごのようにメリー号をたゆたわせる。
海獣の咆哮のような低いうなり声が遠くから響いていた。

そのままぼうっと、ゾロと私の中間あたりを見つめていると、ゾロが足を組みかえて刀の鞘がぶつかり合う金属音がやけに大きく響いた。
彼はこの刀を抜き、私に振り下ろされた刃を受けてくれた。


「寝ろ。余計なことを考えるな」


腕を組み、ゾロは俯く。
私は何も考えていなかった。
考えていたのはゾロの方だろう。

身体を横たえ、天井の木目を眺めた。
ひどく重い身体は寝返りを打つことさえ難しかった。




日が昇っても食べ物は喉を通らず、ただ具のないスープをすすった。
それだけで身体が内側から温まり、温まろうとする熱反応に戸惑った。
私の身体はこんなにも生きようとしているのに、それを拒むように食べ物を受け付けない。
日がな寝てばかりいて、時折心配して様子を見に来るクルーはどこかよそよそしかった。
私がそのように見てしまっているのだろうと、そんなことを考えていると部屋の扉が開いた。
ウソップはひょこひょこと肩を揺らしながら部屋に入り、「よお」と手を上げた。


「調子はどうだ」
「昨日よりずっといいわ」
「まーあれだ、無理すんな。急ぐ用もねえんだから、ロビンがゆっくり回復してから船を出そうってナミも言ってる」


ウソップは視線をあっちこっちに動かしながら私が横になる場所を迂回すると、意を決したようにドスンと食卓のイスに腰を下ろした。


「寝たっきりじゃわかんねぇだろうけど、今日はいい天気でよ」


なんでもない話をウソップは問わず語りに話し出す。
暇をしてる私を構いに来てくれたのだと、思わず頬が緩んだ。


「ねえ」
「んっ?」
「どうやって青キジから逃げられたのか教えて頂戴」


饒舌だった声が途切れ、ウソップは言葉を探すように視線を彷徨わせる。
わりと早く、口を開いた。


「ルフィが」


とても彼らしく、愚かだと思った。
死にたいと言った私を連れだしたあのときもそうだった。
静かに耳を傾ける私にウソップは「おれはなにもできなかったよ」と吐き捨てるように言った。
卑屈になりがちな彼らしいといえば彼らしいセリフだったが、慰めるような言葉もおかしい気がして、黙っていた。
ウソップはゆっくり立ち上がると扉に向かって歩き始めた。
思い出したように振り返り、「まだ何も食べられねェか」と訊いた。


「あまり食欲はないけど……なにか食べやすいものはあるかしら」
「あ、じゃあサンジに聞いてみる!」


途端にバタバタと騒がしく部屋を出て行き、私はまたぽつんと残された。
それでもやはり、ウソップもいてくれてよかったと心から思う。



10数分しないうちに、扉がやさしくノックされた。
はいと答えると、さらりと大きな一歩でサンジが入ってきた。
手にはトレンチを一枚乗せ、火のついていない煙草を咥えている。


「調子はどうだいロビンちゃん、メシ軽く用意したけど、食える?」
「いただくわ、ありがとう」


身体を起こすと、膝にトレンチが乗せられた。
深めの平皿に粥、それに草のような香りのする茶色い液体から湯気が立っている。


「それ、チョッパーが煎じた薬草茶。身体をあっためるらしいんだ。一口飲んだけど、んん、身体にいいもんはまじぃな」


眉を下げて苦笑するサンジは私にスプーンを持たせた。


「熱いから気を付けて、ゆっくりでいいよ。食べられるぶんだけ、少しずつ」


そっと粥を掬い、口にはこぶ。
唇に触れると乾いた皮膚が裂けそうになり、戸惑う。
そろそろと口に含むと、生姜の香りが鼻に抜け、甘いとろみが口中に広がった。
ふっと肩の力が抜け、「おいしい」と言葉が漏れる。
サンジは全部わかりきったような顔で「よかった」と笑った。
自然と手が動き、二口目を掬う私をサンジはしゃがみこんだまま見ていた。
子どもになってしまったみたいだ。
甘やかされて大事にされて、温かい毛布に私はくるまれている。
この人はそういうものを与えるのがきっと上手い。
だからあの子は、と私はまた彼女のことを考えた。
堕ちるためにあるようなこの男の内側に、ナミは常に帰ることができるのだと思うとみぞおちの辺りがひきつるように収縮した。


