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OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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 拍手御礼用に書いたつもりが、長くなったうえに方向性が代わってきたのでこちらにアップ。
つまりはミニミニシリーズアンちゃん編です。
設定は拍手御礼と同様で、変なもん食ってちっちゃくなっちゃった感じです。
身体、精神共に5歳児。もともとの記憶はすべてぱー。
そんな無茶苦茶をすべて許してくれる魔法の言葉を、さんはいっ、

『グランドラインだから!!』

ということで、許してくれる方はどうぞ↓


















 
とてとてとて、と眼下を横切る小さな身体。
おれは無関心を装いつつ、その動きの細かな部分まで神経を張り巡らせていた。
ばさりとオレが新聞のページを捲るたびに顔を覗かせ、舌足らずな口調で話しかけてくる。
オレはそれを適当にあしらいつつも小さくなったアンの様子を事細かに見ていた。
 
 
 
「アンー風呂入っぞー」
 
もともと締まりがあるとは言えない顔だが、すでにそのネジを何処かに落としてきたのだろう。
それくらいでれでれとした顔をさらし、サッチはおれの周りをうろちょろしていたアンを手招いた。
 
 
「あーい」
 
元気に返事をしたアンは、ひょこりと顔を覗かせて一言、
 
 
「まるこ、おふろいってくる!」
 
「はいはい」
 
 
サッチのもとまで駆けて行き、その手と手を繋ぐ。
 
きょうはるたはー?
ハルタは仕事中だよー。
と、そんな会話が耳に届いた。
 
そうかハルタは仕事かい。
だからサッチとお風呂だと。
 
…ん?
 
 
 
 
「ちょっと待てぃ!!」
 
がたんっと仰々しい音を立てて立ち上がると、手を繋いだ2人はきょとんと可愛らしい顔を向けた。
間違えた。
1人は可愛らしくないまったく。
 
 
「おまっ、風呂ってなんだよい!一緒に入る気じゃねぇだろうな」
 
「きょうはねー!さっちとおふろ!あしたはびすたと!そのつぎはいぞーと!んで、つぎがおやじ!!」
 
 
にかりと笑い、つらつらとそう述べるアン。
ね!とサッチに同意を求めると、なーっ?と破顔する馬鹿が1人。
 
 
「…おまっ、風呂って、」
 
「なーに考えてんだよお前。アンは今ガキだぜ?一人で風呂なんて危ねぇじゃん」
 
「ナースがいるだろい!!」
 
「ナースとよりオレらとのが楽しいもんなー?」
 
「うん!さっちと、たのしい!!」
 
 
ほら見ろと言わんばかりにサッチは鼻の穴を膨らませる。
するとニヤリと口元を歪ませた。
 
 
 
「なになに、マルコさん、やらしーこと考えちゃった?」
 
マルコはすけべだなーと言うとアンまで、すけべーと復唱する。
 
 
 
「てめぇそのデコの縫い糸引っこ抜くぞ」
 
 
 
迷うことなく2人に歩み寄り、アンの腕を引きその手を引きはがした。
 
 
「てめぇ、アン、野郎となんか風呂入ってんじゃねぇよい」
 
「なんで」
 
「なんでじゃねぇ、なんでもだ」
 
「マルコさん横暴」
 
「おーぼー」
 
「てめぇこれ以上変な言葉覚えさせたら一生髭の生えねぇ顎にしてやるよい」
 
 
 
しかしアンは納得しないのか、むぅぅと唸る。
 
「おふろはいりたい」
 
「ナースと入れ」
 
「おねーさんたちおしごと」
 
「終わるまで我慢しろよい」
 
「やだあ」
 
 
ぐずるアンは風呂に入りたいとわめく。
通常のアンは風呂さえ面倒くさがる奴だというのに。
よっぽど楽しいのか。
 
 
「あ」
 
ぽんと手を打ったサッチは、オレとアンを見すえて一言。
 
 
 
「マルコお前が入れてやれよ」
 
 
 
