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OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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アンが初めての仕事を成功させたその日、ルフィが帰ってきて何気なくテレビをつけた。
箱のように四角くて重く、しかし画面は小さいという古風なテレビだ。サボが中古で見つけてきた。
アンとサボは意図してテレビをつけることなく一日を過ごしていたので、突然しゃべりだしたテレビについハッと身を固くしてしまう。
そしてテレビがいの一番に伝え始めた内容は、アンたちの予想を裏切らずに、突如街に現れた泥棒についてだった。
テレビにはでかでかとルージュの髪飾りの画像が映し出されていた。
 
 
「あ、これ」
 
 
ルフィがテレビを指さして、夕飯の支度をするアンを振り返った。
夕飯はやはり残ったサンドイッチだが、ルフィが大半を平らげてしまうこととアンとサボが朝から同じものしか食べていないことから栄養面を考慮して、簡単なサイドメニューを作っていた。
アンは頷いて曖昧に笑った。
食卓で店の経費を計算していたサボも、今更避けてもしょうがないといったようにテレビに視線を移している。
 
 
「すげぇな、アン有名人になっちまった」
「アンだってばれてないからな」
 
 
サボが苦笑いでそう言うと、ルフィはふーんとテレビから視線を離さず相槌を打った。
 
 
「なんか普通だな」
 
 
ルフィは夕飯の匂いに鼻をひくつかせながら呟いた。
 
 
「なにが?」
「だってよ、こんなテレビにまで出ちまうことやってんのに、アンはここにいる。つーかテレビがアンのこと喋ってんのに、なんにも変わってねぇ」
 
 
ま、いいけど。今日の飯なに?とルフィは立ち上がりアンに近寄って、背中からその手元を覗き込んだ。
 
 
「サンドイッチ。いっぱいあるから」
「夜に珍しいなー!」
「お昼のあまり。ルフィ制服着替えておいで」
「おー」
「ズボンその辺に放っておくなよ」
「おー」
 
 
ルフィは靴下を脱ぎながら、とっとっ、と一本足で器用に歩いていく。
ルフィの言った通り、アンの周りは何も変わっていなかった。
変わってしまったら困るのに、変わらないようにとしたのは自分なのに、まるで変わらない生活が自分のしでかしたことの対価として見合っていないような、おかしな気分になる。
テレビのコメンテーターが、複数の髪飾りが存在することを理由にこの窃盗事件が連続する可能性をもっともらしく喋っていた。
 
 
 

 
アンは静かな住宅地の中を歩きながら、額からこめかみを通って流れる汗をぬぐった。
周りが静かな分、細かな自然の音が耳に届く。
アンは自分の足音を聞いていた。
 
最初の仕事から1か月の空白を置いて、次の仕事はとある御曹司のコレクションルームを狙うことに決まった。
今回は黒ひげが決めた。
 
 
「コネで成金息子の知り合いがいてな、粗方の家の内地図が手に入った。オレたちぁここから詳しい情報を集めてくからお前は家の場所だけでも大体の下見に行ってこりゃあいい」
 
 
アンは黒ひげに託された家の地図を手にして、前回よりも深い覚悟を胸にその邸宅へと向かった。
邸宅は町はずれの高級住宅街と呼ばれる一角の中でもひときわ大きな建物で、アンはそこまでバスを乗り継いでいかなければならない。
夏の兆しをたたえた太陽がカッとアンを照り付ける。
日なたにいると汗が垂れるほど暑い陽気だったが、時折吹く風が初夏を感じさせた。
店を早めに閉めて出てきたので時刻は3時ごろ。
一日のうちで最も暑い時間を少し過ぎて、アンは圧迫するように並んだ装飾の多い豪邸たちの間を、どこか気の引けるような落ち着かない思いで進んだ。
地図を握りしめて高級住宅街でうろうろする怪しい女がいると通報されたらたまらないので、万が一誰かに不審な目で見られた時のための言い訳も考えてきた。
地図と一緒に、アンは自分の店のチラシも数枚手にしていた。
それを目についた家のポストに適当に放り込んで歩く。
そうすれば、街から来た世間知らずの娘が場違いな場所で自分の店の宣伝をしているだけのように見えるだろう。
しかしアンは肩透かしを食らうような気分で、ぽてぽてと目的の邸宅を探す。
誰かに怪しまれるも何も、このきらびやかな家々が立ち並ぶ一角に歩行者は誰もいないのだ。
肩がぶつかりそうなほど人であふれかえっている街の中心やモルマンテ大通りと比べると、信じられないほど静かな場所だ。
本当に生きた人がここに住んでいるのかと訝しむくらいだった。
 
