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OP二次創作マルコ×アン(エース女体化)とサンジ×ナミ(いまはもっぱらこっち)を中心に、その他NLやオールキャラのお話置き場です
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リバリバ14・15更新しましたーー。

季節はすっかり秋で、私は早速冬布団を引っ張り出して冬ごもりの準備万端であります(まだ秋だって)

リバリバ、14はともかく15は少し長くなってしもうた。
ちょっとマルアン風味がぐいぐい出ていた13までだったので、少し物足りないかもしれませんが。

アンちゃんも、サボも、ル…フィ、も、きっとマルコも、サッチも、イゾウも、それぞれいろんなことを考えているんでしょうねぇ。
自分のことだったり、他の誰かのことだったり。

あと、やっと書けた、だいすきなマキノ姉さん。
もう彼女は、本当に天使です。
きれいすぎないのがいいです。
ザ・庶民派。
だからこそ人に寄り添うのがとても上手いとおもうのです。

マキノに限らず、麦わらの一味の保護者たち、だいすきです。

マキノやフーシャ村の村長も、コウシロウ師匠も、ウソップの母さんも、クソジジイも、ベルメールさんゲンさんも。
あとくれはやヒルルク、オリビアやクローバー博士、トムさんにアイスのおっさん、ヨーキ船長。

本当に血のつながりがあるのはウソップとロビンだけで、
既に亡くなっているのがウソップ母さんにベルメールさんにヒルルクにオリビア、博士、トムさん。
ヨーキ船長は生きてると信じてる。

彼らを知ると、麦わらの一味みんながつよい理由がよくわかるなあーとおもいながらいつも見てましたんよ。


話が脱線しましたん。

マキノは3人の張りつめた感情の緩衝材に、程よくなってくれていたんでしょう。
ずっと!

あ、そういえばルフィの保護者にガープを忘れてましたが、ガープとマキノの組み合わせも大好きです。
エースが生まれた時代の、少女マキノと中年ガープがたまらんよ、と。
ASLとガープの間に常に立って、ずっとにこにこしてたんだろなあと思うと、ガープにとってもマキノは大切であるべきだ、そうにちがいない。


はあ、ともあれ、今後は15並みに1話の分量を多くして、できれば20で収めたいと思っていますが、無理ですね(さわやかな笑顔で)
どう頑張っても20になる気配はありませんよい。
まあ話数はどうでもいいっちゃいいんですが。

あんまり楽しくないシーンが続きますが、そろそろ劇的変化が欲しいところです。





さてさて、更新報告はここまでで、あともうひとつ、アンケートのお願いをしたいのであります。
以前すこしだけ設置したことのあるあれです。
ただの私の興味にお付き合いしていただける方は、どうぞご協力ください。

「わがやでいちばんすきなカテゴリまたはカップリングはどれですかー」という単純なやつです。
麦わらの一味のがすきだー、とかやっぱりマルアンだー、とかそういうのをあの答えてください。

んでもってアンケートの答えを選択していただいて、さらに気が向きましたなら、
その好きなカテゴリの中で好きなお話なんぞを教えていただけたらほんとうれしいです。
投票後、下の方にコメント欄があるとおもうので、そこにおねがいします。

もちろん任意ですので、お気軽におねがいしますよい。


アンケートの結果は、あのその特にどうするとか言うアレはないです。
ただ私が知りたいだけで、予想外の需要があったりすればそっちに力を入れるかも、とかそんな程度です。

よろしくおねがいしまっす(ぺこり)
一応PCの場合は左のエリアにも表示されますが、どちらからでもどうぞー。

拍手[2回]

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予定の時刻を30秒過ぎてアンがやきもきとしていたそのとき、予想以上に大きなざわめきが美術館の正面から昇った。
わあわあと聞こえる声は入り乱れぶつかって、まともな形を成さずにアンの耳に届いてくる。
その音量から、警察の人数が予想より多そうであることを感じた。
アンは濃い青の制帽を目深に被り直して、小さく駆けだした。
 
美術館の門衛は、小さな制服警官を目に留めたもののすぐに視線を外し、壁をよじ登る『エース』の背中を唖然と見上げていた。
アンの頭には大きすぎる制帽は顔を隠すにはちょうど良いがどこか不似合いで、警備隊内部に精通する少し上の地位のものに見咎められればすぐにも怪しまれる。
それが今回の作戦の一番の危険だったが、アンが今目の前を通り過ぎた門衛はまるで疑う素振りも見せなかった。
アンが着込んだ制服は、私立の警備会社のそれだ。
警官である門衛は、警備隊の人事まで把握はしていないらしく、アンはこれ幸いとエースの真下へと集まる人の波に沿って館へと近づいた。
エースが衆目にさらされた今、警官の出入りのために美術館の扉は片方だけだが完全に開かれており、アンは何ら障害もなく館内へと入り込むことができた。
赤い絨毯の広がる一階フロア内は外部ほど警備が多くなく、エースのダミーが位置する3階とエースを直接見ることのできる正面玄関側へと人手が分かれているためらしかった。
アンはさっと扉のわきに体をずらし、下っ端警備のふりをしてとりあえず状況確認をする。
 
今単体で上階に登るのはマズイ。
目立つし、見咎められたら逃げ場がない。
エースのダミーはまだ館内に入っていないのか。
焦りが冷たい汗となって、制服の背中をじっとりと濡らした。
 
突如、ざわっとひときわ大きなざわめきが上がった。
ダミーが館内に入り込んだようだ。
いくつかの足音が外から聞こえてくる。
1階フロアで所在なさ気にうろついていた数名が、外で上がったざわめきと足音に好奇心を剥きだして上階へ続く階段や正面玄関をちらちら眺めていた。
外から聞こえた足音の正体が、アンのわきの正面玄関から入り込んできた。
5名ほどの警官隊が連絡を受けたのか、階段へと一目散に走っていく。
アンは通り過ぎる彼らを横目で眺めて、その最後尾にさっと横入りした。
ざかざかと床をこするいくつもの革靴の一番後ろを、アンは音もなくついていく。
その小さな団体に紛れて、アンは一気に3階まで昇った。
 
3階はさながら閉じ込められた戦場のようだった。
煌々と士気をみなぎらせた制服警官と、異様に鋭い目つきの私服警官たち、そしてアンと同じ服装の私立警備隊が各々周りが目に入っていない様子で走り回っている。
4階に続く階段から、何人かが慌ててアンのいる3階へと降りてくる。
この階段からそのまま4階へ行っては、警官たちの流れを逆走してしまう。
アンはそっと警備隊のかたまりから離れ、右往左往する人の間を縫うように、館の反対側へと足早に進んだ。
 
俯いて歩くと逆に目立つ、堂々としていろと黒ひげは言ったが、どうしても顔は下がってしまう。
アンは自分のつま先の1メートルほど先ばかりを見て歩いた。
 
辺りの様子をうかがうために、アンはちらりと視線を上げる。
アンを気に留めるものなど一人もおらず、アンは誰一人に声をかけられることもましてや視線を留められた様子さえなく、拍子抜けするほどアンはするすると人の波を通り抜ける。
しかし、ちょうど道のりを半分ほど進んだ時、アンの心がひゅっ遠くへ引っ込むように尻込んだ。
目線を上げたその先に、マルコがいた。
明るくない館内の中で、マルコは苛立たしげに無線機のようなものに喋りかけている。
その声までは届かなかったが、マルコの顔色は土気色に近い、とても健康的とは言えないもので。
アンはぎゅっと拳に力を入れて、マルコの3メートルほど隣を通り過ぎた。
力を入れないと、足が止まってしまいそうだった。
マルコはまるでアンの存在に気付かずに、マルコのほうもアンから遠ざかっていった。
 

 
目的の館の最果てまで辿りついた。
既にここは人気がない。
ほとんどの人出が、ダミーが到達すると予測される部屋へと出払っているのだ。
アンは薄暗い非常階段をゆっくりと上った。
 
髪飾りの保管室は、アンが今いる非常階段の近くだ。
きっとここから2部屋先。
アンは階段の最後の段に足を乗せたまま、そっと首だけを壁から覗かせた。
 
思ったより近くに、2人の警官が間隔を置いて立っていた。
黒ひげに聞いていた通り、すばらしくガタイのよい男たちだ。
アンの横幅二人分はあるだろう。
アンは知らず知らずのうちに、ごくんと生唾を飲み込んでいた。
行くしかない、勢いあるのみ。
アンはだっと駆け出した。
 
ぎょっと身を引いた二人の警官の前に走り込んだアンは、目深に被った帽子の下で懸命に低い声を引っ張り出して喚いた。
 
 
「3階フロアにエースが入り込んだ!!暴れていて取り押さえられないんだ、援助に回ってくれ、警視長が呼んでいる!」
「なっ」
 
 
アンの頭上高くで二人の男が同時に息を呑み、ひとりはすぐさまアンが来た方とは反対の階段に向かって走り出した。
もうひとりも走り出した一人に釣られるように足を踏み出した。
だが、気付かず走り去って行くひとりと違ってその男は怪訝に足を止めた。
 
 
「……マルコ警視長からの連絡なら無線から……」
 
 
アンは男の顎に向かって、固めた拳を突き上げた。
ガツンと堅い衝撃が右手から痺れるように腕全体に広がった。
その衝撃のせいで緩んだアンの指の隙間から、ぽとりと小さな注射器が零れ落ちる。
顎への奇襲によって頭を後ろへ逸らせた男は、そのままよろよろと1,2歩後ろへ下がると、ずるんと滑り落ちるようにその場に倒れた。
 
アンは未だじんじんと疼く右手の拳を左手で包んで、荒い呼吸を何度か繰り返した。
黙って訝しがらずに行ってくれたらよかったのに。
落とした注射器を拾ってポーチにしまい込む。
それと引き換えるに、革製の筆箱のようなものを取りだした。
扉の鍵を開けなければならない。
倒れた男をまたいで扉に近づく。
アンは何度も練習した手順を口の中で唱えながら、保管室の鉤に細い器具を差し込んだ。
 
保管室はいつかのコレクションルームと違い、埃臭さより真新しいワックスの匂いが鼻についた。
アンは中に滑り込んで、まず手前の壁に背中を張り付けた。
部屋中に張り巡らされた赤外線の配線図は頭の中に入っている。
ただ、現実は平面のようにはいかない。
アンはほとんどを勘に頼りながら赤外線の網を避けて、部屋の隅まで辿りついた。
そして、電気のスイッチのような小さな突起を指で押し下げる。
ぶぅん、と小さな電子音が響いて、赤外線のスイッチが切れた。
 
街に古くからあるこの美術館の設計は現代的とはいいがたく、赤外線セキュリティがあるのはこの部屋だけだ。
だからスイッチもまるで灯りをつけるようにオンオフが手動で出来るのだ。
知らなければ最大の難所である赤外線も、情報さえあれば簡単に突破できる。
アンは部屋の隅から堂々と部屋の中心、小さなガラスケースへと歩いた。
 
今度こそ、本物でありますように。
髪飾りは薄暗い部屋の中でも濡れたように赤く光っている。
 
ピッキングと同じ要領で、ガラスケースは開けることができる。
しかしそうしてケースを持ち上げた瞬間、セキュリティシステムが作動して警備室に知らされてしまうので、安易にそれはできない。
アンはまた、ごそごそとポーチの中を探った。
小さなサーチライトを取り出した。
黒ひげに使い方を教わったら夢にまで出てきた小道具だ。
 
普通のライトのスイッチを入れるように、突起部分を時計回りに回す。
そしてライトたる部分を、軽くガラスケースに押し付けた。
しばらくすると、ガラスが溶ける湿った音とともに、つんと変わったにおいが鼻についた。
溶けたガラスはちょうどアンの拳が入るほど。
アンはそっと手を差し込んで、髪飾りを取り出した。
今すぐに髪飾りを隅々まで眺めて、本物に掘られているという母さんの名前を探したかったが、ぐっと堪えてアンはそれを子道具入れとは別のポーチに仕舞い、何も入っていない側のズボンのポケットに押し込んだ。
よし、あとは逃げるのみ。
 
そっと部屋のドアから外の様子をうかがう。
相変わらず足元には男が倒れており、人気はない。
それもおかしな話だな、と思いながらもアンにとっては好都合、そそくさと非常階段へと走り去った。
 
 
階下は行き来たときより雑然として、アンは単体一直線で玄関まで淡々と進むことができた。
美術館の表庭は館内以上の混乱をきたしているようで、蜂の子を散らしたような騒ぎになっていた。
アンは玄関ポーチを足早に駆け下りて、まっすぐに正門に向かう。
 
「本物のエースが別にいたのか!?」
「偽物が逃げたっていのは本当かよ」
「外部のどこを見張ればいいんだ!」
「おい警備隊は勝手に動くな、邪魔だ!!」
 
いくつもの怒鳴り声や金切り声がアンの頭上を通り過ぎぶつかり合う。
予想以上のパニックになっている。
情報も錯綜しているようだ。
アンのわきを2人の警備隊員が走り去る。
正門を出て左に曲がる彼らに紛れて、アンは静かに美術館からの脱走に成功した。
 
 
ふたりの警備員は、美術館の角までやってくると館の塀に沿うように角を曲がったが、アンはそれを見送って一人走り出した。
ここからまっすぐ走れば、住宅を抜けて大通りに出られる。
そこに黒ひげの車があるはずだ。
アンは帽子を落とさないようぐっと深く頭に押し付けてスピードを上げた。
黒ひげは危険を承知でアンと住宅街でおちあうことを提案したが、それでは警察が追いかけてきた際逃走劇になる確率が非常に高いのも事実、と懸念していた。
だからアンは、自分が大通りまで走るからいいと言った。
脚には自信があるから、と。
 
冷たい夜風を切りながら、目の前の大通りがどんどん近づいてくる。
大通りに合流するとすぐ、右側の道端にワゴンのようないつもの逃走車とはタイプの違う車が停まっていた。
フロントガラスの向こうで、運転席に座る男が頷く。
アンが素早く車に近づくと、扉が内側から開いた。
中に滑り込んで、丁寧に、静かに扉を閉める。
 
 
「上手くいったか」
 
 
頷いた。
男はバックミラーでアンの仕草を確かめて、静かにアクセルを踏み込んだ。
 
 
「通りを北に行ったところで検問がある。迂回するぞ」
 
 
車はじりじりと、アンがあせるほどゆっくりと大通りを歩くように動いていく。
 
 
「ねぇ、もっと急いだら」
「追ってにエンジン音を聞かれたらまずい。大丈夫だ、突破するときは突破するし策は打ってある」
「策って」
 
 
不意に、パァンとけたたましい破裂音が一つ、夜空に響いた。
足踏みのような小さな動きで車が停まる。
 
 
「……なに?」
「これが策ってやつだ。掴まれ、突破するぞ」
 
 
なにがなんだかわからないが、とりあえずアンは言われた通り後部座席から助手席のヘッドレストに捕まった。
窓の外にそっと目を走らせたが、夜である上にスモークガラスが邪魔をしてよく見えない。
ぐん、とアンの胸を突くように圧力がかかり、車が獣の唸り声のようなモーター音を出して走り出した。
 
 
「伏せろ!」
 
 
運転席の男が叫ぶ。
アンがその声を聞いた瞬間、後部座席左側の窓ガラスが弾け飛んだ。
咄嗟に身を伏せたが、うつ伏せのアンの上に割れたガラスがぱらぱらと落ちてくる。
ちくっとした痛みが後ろ首をかすめた。
車は猛烈なスピードでその場を離れている。
ちっと男の舌打ちが響いた。
 
 
「マルコか」
 
 
アンは顔を上げて、首筋にかかったガラスの粉を掃った。
今のは、マルコが撃ったの?
 