粥を半分ほど食べたところで手が止まってしまい、サンジが残りを下げてくれた。
チョッパー特製という薬草茶だけそばに置いて、またひとりになった。
一口飲んでみると、雑草をそのまま水に溶かして含んでいるような青臭さが口中に広がり、えづきそうになる。
むせながらももう一口飲んだ。
するとしばらくして、手と足の先がぽかぽかと火照ってきたので驚く。
そのまま横になると、駆け足でやって来た睡魔に絡め取られるようすとんと眠りに落ちてしまった。







身体に張り付く衣服が煩わしく、無意識のまま布団を跳ねのけていたらしい。
ふと首筋に冷えた感触があり、気持ちよさにしばらくまどろんでから目を開けた。
ナミが私を覗き込みながら、首に冷えたタオルを当ててくれていた。


「起きた?」
「ええ、暑くて……ありがとう、気持ちがいいわ」
「チョッパーの変なお茶飲んだでしょ。あれね、すっごい身体が熱くなるの。でも風邪の引きはじめのときとかに飲むと汗かいてすっきりして一発で治るのよ」


私も何度かお世話になったんだから、とナミは胸を張った。


「着替え持ってきたの。汗かいたでしょ、着替えたら?」


言われるがまま、差し出された服に着替えると随分こざっぱりとして気が晴れた。
着替えた私を満足そうに見て、ナミは大きく頷いた。


「うん、だいぶ顔色が良くなったわね。サンジ君のお粥も半分食べられたんでしょう?」
「ええ、もう大丈夫」
「ああだめよ、まだ起きちゃ。チョッパーがいいって言ってないんだもの。ねえ、それより喉乾かない?」
「そういえば」


汗をかいた分、口の中が乾き舌が貼りつきそうになっている。


「何か冷たいの持ってくるわね」


さっと立ち上がると、ナミは迷いない足取りでさっさと部屋を出て行った。
数分して、トレンチを両手で支えて戻ってきた。
ポットと、小瓶と、氷の入った空のグラスがふたつ。


「サンジ君に紅茶淹れてもらったの。冷たいの、大丈夫?」
「ええ、冷たいものの方がいいわ」
「ん、でもロビンは氷少な目ね」


ポットから熱い紅茶を氷の上に注ごうとして、「あ」とナミは手を止めた。


「そうだ。砂糖持って来たけど、熱いうちに入れなきゃ溶けないわよね」


ナミは小瓶のふたを持ち上げ、小さなスプーンで中身を掬った。
さらさらと砂糖が流れ落ちる。


「どうしよう、ポットに入れちゃってもいい? 甘くしても飲める?」
「ええ」


ナミは満足げに、熱い紅茶に砂糖をさっと溶かした。
少しポットを揺らしてから、グラスに注ぎ入れる。
氷に音を立てて亀裂が走り、じわじわと溶けていく。
角の取れた氷の浮いたアイスティーができあがった。
トレンチの端に転がっていたストローを手早く二つのグラスにつき差し、「はい」と私に差し出した。

まだ氷の溶けきっていない紅茶は濃く、砂糖の甘さが舌に広がる。
かんきつの香りが遠慮がちに喉を滑り落ちた。
ナミは心地よい音で勢いよくアイスティーを吸い込み、一気に半分ほど飲んでしまっている。


「ロビンって意外と、甘いのすきよね。サンジ君に言ったら?」


顔を上げると、私の布団に腰を下ろしてナミはいたずらっぽく笑う。


「紅茶、こないだ私の分美味しそうに飲んでたじゃない。砂糖の入った甘いやつ。あんたのはいっつも無糖でしょ?」
「えぇ……あれは」
「サンジ君知らないんじゃない? ロビンが甘い飲み物も好きだって」