バスを降りて20分ほど歩くと、目的の家らしい門が見えてきた。
近づけば近づくほど、まるで来客を圧倒するためにあるような黒光りする門構えが大きくなる。
今日は場所の確認だけだから、家の前まで言って周りを半周したら家の裏手でバスを拾って帰ろうと思っていた。
アンは邸宅の地図をポケットに無造作に突っ込んで、用無しのチラシだけを握りしめて大きな門に近づいた。
門の前には門番が2人立っていた。
この太陽の照り返す中、真っ黒のスーツをピシリと着込んだいかつい男が二人正面を向いてピクリとも動かない。
あまりにもまっすぐ立っているので、遠くから見るとまるで大きな木炭が立っているように見える。
人がいなければ立ち止まることもできたかもしれないが門番がいるのでは話は別だ。
素通りすることにしようと、アンは素知らぬ顔を作った。
素知らぬ顔というのを初めてする。
門番はとっくにアンに気付いているだろうが、特に目立ってじろりと見たりはしない。
通りすがりの一般人にいちいち気を留めていたらやっていられないだろうし、あるいはアンほどの小娘がこの家に用があるはずないと判断されたのかもしれない。
それはそれで好都合か、とアンが流れる汗をもう一度片手で握ったとき、アンを後ろから車が追い越した。
その姿形を何気なく目に入れて、アンは思わず踏み出しかけた一歩を止めた。
白地に青のライン。
警察だ。
そう認識した瞬間、心臓が早鐘のように打ちだして流れる汗は即座に冷えた。
 
どうしよう、戻ろうか。
でも、踵を返すところを門番に見られたら怪しまれる。
それどころか警察にも不審に思われるかもしれない。
それに今帰ってしまえばもう一度同じ手でここに来ることができない。
いやしかし、もう道順はわかったのだから帰っても問題はない。
今日の目的は果たしたも同じだ。
今立ち止まってしまった時点で十分怪しいかもしれないが──
 
アンの頭の中がせめぎあいで混乱していくのをよそに、警察車両は塀に沿って門の右手に車を横付けした。
助手席とその後ろから人が下りる。少し遅れて運転席から一人。
どれも警察だろう。
助手席から降りた男が門番の一人に何かを告げる。
すると門番は自身の襟をつまんで口元に引き寄せると、何かを話すようなそぶりをした。
門番と話す男の少し後ろに二人、後部座席と運転席から降りた男が立っている。
運転席の男はともかく、後部座席の男の気だるげな様子は後ろ姿からもにじみ出ている。
はやく背広を脱ぎたいという心の声が聞こえてくる気がする。
しばらくすると、ぴっちりと口を閉ざしていた門が左右に動き出して玄関への道を開けた。
門番のあとに続いて3人の男が庭へと足を踏み入れた。
不意に、後部座席の男が後ろを振り返った。
 
 
「!」
 
 
立ち尽くしていたアンは咄嗟に顔を伏せ、しゃがみ込んで靴紐を結ぶふりをした。
もともと固く結んであった靴紐を躍起になってほどいてからそっと顔を上げると、3人の男の背中はすでに小さく、再び音を立てて門が閉じようとしていた。
門番が門の向こう、重たそうな茶色い玄関扉に背を向けてこちらに戻ってくる。
アンは手早く靴紐を結び直すと、足早に邸宅の前を通り過ぎた。
 
 
 
 

 
アンが見た彼らが、警察支部に新しく作られた『怪盗A対策本部』の一部だというのは、その日の夜見たテレビで知った。
怪盗Aというのはマスメディアがとりあえずつけた呼称で、少年犯罪の際使用される『少年A』とか『少女B』とかそういうノリらしい。
「破られた金庫番号がA庫だったこともありますしね」とどうでもいい理由づけをするコメンテーターもいた。
とにかく、その『対策本部』の第一責任者はメディアの前に立ち、まるで面倒くさいと顔に描いたような気のない顔つきで紙面を読み上げるようなコメントをしていた。
一緒にテレビを見ていたルフィが、「このオッサンほんとに警察かよ」と的確なことを言う。
本部から派遣されたらしいその男、「マルコ」は本部において警視総監の次に準ずる位である警視長のひとりで、警視総監の命を直々に受けて今回の事件にあたるのだという。
 
