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OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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浴室で身体を拭かずに出る癖がある。
今日もまた、風呂マットのふかっとした感触を濡れた足で踏みしめた後になって、ロビンはあっと思った。
その瞬間、勢いのある唐突さで目の前の脱衣所のドアが開く。

「あ、わり」

ルフィは既に赤いシャツを脱いでいて、小脇にはぐるぐる巻きにした大判のバスタオルを抱えていた。
悪いと言いつつ、ルフィは素知らぬ顔で脱衣所に入ってきて、空いている籠に持っていたバスタオルを突っ込んだ。
ルフィがあまりに平気の平左にしているから、ロビンも何を言うでもなく手を伸ばしてバスタオルを取り、そっと身体を覆った。

「お湯に入るの? シャワー?」
「今日はひとりだから、シャワーだなー」

能力者は、一人で浴槽に浸かることができない。
できるけど、普通はしない。

「ならよかった、もう冷めてしまったかもしれないから」
「ん? ナミもいるのか?」
「私だけだけど」
「おめー一人で風呂浸かったのか、あぶねぇぞ」

喋りながらルフィはズボンと下着をごそっと一度で脱ぎ去って、ぺたぺたと裸足の足を鳴らしてロビンの横を通り過ぎた。
浴室の戸が閉まると、すぐに激しい水の音が聞こえてくる。

ロビンは濡れた身体を拭いて、ハーフパンツとTシャツを身に付けて、濡らしてしまったバスマットを手に取った。
彼が出てくる前に取り替えてあげようと思ったのだ。
脱衣所を出るとき、ドアノブの下に付いた鍵が目に入る。
閉めた記憶も閉めなかった記憶もなかったから、きっと閉め忘れたのだろう。

もしも鍵を閉めていたら、浴槽にひとりで浸かったりしただろうか。
こんなにぎやかな船の上で、誰一人気付かず、鍵の閉まった浴室で溺れるとしたら。
髪の先から落ちたしずくが胸に当たって、ぶるっと肩が震えた。

昔なら逆のことを思ったはずだと、髪の先をぎゅっと絞りながらロビンは考える。
鍵も閉めずにひとりでお湯に浸かるなんて自殺行為だ。被殺人願望があるとも言える。
もしも誰かが押し入ってきて、湯に浸かるロビンに襲い掛かってきたら、なすすべもなく襲われるしかない。
だから、そもそも能力者は湯に浸からない。
そういうものだと思っていた。

脱衣所を出たところでチョッパーに出くわした。
青い鼻を小刻みに動かして、黒い目をくるくるさせながらチョッパーは「ロビンはいっつもいーにおいがすんな!」と自慢げに言った。

「そう、あなたも誘えばよかったかしら」
「んん、いいんだおれは! 昨日ウソップと入ったから」

チョッパーはとことこ蹄を鳴らしながら、キッチンの方へ歩いて行った。
そのふかっとした毛色のいい後ろ姿を見送って、ロビンは女部屋へと向かった。
バスマット、ルフィのために早くバスマットを敷かなければ、と頭の中で何度もつぶやく。



クロコダイルの屋敷で与えられた部屋は地下のワンフロアをぶち抜いたようにだだっ広く、柱が少なく全体が一望できるつくりになっていた。
白い壁、金色の装飾、豪奢な造りのソファに無造作にかけられた厚手のコート。
南側の一面は巨大なガラス窓で、黒い格子が牢獄のようにその全面を覆っていた。

「この部屋はおれも使うが、まあ基本的にお前のリビングだ。ベッドもここだがな」

クロコダイルがリビングと称したその部屋の隅には、キングサイズのベッドが鰐の牙のような4つの脚に支えられて横たわっていた。
ちらりとそこに目を遣るロビンをクロコダイルは正面からみすえて、鼻から大きく葉巻の煙を吐き出す。

「好きに見てくるといい。この国の最高建築、宮殿にも劣らねェだろう」
「いいわ、どんな部屋でも」

温度のない声で呟くロビンに、クロコダイルはわかったように息をつくだけでなにも言わなかった。

ここは今回のシェルターで隠れ蓑で、鳥かごだ。
頑丈そうな格子窓までついているし、うってつけじゃないかとロビンは窓の外の黄色い砂を眺めながら思った。

「ばかでけぇ風呂場も作った。女は風呂が好きだろう」

どこまで本気かわからない口調で、クロコダイルは目線をベッドとは反対側の小さな扉に移した。

「好きに泳げるくらいの広さはある。まぁ、泳ぐかはお前の自由だ」

この男は、私と二人だと妙に饒舌になる。
ロビンは肩に掛けたコートをするりと脱ぎ落した。
いらないことまで言っていると自分で気付いていないのか、はたまたわざとなのか。
こんなところに私の自由なんてない。この男が握っているのだから。

「じゃあお風呂に入るから出ていって頂戴」
「ああ? 着替えなら脱衣所でしろ。おれぁここで外を見てる」

黙ってじっと見ていても、クロコダイルは短くなる葉巻をいらいらとした手つきでガラスの机にこすり付けて消すと、また新しいものに火をつけるだけで出ていく気配はない。
風呂に入ると言った手前、所在なくなってロビンは浴室へと向かった。

