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OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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夜目に見る白い砂はアイスクリームのようにのっぺりと広がっていた。
濡れたそれが足に絡みつくのをそのままにしていたら、いつのまにかしんと足が冷えてしまった。
あったけぇモンが飲みてェなと顔を上げると、すらりと細い影が船に向かって歩いていくのが見えた。
反対側に視線を戻すと、キャンプファイヤーの残り火がちろちろと揺れ、黒い砂浜にところどころ光を飛ばす。
それを囲むように、ルフィとウソップ、チョッパーが砂浜に転がっていた。
無人島の白浜でおこなわれた大宴会は、好き放題盛り上げるだけ盛り上げておいてあっさりと寝潰れたこいつらと共にお開きとなった。
遠くでブルックの鼻唄が聞こえる。あいつの声と知らなければ死人の呻き声のように聞こえなくもない。まもなくブルックも酔いつぶれるだろう。
酒に強いロビンちゃんにゾロ、フランキーとナミさんは4人で車座になり、別の酒を開けてやんやとやっていた。
やつらの方を見遣ると、影が3つに減っている。
ロビンちゃんに、ゾロ。見まがうはずのない巨体のフランキー。
ということは船に向かって歩いていく彼女はナミさんだ。
そうと分かればおれは颯爽と腰を上げ、ケツにまとわりつく砂を軽くはたいて落とした。
当の彼女は船に戻るのだろうか。
しかし視線をやった先のナミさんは、船のタラップを登るでもなくサニー号を迂回して向こう側に回ろうとしていた。
──何かあったかな。
大した考えがあるわけでもなく、おれは何となく彼女の歩いた足跡をたどって消えた背中を追いかけた。

サニーの向こう側に回ると、月の光が陰になっていっそう暗さを増していた。
目を凝らして彼女を探したが、なかなか見つけられない。
ゆっくり足元に気を付けて歩いていた彼女が、そう早く視界から消えるわけねェのに。
そう思いながら目を凝らすが、見渡す限り砂浜にナミさんの姿はなかった。
──森の中に? 怖がりの彼女が、まさか。
唸るような波の音が足元から響く。
言いようのない不安がじんわりと広がった。
船を迂回したように見えた彼女は見間違いで、やっぱり船に戻っているんだろうか。


「──ナミさん?」


問いかけるような心もとない声で、彼女を呼んだ。
おれの声をかき消す波の音が容赦なく覆い被さる。


「ナミさーん」


少し声を張り上げたそのとき、ぱしゃん、と潮の音とは別の種類の水音が聞こえた。
くろぐろとして、少しとろみを帯びているように見える夜の海。
月の光が船を飛び越えて海面を照らすちょうどその境目に、彼女はいた。
とっぷりと胸の下まで水に浸かっている。


「ナミさん!?」


おれの声に気付いた彼女がこちらを振り向き、小さな水音を立てた。
その仕草で、彼女がおれに背を向けていたことがようやくわかる、それくらい視界の悪いところにナミさんは浸っていた。
サンジ君、と彼女の口は動いたのだろう。波音に消されて何も聞こえなかったが。
おれはためらいなく波間に足を踏み入れた。
サニーが砂浜のすぐ近くに停泊できる、それくらい岸の近くがすぐに深くなる海だ。
ナミさんはそう遠くにいるわけでもないのに、腰どころか胸まで水が来ている。
能力者でなくてよかった。おれはあっさりと彼女の元まで半分泳ぐように近づいた。


「サンジ君か。びっくりした」
「いやいやおれのがびっくりしたかんな、なにやってんのナミさん」
「これ」


そう言ってナミさんはおれに手のひらを差し出した。
暗がりの中、ぼんやりと金色のブレスレットが浮かび上がる。
ナミさんがいつも腕に付けているものだ。


「木の枝をね、海に投げたらすぽーんってこれまで抜けてとんでっちゃったの。焦って海に飛び込んじゃった」
「なんだ……」


おれが安堵の息を吐くと、ナミさんは驚かしてごめん、と明るく笑いながら腕にブレスレットを付けた。


「でもサンジ君までじゃぶじゃぶ入ってくることなかったのに」
「いやだってよ、ナミさん追いかけてきてみたらいなくなってるし、かと思えば海に突っ立ってるし……こんな死角で海に入っちゃあぶねぇぜ」