この男が、目下のところの敵だ。
アンが心の中で確かにそう判断した矢先、その「マルコ」はふらりと店にやってきたわけである。
 
アンはサボと相談し、次に黒ひげのもとに出向いた際そのことを告げた。
「ほう」とティーチは興味深そうに顎を反らして腕を組む。
 
 
「そりゃあけったいなことになったじゃねぇか、おもしれぇ」
「…あたし、店やってていいの」
「お前ぇはどう思う、アン」
 
 
まただ、とアンはティーチから視線を外して考えるふりをした。
ティーチは常にアンに考えさせる。
どうでもいいことから命運を分ける大切なことまで、まるで思いつきという様子でアンに決めさせて、大概それにOKを出す。
アンは本当にそれでいいのかと不安ばかり膨らむが、問い直すことは悔しいので絶対にできない。
アンは黒ひげが用意した道の中からたった一つを自分で選び、その平均台のように不安定な細道の上を手放しで歩かなければならない。
ティーチがそれを楽しんでいる風なのも一層アンを腹立たせた。
アンはピリピリする苛立ちを飲み込んで答えた。
 
 
「…よっぽどヘマしなきゃばれないし、店は…続けたい」
「ああ、じゃあそうするといいさ。警察だってまさか街の飯屋の娘が話題の怪盗だなんて思いやしないだろうからなぁ!」
 
 
ティーチはアンの思った通り快く肯定を示して、用意していたようなセリフを吐いた。
アンは浮かび上がるあれやこれやの言葉を口に出さないのに精いっぱいで、これ以上何を言うこともできない。
 
 
「銀行ってのぁな、どこも大概一緒で、さらに警察の治下にあるヤツときたら警備は堅いがプロトタイプだ。だから内図を手に入れるのも暗証番号の入手も簡単だった。だが次は私邸だからなぁ、ちょいと時間がかかっちまうがまぁ滋養期間だと思ってのんびりしてりゃあいいさ。お膳立ては任せろ」
 
 
そうしてアンは、次に黒ひげから連絡が来るまでひたすら待つ日々となった。
待つというのはその間何もないのと同じで、ひたすら同じ毎日が続いていく。
平和で、幸せで、一瞬黒ひげのことも髪飾りのことも全て忘れてしまいそうになるけれど、アンの心に残った質量のあるしこりがそれを掴んで離さない。
離すつもりもないのでアンはそれにほっとして、それでも気分は重たい。
 
 
 

 
警視長とそのお供のリーゼントが店に初めてやってきて一週間後、彼らはまた姿を見せた。
しかし今度は遅い朝の時刻ではなく、昼過ぎの客が捌けてきた頃だった。
 
 
「よっ」
 
 
陽気な男の声にアンが振り向くと、相変わらず愛想のよい笑顔と目立つリーゼントの男と、打って変わって愛想のないお偉い警視長サマだ。
アンはやはり無意識のうちにこくんと小さく生唾を飲んだ。
 
 
「いらっしゃい、また来てくれたんだ」
「来るよー何度でも来ちゃうよー!アンちゃんに会いにねっ」
 
 
なんで名前知ってんだこのおっさん、と内心引き気味ながらもうまくなった愛想笑いを浮かべると、男は少し口を尖らせた。
 
 
「アンちゃん今「なんで名前知ってんだろう」って思ったろ」
「えっ」
「ふっふっふ、かぁーわいいなぁ。顔に全部出ちまってら。前に名前聞いたもんねーオレッチはサッチだもんねー」
 
 
きゅぅーと音を立ててやかんが沸騰するみたいに顔に熱が昇った。
そんなこと初めて指摘されたし、こんな熱くなりかたも初めてだ。
しかしリーゼントの後ろにいた男、マルコがリーゼントの後頭部を容赦なくはたいた。
 
 
「突っ立ってないで入るよい」
「あっ、待てよマルコおれカウンターがいい、アンちゃんの近くがいい」
「うるっせぇ…」
 
 
サッチは騒がしい足取りでカウンター席に歩み寄り背の高い椅子に腰かけた。
「外あっちかったー」とサッチは黒の上着を脱ぎ、金属パイプのささやかな背もたれにそれをかける。
店の隅の席へと行こうとしていたマルコはその背中を鬱陶しそうに見てから、黙ってサッチの隣の席に座った。
同じように深い灰色の上着を脱いだ。
アンは一瞬の隙にちらりとサボに目配せすると、遠くのテーブル席を片していたサボもやはりアンを見ていた。
大丈夫、と目で伝えるとサボは微かにうなずいた。
 
 
「あー腹減った。アンちゃん、お昼はどんなの?」
「あ、えっと、この中からパンかチキンライスか選んで、こっちの中からおかず3種類選んで、日替わりのサラダとスープと、あとコーヒーのセットがある」
「んじゃオレライスで、これとこれとこれ。で、コーヒーよろしく!」
「はいはい」
 
 
アンは手元のメモにサラサラッと注文を移してから、ちらりとマルコに視線をやった。
 
 
「…そっちの人は?」
 
 
また「コーヒー」とだけ言うのかな、と半ば期待のようなおかしな感覚を抱いていたアンは、マルコが静かな声で確かにセットのオーダーを伝えたので少し驚いた。
 
 
「…結構、量あるけど」
 
 
思わずそう言うと、マルコは驚いたようにメニューからアンへ視線をやった。
テレビ越しに見たときや、サッチと並んでいる時の気のない顔つきだけが印象に残っていたアンは、その時のマルコの視線が案外強かったことに一瞬たじろいだ。
 
