OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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「ねえ、見てるんだけど」
思いの外とげとげしい声が出た。
サンジくんは振り返り、あぁそうだったのごめんねというふうな害のない顔で笑った。
なのに、チャンネルを変えない。
「ちょっと」
「前半だけ、前半だけ観させて」
サッカーの試合を観ているのだ。
どこ対どこだかわかりゃしない、青と黄色のユニフォームが緑色の画面をちょこちょこ行き来するのをいつより真剣に眺めている。
私は家計簿をつけていて、レシートを整理しながら面白くもないバラエティー番組を見ていた。
手元に集中すればテレビなんかほったらかしになる。
さっきまで携帯のネット情報で試合状況を確かめていたらしいサンジくんは、私がテレビを見ていないとみるやいなや、そっとチャンネルを試合中継に合わせた。
正直チャンネルなどどうでもよかった。
だけど、割引で買ったはずのかぼちゃが割り引かれていないのをレシートで確認してしまったこととか、ロビンにもらったパキラがどんなに丁寧に世話をしてもしおしおと枯れていこうとしていることとか、そういうつまらない気分が重なって、ついサンジくんに当たりたい気分になった。
私はテーブルの上のリモコンに手を伸ばし、さっとボタンを押す。
くだらないネタにどっと湧く会場の笑い声が突然溢れ出した。
「あっ」
恨みがましく私を振り返るサンジくんに、知らん顔して頬杖をつく。
恨みがましいと言っても睨んだりせず、ひたすら悲しそうな顔で見上げてくるのに良心が痛む。
が、私の痛む良心が何か言うより早くサンジくんは素早くリモコンのボタンを押した。
わーっと盛り上がる緑色の画面。
「見てるって言ったでしょ!」
「んーちょっと待って」
お、いけ、あーだめだだめだ、うわっやべぇ、っと危なかったー。
私には目もくれず画面に向かってつぶやき続ける背中を、足の裏でけりつける。
テーブルを挟んで直角に座っている私は足を上げた不恰好な格好だ。
「こらこら、はしたない」
サンジくんは私の足首を掴み、そっと床へ下ろした。
すかさず反対の足でもうひと蹴りする。
「ナミさん」
呆れた笑いを口に含んで、サンジくんは振り返る。
知らんぷりして手元の家計簿に視線を落とした。
ふと手元が翳る。
「えっ、わっ」
ふわっと体が持ち上がり、手からボールペンがぽろっと床に落ちた。
私を抱き上げたサンジくんはそのままソファへ登り、あぐらをかいて座る。
私はその足の間にスコンと収まっていた。
「捕獲」
サンジくんは私を見下ろして、鼻の頭に軽くキスを落とした。
「お、やべぇ負ける負ける」
慌てて画面に視線を戻した彼の顎髭を、このヤロウと摘んで引っ張った。
「イテテ」
あんたが応援しようとしまいと負けるもんは負けるのよ。
僻みながら、ゆらゆらと前後に揺れるサンジくんの中で私はまんまとうとうとした。
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麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。
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