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OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です

俺がさく、と地面を踏みしめれば少し遅れてさく、と後ろから同じ音。
たったった、と走ってみればまた後ろからたったった、と同じ足音。
ぴたりと動きを止めれば後ろの気配もぴたりと止まった。

「~~~!!」

キッと後ろを振り向けば後ろのそいつも…というわけにはいかず、俺の後を付け回していた影のような野郎は俺が振り返ったことに満面の笑みを見せた。









近すぎて見つからなかった










「ついてくんな!」

「いやだ!」


ぐっと睨みを利かせて突き放しても一向に応えず、振り切ろうと全力で走っても死にそうな顔で追いかけてくる。
鬱陶しかったんだ、本当に。


「なんで逃げるんだよ!」

「なんで追いかけてくるんだよ!」

「じいちゃんが!!」


はぁはぁと肩で息をして、そいつは深く麦わら帽子をかぶりなおした。


「じいちゃんが言ってた、兄弟は一緒に遊ぶんだ!」

「…っ、そんなもん知るかっ!」

「知らなくない!俺はエースと冒険も蝉捕りも川遊びもしたいんだ!」


そいつは突然オレの手を掴んだ。
少し湿ったようなそれにびくりと肩が揺れる。
そしてすぐ、思いっきり振り払った。


「…おれには関係ない!」


付いてくるんじゃねぇぞと吐き捨て、俺はさらなるスピードで奴を残し森を駆け抜けた。












びっくりしたびっくりしたびっくりした!
ばくばくと飛び跳ねるうるさい心臓は、走っているからだ、そうだ。
でも手にはしっかりとさっきの感触が残っている。
あいつの全部の指が俺の四本の指をきゅっと掴んだ。
ふに、と柔らかくてそこからじんわりと熱が広がった。

(…ちょっと気持ちよかったな)

って、

「うあああああ!!」


何考えてんだあんな全然知んねぇ奴に手ぇ握られたくらいで!
気色悪ぃオレ!!

けっと誰にでもなく顔をしかめてから、でも嫌じゃなかった、と考えている自分がいてそれも嫌じゃなかった。




















「ぐふぅっ!」

突然脇にイノシシが飛び込んできたくらいの衝撃を感じて俺は目が覚めた。
隣で眠る小さな体から伸びた足がオレの脇腹に食い込んでいる。

「こいつっ…!」

伸びた足をひっつかんでそいつの布団へ放り投げてやると身体ごとぶっ飛んだが、健やかな寝息は変わらない。
ついでにこっちに飛んで来ていた布団を身体の上に投げてやると、自分からもぞもぞと布団にすり寄っていった。

「ったく…」

泣きはらして赤くなった眼の下が痛々しい。
こすりすぎて人差し指の付け根まで赤くなっていた。













こいつは他の誰でもない、俺のために泣いた。
泣いたんだ。
涙を惜しみなく流してついでに鼻水も垂らしまくって、言葉にならない言葉を叫びながら泣いた。
震える肩は弱弱しくて丸まった背中は小さかった。
それでも、









「…ふっ…うぁっ…!」










嬉しかったんだ。
本当は嬉しかった、手を握られたことも腰に抱きつかれることも背中に飛びつかれることも全部全部本当は嬉しかったんだ。





「ううぅぅぅっ!」








こいつの目には薄っぺらい意地のバリアも何も見えていなかった、ただ俺だけを見ていた。





「っ、う、あああっ…!」


「…ん、エース…?」




むくりと背中が弧を描き持ちあがった。
俺は慌てて顔をそむけて手の甲で顔をこする。
ルフィはおぼつかない四つん這いでこっちまで這ってきた。


「…エース…?泣いてるのか?」

「泣いてねぇ!なんで起きるんだよ、早く寝ろ!」


言われるまでもなく、起きたというか意識だけ俺のうめき声に引っ張り上げられたらしいルフィは、んぅとひとつ唸ってからぐらぐらと頭を揺らしだした。

「…エース…」

ぼふんとルフィの頭が倒れ込んだ。
それは俺の脚の上で。

「おいっ、おい!」


肩を揺らそうと掴んだそこから、またじんわりと熱が伝わる。
ゴムの弾力がある頬が脛に当たり、子供独特の高い体温が伝わってくる。
オレのそれと混ざり合って、足元から温もりが昇ってきた。





「…っ、くそっ」









こんなの俺は知らない。
知らないものは怖い。
怖いから遠ざけた。
遠ざけるとやっぱり欲しくて、
求めたら簡単に手に入った。

手に入れてしまったら、次は失うことが恐ろしくなった。



















とても長い旅をした。
面倒事にも多く出会い、守り守られる家族とも出会った。
旅立ちの別れも死別も悲しみとともに経験し、新たな出発の仕方を身に着けた。
すべてはあの堂々巡りを断ち切るため、答えを探して、探して、たどり着いたのは俺の人生が色づき始めたあのときだった。

ただの一度だって俺を見捨てたりしないその事実であり真実だけが、すべての答えだったのに。

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 麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。



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