 
「…別に小食ってわけじゃねぇよい。朝は…前まで食べねぇ方だっただけで」
「そうそう、こいつあれからちゃんと朝飯食ってんだぜ。アンちゃんの弟の…あのボーズに言われてからきちんとな」
 
 
サッチはえらいえらいと一人頷いて、マルコは心底鬱陶しそうな顔を浮かべた。
ああそうなんだ、と全く気の効かない返事をしてアンは調理にかかった。
先に作り置きのサラダとスープだけ出して、おかずも基本的に作ってあるのであとは盛るだけ、パンを焼いてチキンライスを軽く炒める間にすべてできてしまう。
その短い間でも、アンの耳は二人の男の会話に向いていた。
サッチは少年課の刑事だというし、かたや一方は怪盗を相手にする警視長で、お互いに仕事の話がかぶるはずもなく二人は一切アンにとって有益な会話をしてくれない。
少し期待したのが馬鹿みたいだと冷めた気持ちになって、でもそれが何となくほっとするような清々しいような気もして、アンは対・客用の自然な笑顔を浮かべてランチセットを給仕した。
 
 
「おお、うまそう」
 
 
つんとスパイスの効いた香ばしいにおいにサッチは鼻をひくつかせてフォークを手に取った。
マルコもサッチと同時におかずを口に運ぶ。
うめぇ、とサッチが唸るように言った。
 
 
「アンちゃん本当にうめぇな、メシ。いい嫁さんになるぜ」
 
 
ハハ、と愛想笑いしか返せない。
サッチはカレー粉で和えたごろごろチキン入りの野菜炒めを一口口に入れて、うんとひとり頷いている。
 
 
「アンちゃん、これ普通に野菜とチキンカレー粉で炒めただけ?もし企業秘密とかそんなんじゃなかったら教えてほしいんだけど」
「ああ、それは炒める前にチキンにレモン汁と塩コショウで下味つけて…あとはふつうに炒めただけだけど」
「へぇ…野菜は何でこんな甘いの?」
「たぶん元がおいしいんだと思う」
 
 
アンが淡泊に答えると、サッチは皿の中身からアンに視線を移してにへっと笑った。
アンがきょとんと目を丸めると、サッチは何が嬉しいのかにこにことアンを見る。
アンは視線の置き場所に困って、下準備をしていた手元の野菜に逃げて適当な言葉を紡いだ。
 
 
「お客さん料理するの?」
「うん、サッチね。するよ、結構すき」
「へぇ、奥さんは?」
「薄給の公務員に添い遂げてくれる女神なんてそういなくてね…」
 
 
一瞬サッチの言葉の意味が分からなくて、アンは会話のテンポを崩した。
しかしすぐ意味を掴み直して少し慌てた。
 
 
「ごめん、余計なこと」
「いーのいーの、警官なんてそんなもんよ。独身寮なんて名前の通りそんなやつらの集まりだぜ、なあマルコ」
 
 
相変わらずマルコはうんともすんとも言わないが、サッチもマルコの返事を求めていたわけではないのだろう、気にした様子はない。
ということはこのおっさんたち二人とも独身で、こうして仲良くつるんでるわけかと少し状況を把握した。
 
アンは下準備の終えた野菜たちをトレーに入れラップをかけ冷蔵庫にしまうと、皿洗いに移ろうとシンクの前に立った。
しかしいつのまにかカウンターを回って厨房側にやってきたサボが、おれやるからとアンの手からスポンジを取った。
アンはきょとんとして、しかしすぐにありがとと場所を譲る。
 
 
「あれ、そういやおにーちゃん前いなかったな、バイト?」
 
 
サッチはフォークを咥えたままアンとサボを交互に見上げた。
ふたりは顔を見合わせて、少し笑う。
 
 
「違うよ、家族。ここうちの3人だけでやってるから」
「へぇ!兄妹?珍しいな、兄弟だけでやってる店なんて」
「お客さん、刑事さんなんだろ?アンが前言ってた」
 
 
ちょっ、と思わず声を漏らしてサボを振り向くと、サボはアンの方を見ることなくサッチに向かってにこにこしている。
アンは思わず隣にいるサボにしか聞こえないほど小さなため息を漏らした。
サボはこういう思いがけないところでしたたかだ。
 
 
「おうそーよ。ってかアンちゃんオレのこと話してくれてたんだなーおじさん嬉しい」
「刑事さんがこの辺にいてくれるなら安心だなって喋ってたんだ。最近物騒だろ?ほら、銀行やぶりとか」
 