 
「おい大丈夫か」
「平気」
「この車は乗り捨ての普通車だからな、防弾ガラスじゃねぇんだ」
 
 
だから悪かった、とでも言うのか。
アンは後ろを振り返った。
追っ手がやってくる様子はない。
 
 
「……なんで追ってこないの」
「道に釘をばらまいてある。サツの車はパンクして使い物にならねぇだろうよ。だいぶ足止めになるからな」
 
 
それより、と男は少し先を見るように背筋を伸ばした。
 
 
「明るくなる前に車の乗り捨て場所まで急ぐが、お前どこまで一緒に行く」
 
 
アンはつと自分の姿を見下ろした。
この格好はいくら人目がなくても目立つ。
 
 
「脱ぐから適当にその辺で降ろして」
 
 
そう言うと、アンはおもむろに警備隊の制服を脱ぎ始めた。
男はバックミラーにちらりと目をやって、何事もないように車を走らせつづけた。
固い制服を脱いでTシャツ一枚になり、ズボンにくっついていた細々としたおもちゃのような無線機を取り外す。
下の替えはないので仕方ない。
車はちょうどアンの家まであと50メートルほどのところまでやってきていた。
 
 
「ここで降ろして」
「服は置いて行っていい。髪飾りはお前が持って行け。おれが運ぶより安全だ」
「わかった」
 
 
アンは左のポケットにあるふくらみを確認して、扉を開けた。
身体を外に出し静かにドアを閉めると、車はぐっとスピードを出してすぐに角を曲がり、アンの前から姿を消した。
アンは煌々と街灯の光る歩道を横切って、自宅のドアに手をかけた。
帰ってこれた。
 
 

 
Tシャツを脱ぐと、ぱらりとガラスの粉が足元に落ちたので、慌ててそれらを拾い、粉を落とさないよう気を配りながらそれを丸めてゴミ箱に突っ込んだ。
襟首のところに、後ろ首から流れた血が少し滲んでいた。
破片がかすった程度だったので、痛みはそれほどない。
ズボンも脱いで、自分の、比較的楽なものに履き替える。
ガチャリとドアが開いた。
 
 
「あ、着替えてた」
「うん、もう風呂は明日」
 
 
ルフィは、上半身下着姿で替えのTシャツをクローゼットから引っ張り出すアンの背後に歩み寄ると、どんと腰を下ろした。
アンは自然な仕草で、長い髪を後ろに払う。
もぞもぞと服にそでを通しながら、アンは後ろを振り返った。
 
 
「なに、どうしたの」
「そのTシャツ捨てんのか?」
 
 
ルフィの視線はゴミ箱を捉えていた。
あぁ、うんと曖昧にアンは頷く。
 
 
「ちょっと汚れちゃって」
「洗えばいいのに」
「取れそうにないから」
「フーン、珍しいな。アンが物捨てんの」
 
 
そうだね、と言いながらアンは立ち上がった。
ルフィはふわあと欠伸を漏らす。
 
 
「アンタももう寝るんでしょ」
「うん、ねみぃ」
「起きて待ってなくてもいいのに」
「いいんだ、それは」
 
 
サボもまだ起きてる、とルフィは立ち上がった。
 
 
「バンソウコウ、持ってこようか?」
「え?」
 
 
アンは咄嗟に首すじに手をやっていた。
その仕草を、ルフィはきょとんと眺める。
 
 
「……い、らないよ」
「そうか、じゃあ寝るぞ」
 
 
カチッ、と小さな音ともに灯りを落とした。
隣の寝室に入る。
サボはまだいない。
ルフィはすぐさま真ん中のベッドに倒れ込んだが、アンは左右に首を振ってサボを探した。
いない。
 
 
「サボは?」
 
 
ぐおぉ、と唸り声が返事をした。
もう寝てるし、とアンは呆れて真ん中のベッドに歩み寄った。
 
 
「ほら、腹冷えるんだからちゃんと布団着て」
「んんー……」
 
 
ばさりとルフィの上にかぶせた布団を、ルフィは器用に身体に巻き付けた。
アンはすとんとその隣、自分のベッドに腰を下ろす。
音もなく寝室にサボが入って来た。
 
 
「なんだ、もうこっちにいたんだ」
「ごめん、探してたの?」
「いや、いいんだ」
 
 
はわあああ、と声を上げてサボは大きな欠伸をする。
アンは窓の外に目をやった。
まだ空は暗いが、じきに朝がやってくる。
 
 
「今日は休業で明日は日曜だから、ちょうど2連休になるな」
 
 
サボは自分のベッドに這い上がりながら、どこか嬉しそうにそう言った。
そうだね、とアンも答える。
 
 
「どこか行こうか」
「どこかって、どこに?」
 
 
サボがバタンと体を横たえたので、アンも同じように身体を倒した。
 
 
「それは……また、あした、決めれば……」
 
 
はわあああ、とまた欠伸が聞こえた。
そうだね、と同じ返事をする。
 
 
「おやすみ……」
「おやすみ」
 
 
そのまま、サボはすぅと落ちるように寝入ったようだった。
アンは少し顔を上げて、並ぶ二人の顔を見比べる。
ふたりとも少し口を開けたまま、すぅすぅと健やかな寝息を立てていた。
疲れているんだな、と思った。
ルフィも、サボも、あたしも。
 
アンはそっと毛布を引き寄せながら、二人に背中を向けてブラインドのかかった窓を見つめた。
そろそろ考えなければいけない。
アンがいない、ふたりの未来を。
 
 
 

 
鍵はずっと、アンが持っていた。
街の東南の果てへと続くゆるやかな坂道を、3人分の足音が昇っていく。
中心街の喧騒はずっと遠くの下の方へと離れ、辺りは静かだ。
車がなければ生活できないような辺鄙な土地に、その家はあった。
アンたち3人は丘のふもとでバスを降り、長く続く坂を延々と上った。
徐々にその家の屋根、外壁、そして門構えと全貌が見えてくる。
一般家屋とはいいがたいその「屋敷」は、アンが人生の最初の半分を過ごした場所だ。
アンは坂を上る途中で、羽織ってきたカーディガンを一枚脱いだ。
大仰な門構えが目の前に迫ったときには、既に額が汗で濡れる程でもあった。
 
 
「思ったより、遠かったな……」
 
 
サボも、ふぅと息をついている。
ルフィだけが元気に、さっさと門へと走り寄って行った。
 
 
「この塀の上! よく3人で走ったよな!」
 
 
ルフィが家をぐるりと囲む塀を指さして大きく笑う。
つられて、アンとサボも顔に笑みをのせた。
絡まり合うような3つの甲高い声が、聞こえる気がした。
 
 
あらゆる花木が美しく繁茂していた庭は、今や小さな林のように無造作な緑一色になっていた。
広い庭は、知らない場所のように片付いて殺風景だ。
門の中に足を踏み入れた3人は、その光景をただじっと眺め渡していた。
小さなバケツも、赤いスコップも、3つの水鉄砲も、こっそり掘った宝物入れの穴も何もない。
アンは顔をのけ反らせるほど上を仰いで、屋敷の全貌を視界に収めた。
これがあたしの家だったなんて、嘘みたいだ。
 
昔の家へ行ってみようと言い出したのはアンだった。
暇を持て余して日曜を過ごすほど、3人とも出不精ではない。
むしろその逆、時間を勿体なく感じて仕方がない。
ではどうすると考えるものの、特に3人とも思い当たる行くべき場所もない。
そう広いわけでもないこの場所で、特にめぼしい場所もなかった。
だから、アンがあっと思いついた最初の案は、「ダダンの家に行ってみよう」というものだった。
 
 
「最近会ってないしさ、たまには顔見に行くのもいいんじゃない」
「えぇぇ、ダダンの?」
 
 
ルフィは顔をくしゃっとしかめたものの、それほど嫌なわけではないのだろう。
「絶対ェクソガキって言われるな」とすぐににしゃりと笑いだした。
そこでふと、思ったのだ。
どうせ昔の家へ行くのなら、本当の昔、アンたちの「本当」の家へと行ってみたらどうかと。
それを口に出してみると、ルフィは「あぁ」と至極普通に相槌を打ったが、サボが微かに眉根を寄せた。
 
 
「今まで、一度も行ったことないな」
「うん」
 
 
いいのか、とサボの目線が問うていた。
鍵はずっと、開けることのない引き出しの中にしまってある。
 
 
「ずっと、行かなきゃいけないと思ってた」
 
 
アンが食卓をはさんで向かいに座るサボの手元に視線を落としてそう言うと、ルフィが「すげぇ、何年ぶりだ?」とさっそくわくわくした声を出した。
そうして翌日、この屋敷へと赴くことが決まった。
 
 
屋敷の外壁はひび割れこそないものの蔦が這い、雨に打たれて色は風化していた。
朱色の屋根は薄黒くくすんで、まるで廃屋。
大きな扉はチョコレートの板のように深い茶色で、水を含んだ重たい木の色をしていた。
アンはその扉の金色の鍵穴に、そっと鍵を差し込んだ。
ガチャン、と何かを隔てるような重々しい音が響いて錠前が開いた。
 
重たい扉を両手で開けて中に踏み入った3人は、予想を裏切る家の中の様子に唖然として立ち尽くした。
埃臭く、濁った色に汚れ、蜘蛛の巣の張り巡らされた薄汚い屋内の想像と、現実はまったく反対だった。
薄茶色のフローリングはまるでワックスをかけたばかりのように、薄暗い中でもきらりと光っており、いくつか残っている下駄箱やローテーブルなどの調度品も埃ひとつ被ってはいない。
ローテーブルの上に置いてある大きな花瓶に花こそ生けられていないものの、そうであってもおかしくはなかった。
それほどに、磨かれていた。
 
 
「なんだ、めちゃくちゃキレイだ」
 
 
ルフィがぽかんと口を開けて言う。
アンもこくりと頷いた。
サボが一歩足を踏み出すと、木の床が微かに軋んだ。
 
 
「誰かが、掃除してくれてたのか……?」
 
 
サボは一通り周りを見渡してから、アンに尋ねるように向き直った。
アンは「わからない」と首をかしげる。
ダダンの家に住むようになって、そして今の家に住むようになってから、一度もここへ来たことはない。
定期的な掃除を誰かに頼んだ覚えも、そんな話も聞いたことはなかった。
 
 
「じぃちゃんかな」
 
 
ポツリとアンが呟くと、ルフィが顔をしかめて「それはねぇ」と言う。
 
 
「じぃちゃんがわざわざそんなことするかよ」
「でも、誰かに頼んでおいてくれたのかもしれないぞ」
 
 
ありえる、とアンはピカピカの壁に手を触れながら頷いた。
しかし、ルフィのじぃちゃんが人に頼んでくれていたなら、その旨をアンたちに伝えてくれていてもおかしくない。
そもそも、じぃちゃんは今この街にいない。自分の目の届かないところで見ず知らずの人間をアンたちの家に勝手に上げるような真似をするような人ではない。
無骨で乱暴だが、繊細でもあるのだ、あの人は。
 
あっ、とルフィが声を上げた。
 
 
「マキノじゃねぇか!? じぃちゃんが、マキノに頼んでくれていたのかも」
「あぁ、なるほど」
 
 
サボも合点した様子で頷いた。アンもそれがいちばんもっともらしいかも、と思う。
マキノは、ダダンの家の近くで小さな酒屋を営む若き女店主だ。
ダダンに放置されて無法図に育っていく3人を、かろうじて常道へと収めさせてくれていたのが彼女だった。
優しくて、温かくて、母代りには年若すぎるが頼りになる美しい姉。
3人とも、マキノが大好きだ。
 
 
「でももしそうだとしたら、こんな遠くまでこの広い家、掃除してくれてたなんて……しかもそれ、今まで知らなかった」
「じゃあここの帰りに、久しぶりにマキノの店に寄ろう。もしマキノが掃除してくれていたなら礼を言わなきゃだし、そうじゃなくても何か知ってるかもしれない」
 
 
そうしようそうしよう、とルフィが一二もなく賛同した。
口元が緩んでいるところを見ると、何かマキノの作る料理を期待しているに違いない。
ただアンも、久しく会っていないただ一人の姉の姿を思い浮かべて、すこしだけふわりと心が浮かんだ。
 
 
 
3人は長くて広い廊下を進んで、リビングへと足を踏み入れた。
ソファも、机の配置も、食卓のテーブルも、本棚も、すべてがそのままだった。
廊下と同じように、どこもかしこも埃をかぶっている様子はない。
室内の空気が多少こもっているくらいで、埃臭さや息苦しささえなかった。
しかし部屋に入りリビングの全貌を視界に収めたその瞬間、眩暈のように頭が強く揺さぶられ、頭の内側から流れ出す映像がとめどなくアンを襲った。
 
父さんがソファでだらしなく寝そべっている。
ルフィが床に座り込んで、おもちゃの電車を超高速で走らせる。
サボがそれを笑って覗き込む。
アン自身もその手に自分の電車を持っていた。
ルフィに張り合って線路の上を走らせる。
いつも開いたままだった大きな窓から、庭を吹き抜ける風が家の中を通りすぎた。
食事の匂いが身体を包んだ。
ごはんの前に手を洗ってらっしゃい、と左側から声がした。
そっちはキッチンだ。
エプロンを閉めた母さんが、振り返って微笑んだ。
ガツン、と頭の内側から石がぶつけられたように痛んだ。
「う、」と小さく呻くと、がしりと肩を掴まれる。
 
 
「アン、大丈夫か」
 
 
大人びたサボの声は全てを現実に引き戻した。
過去の記憶は霧散して消えていく。
大いびきをかくソファの上の父さんも、小さな手に電車を握るルフィも、サボも、自分自身も、振り返る母さんの笑顔も。
 
 
どうしてだれも、ここにはいないの?
 