おお!とアンが顔を綻ばせた。
 
 
「まるこ!おふろはいろ!!」
 
「はあああああ!?」
 
「だってお前、オレらがアンと風呂入るの嫌なんだろ?
じゃあてめぇで入れてやりゃあいいじゃん」
 
「…そういうわけじゃ、」
 
「照れんなよ気持ちわりぃな」
 
 
 
 
アンを見下ろすと、期待を込めた眼差しを向けてきた。
風呂くらいどうってことない。
だが何かすごく駄目な気がする。
何がって、色々だ。
 
 
 
 
「最近お前仕事ばっかで構ってやんなかったろ。淋しがってたんだから風呂くらい入ってやれよ」
 
 
サッチの言うとおり、近頃小さくなったアンをあしらってばかりだった気がする。
寝るときもオレが寝ないために他の野郎のところへ行っていたらしい。
 
 
 
「…しょうがないねい…」
 
 
首筋を摩りながらそう呟くと、ぱああっとアンの顔が明るさを増した。
 
早く早くとアンに手を引かれてサッチを通り過ぎようとしたとき、ぽんと肩に乗せられた手。
 
 
「ガキだぞ。欲情すんなよ」
 
 
回し蹴りが炸裂したことは言うまでもない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
船の中で真水ほど重要なものはない。
だが近頃冬島近海のため肌寒い日が続いているからか、オヤジがアンに甘いからか、大浴場が開放される日が増えた。
まだ夜も浅いからか湯は張られたばかりで、脱衣所まで湯けむりが広がっていた。
 
「アン、お前は向こうで…」
 
そういいアンを振り向いたそのとき、すでにアンはワンピース代わりのTシャツをすっぽーんと脱いでいた。
 
「んー?」
 
「…いや、なんでもねぇよい…」
 
 
自然と目を逸らすと、アンは構わず服を脱ぎ捨て浴槽へと走り出した。
 
「走るなよい!」
 
「おふろー!!」
 
「…ったく、」
 
 
人の気も知らないで、と呟きながらオレも衣服を脱ぎ腰にタオルを巻く。
 
大浴場は広々としていたが、湯けむりの向こうでアンのはしゃぐ声が聞こえた。
だだっ広い浴槽の真ん中で、アンはばしゃばしゃと遊んでいた。
そこは風呂と言えど、オヤジやジョズ、ブレンハイム並の大男が使う浴槽だ。
 
 
「お前そこ足着いてんのかい?」
 
「つまさき!」
 
「…危ねぇからこっち来い」
 
 
オレも浴槽に入りアンを手招くと、アンは嬉しそうに湯をかいて寄ってきた。
 
 
浴槽の淵にもたれて胡座をかいた脚の間にアンはすっぽりと収まった。
 
 
「あったかいね!」
 
「…よい」
 
 
確かに、ここ数日仕事に追われてシャワーで済ませてばかりだった。
潮にまみれた身体を湯に沈めるのはやはり落ち着く。
 
 
「ふぃー」
 
気持ち良さげに息を吐き、アンは鼻唄を歌い出す。
なんとなくのほほんとした気分になった。
 
 
 
 
 
 
突如、とんとアンがオレの腹をゆびで突いた。
 
「…なんだよい」
 
「まるこのおなかはかったいね」
 
「まあそりゃ…鍛えてるからねい」
 
「さっちはねー、ぼよぼよしててきもちよかった!」
 
「…あいつはおっさん腹だからねい」
 
「まるこは?」
 
「オレは違う」
 
 
ふーんと納得し、アンはぽすりとオレの背にもたれた。
 
 
 
 
 
 
 
なんとなく胸のあたりの黒髪を指先で弄ると、湿った感触がまとわりついた。
 
 
(…ああ、)
 
 
サッチの言葉を思い出す。
そういうのじゃない。そういうのじゃないが、それは無性に、突然。
 
 
 