 
ごとっ、と切った人参の半分が分厚いまな板から落ちた。
切り口ががたがただ。
 
 
「おうおう、それな。オレァ結構専門外だからいたいけな少年少女をやさしく指導してやるしかできねぇんだけどよ、こっちのマルコさんは、アレだ、ほら、テレビで見たことねぇ?」
「あるある、お客さん警察の偉い人でしょ。『怪盗A対策本部』の」
 
 
愛想のよいサボのにこにこ顔にもマルコは無反応で、少しサボのほうを見ただけであとは食事を続けている。
サッチが代わりに「ごめんな、こいつコミュニケーションのハウトゥーしらねぇんだ」と苦笑いを返した。
サボは気にした風もなく笑顔で首を横に振る。
 
 
「どう?怪盗A、捕まえられそう?」
「まだなんともわかんねぇよなー、なっマルコ」
 
 
サッチが気を利かせたのか、それともその返答が守秘義務のある警察の精一杯なのか、とにかくサッチは肘でマルコを小突いた。
マルコはサッチに応えることなくひたすら咀嚼のために口を動かしていて、このまま無視かと思ったときになって低い声がサボとアンの耳に届いた。
 
 
「捕まえるよい、絶対ェ」
 
 
足元をぐらつかせるような低い声が確かに聞こえて、アンはもう一度唾を飲み込んだ。
 
 
 
 
ふたりが来店したのは14時頃で、二人はゆっくり食事を味わい、アンとサボにちょいちょい会話をはさみつつゆっくり食後のコーヒーを飲んでいたので彼らが店を去ったのは15時半頃だった。
いつもこの時間になると客の数はがっくりと減る。
店を開いて2か月以上たち、そのうわさはまたたく間に広がり多くの人が足を運んでくれたので、店の運営状況を理解してもらうのも早かった。
おかげでティータイムや早いディナーを求めてくる客は減り、いつも15時ごろにはスムーズに店を閉めることができる。
それでも午後に用事を持たない客がランチのあとゆっくりしていくことも少なからずあるので、そういう客を追い出したりはしない。
ゆえに店を閉める時間は特に決めていないので、このときもサッチとマルコが帰った15時半になってようやくデリは閉店した。
 
ふたりとの会話中にサボが食器洗いを粗方済ませてくれたものの、いつもより少し遅い閉店は自分たちの生活にも少し影響が出る。
ルフィが帰ってきたときに夕飯ができていないという事態はできれば避けたいのだ。
学校から帰ってきて、家に上がったときに香る夕飯のにおいは宝物だ。
ルフィにとってはもちろん、アンにとってもサボにとってもそれは大事にしたかった。
だからアンとサボは閉店後、言葉で確認し合うことはなくともなんとなく片づけを急いだ。
客席をざっと片づけて椅子を上げ、厨房の中はひとかけらの野菜クズを残すことなく磨き上げる。
店内の床の掃除はルフィが風呂の前にすると決まっているので、以上で片付けは終わりである。
しかしアンとサボの仕事が終わるわけではない。
アンは次に夕飯の支度にかかり、サボは自分の足でパン屋や雑貨屋に回って店の必需品を調達に行く。
野菜は毎朝届けてもらえるが、これらの品はいつもサボが閉店後直接出向いているのだ。
 
 
「じゃあ行ってくる」
「うん、気を付けてね」
 
 
サボが西日の差す通りの人並に紛れていった。
アンたちの住居の隣の駐車場には、サボのバイクがとめてある。
一か月前は、そのバイクはタイヤが大きくて籠のついた自転車だった。
3人は相談の末、黒ひげから渡された金でバイクを買ったのだ。
普段使いもできるし、有事の際に足があった方がいいという判断である。
今のところバイクに乗れるのはサボだけなので、サボしか使っていないしそれで不自由はない。
ルフィは「オレも乗りたい」とごねるが乗っても精一杯のところサボの後ろだ。
運転免許に年齢制限があるので致し方ない。
この国の免許取得は気の抜けるほど簡単なので、ルフィもそのときが来ればきっとあっというまに免許を取るのだろう。
しかしアンはそんな簡単な免許を取る時間もないし、サボが乗れるのでまあいいかと思っている。
 
この街の人の帰宅は早い。
基本的に大型スーパーやレストランバー以外の小売店は平日なら17時に閉まるし、休日は半日だったりまるっと閉店だったりする。
もちろん夜の仕事の人はこれから出勤だろうし、残業の人もいるだろうが、17時前のモルマンテ通りは基本的に帰宅途中の人でごった返すのだ。
そうして行きかう人々の隙間から、バイクに乗ったサボが店の前を通り過ぎるのが見えた。
 