象牙のように真っ白な浴室にはもうもうと湯気がたちこめ、すでに浴槽にはいっぱいに湯が張られていた。
趣味の悪い金色の鰐の口から怒涛のように熱い湯が吹き出して、視界が白く煙って仕方がない。
浴槽の向かいにはこじんまりとしたシャワールームがある。
頬に湯気が当たると、途端に砂にまみれた身体が痒く感じられた。
この国にいると、身体にまとわりつく砂が肌に張り付いて黄色に染まってしまう気がする。
あの男と数日行動を共にしただけで、髪からも肌からも葉巻のにおいが抜けなくなった。
それはどんなに身体をこすって洗っても、気が違ったようにこすっても、取れなかった。

閉めた浴室の扉の向こうは、静かだった。
クロコダイルは変わらずソファに大仰に腰かけ、値踏みするような目で外を眺めているのだろう。
ロビンは靴を脱ぎ、身体に張り付いた衣類を脱いだ。
なんとなく下着はそのままで、浴室に足を踏み入れた。

頭のてっぺんから熱いシャワーをあびると、身体の芯がじんじんと暖まって振動するように感じられた。
一瞬鳥肌が立ち、すぐにその温度に慣れると心地よさに目を瞑ってしまう。
額に強い水圧で熱い湯をあてたまま、ぼうっと立ち尽くした。

この国には間違いなく重要な歴史がある。
史学にとって重要で、重大で、守られるべき歴史がある。
伝え継がれるべき言葉が残されている。
クロコダイルが欲しているのはそういうものの一部だ。

私は、とロビンは前髪を掻き上げた。
私は、そう、たとえば乾いた大地のひび割れた裂け目だとか、かさかさに粉を拭いた子供たちの日に焼けた頬だとか、生命の育みを拒むように照りつける白い太陽だとか、この国の現状を含めた歴史を愛しいと思った。
きっと彼には一生わからない。

視線を感じ、ハッと振り向く。
クロコダイルが革靴を履いたまま浴室の入り口に立って、めんどくさそうな顔つきのままロビンを見ていた。
剥き出しの背中を伝う水滴が途端に冷たくなる。

「……仕事かしら、ボス」
「テメェはパンツのまま風呂に入るのか。変わった女だ」
「プライベートだと分かってるなら出ていって」
「せっかく豪華なのを造ってやったんだ。風呂にも入るといいぜ」

この男、既にも私に死んでほしいのだろうか。
意図を探り合うような視線の応酬をして、ロビンは目を逸らした。
それならそれでいいかと思ったのだ。
どうせいずれはこの男を私は殺すことになる。でなければ私が死ぬ。
でもそれなら、プルトンは。私がいなければこの男は一歩も欲望に近づけない。
 ふと気付いて、思ったままをロビンは口にした。

「私を抱くの?」

クロコダイルはシャツの上に羽織ったベストを脱ぎ捨てて、床に放った。
浴槽の縁に、ズボンが濡れるのもお構いなしに腰を下ろした。

「気分じゃねェな」

鉤爪の手が、もてあそぶように浴槽の湯をかき混ぜた。

「風呂なんざゆっくり入ったことねェだろう。溺れかけたら助けてやるから入れ」
「私は」
「入れ」

命令を、ロビンの身体の空いたスペースにぐっと押し込むみたいに言いつけられる。
出しっぱなしだったシャワーをぎゅっと止めると、床を流れる水の音だけがさわさわと響いた。
一段下がったシャワールームを出て、ゆっくりとクロコダイルに近づく。
その足の運びを、猛禽のような小さな黒目でクロコダイルは余すことなく見ていた。

つまさきを湯につける。
シャワーとは比較にならないけだるさが身体を埋め尽くし、片足を浴槽の底につけてしまうと後は滑り込むように胸までとぷんと身体が沈んだ。
湯の感触は柔らかく、ほんのすこし塩辛いようなツンとした香りが立ちのぼる。
浴槽の側面に背中を預けて、浮力で浮き上がった胸とつけたままのレースの下着を見下ろしながら、ロビンは詰めていた息を少しずつ吐き出した。

「いいだろう、この風呂は」
「──えぇ、とても」
「随分緊張感のある声だ」

クハハ、と喉を鳴らすように笑うクロコダイルの声を聞いて、この男は私のこういう声が聞きたかったのだと気付いた。
悪趣味。
限りなく弱ったロビンにいつでも助けてやると手を差し伸べて、生死をさまよいながら虚勢を張る姿をクロコダイルは笑いながら見下ろしている。

構わない、と思った。
力が抜けて浮かびあがろうとする腕をゆるゆると動かして、大きく水をかいた。
半月型の浴槽の中心へと、沈もうとする身体をたゆたわせながら慎重にすすんでいく。
どんな姿だって見ればいい。
ここに私の大切なものはひとつだってない。

じゃあそれってどこにあるの?