私は黙ってストローを咥える。
吸い込んだ飲み物は、さわやかな紅茶の風味に重なるように砂糖の味がした。

私はただ、ナミが羨ましく、サンジが羨ましく、この船に乗るすべての人が羨ましく、彼女の飲み物にだけ溶け堕ちる甘い甘い砂糖が私にはとても似合わないということがわかっていたから、合うはずのないピースを無理やりパズルにはめ込むような違和感を常に感じながら、それでもここにいたいとずっと願っていた。
この子たちの目に、白く細かい粒子は砂糖にしか見えない。
小瓶いっぱいに詰まった粒子が毒かもしれないなんて、これっぽっちも考えないのだ。
私は彼らより長く生きた10年、小瓶の中が砂糖だったことなんてただの一度もなかった。


「航海士さん」
「うん?」
「船を出しましょう。随分良くなったみたいだから」


ナミはぱっと顔を明るくし、それでも「チョッパーに見てもらってからね!」とくぎを刺して慌ただしく船医を呼びに行った。
私のために泣いたり怒ったり、喜んだりする人がいる。
デレシ、と呟いた。







潮風で短い芝が一方向にそよぐ。
裸足でその上に立つと、チクチクと尖った草の先がこそばゆく、心地よかった。


「アーウ、ニコ・ロビン! メシだとよ!」
「ありがとう、行くわ」


振り返ると、私の上に影をさす巨体が不思議そうに私を覗き込んでいた。


「オメェなに靴脱いでんだ?」
「気持ちがいいの。やってみたら」
「ほう。っておれァいつも裸足だし、足の裏もコーティングしてあるからわかんねェよ」


私の足の横に、倍ほどありそうな大きな足がどすんと置かれた。


「じゃあ手は?」
「手もわからん。砲弾でるんだぞ」
「それなら」


私はそのまましゃがみこみ、膝をついて芝の上にぺたりと腹を横たえた。
頬を芝生にうずめ、視線だけを動かしてフランキーを見上げる。


「頬は?」
「……オメェ前からちょっと思ってたが、わりと突拍子もないことしやがるよな」


そう言いながら、フランキーも私をまねて横たわった。


「おお、わかるようなわからんような。目がチクチクする」
「それは目に刺さってるのよ」


緑色の葉が視界を遮りながらも、その向こうで同じようにこちらを向いて頬を芝に埋める男の顔が真正面にある。
つと目が合ったので思わず笑うと、フランキーは反対に顔をしかめた。


「しあわせそうだな、おい」


おーい、と上の方から呆れたような声が落ちてきた。


「あんたたちなにやってんの。ごはんだって言ってるのに」


顔を向けると、ナミがキッチンの戸を開けて腰に手を当て少し笑っていた。


「ほらよ、呼んでやがる」


よいこらせ、と掛け声とともに立ち上がったフランキーは、すかさず私の腕をつまむように取ると引っ張り上げて立たせた。
頬を払うと、ちぎれた草のかけらがぱらぱらと落ちる。


「草の跡がついていそう」
「アア? どれ」


ひょいと私の顔を覗き込んで、どうでもよさそうにすぐ顔を上げた。


「んなもんすぐに消えるだろ、若ェんだから」
「若いかしら」


ハン、と鼻で笑ってフランキーは歩き出した。


「30になってから考えな」


前を行くアロハシャツからは異国のスパイスのような尖った香りがした。
私より長く生きた彼に、小瓶の中の粒子を舐めて確かめてほしいと思った。
毒の味も砂糖の味も知っている彼に。たとえそれが毒でもきっと死なない彼に。
毒だろうと砂糖だろうとどうでもいいと瓶を叩き割ってみせてほしい。
そのときのために、私は甘い毒になりたい。

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 麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。



我が家は同人サイト様かつ検索避け済みサイト様のみリンクフリーとなっております。
一声いただければ喜んで遊びに行きます。

足りん
URL;http;//legend.en-grey.com/
管理人:こまつな
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