たしかに、とナミさんは素直に頷いた。


「さ、風邪ひいちまう。船で風呂入ったほうがいいよ」
「んー……」


おざなりな返事をして、彼女は軽くうつむいたままブレスレットをいじった。
ナミさんの胸のあたりということはおれのへそのあたりまで水が来ているということで、さすがにぶるっと寒気が走る。
いよいよ身体が冷えてきた。ナミさんも相当冷えているはずだ。
ええいと彼女の身体を抱き上げた。
ひゃあ、と可愛らしい声をあげて、ナミさんはおれの肩に掴まる。
浮力のせいで軽々と担ぐことができた。
怖いくらいに軽い。


「風邪ひいちまうってば、な。とりあえず船に戻ろう」
「うん」


アレッと拍子抜けするくらいあっさり、彼女は頷いておれの首に手を回した。
この世のハッピーがいっぺんに訪れたのだろうか、豊かな胸が顎下あたりにみっちりと挟まった。
ざぶざぶと水をかいて浜辺へ戻る。
水深が少しずつ浅くなっていくと、同時に腕の中に確かな重さが戻ってきた。
そうそうこれだよこの重さ。愛しい重力に内心頷きながらも、触れた肌はやっぱり芯まで冷えている。


「ナミさん?」
「ん?」
「酔ってんの?」
「まさか」


そう言いながらも、彼女はすでに完全におれに身体を預けている。
しっとりと濡れた長い髪の毛先が、おれのシャツを濡らした。
その冷たさにぞくぞくしているのか、また別の意味なのかよくわからない。
ようやく水がくるぶしのあたりにまで引いたとき、おもむろにナミさんが顔を上げた。
視線がぶつかっている気がするが、いかんせんこの暗さのせいで彼女の茶色い瞳がよく見えない。
濃い潮の香りが鼻をかすめる。
ふっと視界が暗さを増し、ひんやりと冷たい感触を鼻先と唇に感じた。
それがナミさんのものだと知覚した瞬間、応えるように彼女の唇におれの方から吸いついた。
しなやかな腕が再びするりと首元に絡まる。
数えればたったの数秒でも、唇が重なっている間だけは波の音も聞こえない。
長い長い逢瀬のようなキスが終わると、ナミさんは突然照れたのかぷいと顔を背けた。


「──寒い」
「うん、ナミさんすげェ冷たい」


抱き上げた彼女を腕の中で縮めるように力を込めると、ナミさんの顔は再び近くにやって来た。
ゆるやかなウェーブを描く髪が、ぱさりとおれの鎖骨に落ちる。
鼻のあたりにナミさんの呼気を感じながら、尋ねた。


「もしかしてだけど」
「うん?」
「おれを呼んでた?」


夜の暗さと近すぎるせいで彼女の表情はまったく見えない。
少しの間引き潮の音だけが響いて、ようやく彼女が口を開いた。


「呼ばれたと思ったなら、そうなんじゃない」


無愛想に答える彼女の口を再び塞いだ。
今度はおれから、もっと食い尽くすみたいに。
酸素を求めて逃げようとする彼女を何度も追いかけて、容赦なく咥内に侵入する。
暴れるようにナミさんの身体がみじろいだが、今は両手両足全部おれのモンだ。
海水がシャツからハーフパンツへ伝い、そもそも濡れそぼったハーフパンツから脛へと水がしたたる。
冷えていくからだと表面の温度に反して、耳だけがものすごく熱い。
あと彼女の舌。これもものすごく熱かった。
絡めて、吸って、こちらの口の中にひっぱり込む。
喘ぐみたいに繰り返される息継ぎに背筋が震える。
細い指がシャツの上から肩甲骨のへこみを撫でた。
無意識なのかわざとなのかわからないがどちらにせよ翻弄される。
口の中に混ざり合った唾液が溜まると音を立てて飲み込んだ。
唇の周りがぬるぬると潤滑がよくなって、おれはますます調子に乗って何度も何度も彼女の口の中を行き来した。
彼女の背中を支える腕を少し動かすと、指が柔らかい感触に埋まった。
やべぇ触っちまった、と焦る気持ちがまだどこかにある。
それでもその感触の心地よさに惹かれて、結局もぞもぞと指を動かして柔らかさを楽しんだ。