「…アン…早く戻ってくれよい…」
 
頭をもたげ、こつりと小さな頭上に頭をぶつける。
アンは不思議そうに身体を反転させた。
 
 
「まるこ?なににもどるの?」
 
「…いや、いい」
 
 
しかしアンは顔をしかめ、オレの頬に手を伸ばした。
 
 
「げんきだして」
 
 
すり、とオレの頬をさする。
誰のせいだと思ってんだ。
すると突如綻んだアンの顔。
 
 
「まるこ!あらいっこしよ!」
 
じゃばりと湯から出ると、シャワーの前まで駆けて行きオレを呼んだ。
 
「まるこのあたま、あらったげる!」
 
「…頭はいいよい」
 
「じゃあせなかあらったげる!」
 
「…じゃあ頼もうかねい。だがそのまえにお前も洗っとけよい」
 
遊び始めたらこいつは自分の身体も洗わない気がする。
おれも浴槽内から立ち上がった。
 
 
「じゃあまるこあたまあらって!」
 
「…」
 
「あらいっこだよ、あたしがまるこのせなかあらうから、まるこが」
 
「わかったわかった、前向け」
 
 
そう言うと大人しくくるりと前を向いた。
シャンプーを手に垂らし無造作にアンの髪を掻き混ぜる。
 
 
「きもちいー」
 
「…そりゃよかったよい」
 
 
いかん、変な気分になってきた。
 
 
「でもハルタのほうがじょうず!」
 
「…あっそ」
 
 
かるく芽生えハルタへの殺意を抑え、アンの頭にシャワーをぶっかける。
楽しそうに小さな肩が揺れた。
 
 
「はいつぎ!まるこすわって!」
 
「はいはい」
 
 
言われたとおり腰掛けると、アンはぐしぐしと自分専用スポンジに石鹸をつけ、オレの背中をこすり始めた。
 
 
「まるこのせなかはおっきいねー」
 
「まぁハルタよりはでけぇだろうねい」
 
「でもいぞーのせなかもおっきかった!」
 
「…あっそ、」
 
 
こいつはオレの知らない間にどんだけ野郎と仲良くやってんだ。
アンが元に戻ったときにその記憶があったら、こいつは何の違和感もなくサッチあたりと風呂に入りそうで怖い。
 
 
ざーっと背中にシャワーをかけられる。
 
「できた!」
 
「ありがとよい」
 
「もうでる?」
 
「寒いからもっかいくらい湯に浸かっとけ」
 
 
ほーいと適当な返事をして浴槽に駆けて行くのを見送り、オレはざばざばと荒く頭を洗った。
 
 
腰を上げて振り返ると、空気の冷たさのためか湯気がもわもわと辺りを漂い、視界がすこぶる悪い。
だが慣れたもので視界の悪さなど苦にもならずオレは浴槽にざばりと浸かった。
 
 
 
「…アン?」
 
 
いやに静かだ。
 
(…沈んじゃいねぇだろうねい)
 
湯の中を浴槽の中心へと進んで行くと、白い靄の中でぼんやりとうかんだ頭。
こちらに背を向けて顎下まで湯に浸かっているようだった。
 
 
「…のぼせたのかい」
 
 
そう問うと、ふるふると首が揺れる。
 
 
「…どうしたんだよい、気分悪いならもう上がるぞ」
 
「…がって、」
 
「あ?なんて言っ」
 
「マルコ先上がって!」
 
 
 
ぱちくり、と思わず目を瞬かせた。
 
「…おいアン、」
 
湯の中で手を伸ばしアンの腕を掴んだ。
びくりと湯に埋もれた肩が揺れる。
 
 
…太い。
…というか、これは…
 
 
ちらりとアンの顔がこちらを向いた。
泣きそうな顔。
 
 
 
 
 
 
 
「…ア、アン…」
 
「…あたしなんでマルコとお風呂入ってんの…!?」
 
 
 
 
 
 
 
 
アンが、元に戻った。
 
 
 
 
 
まることおふろ!
 
 
 
 
 
(ぎゃあああああ!!こっち来ないでええええ!!)
 
(そういえばまだおめぇの身体、洗ってねぇよい)
 
(こンのおっさんパイナップルが!!)

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白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。



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