浮かび上がった疑問に足を取られるように、ロビンの身体は唐突に沈んだ。
とぷんとコーヒーカップが揺れた程度の水しぶきが上がり、静かに頭の先まで湯に浸かる。

湯が絶え間なく浴槽に流れ込む音は、水の中ではごおごおというよりばあばあと言っているように聞こえた。
目を開けると、水の中の霞む視界はうす紫色で、膝小僧にできた痣みたいな色をしている。
きれいでもなければ汚くもない。
無数の泡沫が上がったり下がったり繰り返すのに見入って、気づいたときには首根っこを掴まれて引き上げられていた。

はあはあと無感動に繰り返す呼吸を、クロコダイルはそれが収まるまでじっと見ていた。
引き摺られるように運ばれ、浴槽の淵にタオルをかけるような要領で身体を引っ掛けられる。

「期待してるぜ、ミス・オールサンデー」

クロコダイルはさっさと浴室を出て行った。
戸が開くと、クロコダイルの動きとともに大量の湯気が外に流れ出ていく。
ロビンはちらりと顔を上げてそれを見た。
クロコダイルの右足だけが、濡れそぼって色を変えていた。
片足を濡らしてもいいくらいには、私は必要なのだ。
あのときこの男が水に濡れたら形を持つと知っていたら脚の一本は奪えたかもしれないのにと、後になってときどき思い出すことになる。

ロビンは這い出るように浴槽から出ると、冷たいタイルの床に倒れ込んだ。
大切なものなんて結局どこにもなかったわと思いながら死ぬなんて絶対に嫌だと、強く思った。





薄黄緑色のバスマットを手にして脱衣所に戻ると、浴室の中のシャワーの音は消えていた。
ロビンが出てからものの5分もしていないのに、ルフィはもう入り終わってしまったのか。
なんとなく残念な気持ちで両手に乾いたバスマットを持って、ひらりと床に敷いた。
うつむいた拍子に脱衣籠が目に入る。
ルフィのズボンが、足から抜けた形のまま籠に収まっていた。
頭の中を巡っていた様々な言葉が動きを止める。
ぴちゃ、とどこかから水音が聞こえたのを皮切りに、ロビンは飛びつくように浴室の戸を開けた。

「ルフィ!」

迷うことなく目を向けた浴槽から、劣化したゴムホースみたいにたるんだ腕が垂れていた。
ああ、と叫んだつもりが空気を盛大に飲み込み息がつまる。
伸び切った腕にすがりつき、それをたどって浴槽の中を覗き込んだ。
まん丸に目を見開いたルフィが、腰ほどの高さの水に身体を浸らせて、首をそらしてロビンを見上げていた。

「おぉっ? ロビン?」

どうしたー? と間延びした声がわあんと風呂場に響く。
は、と短く息を吐き、ロビンは食い入るようにルフィを見つめた。
動かないロビンに、ルフィは少し間を置いてから、「ロビンによぉ」と話し始める。

「ひとりで風呂入んのあぶねーって言ったけど、おれもたまには貸し切りで入ってみてーから、水減らして入ってみた! おめーにできるならおれにもできるだろうと思って」

やっぱできた、とルフィは歯を見せて笑った。

ルフィの腕を掴む指に、途方もない力がこもる。
握りしめた指が白くなるほど強く。
ルフィがそれに気づいて、体の向きを変えてロビンの顔を覗き込んだ。
そして少し慄くように身を引いて言う。

「なに泣いてんだロビン」

膝をついた太ももに、ほたほたと水滴が落ちる。
熱い筋が頬を伝っていくのを感じながら、気付いたら腰を折り、ルフィの肩にしがみついて吠えるように泣いていた。

やっと見つけたのに、私の大切なもの、やっと見つけたのに。
こんなにもあっけなく遠ざかろうとする。

ルフィは若干狼狽えながらも、ぽんぽんとあやすようにロビンの背を叩いた。
な、泣くほどのことかよぉ、てかお前なんでそんな泣いてんだ。
ナミと喧嘩したのか? 腹でもいてーのか?
大丈夫だぞ、元気出せ。
おれがついてる。

しゃくりあげながら頭を持ち上げると、ぱっと顔を明るくしたルフィが「なっ」と力強く笑った。
彼が本当に疲れ切ってその身体をそこなうとき、大丈夫私がついてるわと言ってあげられるだろうか。
ロビンは泣き濡れた顔を拭って、小さく「ごめんなさい」と呟いた。

「あ、そーだ。さっき見えたんだけど」

ルフィは泣き止んだロビンの機嫌を繋ぎとめようとするみたいに、少し焦った手つきでロビンの胸の中心を指差した。

「ここ、痕残っちまったんだな」
「痕……あぁ、えぇ。塞がってくれただけよかったけれど」

鉤爪がえぐり突き抜けた胸の穴は、ルフィに聞かされたチョッパーが綺麗に縫合し直した。
それでも不気味な華のように丸い痣が胸の真ん中にぽっかりと残っていて、ときおりしくしくと痛むことがあった。