厨房の水気を隅から隅まで拭き取ったアンは、ようやく頭のバンダナを取った。
同時に髪を止めていたダッカールピンを外すと髪が音を立てて肩に落ちて、途端に汗で湿った首すじに貼りついた。
そのなんとも言えない気持ち悪さに顔をしかめながらエプロンも外す。
店の中は一応冷房で冷やされているが、片づけが粗方終わった時点で切ってしまったので既に熱い空気がたまっていた。
なんとなく伸ばしているだけなら切ろうかとも思うが、黒ひげとの仕事中にあのウィッグをつけていることを思うと、実際とのギャップが必要だ。
そう思うと踏み切れず、きっとこのまま伸ばし続けるのだろうとも思っている。
あと4か月ほどすれば、写真の母さんと同じくらいの髪の長さになるだろう。
 
アンは店の売り上げが入った箱を持ってカウンターの外側に出た。
シャッターのかぎが閉まっていることを確認し、反対に出入り口が開いているのを確認する。
そして二階の自宅に上がろうとカウンターの前を横切ったとき、つま先にコンと何かが当たりそれは床の上を滑って壁にぶつかった。
 
 
「わっ」
 
 
なんだ? と視線を下げると、手のひらサイズの紺色の手帳が壁の手前に落ちていた。
アンは慌てながらも慎重に金のつまった箱を客席において、手帳を拾い上げた。
サボがこんなものを持っていた覚えはないのできっとお客さんの忘れものだろう。
掃除は客席の上と厨房しかしていないので、カウンターの下は死角になっていてアンからは見えないし椅子に隠れてサボからも見えなかったのかもしれない。
手触りのいい柔らかいレザーの表紙を手で払って埃を落とす。
常連さんので取りに来てくれるといいけど、と考えてからハッとした。
 
アンが手帳を蹴ってしまった場所は、ちょうどマルコが座っていた席の後ろだ。
そしてその椅子の背にマルコは上着をかけていた。
その上着からこの薄い手帳が落ちたとしても、あの時のざわめきに紛れて気付かないのは十分あり得る。
もしかしたらサッチのかもしれない。
それでもなんとなく、いやほぼ確信に近く、アンはこれはあの男のだと思った。
あの静かな男は、この深い紺色を選ぶ気がした。
マルコのことをまだ何も知らないのに、どうしてそんな気がするんだろうと胸がざわつく。
そしてまた別の意味で胸が騒いだ。
 
もしこれが仕事の手帳ならば、なにかアンにとって有益なことが記してあるかもしれない。
そんな秘密事項を記した手帳をただ昼飯を食べただけの場所で落とすようでは警察幹部など務まらないかもしれないが、ありえないことではない。
アンは手帳を両手で挟むように持って、そっと出入り口の方に目をやった。
誰が来るはずもないのに、人目をはばかってしまう。
アンは手帳の表紙を捲った。
 
1ページ目は白紙。
もう一枚を繰って、ぎょっとした。
細かい字がぎっしりと、それはもうアリの大群のようにぎっしりと詰まっているのだ。
しかも下手な字ではないが特徴的な書き方の上に筆記体の文字は非常に読みにくい。
アンはいちばん上端の文字から読み始めてさっそくげんなりした。
しかし書いてあるのはどうも単語の羅列や数字だったり、時刻だったりがほとんどだ。
「PM5.20」や「○○駅前」というどう見てもただ覚えておかないことを走り書きするだけのためのメモらしい。
簡単な言葉ばかりなのにきちんとメモをするのはオッサンの特徴だろうか。
アンはがっかりしたような、それでもすこし安心したような中途半端な思いでメモを閉じた。
サッチはまた必ず来るといっていた。
アンもそんな気がしている。
そしてそのときはきっと、マルコを連れてくるだろう。
寡黙な男でサッチの言動を鬱陶しがっているが、アンの店にいやいや来ているようには見えなかった。
コーヒーもおいしいといってくれた。
ごはんも残さず食べてくれる。
きっとまた来てくれるだろう、それまで保管しておこうとアンはとりあえずそれを自分のジーンズのポケットに皺にならないよう突っ込んだ。
 
そしてはっとして時計を確認した。17時を回っている。
今日の朝、自宅用の冷蔵庫を覗いたとき牛乳が足らないなと思ったのを思い出して、アンは急いで売り上げを自宅の鍵のかかる部屋に保管して、一息を入れる暇もなく買い出しに家を飛び出した。
 
 
 