 
「アン!!」
 
 
いつのまにか、自分のつま先がものすごく近くにあった。
しゃがみこんでいた。
そのまま前に視線を遣ると、食卓のテーブルの脚が林立する景色が視界に現れた。
ここは、アンたち3人のささやかな隠れ家だった。
大人の視界から隠れた3人だけの世界。
あの日、父さんも母さんも帰ってこなかったあの日、アンたち3人はこのテーブルの下にいた。
いつまで経っても帰ってこないふたりをここで待っていた。
突然上がりこんできた大勢の足音を、ここで聞いた。
 
背中全体を守られるような温度がアンを包んだが、それでも頭はクラクラと常に揺れ、視界はチカチカと白や緑の光にまたたく。
胃がぐっと上に持ち上がる、堪えがたい不快感が胸と喉元に広がる。
咄嗟に口元を押さえた。
強く目を瞑った。
不意に、背中を包むものとは別の温度が、しゃがみ込むアンの前方を包んだ。
そのぬくもりにほんのかすかに気が緩んだ時、ふわりと体が浮かぶ。
小さな子供がされるように前からアンを抱き上げたのは、ルフィだ。
細い肩はしっかりとアンを抱えて、淀みなくソファへと歩いていく。
アンは背中からソファの柔らかい生地に迎えられた。
サボの呆れ混じりのため息が聞こえた。
 
 
「いきなり動かして、吐きたくなったらどうすんだ」
「そしたら吐けばいいんだ。おれ『吐く』ってどんな感じかしらねぇけど」
 
 
だいじょうぶか、へいきか、とルフィはアンの顔を見下ろすように覗き込んだ。
目を開けると、至近距離にあるルフィの顔の後ろに高い天井が見えた。
視界はもうチカチカしていない。
だいじょうぶ、とアンは自身の手の甲を額に当てながら呟いた。
 
 
「ごめん、ちょっと……」
「いい、無理しなくていいんだ。今日はもう帰ろう」
 
 
ごめんな、とサボはアンの手を取って、強く握った。
頭が重たくて、喉も狭くなって、どうして謝るのとは訊けなかった。
 
 

 
サボはこのまますぐ帰ろうと言ったが、アンは「マキノにだけは会いに行きたい」と言った。
サボは心配げに眉根を寄せたが、もう本当に平気だから、とアンが笑うとサボは「じゃあマキノの家で休ませてもらおう」と言った。
ルフィは変わらず、マキノに会えるのでうれしそうにしている。
 
ソファから立ち上がると少し足元がふらついたが、歩けないほどではない。
アンはルフィとサボに挟まれて、屋敷を後にした。
しっかりと鍵をかけ、門を閉じる。
長い長い坂は、行きよりも短く感じた。
 
 
マキノの家は街の北東エリア、あまり治安がいいとは言えない場所にある。
しかし酒屋として生計を立てるならばそれくらいの治安でなければ儲からないのかもしれない。
実際マキノはそこで、果敢に店主を続けている。
アンたちは坂を下りて、またバスを拾った。
バスはマキノの店のすぐそばでアンたちを降ろす。
時刻は昼過ぎ、ルフィの腹が屋敷を出たあたりからうるさい。
 
マキノに訪問の連絡は入れていなかった。
買い物中などでなければ店にいないということはないだろうが、突然の訪問に驚くことは間違いない。
それが迷惑であると感じるような人ではないことを、アンたちは知っている。
店は準備中だったが、鍵は開いていた。
古い木の扉を開けると、ほの暗い店内の奥から「いらっしゃい」と闊達な声が聞こえた。
 
 
「ごめんなさい、いま、準備ちゅ、う……」
「マキノ」
 
 
マキノは目いっぱい背伸びをして、プルプルと足元を震わせながら、高い棚にある酒瓶を取ろうと手を伸ばしている最中だった。
アンの呼びかけに、震えていた身体がぴたりと止まる。
パッと振り向いた顔は、予想通り驚きに満ちていた。
 
 
「あなたたち……!!」
「マキノー!腹減った、なんか作ってくれ!!」
 
 
準備中の店内に他の客がいないからいいものの、ルフィはひとりでがやがやとカウンターまで歩いていく。
マキノは初めこそ目を丸めて驚いたものの、すぐに破顔してみせた。
 
 
「おどろいた、久しぶりね。あなたたち全然来ないんだから」
「ごめん、最近忙しくて。マキノもだろ?」
 
 
サボの言葉に、マキノは細い眉を少し寄せたまま笑って頷いた。
 
 
「順調みたいね。うわさは聞いてるわ。私も店がなかったらすぐに行きたいんだけど」
「いいよ、マキノの店が開かないと困る人が多いだろ」
 
 
それよりさ、とサボはちらりと横に目を走らせた。
マキノがその視線に引っ張られて、アンの方に目をやる。
そしてすぐ、白い額にいくつか皺を作った。
 
 
「アン、あなた、ひどい顔」
「ちょっと休ませてくれないか、アンが少し疲れて」
「当たり前よ、アン、こちらにいらっしゃい」
 
 
アンはマキノに手招かれ、サボに背中を軽く押されて、戸惑いながら歩き出した。
ひどい顔って、どんな顔をしているというんだろう。
マキノはアンの背中を支えるように触れると、カウンターの中から通じるマキノの自宅のほうへとアンを招き入れる。
 
 
「アンを休ませてからあなたたちのごはん、用意するからちょっと待ってて」
「おう!」
 
 
ルフィが鷹揚に返事をするのを、アンは背中で聞いた。
マキノに連れられて、狭いが小奇麗な家の中を歩いていく。
マキノはアンの顔を覗き込んで、少し眠りなさいと言った。
小さな一室の清潔なベッドにアンを連れていき、そこに横たわらせる。
 
 
「お腹が空いてるなら後で何か持ってきてあげる。どう?」
「いまは……いいや」
「そう」
 
 
ゆっくりしていいからね。そう言って、マキノはアンのお腹の辺りを一つ叩くと立ち上がった。
布団で顔を半分隠したまま「ありがとう」と呟くと、マキノは「あなたの顔を久しぶりに見られてうれしい」と笑い、そのまま部屋を後にした。
 
あたしも、マキノに会えてうれしい。会いたかったんだよ。
言いそびれた言葉を頭の中で再生して、アンは目を閉じた。
眠れそうにはなかった。
サボには平気と言ったが、まだ頭の中は収拾がつかない程度に混乱していた。
アンを襲った記憶にではない。
あんなふうに、記憶に襲われたことに戸惑っていた。
 
父さんと母さんがいないことは、この10年の間でアンの中ではすでに当たり前の事実だった。
到底納得のいく話ではなかったが、それでも整理をつけるのに十分な年月をアンは生きた。
親のいない子供など、世の中には山ほどいる。
アンより過酷な道を生きざるを得ない子供も、きっといる。
かけがえのない兄弟がいるアンはきっと、その中でも幸せな部類だ。
それなのに、あんなふうに、少し過去の破片を目にしただけでその「事実」は果てしなく理不尽なものに感じられた。
 
どうして父さんも母さんもいないのにこんな家があるの。
あたしたちはどうしてここに住んでいないの。
どうして3人ぼっちでしかないの。
どうして死んでしまったの。
どうしてあたしたちだけが生きているの?
 
十分だと、これ以上ないくらい幸福だと思っていた生活に、アン自身が実は満足していないということを、自分の手によって裏打ちしてしまった。
きっとあの家に戻ることさえしなければアンは今の生活を至福として過ごしていけた。
時々両親のことを思い出して、少し悲しくなって、それでもルフィとサボがいるから十分だと。
 
ずっと、逃げていた。
あの家にいつか戻って、少なくとも自分の目で今とは別の生活があったことを受け入れて、そして納得したうえで今の生活を続けていく。
その覚悟が必要であると分かりながら逃げていた。
忙しさにかまけて、なかったふりをして。
やっと覚悟を決めたと思えばあのザマだ。
サボとルフィだって、辛くないわけがないのに。
あたしはいつだって、自分のことばかりだ。
 
いやになる、とアンは仰向けの身体を転がして壁のほうを向いた。
こんなあたしを赦してくれるひとはきっといない。
赦してほしいと思ってはいけない。
サボとルフィの優しさはアンを赦しているわけではない。
甘やかしてくれているのだ。
あのふたりはきっと、頼まなくても一生アンを甘やかし続けてくれる。
それで赦された気になってはいけない。
誰も縛ってくれないあたしを、あたしは自分で縛らなければならない。
 
アンはけして弱音の洩れることのない唇をきゅっと噛みしめたまま、いつのまにか眠りに落ちた。
 
 

 
「アンは?」
 
 
アンの様子を見に行って、そして戻ってきたマキノにすかさずそう問うと、マキノは「寝てた」と口の形だけで返事を返してきた。
そう、とサボは張りつめていた肩の力を少し抜く。
本当ならば引きずってでもすぐに家に連れて帰りたかったが、マキノに会いに行くとアンは強情に言うし、言い出したら聞かないことも知っている。
結局、こうしてマキノの家でアンが休むことができたので、ここに来てよかったと思う。
マキノはカウンターの向こうで磨き終わったグラスを丁寧に棚に戻しながら「久しぶりに見たわ」と何気なく零した。
 
 
「なにを?」
「あんな顔のアンよ。真っ青で、見るからに気分悪そうな顔するなんてそうそうないわ」
「……そうだな」
 
 
言われてみれば、サボもあんな顔のアンを見たのはむしろはじめてな気がした。
いわゆるアンのつらい時期にアンがどんな顔をしていたかは、さすがにサボも鮮明には覚えていない。
「アンは腹も壊さねぇからな」とルフィが神妙な声で言った。
 
 
「あなたたちは平気?」
「おれたち?」
「えぇ、辛くない?」
 
 
辛くない、と言えば嘘になる。
辛かった。
平和だった暮らしの外面だけがそのままで、その中で生きるはずの人だけがいない有様を突きつけられて、その理不尽さに腹さえ立った。
ルフィも答えない。
口に咥えたジュースのグラスをゴロゴロとテーブルの上で転がしている。
 
 
「アンに比べたら」
「そう。あなたたちもゆっくり休んでいきなさいな。お店は開けなきゃならないけど、そしたら奥に入っていていいから」
 
 
マキノはわかっている。
そう思うだけで、幾分救われた気がした。
粗方片付けを終えたらしいマキノは、サボとルフィの向かいに腰を下ろした。
ずっと昔からマキノが使うバンダナは、3人でプレゼントした。
そんなこともあったのだ、と思うと幼いころがいとしくもあり、無性に切なくもなる。
マキノは座ったまま、サボのコーヒーを淹れ直してくれた。
 
 
「大きくなったわね」
「なに、いきなり」
 
 
サボが若干の照れ隠しに怪訝な声を出すと、マキノは頬杖をついたままサボとルフィを見てニコリと笑った。
 
 
「ふたりとも、すっかり男らしくなっちゃって」
「おれとアンが高校卒業したときに会っただろ。それにおれはもうさすがにあれから背は伸びてないよ」
「ちがうわよ、身長の話じゃないわ」
「おれはまだ伸びるぞ!」
「ハイハイ、期待してるわ」
「──ちょっとは大人っぽくなったってこと?」
 
 
そうね、とマキノは言葉を口の中で転がすようにして考えるそぶりを見せた。
 
 
「ふたりがいれば、きっとアンはだいじょうぶね」
 
 
その言葉のわりに、マキノの顔は明るくなりきれてはなかった。
サボはその表情の意味を手探りする。
 
 
「でも、アンは強いよ」
 
 
マキノはサボの言葉を聞き流すように、手元のコーヒーカップに視線を落とした。
そうかしら、と聞こえた気がして、サボはまじまじとマキノの顔を眺めた。
マキノは顔を上げない。
 
 
「──あの子もきっと、自分は強いと思ってるわ」
「だって本当に」
 
 
マキノはサボを制するように、静かに微笑んだ。
ただの微笑みにサボの言葉は飲み込まれてしまう。
マキノはまるで手を組んで祈りの言葉を口にするときのような顔をしている。
 
 
「私も、あなたたちがずっと一緒にいられたらいいのにって、思うのよ」
 
 
それはつまり、ずっと一緒にはいられないということを暗に言っていた。
婉曲にではあるが、こうも確かに言ったのがマキノでなければ、おれは間違いなく腹を立てていただろうとサボは静かに思う。
マキノが述べるのはただの事実だ。
それもかなり柔らかく包んでくれた。
サボが腹を立てる権利も意味もない。
 
「わかってるんだ」と口にした言葉は思ったより掠れていた。
それは死に別れるだとか、そういう話ではない。
ただ、現実として、3人の兄弟が大人になり歳を取り老いるまで共にいられるかというだけの話。
自分はそれでもいい。
どうせおれは、もう思いだせもしない姓を捨てたあの時から何も持っていない。
それならば、アンとルフィの生活を守りながら生きて死ねればそれがいい。
それは、これ以上にない自由だ。
 