「ん、ほらここ」

そう言って、ルフィは自分のへその上辺りを指差した。
まるで背中を反らして威張っているみたいに。

「おれもほら、あいつにやられた痕がまだあんだぜー。くそ、思い出すとむかついてきた!」

目をこらすと確かにうっすらと、ロビンの胸にあるのと同じような傷痕がシミのようについていた。
激しい新陳代謝のせいか、すでに消えかけている。
そっと指を這わせると、ルフィはくすぐったそうに身をよじらせた。

「な、おそろいだ」

しっしっし、と笑うルフィに、ロビンもしっしっし、と声を上げて笑い返した。
一瞬目を丸めて、ルフィはすぐにしっしっし、とまた笑う。
しっしっし、しっしっし、と奇妙な笑い声が浴室の中の湿気に絡め取られながらふるふると響いていた。

嬉しくなって「私もあなたともう一度入ってもいい?」と訊いたが、ルフィは嫌そうに顔をしかめて「サンジに怒られる」と真面目な顔で答えた。
調子に乗りすぎたことを少し恥ずかしく思いながら、ロビンは浴室を出て乾いたバスマットで足を拭いた。


fin.

拍手[13回]

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やっとこさ冬らしい寒波がこっちにもやってきて、なんかほっとしました。
夏はパリッと暑くー!冬はカチッと寒くー!みたいなメリハリがないと気持ちが悪い。

GLC前々夜にして、月曜休みを取ったためちょいと残業してしまった。
これから家に帰って勉強してGLCの準備して……と考えるとひぃ一体いつ寝る気だろう。
まあ私の残業なんてたかが知れてるのだけど、いかんせん家が遠いのでなかなか帰れない。
とはいえ別にサークルとして出るわけでもないただの一般参加なので、やることなんてたいしてないのだけども。

なんか本誌が相変わらず年明けから大変なことになっていて、今週なにも思わずツイ開いたらなんか核心というか今週のハイライト的な単語が目に飛び込んできて、ヒィーー!となって逃げた。
ネタバレもう絶対むり!!とかではないので(というかそれならツイなんて見るな)いつも自然と情報が集まってきてしまうのだけど、なんだろう、対象がサンジだからかな…


正直私は原作でストーリー上サンナミがどう絡んでようとあんまり興奮しない。
スリラーバーグの騎士と花嫁もストーリーとして楽しく読んだに過ぎず、空島のナミさんとウソップの身代わりになったサンジも、そこがサンナミだからではなくそのサンジの心意気が猛烈に好きなシーン。

もちろんサンジとナミさんが原作で仲良くしてたら嬉しいし萌えるけど、だからって原作でくっつくようなストーリーになってほしくないなと思っちゃう。
私が日々好きなサンナミは、「もしも彼らがお互いに恋愛感情の存在する世界で生活していたら」という仮定が前提としてあるので、この妄想を原作に当てはめて考えるように脳みそがはたらかないのだと思う。

今原作でどんなことが起こってるのかまだわかってないのだけど、たとえどんなにサンナミが絡んでいようといまいと、そこに二次創作に対して爆発するような萌えは発生しない。

というかサンジについていろいろ暴かれてってんだよね、それはすごく興味ある。
なんかもうちらっといろいろ目に入ってしまったけども…
知りたいけど知るのが怖くてまだおどおどしてる。

サンナミを原作に求めてる方やサンジクラスタの方に水差すようなこと言ってすみません…
まあ見たくない人は見ないだろ、ツイッターじゃないしね!

にしても、GLC当日はきっと本誌のお話もするだろうし、優しいミストの女神たちが気を遣ってしまうなどということがあってはならないので、要予習との助言をいただいたこともあり、本誌予習しようかなーと思ってます。
時間があれば。
あと覚えてたら。

こんな私ですが当日ご参加される方はどうぞよろしくお願いします。
できるだけたくさんの人に会いたい。
ずっと好きだったけど他ジャンルに移ってしまった方のところにも突撃しようと目論んでいる。



そう明日は職場の女性陣と海女小屋に行きます。
女性陣っても私含め4人だ。
なんかお天気悪そうで寒そうだけども、海鮮たらふく食べたらそのままびゅーっと夜着で東京行っちゃおうかと思ってる。
民宿・相方亭にはまだ連絡してないので勝手に言ってるだけだけど、たぶんまあ寝床はあるだろう。

ああ、わくわくして寝られないかもしれない!



