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OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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オレは消えたアンを探して町中を徘徊した。
この街には山賊という面倒な奴らがいる。
海賊なら白ひげと聞いただけで逃げてくれるからいいのだが、無知というのは恐ろしいもんだ。山賊はオレたちを知らない。
アンのことだからあまり心配することもねぇだろとは思うが、まあ一応女の子なわけで、オレとマルコはこうして探しているのだ。


「…いねぇな」

メシ屋のごみ箱の蓋を開け中を覗き込んだとき、頭上からばさりと羽音がひとつ。
どうやら姫の御帰還のようだ。

降り立ったアンは足から血を流し白い顔をして、頬には涙の痕がある。たまらずぐっと抱き寄せた。


「このバカ娘が。心配しただろ」

ごめんなさいと弱々しく返ってきた返事に、オレはさらに抱き寄せる力を強めたのだった。









モビーに戻り、船に残るナースにアンの手当てを頼んだ。
傷はまだ浅いほうだが範囲が広く、しばしは安静とのこと。

不安やらいろいろ感じていたんだろう、処置が終わった途端そのまま医務室でアンはことんと寝てしまった。
健やかな寝息を立てるアンの顔をオレはなんともなしに見ていると、ふわりとアンが浮かび上がった。
アンを抱き上げたマルコは、部屋に戻してくるよいとひとこと。
助かりますとナースが答えた。
医務室をあとにするマルコの背中を、オレはぼんやり眺めていた。











「ごめんねサッチ」
「んー?なにがー?」
「酒、飲みに行く約束」
「ああ、アンこの島のログがどんだけで溜まるか知ってるか?」
「ううん」
「4ヶ月だとさ。ログが書き換えられる前に出航しなきゃなんねぇけどさ、まだ100日以上いられるんだぜここに」

読んでいた雑誌を置きニヤリと笑うと、寝たままのアンもつられるようにして笑った。
あれから丸一日寝て、まだ歩けないアンのために、こうして部屋に来て喋り相手をしているのだ。
怪我をしようとも食欲は衰えないので大量の食事も運ばねばならん。


「サッチ、街行ってきていいよ」
「んー、オレァ別に行くとこねぇし」
「ほら、ナンパしなくていいの?」
「…ああー、今は、ね」


正直目の前に転がるこいつに手を出すわけにはいかない今、ものすげぇ女が恋しい。
スタイル抜群で柔らかい女に触れたくてしょうがねぇのは事実だ。
実際、昨日の夜は女を買いに夜の街へ出た。
しかし俗に言う「そういうところ」に入ったはいいが、目の前に裸で転がる好みの女を見てもどうも気分が乗らず金を置いてすぐに出てしまった。


寝転んだまま鼻歌を歌うアンにちらりと目をやる。
ああ、オレは末期だ。
ガキだし、胸もケツも乏しいこいつにしかもう欲情しないらしい。
まったくおっさんのくせに、何盛ってやがるんだ。







「なあ」


ぎしりとベッドが軋む。
オレの重みでさらにアンが沈んだ。

「まだマルコが好きか?」

俯せのアンの表情は見えないまま、オレはアンの両肩の横辺りに手を着いた。


しばらく間があって、こくりと頭が縦に振られた。
ふっと笑いが口から漏れる。
オレはアンの足の傷を痛めないよう気配りつつアンをひっくり返した。
オレのほうを向いたアンは案外近くにいるオレに驚いたように目をぱちくりさせた。


「なあアン、オレのこと好きか」

え、と小さく口が開いたあと、いつものようにアンは目を細めた。

「すき!」


予想通りの返事に内心苦笑する。
でもな、それじゃダメなんだよ。
マルコのときはオレが言うまで気付かなかったくせに。
なんでオレのときは簡単に好きだなんていうんだよ。

その意味合いが違うことなんて、わかっている。









「オレもアンが好きだよ」

頭の中では危険信号がビンビン鳴っている。
ダメだやめろ、いやしてしまえと葛藤するのに疲れたオレはそのままアンの口を口で塞いだ。
この部屋に近づいてくる足音になんて、気付いていた。





「アン入るよい。替えの包帯…を…」




手元に落としたままだった視線をあげたマルコは、目の前のこの光景をどう捉えただろう。
アンのこれでもかというほど開かれた目がマルコを捉えた。
助けを求めるだろうかという予想は外れ、アンは何もしないし言わない。



「…邪魔したねい」



ぱたんと閉じられたドアを、アンは冷めた目で見ていた。
まだオレとアンの唇は繋がったままだ。



アンの背中とベッドの間に手を滑り込ませると、近すぎてぼやける視界の中でもアンの目がさらに見開かれるのがわかった。
胸に巻かれた布の中に手を入れ、下から肩甲骨を撫で上げる。
ぶるりとアンが震えた。

「…んんぅー!!!」

オレとの間に入り込んだ細い腕がオレの胸板を押し返す。
その代わりに、固く閉ざされた唇を割るようにして、自分の舌を差し込んだ。
そのとき、







ごすっ







「くっ…はっ…て、てめぇ…容赦しろよ…」
「…っはあっ…」


すっかり気の抜けていたオレの鳩尾に刺さるような拳が入った。
うずくまるオレの下からはい出たアンはベッドの隅で壁に背を付けこちらを見ている。


「アン」

びくりと細い肩が揺れた。
にじり寄ると、いやいやと言うように首を振った。

「もう何もしねぇよ」

ぐいと手を引っ張ると、簡単にこちらに倒れ込んで来た。
そのままその細い身体をこれでもかというほど抱きしめる。









「好きだ、好きなんだ、アン」






お前これであたしも、とか言ったらぶん殴るぜと言うと、こくりと頷きが帰ってきた。
オレたちの妹は、いつからこんなに女になったんだろう。

「おれが嫌いになったか?」

恐る恐る尋ねると、ゆっくりと背中に腕が回された。
その手がやわやわと背を撫でる。


「嫌いになんて、なれないよ」


アンの首元に顔を埋め、そっかと呟く。
顔をあげてアンと目を合わせると、その目には涙がにじんでいた。

なにが優しいお兄ちゃんだ。
とんだ狼じゃねぇか。

ぐいとその水滴を拭ってやり、ベッドから降りる。
この部屋に持ってきていた雑誌を手に取りドアノブに手をかけた。

「サッチ」

背を向けたまま、オレは部屋を後にした。
聞こえないふりなんて子供染みたこと、


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 麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。



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