 
家から一番近いスーパーまで歩いて15分ほどだ。
基本的に移動手段は公共交通機関か自分の足しかないアンは、せっせと歩いてスーパーに向かう。
スーパーは夜の9時ごろまでしているので慌てることはないが、急ぐ理由はこっちにある。
18時前にサボが帰ってきて、18時半にルフィが帰ってくるから、のんびりしていると二人を待たせてしまう。
待てといったら文句を言いつつ待つだろうけど、牛乳の買い忘れはアンのミスなのだからできれば影響させたくない。
ゆえにアンはせっせと足を動かして10分ほどでスーパーについた。
真っ先に乳製品コーナーへ足を向けて、2リットルのボトルを2本カゴに入れる。
それで用事はさっさとすんだのだが、習い性というか職業病というか、アンの目は食材を吟味していた。
主婦の性のような自分の癖に少し苦笑いのようなものが漏れる。
だが急いでいることに変わりはないので、アンは牛乳と、サボの好きなメーカーのボトルコーヒーとルフィのお弁当の材料を少し買って店を出た。
 
計5リットルの飲料と食材を1つのビニール袋にまとめていれると相当な重さだったが、基本的に野菜のつまった段ボールを自身で移動させているアンにとってはたいした労働ではない。
それよりそろそろサボが帰っているかもしれないと思うと気が急いだ。
時刻は18時少し前だ。
夏になると日が落ちるのが遅いこの地域では、初夏の今はいちばん日没が遅いころだろう。
西の方が少しオレンジに滲んでいるが、真上はまだ青い。
通りの人通りはピークより少し減り、まだ歩きやすい方だ。
アンは流れる汗で貼りつく髪を片手で後ろに払いながらせっせと歩いた。
 
 
「アン」
 
 
ふと名前を呼ばれた気がして立ち止まり、あたりを見渡した。
突然足を止めたアンに、アンの後ろを歩いていた男性が迷惑そうに避けて通り過ぎていく。
きょろきょろと辺りを見渡しても、アンの周りの人々はアンを追い越していくか前から通り過ぎていくだけで誰も足を止めないし、見知った人も見当たらない。
車道に車は少なく、路上駐車が禁止区域でない限り一般的な街なので、アンの近くにも車が2台止まっているだけだ。
知った声ではなかったし気のせいか、とアンが再び足を進めたそのとき、今度は少し慌てたような声がまたアンを呼んだ。
気のせいじゃない。
アンは今度は的確に声のした方を振り向いた。
 
車道の端、歩道に身を寄せるように停まった2台の車のうち前に停まった黒い車。
黒光りするボディと程よい車高のその車の運転席の窓を見て、アンは思わずアッと声を上げた。
人の間を縫って慌てて駆け寄る。
マルコは半分ほど開けていた窓を全開にした。
 
 
「今お前さんの店に行ったんだけどよい、もう閉まってたから今日は無理かと思ったよい」
 
 
ふっと、マルコは息を吐くついでのように少し目元を緩めた。
サッチと一緒のとき、店で見るときとは少し雰囲気が違う。
上着は来ているけど、ネクタイは少しゆるくて、ハンドルにかかる片手はこの男らしくどこか気だるげで…
 
 
「お前の店に忘れもんしちまったかもしれねぇんだが」
「あっ、あの、これ?」
 
 
慣れない奇妙な雰囲気にのまれかけていたアンは、ハッとしてポケットに入れていた手帳を取り出した。
マルコが驚いたように手帳に目を止める。
 
 
「持ってたのかい」
「さ、さっき店閉めるときに気付いて、お客さんのかなって思ったからとっとこうと思ってポケットに入れて、そのまんま買い物に、」
 
 
マルコは手帳を持つのとは反対の、下に伸びた買い物袋を下げたアンの右手を見下ろして、「ああ」と言った。
アンは少し屈んでマルコに手帳を差し出した。
 
 
「ありがとよい」
 
 
マルコは手帳を受け取って、それを上着の胸ポケットにそのまましまう。
暗い灰色から少し覗く紺色のそれは、あるべき場所に戻って落ち着いて、色の深みを増したように見えた。
 
 
「じゃあ」
 
 
アンはぺこりと少し頭を下げて歩き出した。
しかしすぐに、「アン」と名を呼ばれる。
不思議な響きがした。
サボやルフィが呼ぶのとは違う。
サッチが「アンちゃん」と嬉しそうに呼ぶ声とも違う。
この短い時間の間で3回よばれた自分の名前が別の響きを持ってふわりとアンに寄り添った。
アンが振り向くと、マルコは顔の横で自分の隣、右側の席を指さした。
 
 
「礼だ。送ってくよい」
「や、でも反対方向…」
「車なら5分もしねぇだろい。乗れ」
 
 
軽いのに、有無を言わせない響きを持つ。
普通に街で暮らしていればあまり関わることのない、人の上に立つ人間の声だ、と思った。
言葉だけをとれば命令口調のそれに従わざるを得ないような気分にさせるのはこの男がそれなりの人徳を積んでいるからで、アンはそれじゃあと呟いて後部座席のハンドルに手をかけた。
 