そういえば本をサンジの誕生日あたりに出せたらなあと思ってるんですが、もう1月下旬でちょっと尻の穴がひゅぅっとなりました。
うーん本なんて出してる場合じゃないのかなあ。
仕事関係の勉強を年明けからわりとまじめにしていて、7月に試験で、まあ受かってもことが起こるのはさらに次の年の10月とかなんだけど、そんな1,2年で受かるような試験ではないのでまー歳の二桁目が変わるまでには受かりたいなと思ってる。
となるといつまでたっても本なんて出してられないので、緩急つけてオタ活もしなきゃな。
だって楽しく生活するために仕事してるわけで、じゃなきゃ休みも福利厚生も最高じゃー!と思える今の仕事に就いた意味がない!
しのごの言わずに勉強します。
勉強って、高校生のときに「大学受験が終わったらもう人生でこんな勉強することなんてないんだから頑張ろう…」と思って、就職のときに「なんか時間がある分大学受験より勉強してる…でもまあ社会人になったらこんな勉強することなんてないんだから以下略」と思って、私は今も勉強している。

ああほんと自分頭が悪い!と思いながら毎日仕事していると、勉強って頭がいいとはまったく別の話だなあと今更ながら常々痛感する。
おだてたり皮肉ったりするよりまず第一にそういうことを真摯に教えてもらいたかったなー自分で気付けなかったから頭悪いのか。

あれ、本を出す話をしていたはずが……

本は出ます、絶対出したい。
文庫で、おそらく300ページ弱。
深夜特急よりは厚いけど、ソロモンの偽証よりは薄い。
鴨川ホルモーくらいかな。

書き下ろしの部分を書いていて、イチャイチャしいところばっかりでびっくりしています。
思えば、私は単純にいちゃいちゃしてるサンナミってあんまりないんだなー。
なんかどっちかがどっちかに引け目があったりセフレ的なかなしい関係だったりで、心底いちゃついてないのばっかりかもしれない。
だからか、書きなれてなくてものっっすごい恥ずかしい。
私が恥ずかしがるのが一番恥ずかしいし気持ち悪いんですがそれでも恥ずかしいんですなんだろ。

書き下ろしはただ好きだーーってぶつけあうサンナミがおそるおそる近づいていちゃいちゃしてるのが延々続く感じなので、そゆの好きな方に読んでいただけたうれしいです。

やーーー前に出した本も、たくさんの方に手にとっていただけて感激しました。
もちょっと残ってます。
や、わりとあるかな、確認してません。


それではイベント参加される方もされない方も日本にそもそもいない方も、寒さにやられないよう、お気をつけて。
私は今日タイツの上からかっこわるめの厚い靴下を履いて堂々と通勤するくらい意識高く防寒しております。

拍手[4回]

サンナミプロットリレー作品公開ページ  です。


◆実施要項   ◆完成プロット

2016.05.29   第三弾わかばさん漫画更新
2016.03.02   第二弾konohaさん漫画更新
2015.12.31   第一弾作品公開


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


◎→漫画  ○→イラスト  ◇→小説


作者 / <プロット番号> /【タイトル】

↓↑あいうえお順・敬称略



相澤萌

網子

○うさこ <7>

○うさこ <8>

◎konoha 【Hear my song】(konohaさんのサイト、Blue forestへリンクが飛びます)

◇こまつな 【やわらかな呼吸】

◇サクミ 【波の間に間に漂うもの】

さち

◇タマ 【青の酔夢】

◇柊子 【キスからはじめよう。】

中村マコ

ニコル

ひよ子

◇モンモト 【ウェイク・アップ マイxxx】

○Yui <8>

◎雪 <7,8>

◎雪 <13>

ルク

◎わかば 【すれちがいダーリン】


拍手[16回]



遥かなるグランドライン、新世界を目指すその海原に堂々たる船影あり。

抜けるような晴天の、きらきらと照り輝く海が穏やかに凪ぐ午後だった。
和やかな気候にふさわしい笑みをたたえたサウザンドサニー号。その船の美しき航海士は、何かしら、と小首をかしげた。
目の前では同じく同船の一流コックが、優雅にスイーツを給仕している姿があるばかり。

「レディたち。本日のリラックスおやつは、カスタードパイ。桃のコンポートとバニラアイス添えでございます」
甘く気取った言い回しで、デッキチェアでくつろぐ航海士の自分と考古学者、二人分の皿と茶器を用意してくれる。
その、普段通りすぎるほど普段通りなサンジの動作の中に、ナミはふと違和感を感じたのだ。
「こちらのキャラメル風味のバルサミコソースをかけてお召し上がりください」
ありがと、と皿を受け取りながら、注意深く様子をうかがってみる。

まず第一に、目が合わない。いつもなら嫌というほど感じる視線が、今日はない。
第二にハート――これは目に見えるように濃厚な気体状のそれである――が飛んでいない。目にも映していない。言葉の端々にも、感じない。
それはフェミニストとして絶対のプライドを持つこのコックに限っては珍しいことであった。彼女に応対する時には、特に。
思い過ごしかしら、と結論付けようとしてみたが、胸にいくらかのもやがかかって、消すことができずにいた。

まさか、ね……。

気を取り直して、とりあえず普通に話しかけてみる。自然に、あくまでも自然に。
「ねぇ、サンジ君。この桃ってこの前の島の……」
「ああ、そうそう。買い出しに寄ったあの小さな村の市場で見つけてね」
新鮮なうちに煮て調理しておいたのさ、と滑らかに続けながら、順番に紅茶をカップにそそぐ素振りに合わせて移動する。そして答え先をさりげなくロビンにすり替えて微笑んだ。何てことだ、とナミは密かに動揺した。これはあきらかに避けられている。

「サンジー! 俺にもデっザートぉー!」
「いい匂いがするなぁ~、今日のメニューは何なんだ、サンジ~?」
「うっせー、野郎ども! お前ぇらの分はキッチンだ! 飲み物も用意してっから、手盛りで勝手に食ってろ!」
ひゃっほー! と、船長と狙撃手が騒がしい足音を響かせながら扉の向こうへ消えていく。それに倣って船内へと向かう剣士やトナカイやロボにも、サンジはしっしっと手を振った。
一味の仲間に対する態度はごくごく平素通り。ナミはほんの少し、ムッとした。

なんなの! これってつまり、あたしだけ!?