ルフィはきっと、自分の手で何かを掴むことを知っている。
血のつながる家族もいる。
そんな家族を大切にすることも、それ以外の仲間を見つけることも知っている。
不器用ながらそのバランスを取って、それこそ『自由』に、ルフィは生きていける。
 
だがアンは知らない。
耐えることしか知らない。
だからこそもっと知ってほしい、外の世界を知ってほしい。
家族でなくとも、人を大切に思うこと。
なにかを欲しがること。
自分のためになにかをすること。
 
アンの背中を押すのはきっと自分の役目だ。
しかしマキノが口にしたことは、サボにとっては本物の祈りだった。
単純にずっと一緒にいたい。
それはきっと、食欲性欲睡眠欲に近しいただの欲望だ。
その欲求が満たされない時、自分がどう行動するのかわからない、それが一番怖かった。
ただひとつわかるのは、人と言うのは欲求不満に対処する防衛手段を持っているということ。
つまりサボの場合、アンを失いかけたそのとき、その防衛手段は発動する。
それがどんな形で出るのか、そのときが来ないとわからない。
 
 
「わかってるんだ」
 
 
わかってる、わかってる、とぶつぶつ呟く。
そうして自分に言い聞かせる。
 
サボ、お前はわかってるんだぞ。
アンを外に出してあげなければいけないと、わかってるんだぞ。
 
 
「サボ」
 
 
ぎゅうと、痛いくらい強く右の腕を掴まれた。
今までずっと大人しくグラスを転がしていたルフィが、サボの腕を掴んだまま立ち上がった。
 
 
「おれはねる」
 
 
きょとんと、マキノが顔を上げてルフィを見つめた。
ルフィは真っ黒な瞳をまっすぐマキノに向けて、それからサボに向けた。
 
 
「せっかくだから今日ここ泊まってこう!マキノ、いいだろ!」
「えぇ、もちろんいいけど」
 
 
目を白黒させて、マキノはルフィとサボを交互に見やる。
 
 
「サボも昼寝しとこうぜ!アンも寝てるし、晩メシ前に起きりゃちょうどいい!」
「と、泊まってくって……明日は店あるんだぞ」
「明日もやすみだ!」
 
 
ルフィは堂々と、それは堂々と何様かと言うほど胸を張って臨時休業を宣言した。
マキノがぷっと小さく吹き出す。
 
 
「ルフィあなた、明日学校よ」
「学校には行くだけなんだからここからでも行けるだろ!」
「荷物は」
「弁当!!」
 
 
マキノは変わらずくすくす笑いながら、明日作ってあげるわと言った。
 
 
「そういうわけらしいわよ、サボ。泊まっていきなさいね」
「でも……」
「食べ物屋さんならね、少し休んで人に「早くあれを食べたい!」って思わせるくらいが丁度いいのよ」
 
 
と、マキノは聞いたこともない持論を展開した。
マキノの言葉は、それが正しいか正しくないかを考えることさえ馬鹿らしく思わせるような力を持っている。
いつのまにか、「それじゃあ」とサボは頷いていた。
ただね、とマキノがたいして深刻でもなさそうに腕を組む。
 
 
「私の家、ベッドはふたつしかないの。今アンが寝てるベッドと私のベッド。あなたたちの場所をどうしようかしら」
「アンが寝てる部屋の床でいいぞ、おれは」
「そんなわけには」
「本当にいいよ、それで」
 
 
サボがルフィの言葉を後押しすると、マキノはしばらく逡巡してから「まぁそれは夜までに考えておくわ」とにっこり笑った。
 
 
「昼寝するなら奥の部屋から毛布とシーツだけ取ってらっしゃい。小さいけど、リビングの椅子とソファを使えばいいわ」
「おう!」
 
 
ルフィは勝手知ったる人の家、とばかりにずんずん中へと入っていった。
サボはその背中を呆れ顔で見送ってから、「急にこんな、ごめん」とマキノにしおらしく謝った。
にこにことルフィを見ていたマキノが、途端にきっと顔を厳しくする。
もともと柔和な彼女には似合わない表情で、サボは思わず背筋を伸ばした。
 
 
「サボったら、相変わらず変なところでおバカさんね。甘えるときは素直に甘えなさい。私にお姉さん面させる気くらい遣いなさい」
 
 
その気迫に押されて、サボは思わずまた「ごめん」と言う。
するとマキノは、いつものように穏やかに笑ってカウンターに片手をついた。
サボのほうへと手を伸ばす。
しかし「あら、届かないわ」と言い、サボの顔の少し下あたりで伸ばした手を手招きするように動かした。
サボがその動きに乗せられて少し屈むように頭を下げると、マキノは満足げな顔で、サボの頭に手を乗せた。
さくさく、とサボの短い髪が擦れて音を立てる。
 
 
「いい子ね」
 
 
歌うような声だった。
 
いい子よ、あなたはとてもいい子。
そう言ってマキノは気のすむまでサボの頭を撫でた。
 
誰かに頭を撫でられるのは、ひどく久しぶりな気がした。
高い高い場所にあるサボの頭に手を伸ばしてくれる人は、近頃誰もいなかった。
カウンターの上に落ちる水滴を見ないふりをして、マキノはいつまでもサボの頭を撫でていた。
 

拍手[10回]



一人で帰ってきたアンを、風呂上りの姿でテレビを見ていたサボはごく普通に出迎えた。
 
 
「おかえり。風呂先入ったよ。……ルフィは?」
 
 
事の顛末を話すと、サボはルフィが喧嘩を買ったところで笑い、男たちを追いかけていったところで呆れ顔を見せた。
 
 
「もう帰ってくると思うんだけど」
「しょうがないなアイツ……それがサンジの?」
「そう、でも中身どうなってるかな」
 
 
手にしたビニールの袋を食卓のテーブルの上に置いて、中身を取り出して見た。
プラスチックのパックに詰めてくれたサンジの料理はどうやら弁当のように配置が決まって並んでいたらしく、外に飛び出してしまった鳥の照り焼きを覗けばあとはパックの中でごちゃごちゃと動いているだけで食べられなくはなさそうだった。
そもそも中身が動いてしまったのは、ルフィがこれを手に握ったまま後ろへ一回転、など無茶をするからだ。
サンジが作った造形には戻らないかもしれないが、とりあえず見た目だけでももう少しよくしておくか、とアンはパックを開いてフォークを手に取った。
 
 
「楽しかった?」
「なにが?」
「なにって、サンジの店。いつものオッサンたちもいたんだろ」
 
 
あぁ、とアンはパックの中身をひょいひょいとそれぞれ皿に移し替えながら呟いた。
サボはテーブルに手をついて、アンのその手際を何ともなしに見ている。
 
「サンジの店っていうか、イゾウっていう人がやってる店なんだけどね」
 
 
楽しかったよ、と視線を手元に落としたまま答えた。
ぽーん、とボールを弾くような軽いインターホン代わりのベルが鳴り、「ただいまー!!」とルフィのがなり声がする。
帰ってきた、とサボが階段を下りていった。
アンも後から続いた。
 
 
「ったく足の速いボウズだよ。コイツさっきの男二人捕まえて何してたと思う」
 
 
サッチに捕まったルフィは、また別の袋を提げていた。口元がてらてらと光っているのを見れば、あらかた予想はついた。
 
 
「落としたメシの分っつって、スーパーのデリで骨付き肉買わせてんだよ。サイコーだな」
 
 
呆れてへとへとに疲れ果てているのかと思いきや、サッチは最後にけらけらと笑った。
「アンたちの分もあるぞ!」とキラキラ光る口元のままビニール袋を突き出すルフィの頭を、サボとアンが同時にはたく。
ご迷惑をおかけして、とサボが馬鹿丁寧に頭を下げると、いやいやかまいませんよ、とサッチは恭しく頭を下げ返した。
 
 
「市民の平和を守るのがオレらの仕事、つってね」
 
 
そんじゃおやすみ、とサッチはぶらぶらと通りを歩いて、おそらくはイゾウの店へと戻っていった。
ありがとうと慌てて背中に叫ぶと、ひらひらと顔の横で手のひらが揺れた。
 
 
「ほんとに!考えなしのバカだなっ!」
 
 
ルフィのよくのびる頬をつまんでぐいぐいと引っ張るが、ルフィはいっこうに堪えた様子は見せずに「ひゃってひょぉ」と口を開く。
 
 
「最初にあのデケェヤツ殴ってやったから気は済んでたんだ、でもサンジにもらったメシがダメになった分は返してもらわねぇとって思って」
 
 
さぁコレ食おうぜ!とルフィはさも普通の土産を持ち帰ったかのように、肉の入ったパックをテーブルの上に広げた。
「まったく」と口々に言いながら、アンもサボも結局は「これウマいな」などと言いながら楽しく食べてしまうから、いつまで経ってもルフィがこんな能天気バカなんだろうかと思わないでもないのだが。
 
 
 

 
言っていた通りサッチは翌日の昼すぎにやってきたが、ひとりだった。
マルコは? となんとなく聞きそびれたアンの代わりに、サボが「今日も一人なんだ」と言った。
 
 
「マルコのヤツ昨日休んでたからな、仕事してねぇと落ち着かねぇんだろ。まっ、あのお偉いマルコがどんな仕事してるかなんてオレァ想像もつかねぇけどな」
 
 
下っ端はいいぜ、お気楽でよー、とサッチは本当に気楽な口調で言った。
下っ端と言っても、サッチだってそれなりに忙しそうに見える。
そもそもアンにとってマルコとサッチは同じ職業の人間であって、課が違うやら階級が違うやら言われてもよくわからないのだ。
とりあえず大変なんだ、と身も蓋もないアンの返しに、サッチはそうそうと楽しそうに笑った。
 
 
「今日もうまかったよ、ごちそーさん」
 
 
財布を取り出したサッチに、今日は支払わなくていいという。
サッチは札入れに突っ込んだ指先をそのままに、きょとんとアンを見た。
 
 
「昨日の礼だっつーなら、大盛りにもしてもらったしデザートまでついたじゃん」
 
 
しかしアンはかたくなに「いいから」と首を振った。
ただのサービスではアンの気が済まない。
サッチはしばらく渋るようにうだうだ言っていたが、「ま、いいか」と割り切るとにぱっと笑った。
 
 
「悪ぃな、んじゃほんとにごちそーさん」
「また来てね」
「アンちゃんもまたオレに会いに来てね」
 
 
どこに、とは言わなくてもわかったので、アンは素直にうんと頷いた。
サッチはいつものようにひらりと手を振って、アンの店を出ていった。
金曜日の今日は、もう家に帰るだけだという。
そういえばサッチの家はどのあたりなんだろう、とアンが街の地図を頭に浮かべて思い当る地区に思いを馳せていたそのとき、カウンターの向かいに立つ人影に気付いた。
一瞬、忘れ物でもしたサッチが戻って来たのかと思いアンは洗い物中のシンクから顔を上げたが、そこに立つ人物が誰かに気付いてアンは隠す気もなく顔をしかめた。
ラフィットはアンの胸中には興味もないようで、いつものように笑みを見せて帽子を取って見せた。
 
 
「こんにちはゴール・D・アン。さっきの男は警視庁のサッチですね。たしか生活安全部の少年課」
「知らないよ」
 
 
アンはラフィットを跳ねつける声で切って捨てた。
サッチのことは知っているがサッチの所属がどこだとかは難しい言葉を並べられてもわからないと、先ほどアンが心中で思ったばかりのことだ。
それよりも、サッチとアンが話しているのを外から盗み見ていたのかとアンは目の前の男をじとりと睨む。
ラフィットは少し肩をすくめる仕草をして、外した帽子を頭に乗せた。
 
 
「ボスがお呼びです。今晩8時に迎えに上がりましょう」
 
 
アンはしかめ面のまま、黙って頷いた。
この男たちの前では、持っているはずの拒否権さえ見失いそうになる。
 
 
前回の『仕事』からかれこれ1か月が経とうとしていたので、そろそろかもしれないという気はしていなくもなかった。
しかしアンはあえてそれに気付かないふりをし続けて、ごまかしてごまかして黒ひげの言う『休養期間』を過ごしていた。
そうでもしなければ、1か月何食わぬ顔で生活などできない。
ましてやサッチたちと過ごす時間を楽しいと思うことさえ。
思えばこの1か月で、アンはイゾウと出会いサンジと出会い、マルコやサッチと一緒に過ごす時間を持ち、彼らが取り巻く世界に順々にして引き込まれていったのだ。
黒ひげがこの期間を『必要な期間』だというのは、アンにとって大切な期間でもあったという意味ではあながち間違いではないと、出会ってそうそう本人は世間話のつもりで並べているティーチの御託を聞きながらアンは考えていた。
 
 
「おいアン聞いてるか?」
 
 
聞いてない。
心の中で即答したが、わざわざ険を含ませるのもバカらしいとアンは適当に頷いた。
ティーチはアンの頷きをどう取ったのか知らないが、まぁいいと深いソファに腰を据え直した。
 
 
「ここからが本題だぜ、アン。次の仕事の段取りを考えた」
 
 
アンはだんまりを決め込んだまま、こくんと頷く。
銀行と財閥御曹司のコレクションルームを襲撃した。残るは美術館と宝石商。
 
 
「次は美術館で行こうと思ってる。異論はあるか」
 
 
ない、と首を振る。
初めは狙う場所もアンに選ばせていた黒ひげだったが、四分の二を消化して後は二択ともなれば、段取りをする黒ひげが選ぶ方が合理的だと思うので、アンはただ従うだけだ。
黒ひげは満足げに頷き返すと、手を上げたオーガーを呼んだ。
仕事の手順を説明するのは、いつもこの男の役割だ。
オーガーは美術館内部の地図をアンの目の前に広げ、時にはそれを指さしながら淡々と説明を施した。
アンはその言葉と手順をひとつひとつ洩れなく頭に叩き込む。
 
じっとりと頭の隅を侵食してくる黒いものの存在に気付きながら、アンの心にひっそりと、しかししっかりと根付いている潔癖さが必死で危険信号を発しているのに気付きながら、アンは耳を塞いだ。
目も閉じた。
オーガーの声はアンの脳内に直接響き、仕事の手順を脳に焼き写しのようにアンに覚えさせる。
割り切るとは、きっとこういうことだ。
実行は2週間後だとティーチが締めくくって、アンは事務所を後にした。
 
