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OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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この船に乗って、わかったことがたくさんある。

人と人の肌が触れ合う喜び。
視線を合わせて微笑むときの暖かさ。

名前を呼ばれて振り向けば、誰もが笑っているなんて、そんなこと。


(一年前の私は知らなかったわ)







昼下がりのベゴニア







「ロービーン!!」

「呼んだ?」

「おうっ!なあアレ見てみろ!」

「? キッチン、でしょう」

そう言うと、まるでだめだなぁというようにルフィは首を振った。

「誰もいない」

「そうね」

「つまり?」

珍しく遠まわしなことを言う船長に、私は少し考えて、思いついたことを口にした。

「盗み食いし放題?」

「しししっ!やっぱお前賢ェな!」

「で、それが何か?またコックさんに怒られるわ」

「うむ、そこで君に相談がある」

「?」

「オレが盗むのを手伝ってくれ!」


どーん、とそれはもう効果音がつきそうなほど胸を張って彼はそう言った。
私は苦笑を零すばかり。


「どうすれば?」

「あのな・・・」





結果としてことに及ばなかったのは、作戦会議中にコックさんのかかとがルフィの頭上に落ちたから。

「テメェロビンちゃんに片棒担がせていいご身分じゃねぇか、アァン!?」

「いひゃい。はんじ、いひゃいでふ」

「ごめんなロビンちゃん、」

コックさんはぐるりと巻いた眉を少し下げて、申し訳なさそうに私を見やる。

「いいのよ」

「ひょら見ろ!ほびんはやひゃひーんだ!(ほら見ろ!ロビンは優しいんだ!)」

「黙れクソゴム」


ばちんとルフィの頬が跳ねたところで後ろからナミの声が私を呼んだ。









「ロビン、ちょっといいかしら?」

「ええ、どうかした?」

「ここなんだけど、少し古い本だから表記がわからなくて・・・」

「ああ、これはこの字と同じ意味よ」

「へぇ!ありがと、ロビン!あんたが書いてくれたこの言語の解読表のおかげでぐっと読みやすくなったわ!」

「ふふ、よかった」


彼女の大好きなみかんと同じ色の髪を揺らし、ナミは太陽のように笑う。
釣られるようにして私も微笑むと、チョッパーの焦ったような声が私を呼んだ。









「・・・うっ、うっ・・・ロビン・・・失敗した・・・」

「あらあら、泡だらけね、」

「突然爆発したんだ。劇薬じゃなくてよかった・・・」

「何を作ろうとしていたの?」

「あのな、ほら、このページなんだけど。この植物で日焼け止めができるんだ。ナミとロビン、気にするだろ?」

「あら、嬉しいわね」

「・・・失敗しちゃったけど」

「ふふっ、私も見ていていいかしら?」

「うんっ!あ、オレが間違えそうだったら止めてくれ!この植物とこっちの植物、見分けにくいんだ」

「ええ」

忙しく動くチョッパーの手をじっと眺めてしばらく経つと、それは綺麗な琥珀色の液体が出来上がった。

「・・・できた・・・!」

「すごいわ、ありがとう」

「ううん、ロビンがいてくれたからよかったんだ。間違いかけたしな、オレ!」


ふふっとふたりで笑みを零すと、じんわりと私たちを包む空気があったまった気がした。

「あ、そういえば朝からウソップとフランキーが呼んでたよ」

「あら、行ってみるわ」






二人の工房に足を踏み入れると、相変わらずな鉄の匂いと火薬の香。

「私のことを探していたと聞いて」

「ああ!そうだお前、ちょいとスーパーな頼みがある」

「いや、別に全然スーパーじゃねぇけどな?ほら、ここ。この隙間に機材が落ちちまったんだ。俺らの指じゃ太くて入らねぇから、ロビンのハナの手で取ってもらえねぇか?」

「お安い御用よ」

ふわりと機械にハナの手を咲かせ、狭い隙間にもぐりこみ、目当てのものを手探りで探し当てた。

「どうぞ」