しかしそれ以上考える間を与えず、せっかくのリラックスタイムも中断することになる。見張り台からブルックの声が降ってきたのだ。
「皆さぁーんっ、敵襲~、敵襲~、海軍のご一行様ですよぉ~っ」
およそ緊迫感からほど遠い調子で、このほど新しい仲間となった音楽家はヨホホホホっと歌うように告げている。おやつを切り上げ、クルーたちは各々、素早く持ち場に配置。
たぶん、敵陣営の指揮官は中将クラスだろう。率いている船の装備が良く、数も多い。まともに相手をするのは得策とは言えない。ナミは逃走航路を必死に計算で叩き出そうとしていた。
「ナミさんっ!」
その声にはっとして上空を仰ぐと黒々とした砲弾の影。とっさのことにナミは立ち尽くした。
しまった、と思うより早く、視界に大きな影が飛び込む。ゾロだ。両腕と口とに携えた三本の刀で一閃、砲弾を切り捨ててナミを背にかばうように降り立った。

ゾロの背中を目で追っていたナミは、その肩の向こうにサンジがいるの見た。彼は侵入してきた海兵を回し蹴りでなぎ倒した後、こちらに複雑なものを含んだ顔を向ける。入り乱れる感情を抑えきれないようなその一瞬の表情はとても……酷い。
いつものようにそのままゾロに悪態を吐き、言い争いでも始めるのかと思いきや、ふいと顔を背ける。そのまま戦闘に戻るサンジを見て、ナミはとうとう違和感を確信に変えざるをえなかった。

絶対にバレてる……。



予想にたがわず、サンジはナミの不信感に気付いていた。申し訳ないと思いつつ、どうしても平常心で接することができなかった。マリモに目くじら立てちまうなんざ、俺もまだまだ青くせえな、と煙草の煙にため息を忍ばせて吐き出す。
「サンジ! 後ろだ!」
ウソップの呼び声に、我に返る。続々と海兵がサニー号に上がってきていた。火薬星を飛ばしてウソップが援護をよこす。
「大丈夫かよ~! なんかお前、調子でも悪いのか?」
「いや、すまん、何でもねぇ!」
いかんいかん、集中! と頭を振ったサンジだったが、海兵に蹴りを見舞うべく跳躍した先、見渡した視野の片隅に、ゾロにかばわれたままのナミの姿がするりと入り込む。
瞬間、思わずそちらに気を取られ、横から来る砲撃に一歩反応が遅れた。鋭い衝撃が左足をかすめる。着地と同時に手をついて、そのまま旋風のように足技を繰り出して辺りの海兵を一掃した。
黒いスーツに血色の染みがじわりと浮かんでくるのがわかった。左足の負担を格段に減らして誰にも気取られないよう画策を試みる。だがこの船の船医は優秀だった。脇で見ていたチョッパーは、あ、と息を呑んだ。

軸足を負傷してサンジの動きは我知らず鈍くなる。
「あいつ、ほんとに大丈夫なのかよ~」
ちらちらと様子をうかがっていたウソップだったが、サンジが将校でもない一海兵にあわや打ち取られそうになり、土壇場で蹴り飛ばしたのを見て、
「だぁぁああ! もうっ!」
たまらず煙幕を張った。灰煙の中でさえ、サンジはいつになく冷静さを欠き、むきになって海兵を追おうとしてみせる。
「百花繚乱(シエンフルール)」
「ぅおっ! ロビンちゃん!?」
無表情ながらも、サンジの様をいぶかしんでいたロビンが、サンジの身体、床から壁へと花を咲かせる。そのまま海軍からも一味からも死角になるみかん畑の隅へと半ば強制的に誘導した。がさがさと、ナミが日ごろ何よりも大切にしているみかんの枝葉が揺れて、黄色い頭を包み込んだ。