 

 
襲撃を3日後に控えた日曜日の早朝、アンはビクンと体が跳ねた衝撃で目を覚ました。
ハッハッと断続的に聞こえるのは自分の呼吸音、そしてそれに重なるように打つ鼓動に気付いて、アンは無意識に胸に手をやっていた。
夢を見ていた。
夢の中でアンは走っていた。
以前忍び込んだ御曹司の邸宅のときのように、アンは夢の中でも狭く埃臭い排気管の中を這い、黒ひげに仕込まれた小道具を駆使してガラスケースを破り髪飾りを手にしていた。
場所はきっと、美術館だ。
夢に出てきたその内装は、赤一色の絨毯しか覚えていない。
コレクションルームの内装と被っているのは、その記憶が夢に影響したからだろう。
排気口を使って侵入していたのも、以前がそうだったからだ。
今回の美術館襲撃では、アンに排気管の中を這う計画はない。
実際の美術館には下見に行ったが、当然髪飾りの展示はされておらず、それが保管されている部屋がどんな様子かは想像するしかない。
 
少しずつ、胸の動悸が収まっていく。
それと共に落ち着きを取り戻したアンは、そっと辺りを見渡した。
薄暗い夜明け前。
ブラインドから昇りかけの朝日と街灯の光が混じって少しだけ部屋の中に洩れてくる。
部屋の中は薄い青に染まっていた。
窓の反対側に首を向けると、少し離れた隣のベッドにはルフィが寝乱れており、そしてまたその隣にはすっぽりとブランケットをかぶったサボがいた。
なんらいつもと変わりないその様子に、アンは知らず知らずのうちにほっと息をついていた。
きっと、もうすぐ実行の日だという緊張が夢に出てしまったのだ。
せっかく今日は日曜だからゆっくり寝られるはずだったのに、とアンは冴えてしまった目をぱちぱちとしばたたいた。
 
不意に、小さな黒い丸がアンの目の前に突き付けられた気がして、ぞっと背中に悪寒がのぼった。
黒い丸すなわち銃口、倒れる警備員の青い制服、暗がりに浮かぶ人影、アンをエースと呼ぶ低い声、白い煙とその匂いまでが途端にアンの脳内を駆け巡るようにフラッシュバックする。
髪飾りを手にした後の夢の続きがアンに急襲をしかけてきて、アンは上体を起こしたままぐっと膝を抱きかかえた。
落ち着いたはずの動悸が、また激しく律動し始める。
夢の中で、アンは髪飾りの奪取に成功していたにもかかわらず、それは紛れもなく悪夢だった。
クソッと口の中で悪態吐く。
アンに銃口を向けるのは、いつだってマルコだ。
 
 
「うるせぇ!!」
 
 
突然上がった叫びに、アンはおもむろに肩を跳ねさせた。
声を上げたルフィは、それと同時にブランケットをベッドの下に投げ出して寝返りを打った。
ドクドクと音を鳴らしていた心臓は、今は違う意味でドキドキしている。
び、びっくりした、とアンはルフィを見下ろして、それから吹き出した。
うるさいのはアンタだろ、と思わず苦笑が漏れる。
遠くでサボが眉間に皺を寄せて、もぞもぞ動いてルフィに背を向けた。
うるさい寝言に慣れていればこの程度でサボが目を覚ますことはない。
アンはベッドから足を下ろして、ルフィが落としたブランケットを手に取った。
放り投げるようにルフィの上にかけてやると、ルフィはふごふごと何か言いながらそれに手を伸ばして自ら体を覆った。
既に秋の入り口を通ってしまった近頃は、早朝と夜中はブランケットなしではいられないほどの肌寒さだ。
一方のアンは寝汗をかいているが、これは夢見が悪いせいであって、身体を起こしている今肌に触れる空気は冷えている。
今回の仕事が終わったら衣替えをしよう、と明るくなっていく部屋の中で思った。
 
 
 

 
黒塗りの車を降りると、門衛と話をしていた警官たちがそろいもそろって目を丸くした。
そして、ザッと地面を削る音ともに仰々しい敬礼がマルコを囲む。
巨大な石を積み上げた5階建ての入り口、マルコの正面から慌てて警視のひとりが飛んできた。
 
 
「言ってくだされば公用車で迎えに上がりましたのに!!」
「いらねェ、待つ時間が無駄だ」
 
 
中の様子はと訊くと、警視は慌てながらも端的に警備の様子と警官の配置をマルコに述べる。
マルコは返事や頷きさえ返すことなく、懸命に話す警視を置いていく勢いで美術館の中へと足を進めた。
 
内部は警視が述べたとおり、どこもかしこも警察関係者で埋め尽くされていた。
マルコは頭に叩き込んだ館内地図を辿りながら、目的の部屋へと進んでいく。
最上階の一つ下の階、つまり4階最奥の保管室にて鎮座している髪飾りを確認しておくためだ。
この美術館に赴く前は、もうひとつの髪飾りを所有している宝石商のもとを訪ねていた。
鼻持ちならないたいした金持ちだった、とマルコはついさっきの記憶を吐き捨てる。
事実、マルコがエースを追うのは仕事であり、連続窃盗の多発するこの街の治安を貶めないためというのが実質的な目的であり、世の金持ちから何がどう奪われようがマルコにとって知ったことではない。
 
目的の部屋に着くと、部屋の前には2人の警備が立っており、その2人は警察内でも指折りの屈強者だった。
部屋の中には誰もいない。マルコでさえ部屋の中に入ることはできない。この3人が最後の砦だ。
窓もない保管室に入るには、この入口から入る以外方法はない。
ここさえ固めてしまえば、エースに手の出しようはないのだ。
前回使われた手である排気管はもちろん保管室にも通じているが、保管室の排気管につながるすべての排気口にさえ警備を回している。
扉の前に立つ2人に激励の言葉を軽く口にしてマルコは踵を返した。
 
いつ、それもどこにやってくるかわからない敵を待ち構えるのは至極骨が折れた。
警備の手を美術館と宝石商のどちらに偏らせることもできず、結果両方に全力を尽くすと警察内部が疲弊する。
だからといって力の入れる警備を一日交代などにすると、必ず警備が手薄な方の関係者(美術館であれば館長他各位、宝石商であれば本人)がそれを糾弾してくる。
文句を言うなら守りたいもんは自分で守って捕まえるくらいしてみやがれと怒鳴りたいところだが、公共の立場からマルコがそれを口にできるはずもなく、実際美術館も宝石商も警官のほかに私立警備隊を雇って入れているので、「金」の面では彼らも尽力しているにはちがいない。
しかしそれはそれで、警察側と私立警備隊側で行き違いや衝突があったりなかったりと、マルコの頭を痛める要因には事欠かない。
警察内部は美術館警備チームと宝石商警備チームと別れておりそれぞれにトップを立てているが、エース対策本部それ自体のトップに立つマルコの身体はどこをどうしてもひとつだ。
夜中の1時に車を飛ばして美術館と宝石商の邸を行ったり来たりなどここ数日日常茶飯事で、自宅に帰ったのは1週間以上前。
仮眠以外の就寝はした覚えがなく、警視庁に置き貯めてある着替えばかりが減っていく。
たしか今日着替えたこのシャツが最後の一枚だった、と思いながらマルコは携帯電話を取り出した。
3つのコールで「おう」と知った声が答えた。
 
 
「見てきたよい」
『そうか、だが見てきたっつっても中にゃあ入れねぇんだろう』
「あぁ、そう決めたのはオレだけどよい」
 
 
ニューゲートは受話器の向こうで豪快に笑い声を上げた。
そして笑い声を収めたついでのように、「じゃあ帰ってこい」と言った。
聞き返す声を上げなかったとはいえ、マルコは無言で眉を眇めた。
 
 
「……オレァ残るよい」
「バカ言ってんじゃねぇよアホンダラァ、テメェいつのまに放蕩息子になっちまったんだ、たまには帰ってきやがれ」
「庁舎には今日も戻ってるよい」
「オレに顔も見せねぇで何が戻ってるだ、いいからさっさと……」
 
 
わぁっと上がった複数のざわめきが、ニューゲートの声をかき消した。
マルコはハッと顔を上げ、雑然とし始めた方角を探す。
どうした、と張りつめた声が受話器越しにマルコに問いかけた。
 
 
「わからねぇ、また報告する」
「あァ、気をつけろ」
 
 
すばやく電話を切ったマルコは、ざわめきがすぐそこの階段に通じる階下からだと判断してすぐさま駆け出した。
 
 
ざわめきの発信源、美術館2階のフロア内はあっちへこっちへと警官が駆け回り、一つの窓にたかるように大勢が群がっていた。
何人かが窓から体を乗り出し、上を見上げて何か叫んでいる。
マルコは迷わず窓辺に歩み寄り、群がる警官の肩を掴んだ。
 
 
「何があった」
「けっ、警視長、今、この窓の上の外壁に『エース』が……!」
「あァ!?」
 
 
どけ、と警官たちをかき分けて窓に辿りつき、マルコは上を見上げた。
一番に目についたのは、ひらひらと風に揺れる黒い布地だった。
ぶわりと毛穴が広がるような興奮が、足の先から体の中を駆け上る。
一度対峙したことのある小さな身体は、蜘蛛のように外壁をスルスル登っていく。
どこに行くつもりだ、とマルコは目を細めたが、すぐにハッとして顔を引っ込めた。
近くにいる警官に怒鳴り散らす。
 
 
「ここから上の階の排気口とそれに通じる部屋をすべて塞げ!!外の排気口から直接保管室には行けねぇ、必ずどこかの部屋に一度降りるはずだ!!」
 
 
はっと答えた警官たちが、ばたばたとフロアの階段を駆け上っていく。
トランシーバーを所持する数人が、上の階の警備に連絡を取る声が近くで聞こえた。
マルコは再び窓から外へ顔を突き出す。
コートの裾を夜風にひらめかせるエースは、美術館の屋根から伸びるロープを辿っているようだった。
どうやって屋根にロープを仕掛けたのか見当もつかなかったが、とりあえず今ここにエースが現れていることが全てだ。
不意に、ギュンと鋭い音が空気を貫き、ほぼ同時にガンッと外壁に何かがぶつかる音がした。
壁を上るエースの動きが一瞬止まる。
壁にめり込んだ銃弾が、ぽろりと重力に負けて落ちた。
美術館の庭園を張っていた警備隊が発砲したのだ。
馬鹿野郎、とマルコは内心盛大に舌打ちした。
この街の法律では、ただの窃盗犯であるエースに対して発砲は、警視長であるマルコと十数人の警視にしか許されていない。
そしてこの状況下でエースに対して発砲するようなバカは警視にはいないはずだった。
となると発砲したのは私立警備隊である。
傭兵である彼らはエースに「盗ませない」ことが大事なのであり、その結果エースがどうなろうと知ったこっちゃないのだろうが警察側からすればそうはいかない。
殊にマルコは、エースを死なせる気はなかった。
今たとえエース自身に銃が当たらなかったとしても、ロープが切れれば約3階の高さからエースは地面に落ちる。
そんなことになるくらいなら一度館内に忍び込ませてそれから追っかける方が幾分ましだ。
逃げ続けるエースの膝から下めがけて発砲して怪我をさせ、それから捕まえるくらいは警察でもする。
早まりやがって、とマルコが発砲者を上から睨みつけたそのとき、カランと金属音が夜空に高く響いた。
再びエースを見上げると、マルコの数メートル上から40センチ四方の鉄格子がカラカラと落ちてくる。
慌てて頭を中に引っ込めると、鉄格子はマルコの目の前をまっすぐ落ちていった。
ほんの2,3秒後、金属音が地面にぶつかり弾けた音が響いた。
エースが中に入った。
マルコはもう窓から上を見上げることはせず、淀みない足取りで階段へと向かった。
 
階段をのぼりながらトランシーバーを取り、最上階の警備に屋根に仕込まれたエースの小道具と、侵入経路を探るよう命じる。
そして次に一階の警備に連絡を取り、エースの逃げ道を塞ぐよう指示した。
同時にマルコの脚は、エースが侵入した排気管が通じている3階へと向かっていた。
すれ違う警官たちは誰もがそろって興奮した顔をしていた。
マルコの指揮下で、フル装備の館内に入れてしまえばもう逃がす方が難しい。
勇み顔の警官たちがそう思っているのが、肌に沁み込むように伝わった。
 
しかし、何かがおかしい。
 
胸に燻る違和感はエースが現れた瞬間からマルコの中にこっそり発生し、館内にエースが侵入した今となっては既に違和感から懸念へと成長していた。
たしかにマルコはエースを見た。
壁を伝う小さめの身体。
あの身のこなし。
それなのになぜこうも不安ばかりが大きい、とマルコは3階フロアを闊歩しながら隠すことなく舌を打った。
 
なにかが間違っているかもしれない、という思いがもはや恐怖に近かった。
 
マルコは用意していた美術館の配管図を広げ、エースの侵入口から到達可能な部屋を絞る。
場所からして3階であることは間違いない。エースはこの階のどこかの排気管に潜んでいる。
じっと息を殺して、どういう手札があるのか知らないが、時が来るのを待っているに違いない。
 
エースが辿りつける部屋は3通り。
そのどれもに警官たちが待ち構えている。
すでに時間の問題だ。
 
そしてすぐ、その3通りのうち1つの部屋で、わぁっとざわめきが上がり、ばたばたといくつもの足音や人のぶつかる音が響いた。
3階の廊下で1階からの連絡を聞いていたマルコのトランシーバーには、別の連絡が横槍を入れた。
 
 
「マ、マルコ警視長、エースを捕えました!」
 
 
絶句するように短く息を吸ったマルコは、深く息を吐いて一拍置いてから「どこだ」と訊いた。
 
 
「3階の303……ちょうど真ん中の、陶芸品の部屋です!」
「すぐ行く。エースは?」
「今数名で取り押さえてます。暴れることもなく、伏せてじっとしています」
「気ィ抜くなよい」
 