「おっ!助かったぜ!サンキュー!」

「まったく、フランキーの奴が落としちまってよ。船大工のくせにしょうがねぇぜ」

「んだと長ッ鼻ぁ!もとはといえばテメェがだなぁ、」


やけに楽しそうに言い合いを続けるふたりを尻目にそばにあったミニメリー号の模型を撫でていると、外から私を呼ぶ声が。

「呼ばれてるみたい」









「ああっ、ロビンちゃん!探してたぜぇ!頼みがあるんだけどいいかな?」

「えぇ」

「あの棚の奥にルフィの奴がジャム隠してやがったんだけど、あいつゴムで伸びて置いたから取れねぇんだ。ロビンちゃんのハナの手でとってくんねぇかなぁ?」

「ふふっ。大変ね」

ハナの手で持ち上げた瓶は予想以上に軽くて、アラ、と声が漏れた。

「・・・空になってるわ」

「あんにゃろう」


ぴきりと青筋を立てた彼は、少し表情を緩めて、こちらに向き直った。


「ありがとうロビンちゃん。もうすぐおやつにするから、マリモの野郎起こしてきてくんねぇかな?」

「了解」









ゾロはいつも日の光が半分あたる芝生の上で寝ているはず。
そう思いキッチンのドアをあけたところで、目に入ったのはこの眩しい太陽とはあまり縁のなさそうな彼。

「ヨホホホホ!ロビンさん、今日はお忙しそうですね!」

「そうかしら。もうすぐおやつだそうよ」

「おやっ!それは嬉しいですね!サンジさんのおやつは絶品ですからね!・・・ところでパ」

「お断りするわ」

「手厳しいっ!!」


ヨホホホホ!と外見とは似ても似つかない朗らかな笑い声を上げたブルックは、どこからともなくバイオリンを取り出した。


「ロビンさんを見てそのお美しさで曲を思いつきました!」

「あら、嬉しいこと言うわね」


ゆったりとした旋律で奏でられるそれを目を閉じて聞き入っていたが、すぐに私はゾロを起こさなければならなかったのだと思い出す。

「ごめんなさい、ブルック。私ゾロを起こしてこなければ」

「いやいや引き止めてしまってすいません。どうぞ」

紳士的な手つきで先を促されて、ありがとうと言ってから甲板を見渡した。
いつもの場所で大いびきをかく彼を見つけ、ふっと笑みを零す。










「・・・ゾロ、ゾロ。起きて頂戴。おやつだそうよ」

おやつ、と聞いて飛び起きる人とは違うとわかっているけれど。
しかし彼はうっすらと目を開けた。

「・・・ん?あぁ、やけに静かな声だと思ったらテメェか」

「ふふっ、おはよう。キッチンでおやつが待ってるわ」

くああああ、と大口を開けて欠伸をする彼はまだまだ眠たそうで、思わず、起こしてごめんなさいと口をついていた。
しかしゾロは訝しげに目を細めたあと、いや、と微かに首を振る。

「クソコックにたたき起こされるよりテメェに起こされるほうが寝起きの気分がいい」



がしがしと芝生と似た色の頭をかきむしりながら、ゾロはキッチンへと歩き出す。
ちょうどいいタイミングで、キッチンの窓からコックさんの元気な声が飛び出してきた。
それと共に、絶叫とも取れるような歓声。
その声の主と格闘するコックさんの怒号。

知らず知らずのうちに、私は天を仰いでいた。


(あぁ、)



私が必要だ、と言葉にして伝える人は誰もいないけれど。
ここにいるだけでそれが全身に伝わってくる。
それがこんなにも嬉しいなんて。





「ナミすぁーん!ロビンちゅぁーん!!レディたちの分のおやつはちゃんと確保してあるからねー!!」



その言葉に、私は小さな笑いを零してキッチンへと一歩を踏み出した。







────…あのね、私今日誕生日なの。

そう伝えたら、あなたちはどんな顔を見せてくれるのかしら。







遅ればせながらロビンちゃん誕生日おめでとう!
(ベゴニア:幸福の日々)





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 麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。



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