唇を離すと、少しあいた口の隙間から生暖かいふたりぶんの呼気が漏れた。
何度も足の上を行ったり来たりする波がこそばゆい。
おれは彼女を抱き上げたまま、さっさと歩きはじめて砂浜に上がった。
ナミさんは少し息を切らして、おれに身体を預けている。
サニー号の横っ腹までやってくると闇は黒さを増して、彼女の表情なんて見えるはずもなく、隠れて何かをしようとする背徳感に頭の芯がブルッと震える感覚がした。
そっとナミさんを下ろす。
彼女はふらつきながらも砂浜に足を付けた。
しっかりと立った彼女をすかさず抱きしめると、力が強すぎたかナミさんは小さく呻いた。
素肌の晒された腰に手を回す。
ああこの感じ、


「──すげぇ久しぶり」


そうだ、前に彼女を抱きしめたのはいつだっけ。
朝起きたとき、眠りにつく前、誰もいないキッチンであいさつ代わりの軽いキスを交わすことはあったが、こんなふうに誰も寄せ付けないし誰にも見せたくない彼女と触れ合ったのはいつのことだったろう。
悪天候が続き、予定より大幅に航海が遅れた。
残りの食料の雲行きが怪しくなるほどではなかったが、予断は許さない。
ゆえにおれもナミさんも忙しかった。
9人が暮らす船の上だ。
命を預かるおれたちばかりがうわっついてはいられない。
そんな環境に不満を抱いたことはないと言ったら嘘になるが、なんとなく慣れてしまっていたのもまた事実だった。

そんな中ようやくたどり着いたこの島は水もあり食料もありただし無人で、海賊が一息つくにはうってつけの寄港地だった。
こういう機会があればふたりきりになりたいと、願望をチラチラ覗かせていたもののなかなか思い通りに行かないもので、余計なことを考えていれば目立つミスも増える。
なかば諦めていたおれだったが、彼女はそうじゃなかった。
そのことが、今からこの島の木を全部なぎ倒して土地を耕して一発街でもおこしてしまいそうなほどおれを喜ばせた。

ナミさんの全身をあますことなく堪能するように、肩に顔をうずめて、背中を、くびれた腰を、ハリのあるその下を、存分に手のひらでなぞる。
ナミさんはナミさんで、まるでどこかから落ちまいとしがみつくみたいにおれの背中を掻き抱いていた。
二人がぴったりと合わさって隙間が消えてなくなると、胸の下に否応なく圧迫感に似た弾力を感じてどうしようもなく足がもぞもぞうごめいた。
まるでむさぼるように、二人して相手の身体を確かめ合う。
もしかしてセックスよりやらしいことしてんじゃないかと考え、可笑しくなった。


「──ナミさん」


返事はなかったが、応えるようにナミさんはじっと息をひそめる。


「やっぱり身体スゲェ冷てェから……いったん風呂はいらねェ?」
「……うん」


そっと顔を上げたナミさんの表情はやっぱりわからなかったが、包むように顔を掬い上げるとおれと同じく耳が熱くなっていた。


「……は?」
「え?」
「サンジ君は?」


お風呂、と波の音にかき消されそうなほどちいさくナミさんは呟く。
もちろん、とおれは続けた。


「一緒に入るよ」


もう一度抱き上げて恭しく風呂場まで連れて行くか、それともほかの奴らに見つからないようどちらかが先に行ってしまうか。
悩むより早くナミさんが肩に手をかけたままおれを待つので、たいして迷わず彼女を抱き上げたんだが。

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 麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。



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