 
すばやくトランシーバーを切り、目的の部屋へと足を向けた。
容易すぎる。
あまりに、他愛無さすぎる。
やっぱり何かがおかしい。
そう思いながらも、エースが捉えられているという部屋へと向かう足は止まらない。
高揚しているのだと気付いていた。
違和感という冷たい潮流と、ついにエースを捕えたかもしれないという熱い潮流がマルコの中でぶつかって渦を巻いている。
 
303と記された札の下がる展示室の扉は開いており、何人もの警官が捉えられたエースを一目見ようと吸い込まれるように入っていく。
彼らは歩み寄るマルコを見つけると途端に体を固くしたが、その誰もがエース確保という事実に浮足立っていた。
 
 
「警視長、中に」
 
 
敬礼と共にマルコに部屋の中を指し示す警官に頷きを返し、マルコは部屋の中に入った。
 
 
展示室の中には何人もの警官や警備隊が立っていたが、それ以外はガランと開けていた。
展示が自粛された一週間前から、ここにあったはずの展示物は全て髪飾りとは別の保管室にいったん収容されているので、展示室と言えどそこはただの空間だった。
そしてその部屋の、入り口から見て中央少し右側に伏せる人影と、それを取り押さえる2人の警官。
取り押さえられたエースはうつ伏せで後ろ手に手錠をかけられ、確かに身動きもせず諦めたようにじっと横たわっていた。
 
エース、とまるで親しいものに呼びかけるように声をかけそうになった。
俯せた身体は動かない。
エースを取り囲んでいた警官の一人がマルコを見て、「警視長」と呟いた。
すると、突如俯せていたエースがぐるりと首を回してマルコを目で捉えた。
そして、アイパッチの黒に囲まれた目がギラギラと油っぽく光り、口角がにっと上がった。
 
──ちがう、この男じゃない。
 
 
マルコはしばらく立ち尽くした。
唖然とするマルコの心を汲んだように、「エース」として捕えられた男はニヤニヤと脂ぎった笑みを浮かべ続ける。
マルコの様子の異変に気付いた警官たちが、おそるおそるとマルコの顔を覗き込んだ。
 
 
「……警視長?」
「まだだ」
「は?」
「外に車を回せ! 門の周りを固めろ! あと4階の警備に異変がないか連絡しろ!コイツはエースじゃねェ!!」
 
 
そう怒鳴ると共にマルコは踵を返して展示室を飛び出した。
背後から、捕えられた男のけたたましい笑い声が降りかかってきた。
 
手遅れかもしれない。
舌打ちをするのももどかしく、マルコは階下へと走りながら静かに、そしてきつく歯を噛みしめた。
初めからマルコを煽っていた違和感の正体は明らかになったが、だからといってもう遅い。
完全に騙しを打たれた後悔が波のように押し寄せたが、悔いている暇はない。
エースが、エースを操る黒ひげが周到な用意を踏むことや智略に長けていることはわかっていた。
その奴らが、また同じ排気管を使って侵入するという手でことを犯したことがまずありえなかったのだ。
そしてあっけなく捕まる。
捕まえさせるのだ、ダミーを。
本物のエースは別で動いている。
そしてきっともう、逃走経路をたどっているに違いない。
 
マルコの胸元に引っ掛かっていたトランシーバーが電子音を立ててマルコを呼んだ。
 
 
「よ、4階に警備が誰もいません!! 扉の前に配置されていた警官1名は行方不明、1名は床に倒れています! ほか、保管室の扉も開いていて……髪飾りがない!!」
 
 
受信機の向こうで警官が悲鳴を上げた。
やっぱりか、とマルコは無言でトランシーバーを切った。
1階のレセプションフロアを突っ切り正面玄関から外に出ると、そこは混乱した警官と私立警備隊が蜂の子を散らすように走り回り、明らかに統率を失っていた。
チームの長官はどうした、と目を瞠ったがその長官もエースのダミーが現れた時点で3階へと上がっているのをマルコもその目で見たことを思い出した。
 
 
「警備隊は裏門へ! 外門警備の1班は車を回して来い! 2班は二手に分かれて正門から館の周りを調べろ!」
 
 
行け! ともはや腹立ちをぶつけるようなマルコの怒鳴り声は騒然とする正門前に一瞬で響き渡り、すぐさま各自が指示に沿った動きを開始した。
マルコの指揮外にある警備隊ですら、突如現れた指揮官に従順にして裏門へと廻っていく。
そしてマルコ自身は、正門すぐの道路沿いに駐車してあった自分の車に迷わず飛び乗った。
部下には美術館の周りを固める指示を出しておきながら、実際エースはもう美術館内部にはいないだろうと思えた。
マルコが目の当たりにしたあの混乱に乗じて逃げたに違いない。
もしエースが「それ」とわからない格好で侵入していたとしたら。
正門を突っ切って逃げることすら可能だ。
特に、さっきマルコが指示したように美術館を門の外から見周りに行くようなふりさえしてしまえば怪しまれるはずがない。
マルコはイグニッションキーを目一杯回し、アクセルを踏み込んだ。
 
混乱が生じたのは、エースがダミーであるとマルコが気付いたそのときから。
本物がその瞬間を狙って外に逃げ出したのだとしたら、まだそう時間は経っていないはずだ。
逃走手段はおそらく車か何かだが、この近くに仲間が待機していればいやでも警察の目に着く。
エースはある程度自分の足で美術館から離れ、そこから車で待つ仲間と落ち合う手はずになっているのだろう。
 
美術館は街の北西、閑静な住宅街の少しはずれに位置している。
エースの仲間の車はその住宅街の細い路地に止めてあり、そこから一気にアジトかどこかへ帰るというのがもっともあり得る手段に思えた。
マルコは車を寝静まった住宅街の中に入れながら、トランシーバーを取った。
 
 
「異変あるかい」
『あ、ありません、どこから逃げたのかも』
「エースはもうそこにはいねェ。モルマンテまで車を出して来い。おそらくエースは住宅街の中で仲間に拾われる。お前らは一気に大通りまで向かえ。オレが住宅街の中から見つけて大通りまで煽り出す。サイレンは鳴らすなよい」
 
 
返事を聞かずにトランシーバーを切り、マルコは静かに住宅街の中に車を走らせた。
入り組んではいるが、そう広い区画ではない。必ずどこかにいる。
車の窓は開いている。
ライトなど付けているはずはないが、少しのエンジン音でもすれば気付けるはずだ。
しかしいっこうに耳を澄ましても、聞こえるはずのエンジン音やタイヤが地面をこする音はマルコの耳に届かない。
妙だな、と口の中で呟いた。
まさかもう住宅街を抜けてしまったのか、それともエースが仲間と落ち合う計画すらなく自力で逃げる手はずなのか。
もう目の前に、大通りが見えている。
街灯の灯りだけがぼんやりと照らす夜道には、ノラ猫が横切る影すらない。
マルコの車だけが、道路の上をぬるぬると進んでいく。
不意に、パァンと弾ける音が響いたかと思うと、がたんと車が左側に傾いた。
 
 
「なっ」
 
 
思わず洩れた声と共にハンドルを強く握りブレーキを踏んだ。
しかしそれ以降異変はない。
そっとブレーキから足を離すと、ずっずっずっと不吉な音を立てて車は進んだ。
まさか。
 
マルコはハンドブレーキを引いて車から降り、暗がりの中で前輪を覗き込んだ。
思った通り、タイヤは見事にひしゃげている。
よく見ると、暗闇の中でも異様に光る黒く大きな画鋲のような釘が、太くタイヤに突き刺さっていた。
すぐさま足元に視線を落とすと、それは進行方向にばらばらと無数に散らばっていた。
 
やられた。
 
その言葉が頭をよぎったそのとき、急にモーターを激しく回転させたようなエンジン音が爆発音のように前方から届いた。
素早く顔を上げたマルコの目の前を、一瞬で黒い車が駆け抜ける。
エンジン音を聞いた瞬間に抜いていた銃を前に構えた。
迷う暇もなく引き金を引いた。
銃弾は後部座席の窓に当たると、窓の一部を小さく砕いた。
まさか普通車か、と一瞬ぞくりとしたが、銃弾を撃ち込まれてもスピードを緩めずすでにマルコの目の前を通り過ぎた車が驚いて止まる気配など微塵もなく、間違いなく今の車はエースを乗せていたと確信する。
当然防弾ガラスだろうと踏んで撃ったので、実際にガラスが砕けて驚いたのはマルコのほうだ。
夜中の銃声とけたたましいエンジン音に驚いた住民たちが目を覚ましているかもしれない。
クソッ、とマルコの悪態が静かな住宅街に溶けた。
パンクした車で追いかけることはできない。
 
しばらくするとトランシーバーが鳴り、部下たちのパトカーが同じ被害を受けたことを情けなく訴える声に、マルコは「もういい」と吐き捨てた。
 
 
 
 

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2022/8/1 管理人について、のページにコメントを下さった方

『午後のプリマたち』をご購入いただき、ありがとうございます。
こちらこそ、ご縁あってお手にとっていただきとても嬉しいです。
長年のペルビビ好きさんとのこと……同志よ……
私も、なにをかくそうOPで初めて書いた作品は、サンナミではなくペルビビでした。
最推しがペルビビ、という方にお読みいただけて、あー届いた……という気持ちがとても強いです。
書いて、本にして良かったと改めて感じました。本当にありがとうございます。
もしよければ、ペルビビに対する思いの丈をぜひこちらにぶつけてください。聴かせていただきたい!
女の子たちの現パロでの日常もお楽しみいただけたようで、とても嬉しいです!
何気ない彼女たちの会話が私も大好きで、妄想しがいのあるところでもありました。
応援くださるとのお言葉、何より励みになります。
ご感想をいただき、本当にありがとうございました!


12/4 通りすがり さま

「宴のあと 逢瀬の夜」をお読みくださり、ありがとうございます!
夜のサンナミ、船のそば、というシチュエーションが気に入っているお話でした。
ときめいていただけてなによりです!

11/30 ぺ さま

「明日はいらない」をお読みくださって、ありがとうございます。
是非また遊びにお越しください~!


8/18 相澤萌さま

萌しゃー!読みに来てくださってありがとうございます!
そうそうそう、付き合ってないしナミさんは意識してるつもりもないくらいだけど、ちょっとした刺激ですぐ気になっちゃうくらいの危うい時期にこんなことあったら楽しすぎる、と膨らんで。
たしかに攻防してるのはナミさんだけw
この数時間後気になりますね…我ながら…書きたい…w
萌サンナミで見たい(野心出まくり)


8/18 マーサさま

こんにちは!お読みくださってありがとうございます。
気に入ってくださったようでなにより!
涙を誘えるようなお話だとは思わず、でもそんなふうに言っていただけてとても嬉しいです~
よろしければまたお立ち寄りください^^


8/6 めいさま

「サニーサイド」をお読みくださってありがとうございます。
そうなんですよね~まどろっこしくて一筋縄では行かなくて、でもなんとなくお互いに「私達いい感じなのでは?」ていう匂いをぷんぷんだしてて、でもいざ恋愛しようとするとぎこちなくて…というサンナミが大好物です。
同じように楽しんでいただけたのならうれしいです!
コメントありがとうございました^^



6/29 あやさま

「木蓮の島」をお読みくださってありがとうございます。ありがたいお言葉まで!
久しぶりのゾロビンでしたが、ゾロビン書きたい~かわいい~!と思ってガシガシ書いたので楽しんでいただけてよかったです^^
ぜひまたお立ち寄りくださーい!



11/29 yagさま

こんにちは、お返事遅くなり申し訳ありません!
「あさがくるまで」をお読みくださってありがとうございます。
拙作のサンジが好きと言っていただけてとてもうれしい~かっこいいですよね(自分で言っちゃう
ふたりともいい男といい女なのに、二人っきりになると急に恋愛下手くそになるといいなーと思ってもだもださせてしまいます^^
よろしければまたお立ち寄りください~
コメント、とても嬉しかったです!




10/11 atamtamさま

「あさがくるまで」にコメントありがとうございます!
他のお話もお読みいただけたようで、嬉しいです~
お楽しみいただけたならなによりです。
ちょっと切ない、くらいのでもハッピーなサンナミがすきなので、
その塩梅がむずかしいな~と思いつつ書いておりました。
また遊びに来ていただけたら嬉しいです!


8/8 しぐれさま

こんにちは!午後のプリマたちをお求めいただいたとのこと、ありがとうございました~!
先日お届けした方かな、とにまにましながらの返信です。
追跡を何度も確認して、無事にお届けできたようですが御手元に届きましたでしょうか^^
おひまなときの慰みや癒やしになれていたのならうれしいです!
本当にありがとうございました!


8/7 とくめいさま

こんにちは!わあああ本をお求めいただき、本当にありがとうございます!
そんなふうに思っていただけたのなら、本当に作ってよかった~~作っただけでも楽しかったのに…
サイトや支部で読めるものも楽しんでいただけていたとのこと、とても嬉しいです!
わざわざご報告まで、ありがとうございました!


5/23 tamtamさま

こんにちは!午後のプリマたち、お待たせいたしましたー!
昨今ままならないことが多い社会情勢なので、拙作が少しでも
楽しみの一部になれていたならうれしいです!^^
もしかしてもうお届けできたのかなー?わくわく


5/1 キューさま

こんにちは!お返事大変遅くなり、申し訳ありません~
シェアリングお読みいただきありがとうございました!
ゆるゆるっと先の見えない感じで続いているのに、キューさんが楽しんでくださってる様子が伝わってほっこり^^
つづきもよろしければー!
コメントありがとうございました!


3/28 タピオカさま

こんにちは!
いつもサンナミを読んでくださっているとのこと、ありがとうございます!
更新がのんびりで、新しいサンナミをたくさん供給できなくてご満足いただけるだろうか・・・と若干不安でしたが、作品数だけはたくさんあるので、お好きなようにつまんで楽しんでいただけたら嬉しいです^^
今後ともよろしくお願いします!