その間にサニー号は煙幕に紛れ、逃走ルートに舵を進めることに成功したようだ。軍艦の一団がみるみる遠ざかっていくのが、後方の海にちらりと見えた。
ほっとしつつも、情けねぇな、とひとりごちて、サンジは木の幹に背を預けた。煙草を咥えなおし、熱を持っている自身の左足をのぞき込む。と、そこへ茂みをかき分けてひょっこりとナミが顔を出した。
「サンジ君、ちょっといい?」
「な、何? ナミさん」
「さっきの、おやつの時のことなんだけど……って、その前にここで何してるの?」
どうやらナミは怪我には気づいていないらしい。サンジはスーツの裾をつまんだままの指先をぱっと離し、頭を掻いてみせた。
「さっきので足を滑らせてさ、ちょっと裾が破けちまったかなぁ~って確認してたとこさ。それより何? 話って。愛の告白だったら俺ぁもうとっくの昔に心は決まって――」
ことさら能弁にふるまって明らかに何かしらを誤魔化すサンジを、ナミはじっと見つめている。
「私に何か隠してるでしょ」
彼女はよく切れるナイフのように、すぱりと切り出した。
「……ナミさんこそ」
「どういうこと?」
サンジは一瞬、ためらうような表情を見せたが、すぐに真摯な青い瞳でナミを捕まえた。
「昨日の夜、キッチンで……ナミさん、俺にキスしたろ?」

昨夜はやり始めた仕込みについ熱が入ってしまった。波に乗ってあれもこれもと調子よく食材の整理をするうちに、いつの間にか時刻が深夜をまわっていたのだ。
ちょいと休憩、と椅子に腰かけたつもりが、キッチンの机に伏してそのまま寝落ちてしまったらしい。ふと気付いたらテーブルの冷たい感触が伝う片頬の、その反対側に、やわらかなぬくもりを感じた。ついで、ふわりと鼻孔をくすぐる柑橘系の香り。まざまざと爆発的に覚醒する頭が、幸福の衝撃(ナミさんが俺にキス!?)という結論を導き出して、目を開けることもできずにただ己の鼓動を聞いていた。

「気づかないふり、してた」
ごめん、とサンジは一度、目を伏せる。
「でも、わけがわからん。あんなことされて平常心でいられるわけがねぇよ」
ナミは何かを言いかけて止め、サンジと視線を同じく下に落とす。そこで、異変に気付いた。
「ちょっと、あんた足怪我してんのっ?」
「ああ、いや……これは我が黒足の餌食になった海兵どものもんさ。返り血ってやつだ」
すっとぼけるサンジだが、じわじわと滲み出していたそれはもはや滴らんばかりに裾を重くしている。
「……何嘘ついてんのよ」
「そらナミさんだって」
「私は嘘は、ついてないもん」
互いに譲らない二人が双方押し黙って、しばし静寂が流れた。

と、唐突にナミが、
「じゃんけんしよっか」
「ぇあっ?」
「最初はぐー……」
「ちょ、ちょっと待っ……」
勝手にじゃんけんを始めようとする彼女を手で制しようと試みる。しかし習性とは恐ろしいもので、思わずつられて彼も手を出し、あまつさえ勝ってしまう。
「なんでこんな時に限って……」
ナミは怒っているのか喜んでいるのか、複雑な表情で薄く笑ってみせた。
「俺の勝ち。ナミさん、嘘ついてねぇって……」
「サンジぃ~! お前怪我してんのかぁ~!」
「おーい、サンジー! 診察するぞぉー!」
まるでサンジの問いかけを遮るように、ルフィとチョッパーの声が届いた。
「続きは後よ」
サンジが止める間もなくナミはくるりと身を翻す。そして声を上げて、二人をこちらへと呼んだ。



そのままサンジと会話することもなく夕食の時間になった。
サンジの傷は重症ではなかったらしい。足首に包帯の白が見え隠れするものの、彼はいたって軽快にキッチンを歩き回って大貝のパエリアやボーンフィッシュのブイヤベース、巨タコのアラビアータパスタなどなどをふるまってくれた。
「サンジ、傷の具合はどうだ? 痛みはひいたか?」
「ああ、ドクター。いい薬もらったおかげで痛みは全くと言っていいくらい感じねぇよ」
「そっか!」
チョッパーは満足げに顔を綻ばせる。サンジがそれに頷き返したその横で、
「どんくせぇんだよ、エスカルゴ眉毛」
と、揶揄(やゆ)が飛んでサンジの表情が強張った。
「んだと、この三流剣士がっ!」
「誰が三流だ、このヘボコックっ! 足手まといになってんじゃねぇよ!」
「もういっぺん言ってみろこの緑ダコ! 三枚におろすぞっ!」
「やんのか、エロ眉毛っ!」
始まってしまった。一味の双璧たる実力者二人の喧嘩に、二人を凌ぐ頭目たるルフィは手を叩いてげらげらと笑っている。全く、あてにならない。
船長をのぞく総員でもって引き離し、フランキーとブルックがゾロの肩にがしっ、と腕をまわす。
「まぁ、まぁ。兄ちゃん。あっち行って飲みなおそうぜ。今夜の月はなかなかのもんだぜ」
「ゾロさん、私さきほど大王イカの塩辛を拝借しちゃいまして。秘蔵の日本酒を開けるのにもってこいの肴かと……」
大人二人のうまい勧誘にゾロの心は動かされたようだ。月見酒は悪くねぇ、と、そのまま和気あいあい、デッキへと出て行ってしまった。
相も変わらず楽しそうに成り行きを見守っているルフィと、人型になったはいいがおろおろと右往左往していたチョッパーに、ウソップが声をかける。
「よぉし! 俺たちも宴と行こうぜ! デザートたらふく持ってデッキに集合~!」
「デザート!? 賛成~!」
「うったっげっ! うったっげっ! ロビン、お前も来るだろ? サンジはナミに任しときゃいいよっ」
きゃっきゃと準備を始めているウソップとチョッパーの横から、ルフィがロビンを手招きした。
「ちょっと、ルフィ!」
ああ、我らの偉大なる船長。彼は何もかもを知ってか知らずか、ときとしてこうして核心を突くようなことを言うのだ。
「そうね」
くすりと笑みをこぼしたロビンは、船長の仰せの通りに、とナミに目配せをする。
「ロビン!」
ナミは呼ぶが、名前を言い終えるまでも待つことなく、ロビンはルフィらとともに扉の外へと消えていった。