 
「あー、後ろはちょいと荷物が乗ってるからよい、悪ぃがこっちに回ってくれねぇかい」
 
 
マルコが再びちょいちょいと助手席を指さした。
暗いスモークガラスの向こうはよく見えなかったが、アンは言われた通り車道側に回って車が来ないのを確認し、ドアを引いた。
 
 
「重っ」
 
 
八百屋のおっさんがついでに送ってくれるときの大衆車のドアの重さを想像していたアンは、逆にドアに引っ張られるほどのその重さに目を剥いて思わず声が漏れた。
マルコが苦笑するような顔をしてアンに手を伸ばした。
やっとのことでドアを開けたアンは、マルコのその仕草に首をかしげる。
見たことのない顔でアンに手を差し伸べるマルコは、端的に「荷物」と言った。
 
 
「あ、あぁ、ありがとう」
 
 
慌てて5リットルのボトルが詰まった袋を両手で引っ張り上げて体より先にマルコに手渡す。
マルコはそれを片手で受け取り引き寄せた。
 
 
「おじゃまします…」
 
 
アンはそろそろと車内に踏み入れて、今度は重さを覚悟してドアを手前に引く。
重さに見合った音ともにドアが閉まった。
車内に入った瞬間、冷えた冷気と共に、うわっと思わず少し顔をしかめるほど煙草の匂いがアンにまとわりついた。
もしかしたら少し顔に出ていたのか、マルコは苦笑しながらアンに袋を差し出した。
 
 
「悪ぃな」
 
 
何を、と言わないのでやはり顔に出ていたのだろう。
少し気まずい思いでアンは買い物袋を受け取った。
皮張りのシートは深く、おしりが安定して座りやすい。
「ベルト閉めろよい」と律儀に言うマルコに従って、アンはシートベルトをおずおずと引っ張った。
その間マルコは運転席と助手席の間にある備え付けのボタンやハンドルを押したり回したりして少しの間かちゃかちゃいじっていた。
そしてアンがしっかりシートベルトを締めて、膝の上に乗せた買い物袋を抱えているのを確認してから、すっと車を発進させた。
 
マルコはまず反対方向に進み、アンが買い物をしたスーパーに車を入れ方向転換をしてアンの家へ向かった。
アンは車が発進してすぐ、たいしてスピードも出ていないのにおしりがすべってずり落ちそうになったことに驚いた。
本革のシートに座ったのなど初めてなので、すわり心地はいいのに安定は悪いというそのちぐはぐさに焦る。
よってアンは右手で買い物袋を抱え、左手でシートを掴んでおしりが動かないようにするといった落ち着かない格好でどうにか耐えた。
 
自分の座席の安定に精一杯だったアンは、ふうと位置を固定してから会話のない車内の空気に気付いてしまい、今度は別の意味で落ち着かなくなった。
通り過ぎていく見慣れた景色を見るふりをして、運転席の男の顔を覗き見た。
 
奇妙な髪型。サボの髪より暗めの金髪。細い目と高い鼻。あごひげ。喉仏。
スーツ。薄い水色のシャツ。ハンドルを握る手。分厚いのに長く節くれだった指。
くっ、と押し殺したような声がして、マルコの肩が揺れた、
 
 
「お前さんのまわりにゃあ、こんなおっさんはいねぇのかい」
 
 
随分もの珍しそうに見てくれるよい、とマルコは口角を上げて、もう一度くくっと喉を鳴らした。
覗き見たつもりが、いつの間にかじっと観察してしまっていた。
アンが口を開けてぱくぱくと空気を吐き出し、出ない言い訳にまた焦っているうちに車はアンの店の前に停車した。
アンはこれ幸いとドアに手をかけた。
 
 
「あ、ありがとう」
「いやこっちこそ」
 
 
気を付けてドア開けろい、と言った顔はまだ笑いの余韻が残っている。
アンはおたおたとシートベルトを外し、車が通らないのを確認して外に出た。
ドアを閉める前にもう一度ぺこりと少し頭を下げる。
マルコはそれを見て、微かに口元を緩めた。
アンが車の後ろを回って歩道側に立つと、車はゆっくりと発信して遠ざかっていった。
薄い橙色と白と水色のグラデーションが広がりつつある空の下で、アンは重たい荷物をぶら下げて、サボがアンを心配して外に様子を見に来るまでそこに立っていた。
 
去りゆく車を見ながら気付いたことに愕然としたのだ。
マルコの隣に座っている間、自分とあの男が絶対に相容れない立場にいることを忘れていた自分に、愕然とした。
 
 



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 麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。



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