1/4 tamtamさま

お返事が遅くなり、大変申し訳ありませんでした!
コメントありがとうございます!
シンガポールを舞台にしたサンナミで、自分が旅行したときに「ここにサンナミがいたら~」を想像しながら街歩きをしていたので、それを昇華できたお話を気に入ってくださって私もとても嬉しいです^^
異国だと、日常から少し離れた空気の匂いや景色の色が話しの中に浮かんできて、私も書きながらとても楽しかったです~
楽しんでいただき、嬉しいお言葉までありがとうございました!
8/18 tamaさま

こんにちは!
コメントありがとうございます~!
tamaさんも、映画ご覧になられたんですねー!
あんな独り言の感想に共感していただけて嬉しいです^^
他のOP ファンの方々がどう思われたのか、私も知りたいところ…
拙作も前々から読んでいただいていたとのこと、ありがとうございます~!
よろしければまた遊びに来てください^^


4/12 ないんちぇさま
こんにちは!い、いつものことながら御返事が遅れまして申し訳ありません…!
再録のサンナミ、読んでいただきありがとうございます!
ありがたいお言葉ひぃひぃ…あんまりサンナミが登場しないお話でしたが、ないんちぇさんが感じてくださった雰囲気をサンナミに当てはめて、「あなんかいいかも」と思ってくださったならもうそれだけで;;
よかったよー!っていうお気持ちはめっちゃ伝わっております!ものすご嬉しいです!
今後ともよろしくお願いいたします^^


2/11 ないんちぇさま

こんにちは!遊びに来てくださってありがとうございます^^
ウソカヤ読んでくださってありがとうございます~!!
メインカプのサンナミ以外のお話を読んでいただけるだけでも嬉しいのに、楽しんでいただけたようでほんっっと書いてよかったであります・・・
もろいカヤの底知れぬパワーがじわっと滲んだお話になればなあと思って書いていたので、そのように言っていただけてとても嬉しかったです!
午後のプリマシリーズは、この後も書いていきたいなあと思っているので、よろしければお付き合いください^^
そして、私事についてもお祝いのお言葉ありがとうございます\\\


1/1 さとんぺさま

ね、年始のお挨拶へのお返事が・・・大変遅れまして申し訳ありません・・・!
ウェブ拍手へのコメント、本当にありがとうございます!
こちらこそ、いつも遊びに来てくださって本当に嬉しく思っています。
今後とも気が向いたらお話を読みに来ていただけると嬉しいです。
こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします^^
そして私事についても、お祝いのお言葉をいただきありがとうございます\\\
これを糧に()サンナミへ昇華できるよう励みます・・・!



12/30 manoさま

こんにちは!年末のご挨拶へのお返事を今更ながら・・・すびばぜ・・・
えへへ他のところでもお話したかもしれませんが、そうなのです私事ではありますがお祝いのお言葉ありがとうございます^^
そしていつもお話を読みに来てくださって、かまってくださって本当にありがとうございます。
これからもよろしくおねがいします^^


8/22 ゆゆさま

こんにちは!お返事が遅くなり、申し訳ありません!
コメントありがとうございます!
私も栗さんのイラストとそこから匂い立つ雰囲気がだいっすきで、僭越ながら文章を付けさせていただいたのですが、そんなふうにお褒めいただけてとても嬉しいです・・・!
栗さんの夏のデロデロ熱い男女、とってもいいですよね~わかりみしかない・・・
続きとのお言葉も、とても光栄です><
この話の続きや他のサンナミにもちょくちょく手を出していきたいので、また遊びに来ていただけると嬉しいです^^


8/13  さとんぺさま
さとんぺさんこんにちはー!サンナミお読みくださってありがとうございます!
栗さんとこのナミさんの、たくましさわかるわかる~~!となりました!
いろんなサンジやいろんなナミさんを開発していきたいな~と思っているので、少しでも栗さんとこの素敵ナミさんの強さが出ていたならうれしいです^^
サンジの妄想だとしたら面白いけど都合良すぎるーーwwて笑いましたありがとうございますw
8/12  Yuringさま
こんにちは! ただいまです!
栗さんネタのサンナミ、お読みくださってありがとうございます!
そんじょそこらの男よりもお持ち帰りが上手いナミさんでした。
お楽しみいただけたようで私もとても嬉しいです~!
つづき、とりあえず書きたいところだけを書いた今回のお話でしたが、あまりに楽しかったので
少しずつ考えてみたいと思います!
その時はぜひまたお読みいただけると嬉しいです^^
8/12  腐った文字書き さま
こんにちは、はじめまして!
サンナミをお読みくださり、さらにはもったいないお言葉までたくさんありがとうございます!
恐縮ですが、栗さんの素晴らしい妄想と一緒にお楽しみいただけたのならとても嬉しいです。
お話を書かれる方なのですね! 私の書いたお話が刺激になったのならなによりです^^
あったかいお言葉を、どうもありがとうございました!
ぜひまた遊びに来てください^^
8/12  mano さま

manosannkonnitiha! おっとすみません、manoさんこんにちは!
栗さんサンナミのお話をお読みくださってありがとうございます~^^
manoさんの、夏だし暑いから仕方ないよね、のまとめにほんとそれ。と真顔でうなずきました。
栗さんのつぶやきだけで鼻血吹きそうなくらいごちそうさまでしたのに、勝手な形に文章で練り上げてしまったので心配だったのですが、manoさんにお楽しみいただけたようでうれしかったです^^




8/1 Sophia さま

こんにちは!
ウソカヤ・ペルビビともにお読みくださってありがとうございます!
拙宅随一のマイナーカプ沼へようこそ!!!()
Sophiaさんのおっしゃるカヤの芯の強さみたいなものを、お話の中でちらちらと出てくる感じが出せればいいな~と思いながら書いていたので、そのように言っていただけてほんっっとうに嬉しかったです!
BOOTHでのペルビビ本のご注文も、どうもありがとうございました!
そちらについてのお話や、BOOTHでメッセージを下さったお返事は、同じくBOOTHからさせていただきますね。
こちらこそ、このような辺鄙なサイトに遊びに来てくださって、素人の書いたお話にもかかわらず最後までお読みくださって、さらにはあたたかいメッセージを頂き、本当に本当にありがとうございます^^




7/31 るりこ さま

こんにちは!
一緒に暮らすサンナミシリーズ、お読みくださってありがとうございます!
そしてその続編のオフ本の方も、お求めくださってとても嬉しいです。
こんなふうにシリーズをおっかけて楽しんでいただけたらなあと思っていたので、
海賊版とはまた違う二人の様子をごろごろしながら眺めていただけたらこれさいわいです。
更にその後の二人は私も気になるところ!
機会があれば、どんどん妄想していきたいと思っていますb
コメント、とても嬉しかったです!ありがとうございました^^




7/28 「交響曲~シンフォニー~」にコメントくださった方

こんにちは! はじめまして、コメントありがとうございます!
本シリーズをお楽しみいただけてうれしいです^^
かっこいいサンジと言っていただけたのも、きっとサンジも喜んでいることでしょう。
等身大の彼らを一緒に追っかける感じで私も書いていたので、一緒に楽しんでいただけたのならさいわいです!
オフ本、ほしいと思っていただけたのはもう本当に感謝感激なのですが、そうなのです大変申し訳ありませんが、在庫がなくなってしまいました……
(実は諸事情で一つ保管中のものがあるので、万一そちらをもらっていただける状態になったらそのときはTwitter等でお知らせするやもしれません)
サンナミの更新お待ちいただけるとお聞きして、俄然やる気がむくむくと!
コメント、本当にありがとうございました!


7/24   「そうして空に還ってしまう日が来るのでしょうか」にコメントくださった方

こんにちは!
はるか昔に書いたペルビビでしたが、お楽しみいただけたようでうれしいです^^
コメント、とても励みになりました!ありがとうございました!



7/10 さとんぺさま
こんにちは! 拍手コメントありがとうございます。
遅くなってしまいましたが、ひとつ下にて以前頂いたペルビビへのご感想のレスをさせていただきましたので、よければそちらもお読みいただけると嬉しいです。
さてさて、サンナミ本「暮らすみたいに~」のご感想をありがとうございます!!
わああわああやっぱり紙本にこうしてご感想をもらえるの、すごいうれしい!!と噛み締めました。しかもこんなにたくさん・・・ああうれしい・・・
け、けっこんした! の印象、読んでてそのまま思われたのかなあというのが想像できて、にやにやしました。してやったり。
ああ~シリーズ一話目から読んでいただけたのもすごく嬉しいです!私も読み返したくなりましたw
読みながら興奮していただけたとお聞きして、そ、そんな楽しい本になってたんだ!?!?とどきどきしながらも喜びました。
サンジくんが忙しくなって~~からの、さとんぺさんが思われたという「サンジくんに出会う前のナミさんなら、抜け目なく対応できていたのかも」というのが、ああそうかも・・・!と新たに発見する思いでした。その緩みが愛しい、というところまで、ほんそれ~~~~!!と。
そしてそして、このサンジが比較的ナイーブ要素薄めというのも、ああほんとだーーーー!!!と。
ナイーブサンジ、影のあるサンジというのを昔っから愛していたのですが、なんかこのサンジは現代の恩恵を受けて平和ボケげふんごふん、さとんぺさんのおっしゃるとおり、トラウマなくすくすく育った感じですね!
気弱になりすぎることもなく、というところも、ほんとだなあと新たな発見でした。
「いろいろあるだろうけど、きっと大丈夫だ!」という印象を、さとんぺんさんが持ってくださったなら、ああそれそれそれを伝えたかったんだ~とほろりとしてしまいました。
こんなにご丁寧かつ私の琴線にヒットしまくる感想をいただけて、ほんとうに恐縮の限りですが、舐めるように何度も読んではうまうましています。
ぜんっぜん、つねにリアルタイムで私の中のサンナミはのたうちまわっておりますので、既刊であってもご感想はほんとうにびんびんと嬉しく思います。
私の小鳥もおよみくださってありがとうございました~~~~!!!!感想、どうぞ気負わず、楽しんでいただけたなら本当に良かったです。
どうもありがとうございました^^
7/2 さとんぺさま
拍手コメントありがとうございます!お返事が遅くなり、申し訳ありません。
午後は~のペルビビお読みくださって、早速感想まで、ありがとうございます・・・!
押し勝った!押し勝ちました!ほんと押したなーって彼女の強さに私も惚れ惚れしてしまいそうです。
ジャンジャン!ジャーン!わかるーっwてなりました。
あああそうそうそうおっしゃるとおりで、そのビビちゃんのもういっぱいいっぱいだけど直球でしか投げられない感じ、とりあえず今は感じておかないとっていう切羽詰まった感を感じていただけたようで、それが伝わっていたのが本当に本当に嬉しかったです!私の方こそ、レスがへたすぎる!笑
そしてそして、ありがたいおことばをありがとうございます;;
二人の距離が近づいて、空気感がぐっと濃くなる瞬間が大好きなのですが、それがCPによって違って感じてもらえているというのは、あまり意識していませんでしたがとても嬉しいです。
通頒もご利用いただき、ほんとうにありがとうございます。
さとんぺさんは既刊をもれなくお求めいただいていて、ほんとうにほんとうに恐縮ですが胸いっぱいに嬉しいです。
重たい想いも大歓迎ですので、ぜひぜひぶつけてください!
とはいえ、感想をしたためるのって結構エネルギーが要る気がして、わたしはいつも良い作品に出会って燃えたぎっても、感想を書くエネルギーが残っていないことが多いので、こんなふうにご感想をいただくと本当に頭が下がる思いです。
ですので、感想を!とご無理なさらず、お読みいただけるだけでも本当にありがたく思っています。
もちろん、感想はほしいです(直球
ご感想にレスをするのも大好きなので、私に熱くCP愛をぶつけたいという場合はぜひぜひぶつけてください。
私の住む地域は、なんだか日本で一番暑いのですが、さとんぺさんのお住まいのあたりはいかがでしょう~
優しいお気遣いありがとうございます。さとんぺさんも、暑さにほんとうに気をつけて、良い夏をお過ごしください^^

5/9 さとさま

「ホーリーテーブル」お読みくださってありがとうございます!
じんわりしてもだもだして、のお気持ち、私も書きながら感じていたところだったので、同じように思っていただけたのがすごく嬉しかったです。
ハッ誤字!ありがとうございます!
たぶん、いろんなところに誤字脱字が散見されるふがいないお話ばかりだと思いますが、ご指摘いただけて助かりました。
ありがとうございました^^;


5/6 コバヤシさま

「カリカチュアの夜」お読みくださってありがとうございます!
このふたり付き合ってるのどうなの~という関係のままダラダラ事が進んでいくさまが好きなので、そのジリジリした感じを楽しんでいただけたのなら嬉しいです。
好きなお話、とおっしゃっていただけて、ああ書いて良かったー!とにまにましました。
ゾロビンは今後も少しずつ増やしていきたいと思っているので、また遊ぼに来ていただけたら嬉しいです。
コメントありがとうございました^^


4/26 aさま

「明日はいらない」お読みくださってありがとうございます!
私も楽しく書き続けているシリーズなので、このあともどんどん考えていきたいなあと思っています^^
どうぞ、お暇な際に更新を見に来ていただけると嬉しいです。
コメント、とても嬉しかったです!ありがとうございました^^

4/2 ないんちぇさま

お返事が遅くなってしまい、大変申し訳ありません。
「明日はいらない」お読みくださってありがとうございます~
女の子たちそれぞれの恋愛観があって、ナミさん含め彼女たちがお互いに少しずつ影響されてる感じがかわいーですよねー(自分で言っちゃう
おっしゃるとおり、いつかおれのものに~なんて言えるサンジが現れるといいなあと私も心待ちにしている次第・・・
「チャンネル争い」もお読みくださって、ありがとうございます!
ちょっとしたあるある日常かと思うのですが、サンナミがすごい馴れ合った空気感に染まってるのがすきで、そこを楽しんでいただけると嬉しいな~と思います^^
足の間に入ってるの、可愛いですよねーw