嵐が去って、夜の帳の下りたキッチンに二人きり。
話の糸口を探していたサンジに、ナミが再び、
「じゃんけんしよっ!」
と、言い出した。
またぁ? とサンジは毒気を抜かれてしまう。それから観念したように、ふうと息を吐いて、よし! と声を上げた。
「わかった! んじゃあ、こうしよう。負けた方は勝った方の質問に必ず答えること」
「……いいわ」
それから何度か、子どものように無邪気にじゃんけんを繰り返した。最初はナミが勝って「好きな紅茶って、どこのもの?」と聞いた。サンジがそれに「ウェストブルー産セイロンブレンドのオレンジペコがおすすめ」と答える。二回戦はサンジの勝ち。「晴れの日と雨の日と、どっちが好き?」との質問に「晴れ。雨も、嫌いじゃないけど」との返答。それからいくつか、そんな他愛のないやり取りが続いた。

何度目かに勝った時、ふいにサンジが問うた。
「みかん畑での……最初のじゃんけんは、どうする気だったの」
そうね、と曖昧に零すナミ。
「勝ったら、キスするつもりだった、て言ったら?」
質問に質問で返すのかと、サンジは思わず苦笑した。
「じゃあ俺が勝ったから……俺がキスしてもいい?」
「一回につき質問は一つよ」
「なんで、俺にキスしたの?」
「わからないの?」
「わからねぇ。なんでなのか、ちゃんと言葉で聞かせて?」
「質問は……――」
紡ぎかけたナミの言葉の最後は、すいとサンジの唇に掬い上げられるようにして消えていった。わずかの時、夜の静寂だけが辺りを支配する。
唇が離れた後、ナミはぽつりと囁きを落とす。
「一回しか、言わないから」
サンジがうん、と頷いて、ナミはその海の色の瞳に吸い込まれるような錯覚を覚えた。
お酒に酔うのって、こんな感じかしら。
元来、ざる体質のナミにはその感覚がわからない。だけど多分きっと、こんな風なんじゃないだろうか。
頭の芯がじんと痺れるような、足元が浮つくような、そんな妙な心地がする。
この微酔にまかせて、たまには、彼が起きているその目の前で、素直になってみてもいいかもしれない。
静かな夜の闇に、ひっそりと声を紛れ込ませてしまえばいい。
「答え、は――」



翌朝、引き続いての晴天に恵まれた朝食の席。
昼も夜も変わりなくにぎやかな一味の食卓の一角で、サンジがナミに紅茶のおかわりを淹れている。
「これが例のセイロンブレンドだよ。朝はこれをミルクティーでどうぞ、ナミさん」
「へぇえ。ありがと、サンジ君」
ナミが微笑んでミルクティーを口に含むのを見て、サンジは晴れやかな様子で目を細めた。
隣でコーヒーの香りを楽しんでいたロビンは、サンジが離れるや否やナミに耳打ちする。
「昨夜のお話でわだかまりは溶けたみたいね」
「そんな、大した話はしてないわ」
ナミの返答はにべもない。ロビンは、そう、とにこやかに微笑う。
「でもほんとに、よかったわ」
なおも言うと、ふん、とナミは唇をとがらせる。しかしその横顔は、決してまんざらでもないものだと、考古学者は思った。







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ルフィの「デっザートぉー!」がすきです。(唐突
キャラ達の台詞がかぎりなく原作ぽくてすごく私好みの掛け合いをしてくれるなーとニヤニヤ読みました。
ナミさんのキスに気付いた瞬間のサンジの反応も、本当にサンジらしくてかわいいw
最後の一文でロビンちゃんがちょっと大人な目線からにこにこナミさんのこと見てくれてる感じが、なんだかすごくほっこりしましたー


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ンマァアアアアアア(叫んでばっかですみません
話ながらちょっとずつ距離を詰めてくサンジにときめくーときめくー
ナミさんが「質問はひとつ」と言い切る前に手が伸びてるし!
ナミさん絶対に「あーキスされる」って気付いてただろなーニヤニヤ
そんでナミさんのキス顔がスーパー可愛いです~可愛い~
最後両手繋いでるのももうあああああ


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 麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
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さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。



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