3/30 ないんちぇさま

こんにちは! メルフォへのご感想ありがとうございます!
私の書く文章を好きだと惜しげもなくお伝えくださって、恐縮の限りですがいつもとても嬉しく思っています。
リクエストボックスを特にお応えする予定もなく設置してしますので、リクエストをいただいてお応えできるかどうかはわかりませんが、このようにご連絡いただけたのは本当にすごくうれしいです。ありがとうございます!
ゾロたしのお話がないんちぇさんにそんなにも気に入っていただけているとは思わず、ほっこりにっこりいたしました~
初めてのゾロたしでドキドキだったのですが、その後が知りたくなるようなお話になってたのか―と^^
リクエストいただいた内容みたいに、ちょっと切ない話も大好きです!あああそうね会えないよねバレンタインも何もない日常で少しゾロのことを思い出して悲しくなるたしぎちゃんかわいい・・・とメールを読んでほろりとしました。
いつか書いてみたいなあと心にメモメモ!
そしてすみません、メルフォに文字数制限があるみたいで、「今度は本命、サンナミのリクエスト・・・」のあとの文章が切れてしまいました!本当に申し訳ありません。
どうもメルフォは使い勝手が悪いなあ;;(もしかしたら撤去するかもしれません)
もしお暇があれば、またメッセージをいただけるととてもうれしいです。
今後もよろしくお願いいたします!ありがとうございました^^



2/13 明日のためのグリューワイン にコメントをくださった方

こんにちは、はじめまして!
サンナミをお読みくださってありがとうございます^^
素敵な文章、とおっしゃっていただけてとってもほくほくした気持ちになりました。
どこか響く文章があったのなら嬉しいなあ~と。
コメント、とてもうれしかったです。
よければまたお暇な時に遊びに来てください^^


1/1 manoさま

お返事が遅くなってたいっへん申し訳ありません!どうぞ今年もよろしくお願いいたします()
いつも、ツイッターでもお声掛けくださったりご感想をいただけて、本当に本当に嬉しく思っています。
もちろん今後も気が向いたときにご感想を教えていただけたら!迷惑なんてとんでもなく!
オリジナルに関心をお持ちいただけたのもうれしかった…
公開したりすることはないかと思いますが、manoさんがこっそり応援してくださってると思うと少しずつでも書きたいなあと思うのです^^
いつも本当にありがとうございます。そしてこれからもよろしくおねがいします!
11/9 見えない窓6 にコメントくださった方
こんにちは!
サンナミ、お読みくださってありがとうございます^^
好きだと言っていただけるサンナミでよかった~とほっこりいたしました。
ぜひまたあそびにきてください!
11/5 SandraDeeさま
あーっよかった、見えない窓のサンナミから、ライトポップなサンナミに突然シフトチェンジしてしまったので雰囲気ぶち壊してしまう気がしてしまいましたが、楽しんでいただけたようで安心しました;;
ふたりの個性がガンガン出ている初めての出会いが私も楽しくって、今後が楽しみだとおっしゃっていただけて嬉しかったです!
こちらこそ、お読みくださって、ご感想まで、本当にありがとうございます^^
10/13 ないんちぇさま
ぎゃーーーーんありがとうございます!
ど、どんなシーンだっけ!?と読み直しに行った書き手で本当にすみません……;
私もないんちぇさまの脳内のイメージ、のぞきたい!
10/10 ないんちぇさま

メルフォへのご感想、ありがとうございます!
わーサンナミ現パロの新しいお話も、読んでくださってありがとうございます~
少し前に完結しました、ないんちぇさんのお好きな感じのサンナミになっていたらいいなぁと思います^^
あっあっ食べ物がすきだと言っていただけるの、とてもうれしい!おいしそうな食べ物って、文字からでも伝わるから色々書きたいなぁと常々思っていて、ちゃんとそこを拾っていただけるのがすごく張り合いがあると言うか。私が書いてて楽しい部分でもあるので、伝わっていて嬉しいです^^
わかるー私も気付けば食べ物のことばかり書きそうになりますもん。

そしてなんと…ふるーいふるーいマルアンまでお読みくださっていたのはないんちぇさまだったのですね、お恥ずかしい…いや嬉しいのですが!
マルアンの話、少しずつでも読みやすいものに直していけたらと思っているのですがー;;
それなのに読み直してくださってるなんて、なんと…とてもうれしいです。
マルアンのドタバタしたお話も、また書きたいなぁと思っているのでそのときはぜひに!



10/2 manoさま

見えない窓、読んでくださってありがとうございます~
そんな長引かせる話ではない!と言うか長引くとつらいから!と思って先日完結しました。
お気に召していただけるサンナミになっていたなら嬉しいです^^
たしかに、サンジがハッとするほどまっすぐだ…根がやさしくってまじめなところがナミさん相手にぐいぐい出てるのがいいですよね~
んでナミさんも妙に律義で真面目で、だからこその膠着状態に陥ってるサンナミが私も好きなので、そこに目を止めていただけたのがうれしいです。
難しい感情だなぁというのはほんと、ほんと私も思うところで、上手にわかりやすく文章になっているだろうか……と常々しんぱいになります。
いつもいつもmanoさんのおやさしいご感想に救われてます;;
よきサンナミを今後も読んでいただけるようにがんばらねばー!と思うところです。
ご感想、本当にありがとうございます^^




9/26 ゆゆさま

こんにちは!pixivのほうでコメントをいただいた際には本当に飛び上がらんばかりに嬉しいお言葉をたくさんいただいてしまって恐縮だったのですが、サイトの方にまで遊びに来てくださって本当にありがとうございます!
お読みくださっているサンナミのシリーズ、よくよく思い返せば5年も前に書いたもので、それを今でもこうしておもしろーい!と読んでいただけるなんて幸せだなあと、ゆゆさまのコメントを拝読してじーんとした次第です。
やややや、プロだなんてとんでもない……ただの素人です。でもすごい嬉し恥ずかし。ありがとうございます。
私の書いたものがゆゆさんの心にヒットしたのなら、本当に嬉しく思います!
ぜひぜひ、まだ置いている話はサイトの方にたくさんありますので、お時間あるときにお読みいただけたら嬉しいです~^^
コメント、本当にありがとうございました!



9/18 manoさま

えへへ実はmanoさんなんじゃないかと気付いておりました~^^
でももしも違ったら失礼だし、とひよってあえて匿名様へのお返事とさせていただきました。
教えていただけてよかったです!
いつもありがとうございます^^


9/5 NAさま

わ、わ、レポお読みくださってありがとうございます!
ドフヴァイありがとうございますーー!やったーつかんだー!
そうやって読みたいの声を直接お聞きできるの、本当にうれしいです…!
形にしたいと思っているので、その時はぜひ遊びに来てくださいー!^^




9/5 2017ワンピサマー!プレショレポにコメントをくださった方

大急ぎで書いたレポをお読みくださってありがとうございます!
私も毎年プレショの情報がちらつき始めるたびにそわそわとしております…!
USJ行かれたことがないのですね、それはさぞ初めてのときは興奮されるだろうなぁと想像してむふむふしてしまう。
楽しいですよ~機会があればぜひ!とおすすめしたいです^^
あっあっドフヴァイうれしい、ありがとうございます!
私もこんなにもたぎるCPだなんて知りませんでした…同じくSBSのときからちょっとオヨッ?と思っていたものの、考えれば考えるほど熱いCPではありませんか…
慣れないキャラ達なのでなかなか難しいなぁと思いつつ、少しずつでもドフヴァイの話を形にできたらなぁと思っているので、その時はぜひ!





8/29 まることおふろ!にコメントをくださった方

マルアンをお読みくださってありがとうございます!
なんとも昔のお話で、は、恥ずかし///となりましたが、お気に召していただけてとてもしあわせ…
あんなどたばたなマルアンでも喜んでいただけるのだなぁとほっとしつつ、またマルアンを書きたい気持ちがむくむくと!
そのときはまた、お読みいただけたら嬉しいです^^




5/25 ないんちぇさま

お返事がたいっへん遅くなりまして申し訳ありません…!
もう返事を読みに来てはくださらないかも;;と思いつつお返事させてください。
おおあわてで書いた感想にさらなるご感想をありがとうございます…!
コンビニで涙をこらえて>>わ、わかる~~!
月曜朝から就業前に化粧をはげさせて、なんでそんなぼろぼろの顔なのかってワンピ読んだからですっていう日々でした…
サンジラバーの方々にはサンジイヤーに歓喜しつつ、つらい年が始まってしまったのだなあと思わずにはいられない。
世界観が好きだといっていただけて、光栄です!
ないんちぇさまの想像するサンナミもといワンピの世界に、私の文で少しでも萌えの補完ができていたらなぁと思います。
現状、いろいろかわってきましたね!(だってもう9月;
手と手を取り合って強く乗り越えましょうね~!





3/22 mano さま

こちらこそご無沙汰しております^^
わーサンナミストさんにゾロビンも目を通していただけるの、すごく嬉しいです!
あんなあらすじだけの、しかも書きかけのたたき台みたいなものに…!
リクエストいただいたことですしありがたく、いつか文章化してきちんとお話にしてみたいと思っているのでそのときはぜひ^^
あっシェアハウスも楽しみにしていただけるのほんとう嬉しいです、ありがとうございます…!
特に結末考えついてなくて()ノリで書きはじめたのに私も楽しい話になりそうなので、ぜひこれも続きは書く予定です。
こちらこそmanoさんにいつもいただくご感想やお言葉にデロデロ溶かされています。
Twitterのほうでも、またよろしくお願いします^^

3/18 青いベンチ さま

こんにちは、はじめまして!
当サイトのマルアンを読んでくださってありがとうございます!!
ほ、ほんとうに涙ちょちょぎれるくらい嬉しいです、マルアンのマイナーっぷりたるや!
さらにはありがたいお言葉をたくさん、恐縮ですがとても嬉しいです!
アンドロメダ〜を読んでくださったということは、Reverse〜も読んでくださったのでしょうか?
あの長い話をこんなにも楽しんでもらえるなんて、アーーー書いてよかった!!と心から思いました。
お話の構成が良くて、とのお言葉に、私自身ここちょっとおかしくなってないかな…?とビクビクしながら確認しつつ書き進めていたので、違和感なく受け入れてくださったことに安心しました。
マルアンのお話を近頃書くことがグンと少なくなってしまったので、このようなご感想いただくとムクムク書きたくなってきました!
こちらこそ、こちらこそこんなにもマルアン好きで楽しんでもらえる方に出会えてよかったです!
本当にありがとうございます、ぜひまた遊びにきてください!

2/18 konohaん

すっごいすっこい遅レスでごめんなさい!
おしんこ美味しかった??よかったー
今更ですがこちらこそ楽しすぎる時間をありがとうございました!!
今思うと一瞬すぎて現実だったのかわからなくなりそうですがそのわりには濃かったなと(笑)
あの夜のことはわすれねえ…!
私もこのはんに心の琴線をビンビンに弾かれて、ムラムラも止まりませんでした!
また近いうちにbb

12/18 さとんぺさま

う、こんな雑記もいいところな独り言に温かいお言葉をありがとうございます……!!
二次なんて楽しくやらないと意味ないですものね(*´-`)
私のペースで楽しんでやってこうとおもいます。
こんな僻地にまでお越しくださって本当にありがとうございますね、こっちでほそぼそサンナミ書いたり書かなかったり余計なこと言ったりしてるので、よければまた遊びに来てください(^^)



12/6 相澤萌さま

ぎにゃーー!(笑)
はわーご丁寧にこちらまでご感想伝えに来てくださってありがとうございます!
萌しゃんにお会いしてから、本物の萌さんが頭の中でぎにゃーと叫んでいる姿が目に浮かぶようになりました(笑)
や、ほんとあの雰囲気とエロス、萌さんのイラストにぜんぜん箸にも棒にもかからない有様で、ひとさまのイラストに近づこうとするのってすごい難しい楽しい……!!と感嘆するばかりでした!
こちらイラストの感想お伝えするタイミング失っていたのですが、ナミさんの流し目がセクシーで二人の密着度が一体どんな流れであの距離になったのか色々考えさせられてすごく妄想はかどりました!
なによりサンジがおたま持ってるそれだけであそこがキッチンで彼は料理の最中だっていう場所と設定がぽーんと完成してしまうのが素晴らしい!!!とひとりさけびました。
サンジの振り向きざま、というシーンもいいなあいいなあと思ったのですが、なんだかナミさんの服がキュートな寝巻きなようにも見えそうだったので夜のひと時でぐわーんと妄想させてもらいましたっ。
はーすごく楽しくて贅沢なお遊びだったので、よければぜひまた萌さんのイラストで書かせてもらいたいなあ……なんて欲もお伝えしつつ(笑)
こちらこそ本当にありがとうございましたーーっ!!



11/24 匿名さま

こんにちは!サンナミお読みくださって本当にありがとうございます!
そしてなにより誤字のご指摘……!ハワワありがとうございますすみませんーー!!
雰囲気ぶち壊しで本当申し訳ないです!あまつさえ優しく教えてくださって…
教えていただいてすぐに本文の方は直しましたが、お礼が遅くなって申し訳ありませんでした。
懲りずにどうぞ、今後も遊びに来ていただけたらうれしいです…///

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リバリバ13 更新しました。

もぉぉおおおおアンちゃんの気持ちを思うとマルココノヤロォォオ!!
中途半端なことしやがって!
大人であることを傘にして!
(書いたの私だった)


サボも近頃もやもやしているようだし、なんかいろんな人の思いが錯綜してきて、私がわけわかんなくならないようにしなければ。
しかしもっとこんがらがればいい。

とりあえずサッチのお茶目でちょいかっこいいところがお目見えできたので、私は満足です。
アンちゃんとルフィがふたりでぶらぶら歩いてるのもかんわいいいいくてすきです。
ほんとに姉弟にしか見えないよ…



さてどうでもいいですが私は長かった実家生活を終えて我が家に戻ってきました。
「ダンディーバスソルトマルコ」や「黒まるこ」の包装紙が机の上に置いてあり、棚の中からひっそりとオヤジフィギュアとマルサチエーのキューピーたちが並んでいるのを見て心穏やかになりました。


来月のイゾウさんの誕生日に向けて私はつくるんです。
彼を、キューピーで。
なにが難しいって、髪型だよね。
あれどうなってんの……

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 麦わら一味では基本オールキャラかつサンナミ贔屓。
白ひげ一家を愛して12416中心に。
さらにはエース女体化でポートガス・D・アンとマルコの攻防物語。



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一声いただければ喜んで遊びに行きます。

足りん
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